なきごと メジャーデビューを果たした現在の想い、さまざまなチャレンジにワクワクせずにいられない未来への期待を語る

21:00
動画
インタビュー
音楽

なきごと 撮影=大橋祐希

画像を全て表示(7件)

水上えみり(Vo, Gt)と岡田安未(Gt, Cho)からなる2人組ロックバンド、なきごとが7月9日、1st EP『マジックアワー』でメジャーデビューを果たした。
活動開始から7年。これまで掲げてきた“疲れ切った日常にほんの少しのなきごとを”も、以下のインタビューで2人が語っている“なきごとの美学”もともに変わることはないものの、メジャーデビューをきっかけになきごとはどんどんかっこよくなっていけると2人は期待している。
ドラマタイアップも含め、さまざまなチャレンジにワクワクせずにいられない『マジックアワー』の話はもちろん、8月31日から始まるリリースツアー『これからもよろしくお願いしman to manワンマンツアー2025』の意気込みを2人に訊いた。
1,000人規模のワンマンライブを相次いで成功させたことに加え、数々のフェスに招かれるなど、ライブバンドとしてスケールアップしてきた数年来の活動をステップに、なきごとがメジャーデビューのチャンスを掴んだことも忘れずに書いておきたい。今回のインタビューも『初心にかえるman to manワンマンツアー』の真っ最中に行われた。

――現在、『初心にかえるman to man ワンマンツアー』の真っ最中なので、その手応えから聞かせていただけますか?

水上えみり(Vo, Gt):“初心にかえる”というタイトルどおり、俗にいう小箱を回らせてもらっているんですけど、普段からホームとしてやらせてもらっているところもありつつ、これまでのツアーで回ったことがあるライブハウスや回れなかった公演があったライブハウスを回収するという裏のテーマもあって。たとえば2020年の『sasayakiツアー』で回るはずだったのにコロナ禍で公演中止になってしまった仙台、高松、福岡、名古屋はその時と同じライブハウスに今回、ワンマンで帰ってくるってことができて。そういったところも伝えながら回れているんですけど、昔の曲を待っていてくれた人がけっこういるのはうれしい驚きでした。

岡田安未(Gt, Cho):滅多にやらない懐かしい曲を演奏したとたん、会場が沸いたりとか、お客さんの目がキラキラしたりとか、思ってもいなかった反応が返ってきて。なきごとのことを本当に好きな人たちがライブに来てくれているんだなって思えたのは大きな手応えでしたね。

――ところで、なぜこのタイミングで初心に返ろうと? もちろんメジャーデビューというタイミングが大きかったと思うんですけど。

水上:そうですね。メジャーに行く前に、今までのなきごとをもう一度、自分たちの中で見つめ直した上で、いい曲を作り続けてきたよねってところをちゃんと見せたかったんですよ。

――なるほど。じゃあ、さっきのお話から考えると、いい曲を書き続けてきたとご自分たちでも改めて自負できたわけですね?

水上:はい。自画自賛になっちゃいますけど(笑)。今回のツアーではサブスクでけっこう下のほうにいる曲も掬い上げて、セトリに入れているんです。こういう時に、この曲が聴きたいとか、こういう景色を見ている時に、この曲が頭の中に流れてくるとか、そういう感覚って時間とともに埋もれていっちゃうんですけど、改めて掘り起こしてみると、そういう曲の大切さがけっこう身に染みるんですよ。

――メジャーデビューした現在の心境は?

水上:メジャーデビューを発表した時は正直、実感がなかったんですけど、ツアーで行った先々で「メジャーデビューしました」って言った時の反応を見たらやっと実感が湧いてきて、ようやくワクワクしています。でも、最初は「メジャーデビューしました」ってライブで言うことにちょっと不安もあったんですよ。それこそ自分がインディーバンドを応援していた時に見てきたことなんですけど、メジャーデビューってバンドにとってもファンにとってもうれしいことのはずなのに、中には寂しいと感じる人もいるじゃないですか。だからこそ、お客さんに直接伝えることにちょっと不安があったんですけど、みんな“待ってました!”っていう感じで一緒に喜んでくれて、メジャーデビューして本当に良かったって思いました。今は、これまで以上によい曲を作って、期待に応えなきゃって、いい意味で責任を感じています。

――岡田さんはいかがですか?

岡田:私もファンはもちろんですけど、友達とか先輩とかから「おめでとう」と言ってもらって、ようやく実感が湧いたと言うか。私、けっこうエゴサーチするんですけど、ニンゲン’s(なきごとファンの総称)のツイートの中に「活動を始めた頃から応援してきたバンドがメジャーデビューするのは初めてだからうれしい」と書いている人を見つけたとき、そんなふうに喜んでくれる方がいたことはもちろんですけど、そんなふうに長い間、メンバーを含めたチームだけじゃなくて、ファンの方々と一緒に歩んできたんだってことがわかってうれしかったです。

――メジャーレーベルと組んで、どんなことができると期待していますか?

水上:もうすでにドラマのテーマソングを書き下しでやらせてもらいましたけど、他にもいろいろなタイアップをやらせてもらえるんだろうなって期待していますし、音周りのことについてもけっこうワクワクすることがいっぱいあるんじゃないかなと思っています。今回の『マジックアワー』で言うと、いろいろな人から音がきれいになったと言ってもらえたので、これから音楽の質をどんどん上げていけることにワクワクしていますね。

――今回、レコーディングの環境ってかなり変わったんですか?

水上:変わった点で言うと、新たにいろいろなエンジニアさんと出会わせてもらったりとか、機材周りも新たにトライしたりとか。たとえば、アコギがここまでメインで鳴る曲は初めてだったんですけど。

――5曲目の「明け方の海夜風」ですね。

水上:そうです。何本か録ってみて、この音が曲の景色に合っているねってレコーディングさせてもらったんですよ。

 

――さて、さっきおっしゃっていたようにドラマの主題歌として書き下ろした「短夜」と「愛才」も今回収録されていますが、ドラマの主題歌を書き下ろすという経験はいかがでしたか?

水上:原作があるものに対しての書き下ろしっていうのが初めてだったので、「愛才」の時はけっこう悩んで、半月で7曲ぐらい書いた中から選んだんですけど、その時に原作に寄り添うことと、自分たちのバンドでやることのバランスをけっこう学べた気がしました。どちらかと言うと、原作に寄り添いたくなってしまう質なんですよ、私は。でも、今後、なきごとの曲として歌っていくことはもちろんですけど、なきごとが書き下ろす意味と言うか、なきごとに頼んでくれた意味も含め、あれこれと考えて、右往左往しながら書いてみました。

――バランスを学べたとおっしゃっていましたが、悩んだ末に水上さんはどんな答えに辿りついたんですか?

水上:今回は2曲とも原作の題材が、私自身が経験したことがないものだったんですけど。

――確かに。「短夜」をエンディング主題歌として提供した『彩香ちゃんは弘子先輩に恋してる2nd Stage』はGL(ガールズラブ)、「愛才」をオープニング主題歌として提供した『それでも俺は、妻としたい』は夫婦の性生活がテーマという(笑)。

岡田:現代的ですよね。

水上:いろいろなことに置き換えられるなって思いました。たとえば人間関係もそうですけど、私にとってずっとそばにあるものってやっぱり音楽だから、そういうところも含めて、いろいろな意味を聴き取れるようにっていうのは考えました。

水上 えみり(Vo,Gt)

うちの教育方針上ラブシーンは全部飛ばされていて、そういうコンテンツとは無縁の暮らしをしてきたんです。機材車でも下ネタを言ったら爆破されるというルールがあるんですよ(笑)。(水上)

――「愛才」を経て、「短夜」を作る時はそんなに悩まずに?

水上:そうですね。最初、試しに1曲作って、それもみんなの反応はよかったんですけど、「もうちょっと待ってもらってもいいですか?」って言って、もう1曲書いて。それが「短夜」になったので、そのハマるスピード感を比べると、「愛才」の時より成長していたと思います。

――「愛才」と「短夜」。それぞれにドラマ側からのリクエストはあったんですか?

水上:「愛才」のほうは、重たい題材に対してコメディにしたいという作品だったので、暗い曲よりは明るい曲ということがあったんですけど、歌詞をもうちょっと作品に寄せたいというところで、もうちょっと下品にしてほしいと言われました。

――下品に、ですか?

水上:はい。難しかったです。もちろん、「愛才」の歌詞がすべて下品だとは思っていませんけど、そういうふうに聴こえるようにと言うか。要は艶っぽくしてほしいということなんだろうなと私の中では解釈をして、周りのバンドの艶めかしい人たちに、歌詞はどうやって書いているんですかって訊いてみたりしました。

――たとえば、「愛才」のどこが下品と言うか、艶っぽいと水上さんは考えているんですか?

水上:それはいろいろじゃないですか? と言うか、言わないほうがいいかもしれないです。でも、言える範囲で言うと、たとえば、《君と相対したいそばにいたい》も《相対》をひらがなにしたら、《君と会いたい したい そばにいたい》と読めるんですよ。そういうところですね。あとはもういろいろです(笑)。

――ご自分でもけっこうチャレンジだったと?

水上:かなりチャレンジでした。これまでそういうコンテンツに触れてこなかったんですよ。うちの家庭の教育方針上、ラブシーンは全部飛ばされていたし、『クレヨンしんちゃん』も見せてもらえなかったし。そういうコンテンツとは無縁の暮らしをしてきたんです。だから、機材車でも下ネタを言ったら爆破されるというルールがちゃんとあるんですよ(笑)。

 

――なるほど。「短夜」も何かリクエストはあったんですか?

水上:具体的なリクエストはなくて、割と任せてもらえてたと思います。エンディングは主人公2人が寝ているところをワンカットで撮った映像が毎回使われると聞いたので、台本はもちろん、「1st Stage」を見たりとか、原作のマンガを読んだりとかしながら、自分なりにいろいろ考えていった中で書きました。

――決して下品ではないですけど、「短夜」の歌詞もけっこう生々しいですよね。

水上:そう聴こえるならそうなのかもしれないですね(笑)。

――あー、いや(笑)。

水上:そこはそういうふうにも聴こえるようにしたいっていう、余白ですね。その塩梅は段々うまくなってきていると思います。

――それはさておき、「短夜」というタイトルはせつない響きがあっていいですね。

水上:リリースが夏って決まっていたし、ドラマの放送も夏だったのでぴったりかなと思いつつ、ドラマの主人公2人の距離感がすごくじれったくて、もどかしいけど、でも、お互いに思い合っていて、すごく素敵な温度感なんですよ。もちろん、メラメラと燃えるようなシーンもありますけど、そういったところよりも触れたいのに触れられないとか、壊してしまいそうで怖いとか、この作品の伝えたいところは、そこなんじゃないかなって思っていて。主人公2人のちょっと悶々とした感じって、熱を帯びてる感じだなと思って、だから《短夜、ベタつく熱帯夜》なんですけど、誰かを思いながら、会えない夜ってすごく長いのに一緒にいる夜はすごく短くてっていうのもドラマに寄り添っていて、ぴったりだと思って、その方向性で書いていきました。

岡田 安未 (Gt,Cho)

――「愛才」はキャッチーなアレンジも聴きどころではないかと思うのですが、そこはオープニング主題歌ということで意識したところだったんですか?

水上:私が作ったデモはもっと音数が少なくて、イントロももうちょっとオルタナっぽかったんですけど、アレンジをしてくれた高田真路君が曲を広げるのが得意なんですよ。初めてのドラマのタイアップだから、今の自分の全てを注ぎ込んだって言ってました。

――途中で演奏がジャジーになるところもアレンジャーさんのアイデアなんですか?

水上:そうです。2番でアレンジが変化していくって、なきごとの中ではけっこうあるあるのパターンなんですけど、高田君は元々、なきごとが好きだったということもあって、こういうのなきごとっぽいんじゃない?って入れてくれたんだと思います。

――今回のEPは『マジックアワー』というタイトル通り、夕方と夜、夜と朝が混ざり合うマジックアワーの空の色のような複雑な感情を表現することがコンセプトになっているそうですね。実際、《ひとつになりたい》《混ざり合いたい》《君と混ざり合いしたい》《結ばれる》という言葉が使われているんですけど、それは前述したコンセプトを意識しながら歌詞を書いたからなのか、それとも収録曲を決めたらたまたまそういう言葉が多かったから、そういうコンセプトを導き出したのか、どちらだったんですか?

水上:いつもそうなんですけど、タイトルを決めてから収録曲を決めるわけではなく、収録曲を決めてから最後にタイトルをつけるんですよ。だから、今回も混ざり合うことをコンセプトに曲を書いていったわけではなく、選んでいったらそうなっていたんです。

――たまたまそうなったと?

水上:はい、たまたまですね。あと、曲を書いている時期が近いっていうのもあって、私の中でそういうふうに思っていたシーズンだったっていうのもあるかもしれないです。24年7月に『ふたりでいたい。』というアルバムをリリースしたんですけど、それは「君と暮らしの真ん中で」「素直になれたら」『ふたりでいたい。』という文章を一つ作り上げるつもりで作ったんですよ。

――えっと、「君と暮らしの真ん中で」「素直になれたら」はともに『ふたりでいたい。』をリリースする前に配信したシングルのタイトルですね。

水上:そうです。

――そうか。文章を一つ作り上げるつもりで作ったから『ふたりでいたい。』というタイトルには、句点が加えられているんですね。

水上:その『ふたりでいたい。』も混ざり合うも同じ枠組みの中に存在している言葉だと思うんですけど、そういうタイミングでちょうど「愛才」のタイアップのお話をいただいて、私の中でそういうモードになったんだと思います。

――混ざり合うほうがおもしろいですか、それとも混ざり合うとめんどくさいですか?

水上:どっちもあると思います。それこそなきごとっていうバンドそのものが私の書く曲のキャッチーさだったり、ポップさだったり、そこに隠した毒だったりっていうところと、岡田の得意とするロックなギターっていうところが混ざり合うっていうのが一見背中合わせに見えたりもするけど、なきごとっていう枠があることによって共存している。それがなきごとにおいての美学と言うか、なきごとの音楽を言葉で表すと、そうふうになるんだろうなって改めて、みんなで話し合ったんですけど、言ったらそれもマジックアワーなのかなって思います。

岡田 安未 (Gt,Cho)

今までと同じにならないようにとか、ありきたりにならないようにとか考えて、奇抜さも意識しながら、同時に曲と歌詞にちゃんと馴染むことも考えて、それこそ脳みそから絞り出しました。(岡田)

――いまおっしゃっていた、水上さんと岡田さんの個性が混ざり合うなきごとの美学が今回、さらにダイナミックになったという印象がありました。まず岡田さんのギターについて訊かせてください。どの曲にも印象的なフレーズが加えられていて、これまで以上に存在感を増していると思うんですけど、プレイ、フレーズともに相当練り上げたんじゃないでしょうか?

岡田:ありがとうございます。今までと同じにならないようにとか、ありきたりにならないようにとか考えて、奇抜さも意識しながら、同時に曲と歌詞にちゃんと馴染むことも考えて、それこそ脳みそから絞り出しました。

――「明け方の海夜風」ではスライドギターも弾いていますね。

岡田:初めてやりました。私、ルーツがYUIさんなんですけど、YUIさんってロックサウンドだけど、アコギがけっこう鳴っているという印象があって、この曲もアコギじゃないですか。で、海って言ったらスライドだろうってリードギターの音が浮かんできて。YUIさんの、ポップスだけどロック感もあるというところとスライドを掛け合わせて、ギターフレーズを考えました。最近、同世代のバンドのリードギタリストって、スライドバーを使っている印象がなくて。

――確かに。若い子たちってスライド奏法やらないですよね。

岡田:だから、おじさんたちをぎゃふんと言わせてやろうって気持ちもあって(笑)。

――まんまとぎゃふんと言わされました(笑)。

岡田:もちろん、同世代のギタリストとは違う色を見せたかたっていうのもあります。

――そうだったんですね。僕、スライドギターがめちゃめちゃ好きなんですよ。

岡田:よかったです(笑)。

――「0.2」のイントロの歪ませたギターのトレモロピッキングもめちゃめちゃかっこいいですね。

水上:あれは私がリクエストしました。トレモロピッキングが苦手だからデモには入れられなかったんですけど、デモの時からそこはトレモロピッキングでって考えてました。だから、黒幕は私です(笑)。

岡田:そんなにやったらうるさくないのかなって思いましたけど、「0.2」にはその荒々しさが必要なんだと考えて、思いっきりやりました。

――結果、聴きどころになったと思います。あと、聴きながら思ったんですけど、歌詞に合わせてギターのフレーズを作っているところもありますよね?

岡田:そうですね。それこそ「0.2」の2番の《パッパッパッ SMASH!!で決めて》っていうところで、スマッシュっぽくウィーン!ってやったり、《イチコロで悔しい》っていうところもトゥルルルルル~ンってイチコロでやられちゃった感じを表現する遊びを入れてみました。

水上 えみり(Vo,Gt)

――なるほど。一方、水上さんは昨年4月にZepp Shinjukuでライブを観させてもらったとき、ライブパフォーマーとして一皮剥けた印象がありましたが、今回、ボーカリストとしてはどんなアプローチを?

水上:いろいろあるんですけど、たとえば「短夜」だと、けっこう湿度が高めの歌い方と言うか、エッジボイスもめちゃめちゃ入れていたり、ちっちゃいフェイクを入れていたり、そういうことをやることによって、歌詞とは別に、もっと無意識のところで温度を感じられるようにしてみたりとか。「0.2」も勢いを出そうと思って、空気の量を増やす減らすではなく、早くしながら歌うことを意識してみたりとか。あと、滑舌を敢えて甘くするとか、表現としてけっこういろいろやりました。久々にファルセットの楽曲をレコーディングしたのも楽しかったです。

――「明け方の海夜風」の譜割の大きな歌も印象的でした。

水上:そうですね。この曲は敢えてクリックを聞きすぎないようにと言うか、レコーディングでは歌を最後に録るから、物理的に無理なんですけど、歌が演奏を引っ張っているような感じを意識したんですよ。みんなのことを風に乗せて、運んでいっている感じを聴かせたくて、ゆったりと大きく歌ってみました。

――その「明け方の海夜風」の《幸せの副産物 絶望も一緒に抱く》という歌詞が興味深かったんですけど、歌詞の中の《ふたり》はいま一緒にいるんですよね?

水上:さあ、どうでしょう(笑顔)。

――えっ、いないんですか? 僕は一緒にいるんだろうと思って、幸せなはずなのに、なぜ自分たちの将来に不安を感じているのか、そういう心理になるところが興味深かったんですけど、そうか、一緒にいないのか。

水上:いや、それはわからないです。

岡田:そこは解釈の自由みたいなね。

水上:そこも余白です。映画のワンシーンを見ているみたいな感覚にはなってほしいなと思って書いた楽曲なんです。だから、そこに景色がちゃんとあって、温度感があって、そこにちゃんとふたりが、今一緒にいるのかいないのかはさておき、ちゃんと存在しているという感じの音にはしたいと思っていました。

 

――なるほど。そして、もう1曲。4曲目の「たぶん、愛」は跳ねるピアノやゴスペルっぽくなるオチサビがキャッチーなバラードですが、EPのリリースに先駆け、この曲を4月9日に配信リリースしたのは、どんな理由からだったんですか?

水上:なきごとがメジャーに行くワクワクをずっと感じていてほしいなと思ってリリースしたっていうのもあるんですけど、メジャーデビューを発表した4月8日の渋谷WWWX公演(『超超超超大切なお知らせワンマン×水上生誕祭!』)のアンコールで初披露したんですよ。つまり、配信よりも先にライブで発表したんです。今、なきごとは鍵盤を含めた5人編成でライブをやることが増えてきて。鍵盤はアレンジをお願いしている真路君にやってもらっているんですけど、参加しない曲がないぐらい昔の曲もリアレンジしてやっているんです。だから、「たぶん、愛」を聴いてもらうことで、鍵盤が入っているなきごとのライブを想像してもらえると言うか、これからのなきごとのモードを提示できるという意味でも「たぶん、愛」を先行配信してよかったと思います。

――ライブのお話が出たところで、最後に8月31日から名古屋、大阪、東京と回る『これからもよろしくお願いしman to manワンマンツアー2025』と題した『マジックアワー』のリリースツアーが始まるので、その意気込みを訊かせてください。

水上:『初心にかえるman to manワンマンツアー』で、今までこんなに愛してもらっていたんだということを実感できたので、それを踏まえた上で『マジックアワー』をメインに、これからもなきごとがどんどんかっこよくなっていくところを見せられるツアーにしたいと思っています。

岡田:『マジックアワー』をリリースしたことで、なきごとがライブで表現する世界や音がかなり広がったので、もっともっとなきごとを知りたいって思ってもらったり、この先どんななきごとが見られるんだろう?ってワクワクしてもらえたらうれしいです。


取材・文=山口智男 撮影=大橋祐希

リリース情報

EP『マジックアワー』
2025年7月9日(水)発売
<収録曲>
01. 短夜
02. 0.2
03. 愛才
04. たぶん、愛
05. 明け方の海夜風

ライブ情報

これからもよろしくお願いし man to man ワンマンツアー 2025
2025.08.31[SUN]愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
2025.09.06[SAT]大阪府 梅田CLUB QUATTRO
2025.10.12[SUN]東京都 恵比寿LIQUIDROOM


発売中 http://eplus.jp/nakigoto/
  • イープラス
  • なきごと
  • なきごと メジャーデビューを果たした現在の想い、さまざまなチャレンジにワクワクせずにいられない未来への期待を語る