親子で楽しめる参加型企画や演出が盛りだくさん! 『Concert for KIDS ~そらくんといっしょ!~』鶴川公演レポートが到着
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(左から)出演者の新井さん、そらくん、鳥尾さん
未就学児から入場できる人気クラシック・コンサート・シリーズ『Concert for KIDS』(主催:公益財団法人ソニー音楽財団)の新企画『ソニー音楽財団Concert for KIDS ~そらくんといっしょ!~』の初回公演が、2025年10月11日(土)に和光大学ポプリホール鶴川にて開催された。
“そらくんとクラシック音楽であそぼう!”というテーマで行われた本コンサートは、「鬼のパンツ」歌唱動画がYouTubeで2,000万回以上再生と話題のテノール歌手:鳥尾匠海と、「ピアノおにいさん」としてYouTubeを始め全国で活躍するピアニスト:新井瑛久、そして公演オリジナル・キャラクターの「そらくん」が出演。クラシックの名曲や童謡などをストーリー仕立てで披露していく中、親子でステージに上がり間近でピアノ演奏を体験できる「ピアノ解説コーナー」やバルーンの舞台演出など、子どもが楽しめる企画が盛りだくさんだ。0才から入場可能で、ベビーカー置き場の設置や公演中の出入り可能など、安心して楽しめる環境となっている。
なお、同コンサートは11月26日(水)に豊洲シビックセンターホール(5F)でも開催される。こちらの公演には鳥尾、新井、そらくんの他に、ゲストでフルート奏者の多久潤一朗が出演予定。フルート以外にも"穴の開いているもの"は何でも吹いてしまうという多久は、豊洲公演では「ちくわ」も演奏する予定だ。
鶴川公演のオフィシャルレポートが到着した。(※豊洲公演は鶴川公演レポート内の演出とは異なります)
<公演レポート>
家族みんなで楽しめる! 本格的なクラシック・コンサートが開催
公益財団法人ソニー音楽財団が企画制作する、0才から入場できる人気クラシック・コンサートの新企画『Concert for KIDS ~そらくんといっしょ!~』が、10月11日(土)に和光大学ポプリホール鶴川にて開催されました。大人も子どもも、それぞれが自由に音楽の楽しさを味わった特別なコンサートの模様をお伝えします。
たくみお兄さん、ピア兄、そらくんが織りなす楽しいステージ
10月の3連休初日、肌寒い雨降りにもかかわらず、和光大学ポプリホール鶴川に多くの方々が足を運びました。0才から入場できる公演とあって、赤ちゃんを抱っこするお父さんやお母さん、少しおめかししたワンピース姿の小学生、よちよち歩きのちびっこ、また三世代が揃った家族連れの姿も。幅広い世代が集う開演前のロビーは、ウキウキとした雰囲気に包まれていました。
このコンサートでは、公演中の出入りもOK。お子さんが気分転換をしたくなったら、一旦ロビーに出てリフレッシュした後、再びホールに戻って演奏を楽しむことができます。開演直前、この案内がアナウンスされると、客席の大人たちはほっとした表情を浮かべ、会場全体に安心感が広がりました。さあ、準備は万端! ステージが幕を開けます。
“ピア兄”こと新井瑛久さん
舞台にピアニストが登場し、どこからともなく拍手が湧き起こりました。演奏が始まると、子どもたちが不安にならないように、客席の照明が少しずつ暗くなっていきます。オープニングを飾ったのは、ベートーヴェン「ディアベリ変奏曲より主題」。楽しそうにピアノを奏でるのは、YouTubeチャンネル『ピアノおにいさん新井』も大人気のピアニスト、新井瑛久さんです。プロの本格的な演奏に、客席から「すごい!すごい!」と感嘆の声が聞こえてきました。新井さんは、「僕のことは、ピアノおにいさん、“ピア兄”って呼んでね!」と自己紹介。続いて披露されたショパン「小犬のワルツ」の心地良いリズムに誘われて、親子で一緒にピアノを弾く真似をしたり、華麗なタッチを見ようと身を乗り出すお子さんの姿もありました。和やかな雰囲気のなか、プログラムは進んでいきます。
客席から登場した鳥尾さん
ここで突然、客席の扉から地元のサッカークラブ、FC町田ゼルビアのユニフォーム姿で、サッカーボールを手にした男性が登場!みんなを驚かせます。YouTubeで2,000万回以上再生される「鬼のパンツ」の動画が話題のテノール歌手、鳥尾匠海さんが、会場を歩き回って伸びやかな歌声を披露しました。鳥尾さんは、「僕はたくみお兄さんです。よろしくね!」と挨拶したあと、「今日はあいにくの雨だけれど、気持ちが晴れるような歌を歌いたいな」とつぶやきます。それを聞いたピア兄が、ナポリ民謡「オー・ソレ・ミオ」のイントロを弾き始めると、たくみお兄さんは笑顔になり、張り切って歌い始めました。舞台上で華麗なドリブルをしながら、晴れやかな歌声をホールに響かせ、最後は「オ・ソ~~~~~」と驚異のロングトーン!どこまでも伸びていく高らかな美声に、観客みんなが笑顔になり、大きな拍手が巻き起こりました。
ナポリ民謡:「オー・ソレ・ミオ」
さらに、ステージにかわいいお友だちが加わります。『Concert for KIDS』のオリジナルキャラクター、そらくんがやってきました。「そらくんが喜ぶ音楽を聴かせて!」というリクエストに応えてピア兄が演奏したのは、ゴセック「ガヴォット」とムソルグスキー《展覧会の絵》より「卵の殻をつけたひなどりの踊り」。軽やかなピアノに合わせて、そらくんが愛らしいダンスを見せてくれました。
ムソルグスキー《展覧会の絵》より「卵の殻をつけたひなどりの踊り」
みんなでピアノ博士になっちゃおう!
「ピアノ解説コーナー」ピアじいのピアノ解説
次に、たくみお兄さんから素敵な提案が飛び出しました。「みんな、ピアノをもっと近くで見たいよね!?」の呼びかけに、子どもたちは手を挙げて大喜び! 客席から舞台に上がり、みんなでグランドピアノをぐるりと囲みました。間近で見るピアノの大きさに驚きながらも、大人も子どもも興味津々。ピアノについて詳しく解説してくれたのは、ピア兄に代わって登場した“ピアじい”です。ピアノの内部にあるハンマーが、弦を打って音を鳴らす様子を覗き込んで確かめたり、オルゴールを響板の上で鳴らしてみたりと、楽器の構造を理解したところで、ピアじいがショパン「エチュード《革命》」を披露。ステージの上でピアノ演奏を聴くというドキドキの体験に、子どもたちはさまざまな反応をみせました。激しく鍵盤を奏でる指先に釘づけになったり、しゃがみ込んでペダルを踏む足の動きをじっと見つめたり、ハンマーや弦の動きに夢中になったり……。それぞれが思いのままに、自由に演奏を楽しみました。
ピアノの秘密を知って客席に戻ると、今度はたくみお兄さんが歌の魅力を改めて感じさせてくれました。情感豊かな「赤とんぼ」、コミカルな「犬のおまわりさん」、さらに「早口言葉の歌」で会場を一層盛り上げます。プロの素晴らしい歌声に、誰もが聴き入っていました。
山田耕筰:「赤とんぼ」
大中 恩:「早口言葉の歌」
シューベルト(リスト編曲):「魔王」
と、突然おどろおどろしいメロディが流れてきます。「魔王だ! そらくん、逃げよう!」とたくみお兄さん。歌曲で名高いシューベルト「魔王」を、ピア兄がピアノソロで熱演。圧倒的なスケール感に包まれ、ホール中が劇的なサウンドに震えました。演奏が終わると、たくみお兄さんが「みんなで鬼のパンツを歌って、魔王をやっつけよう!」と声をかけます。大人も子どもも立ち上がり、みんなで踊りながら「鬼のパンツ(フニクリ・フニクラ)」を笑顔で熱唱!会場にはパステルカラーの風船が舞い上がり、大興奮のままエンディングを迎えます。音楽を聴くだけでなく、みんなで楽しむ“参加型”のコンサートは、これまでの公演とはひと味違う盛り上がりを見せました。温かい一体感に満ちたフィナーレでは、たくみお兄さん、ピア兄、そらくんが揃って観客に向かって元気に手を振り、ステージをあとにしました。
最後は「鬼のパンツ」で観客と一体に
終演後に行われた出演者とのフォトセッションには、長蛇の列ができました。ピアノを弾くポーズで写真を撮る人、ハイタッチして喜ぶ人、「ブラボーな演奏でした」と感想を口にする人、また「11月の公演も楽しみにしています!」と伝える人も。このシリーズの第2弾が、11月26日(水)に豊洲シビックセンターホールで開催されます。今回のメンバーに加えて、ちくわも楽器にして演奏するフルート奏者、多久潤一朗さんもゲスト出演。ますます愉快なコンサートになることは間違いありません。本格的なクラシック公演でありながら、形式にとらわれない自由な演出で、笑顔と驚きにあふれるステージです。ご家族みなさんで、ここでしか味わえない音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。
終演後のお客様とのフォトセッション
取材・文=鬼木玲子 撮影=池上直哉
公演情報
会場:豊洲シビックセンターホール(5F) (東京都)
https://www.smf.or.jp/concert/sora_251126/
<出演>
鳥尾匠海(テノール)
新井瑛久(ピアノ)
多久潤一朗(フルート)
そらくん(Concert for KIDS オリジナルキャラクター)
<曲目>
鬼のパンツ(フニクリ・フニクラ)
ハチャトゥリアン:剣の舞
ナポリ民謡:オー・ソレ・ミオ ほか
こども(0才~小学生):1,500円
おとな(中学生以上):2,500円
2026年1月31日(土) 会場名:永守重信市民会館(京都府向日市)
主催:京都府、Music Fusion in Kyoto音楽祭実行委員会
共催:向日市
企画制作:公益財団法人ソニー音楽財団
https://www.smf.or.jp/concert/sora_260131/