NightOwlがZeppツアーファイナルでみせた最高到達点、眩い光で最後で最高の舞台への道を照らす
-
ポスト -
シェア - 送る
NightOwl
NightOwl『宵ノ光芒TOUR FINAL「燈梟」』 2025.06.05(thu)Zepp Shinjuku
「もうすぐ解散しちゃう私たちですけど、最後の瞬間までみんなと最高到達点を目指し続けていきたいと思います!」
NightOwlがZepp Shinjukuにて、全国16箇所を回る全国単独公演ツアー『宵ノ光芒』のファイナル公演『燈梟』を開催した。ツアー真っ最中の3月28日に、7月28日(月)なんばHatchでのワンマンをもって解散することを発表。ツアーファイナルであることに加えて、東京は最後のワンマンとなったこの日。この夜に懸ける4人の想いがビシバシと伝わってきた上、ツアーの成果も存分に発揮。序盤のMCで折原伊桜が宣言した通り、この夜も現段階での最高到達点と言えるライブとなった。
NightOwl
NightOwl
開演時間となり、ステージの巨大LEDビジョンにオリエンタルな世界観が描かれた豪華OP映像が映し出され、仄暗いステージにメンバー4人が登場。大きな期待とヒリヒリした緊張が渦巻く中で幕を開けたこの夜の宴。OPナンバーはワンマン前日にリリースされたばかりで、ライブ初披露となる最新曲「夜梟」。和テイストのクールなダンスチューンがフロアの熱をじわじわ上げると、4人が曲中にふと見せる楽しげな笑顔が緊張感を和らげ、けたたましく鳴る和太鼓が祭りの始まりを告げる。
NightOwl
NightOwl
続いて、「今日はあなたと私たちで最高の夜を目指して行きましょう」と始まった「宵々夜」で艶やかに魅了すると、「Flight in the Storm」のアグレッシブなバンドサウンドに映える、パワフルな歌とダンスでフロアをアゲる。「After the Rain」と続き、映像も効果的に使用した完成度の高いエンターテイメントで魅せた序盤戦。堂々とした歌声やキレのあるダンスからは気合いや意気込み、モチベーションの高さがビシバシ伝わってきたし。Zepp Shinjukuの広いステージが、こんなに似合うグループになったことが嬉しい。
雨夜憧
長谷川嘉那
2019年8月23日、折原伊桜、百城凛音、雨夜憧の3人で活動開始。翌2020年には初ワンマンを行い、さぁここからというところでコロナが襲来。同年12月に新メンバーとして長谷川嘉那と望月さくらを迎えるも、翌2021年10月に望月が脱退。その後も4人での新体制が形になってきた頃“解散”の選択肢が出たり、雨夜が持病の手術で休養に入ったりと、決して順風満帆ではなかったNightOwlの活動。ただ、僕はどんな状況下でも決して諦めずに泥臭く頑張る、NightOwlの根性や人間味に惚れてたところもあるし。彼女らのそんな姿勢に「俺も頑張ろう」と勇気づけられ、励まされてきた。
折原伊桜
百城凛音
次々と襲う困難にもがき苦しみながら、素晴らしい楽曲を届け続けて、ライブを重ねて歌やダンスに磨きをかけて。彼女らを支えるファンとともに築き上げてきたNightOwlの歴史。そんな歴史があったからこそ、「ヨルウタゲ」、「Be the one」とみんなで歌い踊り叫ぶ曲が続き、全員がかりで最高の夜を作り上げていく光景は感動的でさえあった。遠回りもしたけど、彼女らのここまでの道のりはなにひとつ間違っていなかったことの証明だ。
NightOwl
NightOwl
「グッドバイバイ」、「グッドナイト」とアップテンポでちょっぴり切ない夜に似合う曲が続くと、「ここからさらに深い夜があなたをお連れします」と折原が告げ、「夜想歌」へ。楽曲をドラマチックに彩るバンドサウンドと、豊かな表現力で魅せる歌とダンスで楽曲世界を鮮明に描いたこの日の「夜想歌」はひとつの完成形といえるほどのクオリティの高さだった。頭の中では、あの日やこの日のライブの風景や思い出が回る回る。
NightOwl
NightOwl
クールにするりと夜をすり抜けるような「melt blue」が空気を変えると、「みなさん、楽しんでますか!?」とMCへ。今回で2度目となるバンドセットや、初めてとなる映像を使った演出について説明すると、「最後の衣装なので、それぞれの希望の形にしてもらったら、めっちゃバラバラなんです」と衣装について説明し、「これ、同じグループ?」と折原が笑う。続いて、「ここからはアイドルタイムに突入します!」という百城の宣言から、「アイドルタイムをスタートするため、みんなをメロメロにするひと言をお願いします!」と無茶振り。「みなさ~ん! よそ見してたら、帰っちゃうからね☆」とぶりっ子する雨夜への微妙な反応にメンバーが苦笑する中、「渡羽」で始まるアイドルタイムへ。
雨夜憧
百城凛音
見る者を元気にする明るさとキュートさが魅力だった百城は、時にメンバーを牽引するたくましさや大人びた表情を見せて。利発で凛としたしっかり者のイメージだった雨夜は、金髪にアイドル全開の衣装で新たな魅力を開花させて。末っ子の長谷川はダンスリーダーとして、自信と誇りに溢れた華麗なダンスで魅了。絶対的エースの折原はもはや貫禄さえ感じる圧倒的歌唱力とにじみ出る妖艶さで、強烈な存在感を放つ。
長谷川嘉那
折原伊桜
「夜明け前」、「Precious Time」と続き、NightOwlがただ可愛いだけ、上手いだけのグループじゃなくて。全く異なる個性を持つ4人が絶妙な均衡を保ち続けてきたことに意義や価値があるし。そんな4人がいろんな角度から多面的な魅力を魅せるグループだからこそ、広い層に支持されてきたんだろうと再確認。そして、そんな個々の成長がグループの成長に繋がり、NightOwlが進化していく過程をファンは嬉しく見守っていたのだろう。
NightOwl
NightOwl
ファン同様、2020年から見続けてきた僕も「みんな大きくなったねぇ」なんて親心に近い気持ちで嬉しくステージを見ていると、「今日までずっと、私たちを独りにしないでくれて、本っ当にありがとう!」と長谷川が感謝を告げて、「ロンリー・ナイトパレード」へ。「独りにしないでくれてありがとう」の言葉に、「それはこっちのセリフだよ!」とみんな心の中で思っていたはず。
NightOwl
NightOwl
「私たちはもう少しでNightOwlとしての活動を終えます。その最後のツアーに「宵ノ光芒」と題して、全国15箇所を回って来ました。“暗い中での光”がテーマだった今回のツアーですが。改めて、私たちにとっての光ってなんだろう?と考えた時、真っ先に浮かんだのが応援してくれてる人の顔でした。これまでのアイドル人生で闇に包まれた時、光を照らしてくれたのがあなたでした」
「ロンリー・ナイトパレード」を歌い終えると、最後のツアーが終わりを迎えようとしている、いま思うことを真摯に伝えた折原。
NightOwl
「だからどうか、忘れないで。あなたは誰かを救って、明るく照らしてあげられる光を持ってるってこと。NightOwlがおらんくなった後も、大切な誰かを救ってあげられる。そんな特別な光を一人ひとりが持ってるんだよってことを忘れないで。あなたの光の明るさ、暖かさを私たちが一番良く知ってます」
あなたが夜の闇に包まれた時、寄り添ってあげられる存在でいたい。そんな想いで活動してきたNightOwlは、自らが闇に包まれた時にあなたという存在が光を照らしてくれてることに気付く。互いに支え合い、互いに光になっていた彼女らとあなた。そんなことを改めて言葉にした折原は、「まだ終わりじゃないけど、いままで支えてくれて本当に本当にありがとうございました」とファンに最大級の感謝を告げ、深々とお辞儀をした。
NightOwl
NightOwl
いよいよライブも終盤戦。このツアーでも大切に歌い繋いできた「Shining Ray」のシンガロングや「Feel Alive」の掛け声やコールでファンが眩い光を放つと、その気持ちに応えるように「incubate」、「Daybreak」を力強く丁寧に紡ぎあげていく4人。そして、この日のクライマックスと言えるのが「All Night Long」。いま伝えたいことや届けたい想いがギュッと凝縮されたこの曲を、一人ひとりに向けてたっぷり気持ちを込めて歌い上げた4人。“I need my sunshine”や“You are not alone”といったMCにも通ずる言葉が胸に刺さり、<旅立ちを告げる音が広がっていくよ>のフレーズに涙が溢れた。これまで何度も聴いてきた曲だが、この日、この曲の持つ力や真意がやっと理解出来た気がした。
NightOwl
本編ラストは夜明けを歌った「黎明」。キラキラとまぶしい希望に包まれながら、<この歌が届きますように>と願うように歌ったこの曲が夜明けを告げ、本編が幕を閉じる。「私たち、NightOwlで本当に本当に良かったです。幸せです!」と告げる折原の笑顔が印象的だったアンコールは、「Living my day」、「Answer」を披露し、明るくフィニッシュ。
映像やバンドセットといったZepp Shinjukuならではの演出や、新旧織り交ぜたワンマンならではの選曲。深い夜の闇を越えて明るい夜明けを迎える全編通しての物語性や、いま彼女らが伝えたいことがしっかり届いたメッセージ性。そして、ここまでの活動やツアーの成果を存分に発揮した、4人の高い表現力や魅せるパフォーマンス。自身最大規模のツアーファイナルに相応しい、現時点での最高到達点といえる素晴らしいライブだった。
NightOwl
6~7月と数本のライブイベント出演を経て、7月28日(月)なんばHatchでのワンマンをもって活動終了するNightOwl。このまま夜が明けないで欲しいという気持ちも正直あるが。この日のワンマンも超える最高到達点にたどり着くため、最後の瞬間まであなたに眩い光を放ち続けてくれるであろう、彼女らの勇姿をしっかり見届けて欲しい。
取材・文=フジジュン 撮影=松本いづみ
NightOwl
NightOwl
ライブ情報
7月28日(月)なんばHatch
OPEN 17:00 / START 18:00
抽選:6月13日(金)19:00〜6月22日(日)23:59
先着:6月28日(土)12:00〜