新体制の神戸セラボが芝居とライブで示した無限の可能性、Boys☆TRY-OUT『俺の煙幕を越えていけ』
-
ポスト -
シェア - 送る
神戸セーラーボーイズ 撮影=福家信哉
Boys☆TRY-OUT『俺の煙幕を越えていけ』 2026.6.13(SAT)〜6.14(SUN)@神戸三宮シアター・エートー
6月13日(土)・14日(日)の2日間、神戸三宮 シアター・エートーにて上演される神戸セーラーボーイズ Boys☆TRY-OUT『俺の煙幕を越えていけ』が開幕した。
本公演は、関西発の演劇ユニット・神戸セーラーボーイズ(以下、神戸セラボ)のメンバーがさらなる成長を目指し課題に挑む、2部構成のステージ。この春からの新しいメンバー編成では、初の公演となる。
第1部は細見奏仁、田中幸真、髙山晴澄、大熊蒼空からなる「Act team」が、書き下ろしの青春コメディに挑戦。第2部は南條斗希、日陽龍之介、山本歩夢、候補生の荒木碧、新良貴優士からなる「Performance team」が、フレッシュで躍動感たっぷりのライブを披露する。
制作を担うのは、脚本が本多真理(演劇事業playful/舞夢プロ)、演出が上田一軒、音楽が大石憲一郎、振付が後藤健流、古謝那伊留という強力布陣。開幕に先駆けて行われたゲネプロの模様をお届けする。
バスケ部から戦国へ――タイムスリップで交差する青春と生死のドラマ
まずは、Act teamによる演劇『俺の煙幕を越えていけ』。細見にとっては初の主演作品だ。「コメディ」ときけば、底抜けに明るい物語をイメージするが、本作品はもちろん笑えるところもありながら、生死や人生に触れるシーンも出てくるタイムスリップヒューマンドラマだった。
忍
舞台は高校バスケ部。細見演じる忍は、バスケを辞める決心をしていた。「もうバスケ好きちゃうねん」という忍の言い分に納得できない蓮(田中)とバスケ部キャプテンの高木(髙山)は忍を引き止め、試合に出てほしいと説得しようとする。しかし頑として譲らない忍。忍は幼馴染の大地(大熊)に胸の内を明かすが、陽気で楽観的な大地に苛立ち、「お前にバスケのなにがわかるねん!」と叫んでしまう。
そこへ突如雷が落ち、忍は戦国時代へタイムスリップ。目を覚ました忍は、忍びの里の忍者であるツバメ(田中)、ヨロイ(髙山)、ケムリ(大熊)に出会う。突然の出来事に戸惑いながらも、一緒に修行をしたりお互いの世界のことを話したり、バスケを通して仲良くなっていく4人。徐々にコメディ要素も表れはじめる。
忍、ケムリ
等身大のコメディとシリアスの切り替えがピカイチの髙山、きりりとした立ち姿でハキハキとセリフを放つ頼もしい田中、持ち前の人懐っこいキャラと纏う空気を活かし、小気味良いテンポ感で会話の道筋を作っていく細見。事前インタビューで「自分の素に近い役柄であることから、逆に演じるバランスが難しい」と話していた大熊は、ワントーン高めの声で明るく元気なケムリを好演した。
ヨロイ、ツバメ
喜怒哀楽をありありと見せる4人の演技が、それぞれが積み重ねた経験値と実力によって、ぐんぐん観客を物語へ引き込んでいく。また、小劇場のステージで繰り出される大迫力の殺陣も見ものだ。
物語の後半は、心震える場面が多かった。仁・義・忠・信といった心構え、格言のようなセリフの数々を、儚い10代の青春を送る彼らが口にすることで、観る者の心に真っ直ぐに届いてくる。与えられた命をどう使うのか、失うことを恐れて何もしないのか。確固たる決意をもって、運命に身を投じていくツバメ、ヨロイ、ケムリ。そんな3人との交流を通して、自身の生き方を決める忍。
4人のやり取りを見守る我々は、「煙幕」が一体何を指すのか、終盤でようやく理解する。きっと、彼らの生き方を自分自身に重ね合わせて受け止める観客も多いだろう。ラストシーン、迷いなき瞳で一歩を踏み出す忍と仲間たちの姿はとても眩しく輝いていた。
忍者ダンスから新曲「あじさい」、9人のフィナーレへ
続けて拍子木の音が鳴り響き、Performance teamによるライブがスタート。今年加入した南條、昨年加入した日陽と山本、正メンバーを目指す候補生の荒木、新良貴というフレッシュな顔ぶれで、忍者風の衣裳でダンスナンバー「紅月-akatsuki-」を軽やかに舞っていく。過去の公演のライブパートでもメンバーのクールな一面を引き出してきたこの楽曲。5人は次々にフォーメーションを変え、第1部の雰囲気を受け継いだ忍者の動きが盛り込まれた振付をバッチリとキメていた。音源に合わせた演出や、日陽と南條の立体的な動きなどからは、かなりの練習を重ねたであろうことがよくわかる。
素早くいつものセーラー服にチェンジすると、神戸セラボメドレーを披露。「ハニーレモンかき氷」「いらんことしい」「スイートビター シュークリーム」をのびのびと歌う。荒木と新良貴の候補生2人もしっかり前に出て、初々しさ満載で懸命にパフォーマンス。ソロパートやシンメトリーを生かした振付、5人だからこそのフォーメーションを息つく間もなく披露した。Performance teamのリーダーをつとめる山本の勢い、副リーダー・日陽の美声からはさらなる成長を、そして南條の抜群の存在感からは高いポテンシャルが感じられた。
MCタイムでは、山本の仕切りのもとで加入したてのメンバーの素顔が明かされ、個性がむき出しに。インタビューで南條が話してくれた、南條と新良貴のわちゃわちゃの関係性も垣間見えた。
細見が作曲、田中が作詞を担当した新曲「あじさい」は爽やかなポップチューン。どこか歌謡テイストのあるメロディーラインが秀逸で、大衆性を感じさせる。仲間の存在と絆を描く田中の歌詞は、いつも思いやりに満ちている。手のひらで花の形を作り、くるくると顔の周りを彩る振付は、「ボクラカラー」に続くお客さんと一緒に踊れる振りとして定着していくだろう。
最後は「シナリオ」。1番はPerformance teamの5人で歌い踊り、2番ではAct teamがジョイン、山本と5人でパワフルにエネルギーを前に放つ。そしてクライマックス、9人全員で堂々たるフィニッシュ! 「これが今の神戸セラボです!」と言わんばかりの清々しさ。実に頼もしいと同時に、メンバーの表情からはそれぞれの想いがあふれており、自分たちの未来への期待と覚悟が感じられた。
さまざまな感情を乗せて歩みを進める神戸セラボだが、早くも次回公演が決定! 8月20〜30日に扇町ミュージアムキューブで 神戸セーラーボーイズ定期公演vol.7『スウィングエモーション!』が上演されることが、ステージ上で発表された。彼らの「今」の青春を、ぜひその目で見届けてほしい。
取材・文=久保田瑛理 撮影=福家信哉
公演情報
【日程・会場】2026年6月13日(土)~6月14日(日)神戸三宮シアター・エートー
【脚本】本多真理(演劇事業playful/舞夢プロ)
【演出】上田一軒
【音楽】大石憲一郎
【ライブパート振付】後藤健流・古謝那伊留
【出演】
<Act team>
忍(しのぶ):細見奏仁
蓮(れん)/ツバメ:田中幸真
高木(たかぎ)/ヨロイ:髙山晴澄
大地(だいち)/ケムリ:大熊蒼空
<Performance team>
南條斗希
日陽龍之介
山本歩夢
荒木 碧(候補生)
新良貴優士(候補生)
【
https://eplus.jp/kobesailorboys-official/
【主催】神戸セーラーボーイズ製作委員会
【公演に関するお問い合わせ】ネルケプランニング https://www.nelke.co.jp/contact/
【
TEL : 050-3185-6683(10:00~18:00 オペレーター対応)
【公演公式サイト】https://kobesailorboys.com/stage/BT2026
【ハッシュタグ】#俺の煙幕を越えていけ #神戸セラボ #神戸セーラーボーイズ