【韓国・ソウルから現地リポート】「2025第五回 K-Musical Market」開催~アジアから世界のミュージカル界へ/韓国オリジナルミュージカルの現在を知る(前編)
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世界中からの招聘ゲストが参加した「2025 第五回 K-Musical Market」開幕フォーラム。 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
2025年6月2日から6日にかけて、韓国・ソウルで 2025 第五回 K-Musical Market が開催された。2021年から始まったこのマーケットは、韓国・文化観光体育庁所属の組織である芸術経営支援センターが主催し、100%韓国政府の支援の下行われている。2021年のスタートの際は、世界的に見ても韓国ミュージカル(K-Musical)の知名度は今と比べまだまだ低く、参加団体や海外からのゲストの数も少なかったが、毎年成長をし続け、5回目を迎えた今回のイベントには、米国、英国、カナダ、日本、中国、台湾など海外9カ国からの海外ミュージカル関係者・バイヤー約140人(前年45人比208.9%増)が参加した。ミュージカル関連のビジネス・ミーティングが332回(前年285回比16.5%増加)行われ、ショーケース、コンペティション、カンファレンス、フォーラム、特別講義など多彩なプログラムに韓国内外から計3,387人(前年2,542人比33.2%増加)が参加した。
今年度のK-Musical Marketのポスター。色違いで4種類が準備された。
筆者はこのマーケットに2023年の第三回から参加しているが、当時まだコロナの真っ最中であったため、PCR検査を経ての海外ゲストの入国、マスクをしてのプログラム参加等、劇場の空席等の苦労の時を知っている。それゆえ、今年の爆発的な成長には目を見張った。
成長の要因は様々な事が考えられるが、何といっても今年は、韓国オリジナル・ミュージカルのグローバル市場への進出が大きな理由になっている。昨年(2024年)、日本でも公演された『マリー・キュリー』が英国・ウエストエンドに進出し、今年は米国・ブロードウェイで『メイビー・ハッピーエンディング』(以下『メイビー~』)が開幕、トニー賞の主要6部門を獲得するという韓国の公演界史上歴史的な快挙を成し遂げた。
クリエーターのヒュー&ウィルの作風である”ロマンティックな中の切なさ”が思う存分活かされている、『メイビー~』の世界(韓国)初演ポスター。 チョン・ミド、チョン・ムンソンという今やドラマ『賢い医師生活』でも大人気の二人だけでなく、名だたる大学路のスター達が集結した初演は開幕するや否や大成功となった。今年下半期には10周年記念公公演が韓国・ソウルで行われる。(画像提供:ClipService)
今年のマーケットはトニー賞授賞式(6月9日)の前に行われたため、お祭り騒ぎとまではいかなかったが、その時すでにトニー賞に10部門でのノミネートが発表されていたため、韓国の公演関係者達は「まさか、ト・・トニー賞、取れるかな」くらい謙遜しつつも、終始お祝いムードの中、マーケット期間中あらゆる場所で、この『メイビ~』の快挙が話題となった。『マリー・キュリー』と『メイビー~』という強力な二作品の欧米進出により、必然と韓国オリジナル・ミュージカルへの注目が韓国内外で高まっており、また日本や中国、台湾等のアジア圏ではすでに数年ほど前から韓国オリジナル・ミュージカルのライセンス公演が飛躍的に増えている背景があるため、実際に何らかの形で韓国発のミュージカルに触れたことがある世界中のミュージカル関係者の割合は年々増えていっている。
2024年夏にイギリスに進出した『マリー・キュリー』。今年は、オク・チュヒョンやキム・ソヒャンといったスター女優たちによる韓国オリジナル版が7月25日より狎鴎亭にあるBBCHホールにて上演される。 ( 写真提供:LIVE)
韓国政府は現在、韓国映画(K-MOVIE)、K-POPを経て、次の時代の文化産業として韓国ミュージカル(K-MUSICAL)を見据えており、韓国オリジナル・ミュージカル作品の制作や作家・作曲家、そしてプロデューサー達に代表されるクリエイター達への支援を積極的に行っている。今回のK-Musical Marketの主催者である韓国・芸術経営センターは特に、「韓国から海外へ」の流通システムの構築及び機会の提供を行なっており、毎年潤沢な予算をかけて、今回のマーケットはもちろん、マーケットのコンペで選抜された作品、クリエーター達の欧米やアジア圏でのショーケース支援、韓国内のプロデューサー達を毎年20名ほど米国・ブロードウェイ、英国・ウエストエンドへ約2週間の研修に派遣し、現地制作会社とのネットワーク作りや教育にも力を入れていたりと、作品だけでなく、次世代のミュージカル界を担う人材への投資も行っているのが特徴だ。その他にも、韓国では全ての公演界の興行データがオンライン上で公開されているため(KOPISシステム)、その興行データの分析を共有したり、韓国内の制作会社が海外へ作品をライセンス販売をする際の契約のやり方や海外向け契約書のテンプレートを冊子にしてまとめたりと、細かいところまでの支援を丁寧に実現している。
K-Musical Market開催中は、同イベントのフラグや看板がテハンノ(大学路)の其処彼処に掲出されていた。 (撮影:SPICE編集部)
毎年少しの変更はあるものの、K-Musical Marketのカテゴリーは大きく分けて4つあり、ミュージカル版の釜山国際映画祭のように、アジアで最大級のミュージカルの国際見本市である。それでは、各カテゴリーを紹介していこう。
【1】開幕フォーラム/カンファレンス/特別講義(教育)
韓国のオフ・ブロードウェイである大学路(テハンノ)を代表する制作会社、プロデューサーだけでなく、海外から招聘されたゲスト達が自国のミュージカル市場や事例を発表したり、参加者たちからの質問に率直に答えながら、発表者同士の交流も図るカンファレンス。特別講義は、主に欧米圏から招かれた講演者が、英国・ウエストエンド、米国・ブロードウェイの市場や現在の状況を共有したり、アジア圏の作品の欧米進出に関して具体的なアドバイスをレクチャー。Q&Aコーナーでは、欧米進出を夢見る韓国内のプロデューサーからの率直な質問が飛ぶ。
全てのレクチャー、フォーラム、講義、ピッチングは同時通訳(韓国語/英語/日本語/中国語)で対応。国際会議のように、聴衆はイヤホンをつけて参加する。 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
【2】ピッチング(作品及びクリエーターのコンペティション)
マーケットの期間中、最も耳にするのが[ピッチング]という単語。ビジネス用語で“短い時間で、簡潔に内容や製品の魅力を伝える”という意味で、投資家に対して事業計画を伝える時などに使われる。ミュージカルを‘ビジネス’と捉えている韓国の姿勢がよく出ているカテゴリーで、マーケット内では未だ商業ベースで発表されていない作品をクリエーター達が発表する[未完成作品ピッチング]と、すでに韓国市場で何らかの形で上演された作品を対象とした[完成作品ピッチング]に分けられる。
今年度は史上稀にみる豊作で、[未完成作品ピッチング]には12作品のクリエーターが、[完成作品ピッチング]にはすでに大学路で公演され、大成功を収めた作品を含む10本の作品が候補に挙がった。この中から韓国内と海外から選ばれた審査委員たちが審査し、優秀作品が選ばれ、結果発表から半年以内に行われる海外でのショーケースに韓国政府の全額支援で駒を進める。その年ごとに、ショーケースの国は異なるが、主にアジア圏内で開かれ、韓国人俳優が韓国語でのハイライト公演を行う。これまで中国・上海、北京、台湾、日本(2023年に加藤和樹氏とキム・テイ氏がMCを務めたK-Musical ROADSHOW)で行われてきたが、今年度は、日韓国交成立正常化60周年というアニバーサリー・イヤーでもあるため、未完成作品(クリエーター)・完成作品の選抜チームのためのショーケース共々、再び日本・東京での開催が予定されている。
また、今年度から新設されたのが[グローバル・ピッチング]。これまでは韓国で作られたオリジナル・ミュージカルを主に韓国内外の関係者に紹介するばかりだったが、“国際的なミュージカルマーケット”の役割を果たすべきだとの声に基づき、海外で制作されたオリジナル・ミュージカルも紹介されることとなった。その記念すべき第一回目の国家に選ばれたのが、世界第三位及びアジア最大のミュージカル市場を持ち、公演界の歴史も古い日本。東宝・劇団四季・ホリプロ・劇団TipTap、ミュージカルカンパニー イッツフォーリーズといった様々な規模の、日本の公演界を代表する錚々たる制作会社が自社のオリジナルミュージカル作品を世界の関係者へ紹介した。
今年度より全てのピッチングで、ナンバーの披露が義務付けられ、ここでも大学路を代表するスター達が多数登壇した。 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
【3】ショーケース(ハイライト作品鑑賞)
すでに韓国内で一定数以上の規模、公演期間で上演された作品を対象として、書類及び面接審査の後にK-Musical Market用に8作品が[ショーケース]上演作品に選ばれる。各作品は、マーケット期間中までに作品を40分のハイライト・バージョンに圧縮し、稽古に入る(稽古費用の支援も韓国政府から出る)。マーケットでは4日間かけて毎日2作品ずつ発表され、関係者だけでなく、一般の観客も見ることができる(オンラインから予約し、入場料1万ウォン:約1000円)。大学路で大ヒットした作品が毎年候補に挙がり、各制作会社の威信をかけたキャスティングが有名で、昨年度マーケット内の候補に選ばれた『西便制―風の丘を越えて』は、韓国を代表するミュージカル女優であるチャ・ジヨンがいきなり参戦したり、日本でも公演されたことが記憶に新しい『ファンレター』がハイライト公演であるにも関わらず、初演の伝説的なキャストをぶち込んできたりと、韓国の人気ミュージカル俳優を一気に見れる素晴らしい時間となっている。
マーケットの登録は事前のオンライン登録で行われる。韓国内の参加者には参加料が発生するが、海外から参加される関係者は基本的に無料で参加できる。 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
今年の8本もその例にもれず、韓国版『アイーダ』の主演だったユン・コンジュや『スリル・ミー』でもお馴染みのチェ・ジェウン、そして代表的なイケメン・ミュージカル俳優のユン・ソホ等がマーケットの舞台に立った。事前のキャスト発表がないため、ショーケースの幕が開いてからスターの存在を認識するために、「うわっ、このスターが来たっっ!」と、まるで福袋を開けるような楽しさにも満ちているショーケースだ。8作品の中から毎年優秀作品が3-4本選出され、こちらも選出後半年以内に欧米圏で開催されるショーケースへ向かう。
このショーケースは、韓国人俳優が韓国語で行なうものではなく、欧米の関係者向けに現地の演出家と俳優を使い、英語で発表される。昨年は英国・ウエストエンドで開催され、今年は米国・ブロードウェイへのショーケースが予定されている。会場費はもちろんのこと、現地までの費用、英語への翻訳料、現地クリエーター/スタッフのギャランティ等の一切も韓国政府が負担する。欧米への進出は現地プロデューサーとのネットワークが最も重要なものとなるため、まずはその足掛かりとなるきっかけを支援するのが、この欧米ショーケースの目的なのである。
Showcaseより 今年度の候補作であった、『伝説のリトル・バスケットボール団』、『イソップ物語』、『ポパイ』、『ドリアン・グレイ』 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
【4】『1:1ビジネス・ミーティング』(国際的なネットワーク作り)
韓国政府の本気度が感じられるのがこのプログラム。口先だけの支援ではなく、各国から来韓する海外の招聘ゲストやバイヤー達とその土地への進出やネットワーク作りを目指す韓国の制作会社やクリエーターが1対1で交流できる時間。個人ではなかなか出会えないような海外の大物プロデューサーに作品を売り込んだりすることも可能で、自分が面会を希望する海外のプロデューサーや制作会社のバイヤーたちとのアポイントをオンラインで希望を出し、予約する。一枠30分という短い時間ながらも、名刺交換や作品説明を通し、双方のコミュニケーションの場が提供される。特に韓国の若いクリエーター達が、英語や日本語での資料を用意し、このビジネス・ミーティングに向かって行く姿がこのミーティングを通してよく目撃され、制作への情熱やハングリー精神、外へ外へと向かって行く力強さを感じることができる。
1:1のかなり近い距離でのコミュニケーションが図れるビジネス・ミーティングの機会。 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
■開幕フォーラム
開幕フォーラムより ショーン・パトリック・フラハヴン氏(US)、エリカ・リン・シュウォルツ氏(US)、横山大輔氏(JP)、チャ・シェニン(CHINA) (撮影:SPICE編集部)
過去最高の参加者を記録した今年の開幕フォーラムでは、日本、韓国、米国、英国、中国の代表者がまずは祝辞を披露。韓国は文化体育観光庁トップの長官が会場に駆けつけ、国が中心となってミュージカル産業をサポートする姿を見せた。欧米の国家からは、『メイビー~』が欧米市場へ成功裏に進出でき、トニー賞ノミネートまで至ったことへのお祝いや、毎年続いているK-Musical Marketが欧米の関係者達からも注目されていることが言及された。
アジアの国でも特に印象的だったのが、日本チームの祝辞。韓国オリジナル・ミュージカルが毎年日本市場に紹介されていること、日本の公演界でも良質な日本オリジナル作品が次々と発表され、今回のマーケットでは様々な国の関係者へ紹介できることとその機会を提供したマーケット運営局への感謝、そして今年は日韓国交正常化60周年の記念すべき年でもあるので、日本と韓国のミュージカル界の交流を通して、双方の良いところを学び、一致団結しましょうという、K-Musical Marketが今年のフォーラムのテーマとして掲げた《ワン・アジア》(アジア各国の公演界が交流・結束し、将来的にグローバル市場への作品進出)を地でいくかのような素敵なメッセージで、会場中の拍手をさらっていた。
それに続き発表されたのは、データを元にした各国のミュージカル市場の現在(いま)。韓国では前述の通り、全ての公演予約データがオンラインで公開されているため、その市場規模及び昨年の興行収入トップ10の中で、『オペラ座の怪人』や『キンキー・ブーツ』等の強力な海外ライセンス作品がひしめく中、『フランケンシュタイン』10周年記念公演等の韓国オリジナル作品も大成功しトップに食い込んでいること、また、現在500億円に肉薄する韓国内のミュージカル市場規模の細かな分析と、昨年から今年にかけていわゆるYouTubeやインスタグラム等でミームとなった韓国ミュージカル俳優チェ・ジェリムによる『シカゴ』ビリー・フリンの驚異的な腹話術演技(「We Both Reached For the Gun」)等の例などを挙げ、Z世代の客層が増加した背景も発表された。
それに続いたのが、日本のイープラス。昨年、韓国の
開幕フォーラムより 質疑応答 (撮影:SPICE編集部)
■レクチャー、カンファレンス、フォーラム
開幕フォーラム後は、本格的なレクチャーと講演がスタート。特に、英国からの演劇・ミュージカル報道媒体である「THE STAGE」の編集長であるアリステア・スミス氏による最新ウエストエンド情報(6月2日[Special Lecture])と、ナショナル・シアターの制作・開発の責任者であるハリエット・マッキー氏による、一つの作品を制作していく課程やナショナル・シアターの事業内容(6月5日[Musical Conference])を‘中の人’から聞けるという大変貴重な時間は参加者達からも大きく評価されており、各国を代表するような公演機関からのゲストの招聘への投資と人脈作りを韓国政府が行っている凄さを感じることができた。
英国『THE STAGE』編集長、アリステア・スミス氏の講演の様子。同氏はもちろん、ビジネス・ミーティングへも参加した。 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
最終日の前日に行われた[アジア・フォーラム]では、前述の通り《ワン・アジア》をテーマに、韓国・日本・中国からそれぞれ2名ずつのプロデューサーが登壇。韓国組は、自らが制作したオリジナル作品をどのように海外へ進出させたのか、そして現地の観客の反応などをレポートし、中国はマルチプレックスの映画館のように、一つのビルに数十を超える複数のミュージカル劇場が入居するハードウェアの増加、そしてそれに伴い、コンテンツのソフトウェアと観客層が急成長している自国のミュージカル・シーンの事例を共有。そして日本からは、昨年までは日韓の間でミュージカル作品のライセンスを買って/売る販売交流(日本→韓国:『4月は君の嘘』、『デスノート』等、韓国→日本:『ファンレター』、『ナビレラ』、『ワイルド・グレイ』等)から、今年はより一歩踏み込んだ、日・米・韓等の多国籍なクリエーター達が日本の制作会社の下に集まり、日本オリジナルミュージカル作品を制作、グローバル進出をも視野に入れていく《ワン・アジア》的ビジョンの成功例が発表された。
日韓のクリエーター達が集まり、日本人キャストで上演された『ミセン』や、日韓だけでなく、米国からの才能も集まって制作された『梨泰院クラス』に関する話は、韓国のIPを使用したものだけに、韓国の制作会社やプロデューサーからの反応が熱かった。そのため、フォーラム後半部分の登壇者が一同に連ねたQ&Aセッションでは、質問が途切れることがなく、言語が異なるクリエーターが集まった時のコミュニケーションの難しさの課題や、韓国のIPをローカライズするための要素など、活発な議論が交わされた。今回の[アジア・フォーラム]の充実度は、すでに《ワン・アジア》の結集と呼べるような作品が発表されていっており、アジア圏のミュージカル界の交流は新たなフェーズに入ったと言える。
アジア・フォーラムでの質疑応答 写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
今回の前編では、K-Musical Marketの概要と、韓国政府のミュージカルに対する本気度をお伝えしたが、それに付け加えたいのが、イ・ジェミョン大統領の新政権について。マーケット期間中の6月4日が投票日だっただけに、海外からの招聘ゲストからは「新しく大統領になった人や党の影響で、ミュージカルに対する支援政策も大幅に変わってしまうのでは?」との心配の声も上がったが、就任してまだ1か月前後のイ・ジェミョン政権がまず行ったのは、『メイビー~』がトニー賞を受賞するやいなや同作品の作家であるパク・チョンフィ氏(英語名はヒュー・パク)をミュージカル界代表として、世界的に活躍するバレエやオペラ界のアーティストと共に招待し、大統領自ら各芸術界の状況をヒアリング。ヒューは自らの体験をもとに、他の芸術分野とは異なり、特にミュージカルの欧米進出は現地のパートナーとの長期間に渡る交流とパートナーシップが重要となり、単発的な支援ではなく、長期間の安定的な投資とサポートが必要であること、具体的には大学等の教育や劇場機関の提携やアーティストが安心して制作作りができる環境を整えてあげることの大切さを話した。このヒアリング後、イ・ジェミョン新大統領は、より一層の文化・芸術への支援を約束。ミュージカル界だけでなく、全ての芸術に携わるアーティスト・クリエーター達が、作品が世に出て、賞賛されるまでの経済的な不安や制作の困難な課程を積極的に政府がサポートしていく旨を明らかにしている。
K-Musical Market 2025の会場となった、LINK Arts Center(左)と Theater ON(右)の各外観 (撮影:SPICE編集部)
近日公開予定の後編では、韓国ミュージカル界のスター俳優たちが勢ぞろいした今年度の[ショーケース]作品、日本のオリジナル作品を紹介する[グローバル・ピッチング]を始め、完成・未完成作品の[ピッチング]をレポート予定です。日本ミュージカル界とも親交がある、あっと驚くスター達も登場しますので、どうかご期待ください。
写真提供:韓国芸術経営支援センター(KAMS)
取材・文:YOKO TAKAHARA(高原陽子)
イベント開催記録
・司会:チャン・ソニョン
●祝辞
・登壇:韓国、米国、英国、日本、中国各代表者
●基調講演
・登壇:チョン・インヘ(韓国)、ショーン・パトリック・フラハヴン(米国)、エリカ・リン・シュウォルツ(米国)、横山大輔(日本)、チャ・シェニン(中国)
・登壇:レイチェル・サッスマン(米国)
・登壇:アリスター・スミス(英国)
・登壇:ハリエット・マッキー(英国)
・登壇:アネット・タナー(米国/ニュージーランド)
・登壇:アリスター・スミス(カナダ)
・モデレーター:キム・ジョンヒョン
・登壇:韓国、中国、日本のミュージカル製作者各2名
・登壇:韓国・日本・中国・台湾のミュージカル製作者たち
①「The Perfect Plan to Be Your Friend(スペクトラムー君と友達になるための完璧な計画ー)」Presenter Soomin Kim
②「Becoming Forest 化林(ファリム)」Presenter Gyeonghyeon Park
③「Broken Sentence(ブロークン・センテンス)」Presenter Changhee Lee
④「Katherina(カタリーナ)」Presenter Jimin Byeon
⑤「Black Dog(黒い犬の描き方)」Presenter Jaehyun Sung
⑥「Musical
⑦「Ghost Note(ゴースト・ノート)」Presenter Seyoon Oh
⑧「Decalcomanie(デカルコマリー)」Presenter Byongrok Loki Kim
⑨「Silence(サイレンス)」Presenter JAEJUN SUNG
⑩「Tomorrow, by the Sea(明日、海へ)」Presenter Yunhye Park
⑪「Starworkers(スター・ウォーカーズ)」Presenter Dayeong Song
⑫「Ripley(リプリー)」Presenter Hyerim Lee
①「Special Delivery: Home(スペシャル・デリバリー)」MJ Planet
②「Narcissus and Goldmund(ナルシスとゴルトムント)」SUMNAVI
③「The Watermelon Seed(すいかのプール)」AM CULTURE
④「Dandelion Flute(タンポポの笛)」RAINBOW WORKS
⑤「Anarchist(アナーキスト)」MBZ Company
⑥「Chunja in Wonderland(不思議の国のチュンジャさん)」O Jing O Theatre Company
⑦「Moon Pops(お月さんのシャーベット)」HARLEQUIN CREATIONS CO., LTD
⑧「Emile(エミール)」UNIVERSAL LIVE Inc.
⑨「Granny Poetry Club(とても楽しいお嬢さんたち)」Live Corporation
⑩「Cha Me( #チャミ)」PAGE1
①東宝「梨泰院クラス」
②劇団四季「ゴースト&レディ」
③ホリプロ「ある男」
④劇団Tip Tap「Play a Life」
⑤イッツフォーリーズ「洪水の前」「バウムクーヘンとヒロシマ」
①「Legendary Little Basketball Team(伝説のリトル・バスケットボール団)」IMCulture Co., Ltd.
②「Let Me Fly(レット・ミー・フライ)」Let Me Fly Co., Ltd.
③「Story of Aesops(イソップ物語)」Come In Company
④「Rimbaud(ランボー)」DOUBLE K ENTERTAINMENT
⑤「Popeye(ポパイ)」Baroplay
⑥「Monster Camp(モンスター・キャンプ)」Brush Theatre Co., Ltd.
⑦「Dalí, Gala Exhibition(ダリ、ガラ企画展)」Jakjak Theatre Company
⑧「DORIAN GRAY(ドリアン・グレイ)」PAGE1