さとみ(すとぷり)「本当に、みんなのおかげです」 横浜アリーナ公演のオフィシャルレポートが到着

13:00
レポート
音楽

さとみ(すとぷり)

画像を全て表示(8件)


2.5次元アイドルグループ・すとぷりのメンバーであるさとみが、2025年9月27日・28日に横浜アリーナにて全4公演のワンマンライブ『Satomi ONE MAN LIVE 2025』を開催。ソロとしては6年ぶり3回目のワンマン4公演は、これまでに発表してきたアルバムタイトルに由来するサブタイトルをそれぞれに冠し、異なるセットリストと演出で活動9年の歩みや現在、未来までをつなぐようなスペシャルなライブである。ここでは“-Memories-”“-Never End-”“-S’s-”“-Period-”のうち、9月27日昼開催の初回公演“-Memories-”の模様をお伝えする。

ハッカーが『Memories』というタイトルのフォルダをクリックし、LOADINGが完了したオープニング映像。明るく照らされスモークが立ち上るセンターステージに目をやると、リフトでゆっくりと上昇してきたのは白衣装に身を包んだピンクヘアのさとみだ。待ちかねた久々のソロライブ初回公演1曲目は、2019年9月リリースの1stソロアルバム『Memories』に収録のさとみ自身が作詞に参加した「君しか愛せない」。伸びやかな歌声も、<好きだ>の連呼も、指先まで気を配った動きも、膝をつき天を仰ぐような姿も、なにもかもが鮮烈だ。リスナー(ファンの呼称)の大歓声が上がり、さとみのイメージカラーであるピンク色の光を灯した数多のペンライトが客席で大きく揺れる。

2025年9月24日発売の2ndフルアルバム『S’s』に収録、9月11日にMV公開されたロックナンバー「Uncontrollable」ではシャウトやハイキックに反骨精神を宿して、『Memories』に収録の「Love Sick」では歌声もダンスも艶やか。色彩豊かな『S’s』であらためて感じたことだが、活動開始から9年、さとみの表現欲はますます旺盛でその表現力は磨かれ続けている。

「元気だね、みんな! ここのところリハーサル詰め詰めだったから、みんなの顔をこうして見られて幸せだな、っていう気持ちが今すごくあふれてます。この4公演、みんなにとって最高の思い出になるように全力でやっていきます!」

そう笑顔で告げ、ステージ後方スクリーンに映るシルエットとさとみのダンスが見事リンクした「ワンダラー」からは、2023年9月リリースの1stフルアルバム『Never End』の楽曲たちが続く。キャッチーな振り付けやダンサーとのフォーメーションダンスで沸かせた「tick tick tock」で、アルバム『S’s』のキービジュアルそのままのピンクジャケットにお召し替え。「My Heroine」「シュガーテイスト」では、トロッコに乗り込みアリーナ客席通路を進みながら手を振ったりハートマークを贈ったり、ファンサも欠かさない。

2025年の誕生日、2月24日に発表し『S’s』に収録された「あいまいハート」では、センターステージ左右に伸びる花道を歩きながら<愛しい君>がたくさんいる客席を見渡しながら歌ったり。『Memories』に収録の「Still Love」では、上昇するセンターステージでスタンドマイクに向かい哀愁感漂う歌声を響かせたり。『Memories』ですとぷりメンバーが参加した「Feeling Love」では、リスナーの一体感ありすぎなコールを浴び、ステージ後方のスクリーンにメンバーカラーのカラフルな苺が彩る映像が流れたり。さとみのこれまでの歩み、大切にしてきたものを目で耳で感じられるステージに、どうしたって心が動く。

「ペンライトめっちゃきれいだね!」と感動するさとみ、「この曲をライブでやるのは初めてなんですけど」と前置きしたのは『Memories』に収録の「約束」だ。温かな歌声、真っ直ぐに届ける<会いたい>に、誠実な人柄がにじむ。

ダンサーのパフォーマンスタイムをはさみ、タイトな黒いスーツをスタイリッシュに着こなしたさとみがメインステージに登場。センターステージを目指し花道を颯爽と進むその姿は、まるでランウェイを歩くモデルのようだ。

さとみを中心にセンターステージ左右の花道にダンサーが広がり、椅子を使った華麗なパフォーマンスでショウマンシップを見せつけた「Lovert」。繊細なファルセットや流暢なラップ、色気あるダンスや表情も隙なく完璧だった、全編ほぼ英詞の「CURVE」。上昇するセンターステージでの堂々たるダンス&キレあるステップ、生リップ音でリスナーのハートを鷲掴みにした「Strawberry Shadow」。たたみかける『S’s』の新曲たちが物語るのは、いつだって自分を超えていこうとするさとみの挑戦心だ。

幕間映像があけ、メインステージ上段にスポットライトが当たると、そこにはカジュアルなデニムジャケットに着替えたさとみが。初めて全歌詞英語曲に挑んだ「Save you」にしても、繰り返す<Tell me why>が切ない「Never End」にしても、緑のレーザー光線が飛び交いファイヤーボールがダイナミックに噴き上がった「感情色」にしても。リリースから2年の時を経た『Never End』の楽曲たちもまた、さとみの歌とダンスの進化を如実に感じさせてくれたように思う。
 
「今日は本当にありがとう。これからもみんなと歩いていけたらいいな、って思ってます!」

嬉しい言葉に続き本編ラストに届けたのは、『Memories』に収録の「恋をはじめよう」だ。スパークラーの火花が華を添えるステージで、恋する気持ち、その瑞々しさを晴れやかな笑顔で歌い、しなやかなダンスで表現するさとみ。声援を送りペンライトを大きく振って応えるリスナー。揺るぎない愛と信頼で結ばれたさとみとリスナーが照らす未来は、明るい。

オープニング映像の謎がエンディング映像で明かされ、どよめくリスナー。すかさずアンコールの声を上げると、ほどなくしてさとみが再びステージに現れ、『S’s』収録の「LYRA」でアンコールがスタート。ドラマティックなナンバー、あまりにもライブ映えするではないか。

「『Memories』は思い出深い作品なんです。ライブを始めたばかりでダンスも拙くて(苦笑)……それが、今は1公演通して踊れるようになりました。自分で、成長を実感できています。「ストイックですね」ってほめられることも多いけど、自分はもともとゲームばっかりして努力とかできる人間じゃなかったんですよ。でも、好きな人に会うときにはカッコつけたいタイプで。みんなのことが心の底から好きだから、ダンスもできるようになりました。愛の力だけで、こんなにできるようになったんですよ。本当に、みんなのおかげです」

難易度の高い『S’s』の楽曲が新たに加わり、しかもセットリストや演出の異なる4公演を2日間で行うのは、簡単なことではない。それでも。活動9年間の感謝を行動で示すために、リスナーの愛に応えるために、努力を惜しまないのがさとみだ。

「いつも本当にありがとう。みんなの近くに行ってもいいかい?」と呼びかけて、「Summer Hugs You」と「PRESENT」では再びトロッコに乗りアリーナ客席通路へ。『S’s』収録のさとみ初の夏曲も、胸キュンな“約束のうた”も、愛おしい。

そして。先のMCで「ちょっとしたプレゼントを用意しています」と予告していたさとみは、センターステージへ。椅子に座り、「マジで弾けなかったんだけど、この日のために練習しました」と言って手にしたのは、アコースティックギターだ。最後の最後に、なんとギター演奏に初挑戦したのである。『S’s』収録の「君のいる世界」を歌いながらの軽やかでなめらかなギターストロークもまた、努力の賜物。臆することなく新たな扉を開き続けるその姿に、胸が熱くなったりもした。

歌で、ダンスで、言葉で、行動でリスナーへの感謝を表す心尽くしのステージ。『Period』まで、さとみは全身全霊で駆け抜ける。

 
文=杉江優花
撮影=Keisuke Kato(@keisukekatop)/タカギユウスケ(@yusuke_mphoto)

セットリスト

Satomi ONE MAN LIVE 2025
2025.9.27 横浜アリーナ
1. 君しか愛せない
2. Uncontrollable
3. Love Sick
4. ワンダラー
5. tick tick tock
6. My Heroine
7. シュガーテイスト
8. あいまいハート
9. Still Love
10. Feeling Love
11. 約束
12. Lovert
13. CURVE
14. Strawberry Shadow
15. Save you
16. Never End
17. 感情色
18. 恋をはじめよう
[ENCORE]
19. LYRA
20. Summer Hugs You
21. PRESENT
22. 君のいる世界
  • イープラス
  • さとみ
  • さとみ(すとぷり)「本当に、みんなのおかげです」 横浜アリーナ公演のオフィシャルレポートが到着