『こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎~梅と松と桜~篇』8/9(土)出演、野島健児×浪川大輔×仲村宗悟オフィシャルインタビューが到着

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2025年8月9日(土)~11日(月・祝)、三越劇場で開催される『こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎~梅と松と桜~篇』。

歌舞伎の名作を人気声優が現代語で朗読し、物語の魅力を伝えるシリーズの第四弾。今回の演目は、歌舞伎三大名作のひとつ『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』だ。宿命を背負った三兄弟、梅王丸、松王丸、桜丸を中心に、現代語で新たに構成されます。日替わりで登場する3名の声優が、登場人物24役を演じ分ける。

9日初日を担当する、野島健児、浪川大輔、仲村宗悟のオフィシャルインタビューが到着した。

稽古後を終えて

——初回稽古の感想をお聞かせください。

浪川:思った以上に体力使いました!一人で台本を読んだ時は、テンポよくどんどん進む物語だと感じたんです。でも、いざ3人で合わせると思うように進まない。周りとのバランスをみたり、考える部分も多いんです。

仲村:本当に、稽古であわせてみて、初めて気づくことがたくさんありました。感情表現で「ここは、もっと強く思いを入れた方がいいんだな」とか。

野島:僕は「こえかぶ」は二度目の参加ですが、歌舞伎の物語をやるからこその難しさを、あらためて感じています。今の僕らの当たり前の感覚を一度手放して、当時の価値観を入れ直さないといけない。繊細な作業が必要なんですよね。

仲村:原作は、300年くらい前に書かれた話なので、今の感覚だと「それってどうなの!?」と驚く展開もあるんです。主(あるじ)のために命を投げ出したり。でも、当時それが共感を得ていたなら、僕らは当時の感覚に自分をフィックスしていかないといけませんよね。

浪川:「こえかぶ」に限らずお芝居って、目に見える表情や態度、口にする言葉とは裏腹な、見えていない部分も表現しないといけないんです。怒る時も、その手前の悲しみとか無力感など別の感情があるはずで。『菅原伝授手習鑑』は、そういう裏腹な要素がたくさん散りばめられているなと感じます。

野島:常に「このキャラクターの本心は、今どこにあるんだろう」と考えながら、深いところまで繊細に作っていかなくてはならない作品ですよね。

——その深いところや裏腹な感情の両方を、表情や映像に頼らず、声にいれて表現するんですね。

梅、松、桜。個性豊かな三兄弟

——梅王丸・松王丸・桜丸は、三つ子の兄弟です。まずは、それぞれのキャラクターについて紹介をお願いします!

浪川:長男は、野島さんが演じる梅王丸(うめおうまる)です。真っすぐで、ケンカっ早い!繊細な心情や事情のあるキャラが多い中、思ったことを言ってくれる気持ちいい性格だよね。物語の軸になっている印象があります。

野島:アニメでいえば、主人公キャラ。本当にまっすぐな性格です。三兄弟では一番、男気(おとこぎ)や荒々しいところがある。僕がふだん得意としている分野とは少し違うタイプのキャラクターなので、手探りをしながら役作りをしているところです。

仲村:稽古でも、すでにとてもハマっていました!

野島:(にっこりして)よかった!

浪川:はい。裏腹の感情も声にいれて。

仲村:僕ら、これでご飯を食べさせてもらっていますから(真顔)。

浪川:これでお金をもらっていますから(真顔)。

野島:僕は……。

浪川:最近、畑で野菜を育てているそうです。ギャラは野菜の種でお願いします(笑)。

野島:ハイ!(笑)

——次男は、浪川さんが演じる松王丸です。

浪川:松王丸は冷静、クール、頭が良い。僕の地のままなので、役作りはいりません…。

仲村:(笑)でも、ちょっとひねくれ者じゃないですか?作中では梅王丸、桜丸と敵対関係になることもあるので、兄弟の目には裏切り者のようにも映ります。

浪川:あれはしょうがないの。複雑な立場におかれて苦しんだり、冷静ではいられない状況になったり、それを取り繕わなくてはならない事情もあったり。その意味では、彼のセリフを、言葉のまま真に受けていると「つかみどころがない」と感じられるかもしれない。

野島:でも実は、松王丸が一番優しくて、兄弟愛が強そうだなって思ってる。

仲村:たしかに。菅丞相(かんしょうじょう。菅原道真のこと)への思いも強い。

——三男が、仲村さんが演じる桜丸です。

浪川:桜丸はピュア!すごく優しいし、責任感がある。

仲村:あまり複雑なことは考えず、「この人は大好き」「あの人は悪い」みたいに、シンプルに物事を捉えていそうだなと思っています。

野島:高い理想を持っていて、そこに当てはまらない自分を許せなくなるタイプかな、という印象もあります。

仲村:だから周りが見えなくなってしまう瞬間もあって。悲劇的な最期を選択してしまうのも、そういった性格のせいじゃないのかなと思っています。

浪川:「悲劇的な最期」って言っちゃって大丈夫?ネタバレじゃない?

仲村:公式の情報にも「悲劇的な」と書いてあって。歌舞伎には基本的にネタバレという考えがないそうで、この作品自体も300年近く前に書かれているので、だいぶ前から結構ネタバレはされていて……。

浪川:300年ずっと、みんな俺に結末を黙っていてくれてたのか……。

野島・仲村:(爆笑)

浪川:桜丸は今の感覚だと「一番いい彼氏」タイプだよね。一途に思ってくれるし、謝る時は本気で謝ってくれる。

仲村:でも、思いあまって周りが見えなくなるよ?(笑)

——桜丸以外で、恋人におすすめのキャラクターはいますか?

野島・仲村:いません。

浪川:いやいやいや。松っちゃん(松王丸)がいるでしょう?社内営業も得意だし、仕事ができる出世タイプ。

野島:忠義と出世を貫いたもんね。でも何かね……。

仲村:仮病で仕事を休んだりするし。

浪川:松っちゃんには松っちゃんの事情があるの!(笑)

3人で24役を演じ分け

——三兄弟以外にも、重要な役を含む24の登場人物を、3人で演じ分けるのですよね?

野島:今日の稽古では、衣裳やメイクを変えるような感覚で、声色を一生懸命変えながら読ませていただきました。そこに感情がついてくるよう、本番までに一つ一つの役を作っていきたいです。

仲村:それぞれ7~9役を担当し、中には女性の役もあります。歌舞伎なら女方の俳優さんが演じられるのだと思いますが、僕は女性の演技をする機会がいままでなくて。声のニュアンス、細さや色のつけ方など、アプローチによって女性の役として聞いてもらえるよう考えているところです。

浪川:さっきも自然に聞こえたよ。女性だなと思いました。

仲村:良かったです。付き合いたいと思ってくれましたか?

浪川:そこはちょっと考えさせて。

野島:好みってものがあるからね。

仲村:そうですか(一同笑)。

浪川:そんな演じ分けも含めて、さっきの稽古では、皆さんすごい!と思いました。ちなみに僕、希世(まれよ)という役も担当するのですが、資料に“チャラい”と書かれてたんです。でも300年前の“チャラさ”って何!?って(笑)。きっと今とは違うチャラさがあったと思うのですが、現代語の朗読として伝えるために、現代のチャラさでやろうかなと考えているところです。

野島:今日の稽古も、すごく自然にチャラかったよ!普段のままの大ちゃん(浪川)でした。

浪川:地の僕とはだいぶ違うので、役作りに苦戦しているところです!

「こえかぶ」で描く歌舞伎の物語

——歌舞伎への印象をお聞かせください。「こえかぶ」をきっかけに、イメージに変化はありましたか?

浪川:最近では『ルパン歌舞伎』を観たのですが、やっぱり「続いている」って凄いこと。江戸時代に始まって400年でしょう?伝統的な音楽とかお芝居の型とか、今でいうSEのような音の使い方とかが残っていて。

野島:歌舞伎座に行ったときに面白いなと思ったのが、幕間(まくあい)。休憩中に、お酒や食事を楽しめるんですよね。美しい伝統的なものの中に、エンタメ性やリラックス感を味わえる瞬間があるのが、新鮮でした。

仲村:今回は朗読劇なのでできないけれど、あれ、いいですよね!時代の流れで、伝統芸能として敷居がちょっとずつ高くなってきたけれど、何百年前も今も、その時代のお客さんがお弁当を食べたりお酒を飲んだりしながら、その時代の人が演じる同じ物語を楽しんだりして。そうやって受け継がれていることに、ロマンを感じます。

——「こえかぶ」も、現代語による朗読という形のなかで「歌舞伎」を感じられる公演になりそうです。

仲村:何百年と人と人が繋いできてくれたから、今、僕らにはお手本があるし、それを観られる。朗読という形で、物語を繋ぐ一端を担える。これまで受け継いできた人たちがいたからこそと感じます。

野島:そうですね。僕らが、歌舞伎の中から引き継げるものがあるとすれば、それは「物語」だと思います。ある時代の価値観で書かれた物語を、今、声の世界で表現する。舞台と朗読で見せ方も変わりますが、変わらずに伝えられるストーリー性が、そこにはあると思っています。

浪川:感情を揺さぶられる物語なんです。その魅力をしっかり届けられるよう、僕たちは作品に入り込んで、一生懸命お芝居をします。皆さんが、その中から歌舞伎の魅力、朗読の魅力を1個でも2個でも見つけてもらえたらうれしいです!

 

公演情報

『こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎~梅と松と桜~篇』
 
日程 2025年8月9日(土)~11日(月祝)
■8月9日(土) 昼の部:開演14:30、夜の部:開演18:30
■8月10日(日) 昼の部:開演14:30、夜の部:開演18:30
■8月11日(月祝) 昼の部:開演13:00、夜の部:開演17:00
※開場時間は、開演の30分前を予定しております。
 
会場 三越劇場

脚本・演出 岡本貴也
協力 竹柴潤一
 
主催・製作 松竹株式会社
 
出演 
■8月9日(土) 野島健児、浪川大輔、仲村宗悟
■8月10日(日) 岡本信彦、山下大輝、堀江瞬
■8月11日(月祝) 保志総一朗、山口勝平、畠中祐
演目 『菅原伝授手習鑑』
 
料金 全席指定 S席 9,900円(税込) A席 7,700円(税込)
  • イープラス
  • 野島健児
  • 『こえかぶ 朗読で楽しむ歌舞伎~梅と松と桜~篇』8/9(土)出演、野島健児×浪川大輔×仲村宗悟オフィシャルインタビューが到着