SIX LOUNGE、ツアー『Do You Love Me?』を完走 ファイナル・日比谷野外大音楽堂公演のオフィシャルレポートが到着
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SIX LOUNGE
SIX LOUNGEがツアー『Do You Love Me?』のファイナル・東京公演を、7月6日(日)に日比谷野外大音楽堂で開催した。本記事では、同公演のオフィシャルレポートをお届けする。
SIX LOUNGEの最新EP『more than love』レコ発ツアー『Do You Love Me?』ファイナルにあたる東京公演は、日比谷野外大音楽堂にて初のワンマンを開催。
開演時刻18時を2分ほど回り、SEとともにヤマグチユウモリ(G/Vo)、イワオリク(B/Cho)、ナガマツシンタロウ(Dr/Cho)のメンバー3人がステージに登場。1曲目は最新EP収録の「You&I」で演奏スタート。曲名通りに“あなたと私”という最小の関係性を綴った楽曲であり、今日は3千人の観客が集まっているものの、もとをただせば1対1(バンドと観客)の関係性が広まった結果と言えるだろう。サビで早くも観客は拳を突き上げ、バンドと観客の絆を深さを証明する。間髪入れずに「アナーキー・イン・ザ・人生」、最新EP収録の「どん底」、「STARSHIP」へと突き進む。すると、「I LOVE YOU I LOVE YOU」の歌詞では大きなシンガロングが巻き起こる。
「来たぜ、日比谷ー! 大分からSIX LOUNGEです、よろしくお願いします。雨降らなくて良かったね、いい日にしようー!」とユウモリは叫び、「My Way」をプレイ。ブルージーなギターソロが映え渡り、音源とは一味違う開放感に満ちている。「DO DO IN THE BOOM BOOM」ではノリのいいリズムも相まって踊る観客が増え、会場は俄然ヒートアップ。次の「MIDNIGHT RADIO」ではシンタロウのドラムは加速し、ユウモリの歌声も伸びやかさに拍車が掛かっていく。「ふたりでこのまま」をやり終えた後、「ちょっと暑すぎないですか? なんで今日に限って雨が降らんの。クソ雨バンドのくせして。汗かきに来たんでしょ? グッチャグチャになろう!」と呼びかけ、「MARIA」へ。少しだけ暗くなった日比谷に大人びた歌メロと赤い照明が見事に溶け合う。演奏中に少し強めの風が吹き、会場周辺の木々はザワザワと揺れていた。
「New Age Blues」に入ると、シンタロウがダンサブルなビートを叩き、リクは飛び跳ねながらベースを弾き、ユウモリの艶のある歌声が響き渡る。さらに「Paper Plane」、「IN FLIGHT」と続き、観客を激しく揺らす。最新EP収録の「天才になって」が始まるや、歌にフォーカスを当てた曲調に多くの人が聴き入り、後半は自然と客席からクラップが起きる有様だ。スカのリズムを用いた「ダーリン・ダーリン」も日比谷の空気と合っており、最後はアカペラで堂々と締め括ると、「今日映像入っているんで、ここだけ使って下さい」とユウモリは発言し、観客の笑いを誘っていた。
ライブは中盤に差し掛かり、「青に捧ぐ」では青い照明が暗くなったステージで輝きを増す。「すみわたる夜空の窓辺から 綺麗に落ちてく 君を眺めた」の歌詞も野外というロケーションと共鳴し、楽曲の物語性を深めていく。ユウモリの裏声も夜空にまっすぐ伸びる美しさだ。「エバーグリーン」をじっくり聴かせた後、「昨日(7月5日)、日本が終わるかもと言われていたけど、終わらなくて良かったですね。日も落ちてエンディング感ありますけど、まだめちゃくちゃありますよ。椅子あるし、キツい人は座ってください。まあ、座る暇はないと思いますけど・・・やるか、後半戦!」とユウモリは高笑いし、「言葉にせずとも」に突入。再びエンジン全開で飛ばし、「モモコ」を経て、最新EP収録の「グロいラブソング」を披露。コブシを効かせた歌い出しから曲の世界観にグッと引き込まれる。ゴリゴリと疾走するベースもパンチがあり、ライブでさらに魅力を発揮するナンバーだ。それから「ナイトタイマー」、「LULU」、「ピアシング」(3連投)と畳みかけ、会場の熱気は急上昇。
バラード「発光」を挟んだ後、少し長めのMCを挟む。「ああ、めちゃくちゃ気持ちいい。どうもありがとうございます。『more than love』というアルバムを出して、そのツアー『Do You Love Me?』のファイナルなんです。まず『more than love』最高なんで、まだ聴いてない人は聴いてください。で、今日はちょっと特別なことをしたいと思い、友達を呼んでます。ツアーに出てもらったFOMAREからカマタ(G/Cho)です」とユウモリは紹介し、エレキ・ギターを持ったカマタが現れる。「俺は日比谷に死ぬほど会いたかったから、会いに来ました」とユウモリは告げ、力強くアコギを爪弾き、最新EP収録の「死ぬほどあいたいから、だからあいに行くよ」をプレイ。日比谷で演奏されることを前提に作ったようなスケールの大きな歌に感動せずにはいられない。
ショウはいよいよ佳境を迎え、「メリールー」の一部をユウモリが歌うと、観客はそれに続いて合唱し、「日比谷野音に愛を込めて!」と叫んで同曲をプレイ。その後に「大人になってしまうなよ」、「天使のスーツケース」と続け、シンタロウがリード・ヴォーカルを担当した「世界中が君を愛してるんだぜ(Baby Boogie)」に移る。ロカビリー/ガレージロック風の曲調に男臭くも荒々しい声色が抜群に映え渡る。ラストはSKID ROWに同名曲が存在する「SWEET LITTLE SISTER」を投下。ポップなメロディを日比谷の夜空に轟かせ、本編は幕を閉じた。
アンコールに応えて、再びメンバー3人が姿を見せる。ユウモリが缶ビール片手に「乾杯ー! 今何時ですか? 8時15分? やり過ぎやろ。マジみんなよく帰らんでおってくれた。楽しかったあ。ここ(日比谷野外)がなくなるわけじゃないけど、改装するらしくて、滑り込めて良かったわあ。みんなのおかげです、どうもありがとう! 8時半に音止めと言われているんで、単純計算であと5曲か……ウソウソウソ! 昨日、新曲出しました、それやります」と言った後、ツアーファイナルだからとほかのメンバーにも話を振る。「ありがとうございます」とリクが小声で言えば、シンタロウは無言で拳を振り上げ、大きな歓声を浴びる。その光景を見て、「ズルッ!」とこぼすユウモリ。
そして、7月5日に配信リリースした新曲「かまわないよ」をここで初披露。木漏れ日のほうな温かなメロディが印象的で、徐々に盛り上がる曲展開も素晴らしく、これからライブでどんどん成長を遂げる楽曲になるだろう。最後は「僕を撃て」で締め括り、音止めギリギリの20時28分にライブは終了。トータル約2時半に及ぶワンマンは、骨太なロックンロールから繊細なラブソングまで小細工ナシに届ける威風堂々たるパフォーマンスを展開。
SIX LOUNGEの楽曲はライブハウスで聴くのもいいけれど、自然に囲まれた屋外で浴びると、その魅力はより一層倍増する。ユウモリの歌声はどこまでも伸び、リクのゴリゴリしたベース・ラインやシンタロウの迫力漲るドラムも痛烈に鳴り響く。SIX LOUNGE×日比谷野外大音楽堂との相性の良さは格別。遮るものが何もない場所で、ストレートな歌声と演奏はその本領を遺憾なく発揮してくれたから。5年、10年後でもいい、再びこの場所で彼らの音を浴びたい気持ちに駆られてしまった。そう感じたのは筆者だけではないはずだ。胸がすくような素晴らしいワンマン公演であった。
文=荒金良介
撮影=Chikako Asai