主演・西島秀俊×瀬々敬久監督で映画化　『存在のすべてを』2027年劇場公開が決定

映画『存在のすべてを』が2027年に劇場公開されることが決定した。

映画『存在のすべてを』は、作家・塩田武士氏の同名ミステリー小説を映像化するもの。原作は『本の雑誌』が選ぶ2023年度ベスト10で第1位に選ばれ、2024年の本屋大賞にノミネート、第9回渡辺淳一文学賞を受賞している。

本作で描かれるのは、1991年に発生・未解決のまま時効を迎えた「二児同時誘拐事件」を軸とした物語。児童は無事発見され、もう一方の児童は行方が掴めないまま3年が経ったある日、突然と祖父母宅に姿を現す。しかし、その3年間については固く口を閉ざし続ける。事件から30年後、新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに事件の真相を追う事に。空白の3年に隠された「真実」とは。

主演をつとめるのは、『ドライブ・マイ・カー』で知られる西島秀俊。「二児同時誘拐事件」発生当時、警察担当の新聞記者だった主人公の新聞記者を演じる。また、『64‐ロクヨン‐』『護られなかった者たちへ』などの瀬々敬久監督がメガホンをとる。

主演の西島と瀬々監督のコメントは以下のとおり。

 

西島秀俊

脚本を読み、二児同時誘拐事件をめぐる手に汗を握るサスペンスと重厚な人間ドラマに感動しました。

瀬々監督と本格的に映画でご一緒するのは1998年の「冷血の罠」以来になります。

時代の空気や土地から匂い立つ気配、そして人間の業を深く描かれてきた監督と27年ぶりにご一緒できるのは本当に楽しみです。

観客の皆さんに心から楽しんでいただける作品になるよう、心を込めて演じたいと思います。

 

瀬々敬久（監督）

『存在のすべてを』は原作の塩田武士さんが、まさに足で稼いだと言っていい小説です。現実の場所に足を運び、そこの空気を直に感じて書き上げられた小説。想像の産物でありながら現実を超えるようなリアリティはそこから来ている気がします。この小説を映画化する。すこぶる難儀であり、大いなる挑戦になる仕事だと思っています。そして主演の西島秀俊さんとは約30年ぶりの映画作り。西島さんの一見柔らかでいながら一気に炸裂する精神に再び出会えることにワクワクしながらも、この間の30年が自分たちや世界にとってなんであったのか、何を失ったのか。まるで小説の主人公たちが30年前の事件に再び接していく様の写し絵のように今、感じています。『存在のすべてを』、このタイトルの重さに恥じない映画を、送り届けたいと思っています。

 

『存在のすべてを』は2027年全国公開。