B’z、LOUDNESS、マイケル・モンロー、黒夢が、老舗音楽バー・ROCK ROCKの30周年を祝した最高のロックパーティー『ROCK BEYOND ROCK VOL.2』レポート

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レポート
音楽

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『ROCK ROCK 30th ANNIVERSARY LIVE ROCK BEYOND ROCK VOL.2』2025.11.24(MON)大阪・インテックス大阪

ライブイベント『ROCK ROCK 30th ANNIVERSARY LIVE ROCK BEYOND ROCK VOL.2』が11月24日、大阪・インテックス大阪で開催された。

『ROCK BEYOND ROCK VOL.2』は、大阪・心斎橋アメリカ村の老舗ミュージックバー・ROCK ROCKの30周年を記念したイベント。約1万人が集まったインテックス大阪の5号館では、B’z、LOUDNESS、マイケル・モンロー、黒夢の4組が熱いライブを繰り広げ、隣接する4号館では、円形の特設バーを囲むようにフードトラックが並び、B’zの松本孝弘(Gt)、LOUDNESSの高崎晃(Gt)の愛機や大物アーティストのサイン、膨大なバックステージパス等が展示。フォトスポットやプリクラも設置されるなど、国内外のミュージシャンから愛されてきた世界的名店が、ロックとともに歩んだ30年を体感できる空間が作り上げられていた。

開演にあたり、まずはFM802 DJ・落合健太郎が「さぁこれから最高のロックパーティーがここインテックス大阪で開催されます。今日は歴史的な一日になりますよ。盛り上がる準備はできてますか!?」と呼び掛け、ROCK ROCK代表の岡田誠司氏は、「こんなにたくさんの皆さんに集まっていただいて、最高のメンバーとここに立てたことを幸せに思い、感謝します。僕も一緒に楽しみます!」と宣言。規格外のロックの祭典がついにスタートした。

黒夢

ミスフィッツの「Last Caress」のSEを背に、清春(Vo)が両手を挙げれば大歓声が巻き起こる。黒夢は1曲目の「FAKE STAR」から巨大な会場を揺らすハイスピードパンクをぶっ放し、「I HATE YOUR POP STAR LIFE」でもその手を緩めず加速する……と思いきや、突如急停止!?

「こういう曲じゃなくて、間違えて止まりました(笑)。ROCK ROCKには1998年ぐらいからずっと通っていて……30周年おめでとうございます! 今年はいろいろフェスにも出させてもらって、だいたい出番は後ろの方なんですけど、今日は諸先輩方が、歴史ある偉大なバンドがたくさんいて、それと比べると僕らはまだガキンチョですので(笑)。去年、僕らもデビュー30周年を迎えました。でも、曲なんて知らなくても全然いいんです。音楽が好きなのは皆さん同じで、ジャンルも世代も関係ないと思ってますから」(清春、以下同)

ヘッドライナー級のアクトぞろいの宴で最強のトップバッターを務める黒夢は、再びシャープなギターのカッティングを合図に「MARIA」で躍動。清春がアコースティックギターをかき鳴らし「少年」を歌い上げた横顔は、変わらぬ刹那のはかなさと同時に紛れもないロックスターの輝きを放つ。ヒリヒリするような焦燥感にかき立てられた「後遺症 -after effect-」でも、清春の叫ぶ「大阪ー!」はお決まりのコールではなく本気のアジテーションだとビシビシ伝わってくる。「漢字で黒、漢字で夢、名前だけでも覚えて帰ってください。30年間ロックンロールやってます」とユーモアたっぷりに語ったラストの「Like@Angel」まで、鬼気迫るパフォーマンスの連続で駆け抜けた黒夢だった。

マイケル・モンロー

ここで落合健太郎からバトンタッチされたFM802 DJ 大抜卓人が、「このアーティストこそがロックンロールは危険でセクシーで華やかで……その教科書を作ったと言っても過言ではありません!」と称賛したのは、唯一の海外勢にして、80年代初頭にハノイ・ロックスのボーカリストとしてシーンに現れ、かのガンズ・アンド・ローゼズもフェイバリットに挙げるなど多くの後進に絶大なる影響を与えてきたマイケル・モンローだ。

「Are You Ready? Ready Go!」と、いきなりの代表曲「Dead, Jail or Rock ’n’ Roll」からブルースハープを吹きまくり、サミ・ヤッファ(Ba)、スティーブ・コンテ(Gt)、リッチ・ジョーンズ(Gt)、カール・ロックフィスト(Dr)ら気心知れたメンバーと、極上のロックンロールナンバーをぶちかます! 「アイシテマス!」とリップサービスを交えれば、観客も思わず大合唱。続くハノイ・ロックスの「Motorvatin'」も御年63歳にして現役バリバリの歌声とスタイルで、近年のソロ曲「I Live Too Fast to Die Young」や「Last Train To Tokyo」でも、終始エネルギッシュなステージングで魅せていく。

「Thank You for Coming and Congratulations! ROCK ROCK Bar」とROCK ROCKの30周年に祝いの言葉をささげた後は、客席へ降りメロウでどっしりとしたリズムに乗せ「Man With No Eyes」を熱唱。その後も、90年代に率いたデモリション23の「Hammersmith Palais」や、泣きのギターにグッとくるハノイの名ミドルバラード「Don't You Ever Leave Me」と立て続け、「Everybody, Have a Good Time!?」とご機嫌な表情を浮かべる。

ステージに腰掛け情熱的に歌い始めた「Ballad Of The Lower East Side」を経て、クライマックスはまたもハノイの名曲「Malibu Beach Nightmare」でサックスも披露する多彩ぶり。「Osaka Rock City, アイシテマス。See You Soon!」と、最後はハノイ時代にカバーしたCCRの「Up Around the Bend」を。キャリアをたどる充実の全10曲で往年のロックファンを喜ばせた。

LOUDNESS

今では日本のバンドが海外進出するのも珍しいことではなくなってきたが、40年以上前の80年代から世界を舞台に活躍した先駆者であり、まさに生きる伝説。無敵艦隊LOUDNESSの登場を告げるSEとサーチライトにはいやが応でも期待が高まり、高崎晃の神のギターが刻まれた幕開けの「CRAZY NIGHTS」から、幾千の拳がインテックス大阪に突き上がる。

10年前の2015年に大阪・Zepp Namba(OSAKA)で行われたROCK ROCKの20周年ライブにも、B’z、THE冠(オープニングアクト)らと出演したLOUDNESSは、哀愁を帯びたイントロから突入した「HEAVY CHAINS」でも、地鳴りするような重低音を轟かせる。そして、「大阪一緒に歌えますか? クレイジー“ファッキン”ドクター!」という二井原実(Vo)の鉄板の雄たけびがいざなえば、鳴り響くのはあのギターリフ! 世界をたぎらせた問答無用のキラーチューン「CRAZY DOCTOR」には、オーディエンスもたまらず狂喜乱舞だ。

「どうもおおきに! 盛り上がってますか? ええ感じ。初めましてLOUDNESSです。デビューしてもう45年です。ガッツリ楽しんで帰ってちょうだい!」(二井原、以下同)と、大阪生まれのバンドらしい親近感溢れるトークとのギャップでも沸かせ、後半戦も長尺で見せ場満載の「THIS LONELY HEART」、轟音の雨を降らせた「GOTTA FIGHT」と畳み掛け」、タッカンの壮絶ソロから流れ込んだ「IN THE MIRROR」では、二井原が見事な極太ロングトーンを響かせる。

さらに、「METAL MAD」では見渡す限りが手を振る絶景を生み出し、「おっさんなかなかカッコええやんと思ったら、また遊びに来てください!」と、「S.D.I.」で怒濤のエンディング! ド派手な照明の下、いまだ追随を許さないワールドクラスのヘヴィネスで圧倒したLOUDNESSが、ROCK ROCKに最大級の音の賛辞を送った。

B’z

B'zは現在、3年ぶり通算23作目となるオリジナルアルバム『FYOP』を引っ提げたドームツアー『B'z LIVE-GYM 2025 -FYOP-』の真っ最中ということでセットリストの詳細を明かすことはできないが、10年前とはガラリと変わった演奏曲でB'zのたゆまぬ歩みと進化を証明。無論この日も、第一声からバッチリチューンナップされた稲葉浩志(Vo)の圧巻のボーカルで、見る者のハートをわしづかみ。あっという間にワンマンライブばりの空気感に引き込み、そのたたずまいだけで神々しい松本孝弘のギターが冴えわたる。一曲一曲重ねるごとに、この2人がそろった奇跡を何度でも思い知らされるばかりだ。

「今日はROCK ROCKの30周年記念『ROCK BEYOND ROCK VOL.2』に、ようこそいらっしゃいました。前回に引き続き声を掛けていただきまして、ありがとうございます! 今日は素晴らしいバンドの皆さんとご一緒できて、とっても光栄です。後ろの方まで伝わるように、精一杯やらせていただきます!」(稲葉、以下同)

シェーン・ガラース(Dr)のスーパードラムソロから再度ビートが動き出し、「紹介しましょう。onギター、Mr.TAK MATSUMOTO!」とアナウンスすれば、変幻自在のサウンドとダイナミズムで応える松本。一点の曇りもないシャウトとフルドライブするギターを浴びる、このとてつもない快楽はB'zのライブならではのギフトで、容赦なく熱狂の渦へと引き込んでいく。

「我々B’zもROCK ROCKにはずいぶんとお世話になりまして。1999年に『Brotherhood』というアルバムを大阪でレコーディングしたとき、作業を終えて、その日録った音源をROCK ROCKで大音量で流して……今思えば夢のようにロックで楽しい毎日でした。ずっと大阪にいたので毎日会う仲間との絆が強くなって、それこそROCK ROCK で顔見知りもどんどん増えていって……そこから『Brotherhood』という言葉が生まれたわけです。ある意味、ROCK ROCKは『Brotherhood』が生まれた場所です」 

そんな逸話にも、ROCK ROCKとB’zの深い縁を感じさせる。ミレニアム前後を彩った楽曲から最新アルバムの収録曲、国民的アンセムまでを届けた、完全無欠の60分間。自身の大事なリリースツアー中にも関わらず駆け付け、ロックミュージックの求心力もカタルシスを味わわせたB’zが、ROCK ROCKの30周年に花を添えた。

なお、12月3日(水)には大阪・なんばHatchで『ROCK ROCK 30th ANNIVERSARY LIVE ROCK BEYOND ROCK VOL.3 -YK presents-』が開催。The BONEZ、The Ravens、ミクスチャー研究所、SUNSHINE DUBが出演する。

取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=オフィシャル提供

イベント情報

ROCK ROCK 30th ANNIVERSARY LIVE
ROCK BEYOND ROCK VOL.3 -YK presents-

【日時】2025年12月3日(水) OPEN 16:30/START 17:30
【会場】なんばHATCH
【出演】The BONEZ / The Ravens / ミクスチャー研究所 / SUNSHINE DUB


・1階スタンディング 6,000円(standing、税込)
・VIP 2階指定 11,000円(お土産付き、指定、税込)
※別途1ドリンク必要 ※未就学児入場不可
  • イープラス
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