『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』が開幕 舞台写真&ケラリーノ・サンドロヴィッチらのコメントが公開
-
ポスト -
シェア - 送る
『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』舞台写真 撮影:引地信彦
2025年9月14日(日)神奈川芸術劇場<ホール>にて、KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『最後のドン・キホーテ THE LAST REMAKE of Don Quixote』が開幕した。この度、舞台写真、作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ、出演者の大倉孝二、咲妃みゆのコメントが公開された。
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
劇作家、演出家、映画監督、音楽家として多方面で才能を発揮し、第32回読売演劇大賞優秀演出家賞など数々の賞を受賞しているケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が、約6年ぶりにKAATで新作を上演。今回は、現実と妄想の区別がつかなくなり荒唐無稽な行動を繰り広げる男の顛末を描いたセルバンテスの小説『ドン・キホーテ』をもとに、新たな冒険奇譚を書き下ろした。自らを遍歴の騎士(ドン・キホーテ)と思い込み、世直しの旅に出る初老の郷士。彼のお供をするサンチョ・パンサや空想上のドルシネア姫といった原作から引き継がれるキャラクターたちと、新たに描かれるドン・キホーテを取り巻く登場人物たちによる群像劇が紡がれる。
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
主役のドン・キホーテを演じるのは、劇団「ナイロン100℃」に所属し、KERAの信頼も厚く、数々の舞台・映像作品で存在感を放つ大倉孝二。共演は、咲妃みゆ、矢崎広、須賀健太、さらに土屋佑壱、浅野千鶴といった舞台を中心に多岐にわたる活躍が光る俳優がKERA作品に初参加。そして、山西惇、音尾琢真、安井順平、菅原永二、犬山イヌコ、緒川たまき、高橋惠子、加えて清水葉月、武谷公雄と、これまでKERA作品を確かな演技力と存在感で体現してきた顔ぶれが集結した。それだけでなく、王下貴司、遠山悠介が豊かな身体表現で作品を彩る。
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
個性と実力を兼ね備える俳優陣が、生演奏を交えて縦横無尽に舞台を駆け巡る本作。夢と妄想と正義感に取りつかれた人間の狂気が、原作のエッセンスとKERA独自の不条理さを交えどのようにリメイクされたのか、劇場で体感しよう。
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
撮影:引地信彦
なお、本公演は10月4日(土)までKAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて上演。その後、富山、福岡、大阪でも上演される。
[作・演出] ケラリーノ・サンドロヴィッチ コメント
KAATと6年ぶりに共に創作させてもらい、再び妙ちくりんな舞台を上演できることに大きな幸福を感じている。同時に、自分はどうしてこんなモノを必死に創っているのだろうと不思議な気持ちにもなる。こうした作品に全力で取り組んでくれるなんて、なんという素晴らしいスタッフ&キャストだろう。
この8月で、人からお金を頂戴する演劇を始めてから、40年を経た。40年間「場当たりは大嫌い」と言い続けていた私が、今回はなぜか、楽しいのだ。
観客の皆さんが観終えてどんな気持ちになるのか、早く知りたい初日4日前。
ミゲル・デ・セルバンテスが書いた『ドン・キホーテ』の、これが人類最後のリメイク。大倉孝二はドン・キホーテの扮装がとても良く似合っています。ぜひに。
[ドン・キホーテ(ヘンリー・クリンクル)役] 大倉孝二 コメント
大倉孝二(右) 撮影:引地信彦
なんとか初日を迎えましたが、必死です、何の余裕もありません、情け無い話しですが。
稽古中のこともあまり憶えていません、ずっと必死だったのかもしれない。
7週間もの稽古があっという間に思えます。
僕は、自分を遍歴の騎士だと思い込んでいる男を演じています。個人的には、バンドによる全編生演奏はとても見ものだと思います。
必死をアピールし過ぎましたが、やっていることはコメディです、気軽にお越しください。
ただこれが、やたら長いです。
長いってことはお得って思ってもらうわけにはいきませんかね?どうかよろしくお願いします。
[看護婦(ローズ)役 ほか] 咲妃みゆ コメント
咲妃みゆ 撮影:引地信彦
念願だったKERAさんの世界に初めて飛び込めたわけですから、毎日が新鮮で楽しくて仕方ありません。自分の力量ではKERAさんのビジョンになかなか到達できず頭を抱えることも多々ありますが、悩む時間すらも尊いと感じられるくらい夢中で挑んでいます!
お芝居は勿論のこと場面転換に至るまで、繊細な表現を要する舞台となっております。キャスト・スタッフの総力が結集してこそ完成する作品ですので、私も集中して自分の役割を全うしたいです。
私が演じさせていただく看護婦は心の奥に重く暗いものを抱えながら生きている人物です。遍歴の騎士を名乗る一人の男性と出逢ったことで、彼女の日常が勢いよく変化する様子を丁寧に表現したいです。本作の見どころの一つは、大倉さんを筆頭とする変幻自在な俳優さんたちの芝居力だと思います!シリアスとコミカルをこれほど自由に行き来できる方々がいらっしゃるのかと、稽古中から羨望していました。
作中の隅々にKERAさんの拘りが散りばめられているので、何気ない会話の一つ一つまでお楽しみいただけたら嬉しいです。劇場でお待ちしております!
公演情報
U24
高校生以下割引:1,000円
シルバー割引(満65歳以上):9,500円