Bialystocks 甫木元空が語る歌の在り方、初対バンのiriから質問も『SOUND CONNECTION NO LIMITS』インタビュー

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インタビュー
音楽

Bialystocks 甫木元空 撮影=渡邉一生

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MBSテレビが関西のイベンターやエンタテインメント業界とタッグを組んで、関西から音楽シーンを盛り上げる音楽イベント『SOUND CONNECTION』。2022年の初回以来、ジャンルを問わずさまざまなアーティストたちが対バンし、ライブ当日は最高の化学反応を起こしてきた。中には本イベントを機に、お互いの仲を深めたというアーティストも。そして2026年3月、記念すべき10回目の開催が決定! 2026年3月19日(木)に『SOUND CONNECTION NO LIMIT』と題し、神戸国際会館こくさいホールにてBialystocksとiriが対バンする。今回はBialystocksの甫木元空とiriに、それぞれ単独でインタビューを実施。本記事では、甫木元のイベントへの想いやiriの印象などを語ってもらった。iriから甫木元への質問にも回答しているので要チェック!

意外な組み合わせの対バンは面白い

ーーまずは『SONUD CONNECTION』にオファーされた時のお気持ちを聞かせてください。

単純に嬉しかったです。iriさんと僕たちみたいな不思議な組み合わせのライブは、聴いてる方もやっぱり楽しいでしょうし。

ーーiriさんとは初対面だそうですね。

はい。今思えば、僕たち「初めまして」の対バンばかりかもしれないですね。

ーーそうなんですか?  Bialystocksは2022年に対バンイベント『音楽交流紀』を自主企画で開催されて、グソクムズと優河さんを呼ばれていましたが、当時交流は?

全然なかったです。実は毎回そういう感じなんですよ。だから今回も単純に、お客さんと同じようにiriさんのライブを楽しみにしています。

ーー会場の神戸国際会館こくさいホールに行かれたことは?

今回が初めてです。

ーーセトリは大体どのぐらいのタイミングで決まるんですか?

結構直前ですね(笑)。リハーサルをやりながらも変えていますし、時には本番直前に変わっちゃうこともあります。決めるタイミングは結構まちまちですかね。

ーー今回は初めてのホールで、iriさんとの対バンということも鑑みて、考えていかれると。

そうですね。『Bialystocks 2+5 ツアー』(2025年11月〜2026年1月に実施する東名阪ツアー)を終えたところなので、仕上がってると思います。

iriさんの歌には存在感と、どんな歌詞でも代弁できる強さがある

ーーiriさんは31歳、甫木元さんは33歳と同世代ですが、iriさんにはどんな印象を抱かれていますか?

iriさんの曲を聴いていて思ったのは、ただ肯定するだけというよりかは、歌詞にすごく波があるというか……。結果的に誰かの背中を押してくれるような曲もいっぱいあると思うんですけど、その時にも「光と影」の両方を描いていて、誠実な方なのかなと思いました。

ーーiriさんの楽曲で気になった曲はありました?

Bialystocksのレコーディングやサポートでもお世話になった、西田修大(Gt)さんプロデュースの「harunone」です。

ーーどういうところが気になりましたか?

曲の流れというか、どこに行きつくかわからない感じも面白いですし、サウンドから色んなルーツを感じるからか、ジャンルを形容しがたいといいますか。こういう不思議なバランスの曲は海外にはよくあるし、ヒップホップ調にするのは想像がつくけど、J-POPの中でこのバランスが生まれているのは、すごく面白いなと思いましたね。

ーー西田さんらしさを曲の中から感じたりはされました?

多分西田さんも、自分を出すというよりかは、この曲における最善の策を練っていると思うんです。iriさんとのコラボレーションの中でこういうふうになったんだなというのは、聴いていても面白いですね。

ーーiriさんの歌声からは何を感じますか?

歌を歌う人間として、すごく説得力がありますよね。iriさんだから歌える歌詞もあるのかなと思いますし、色んな人のカバーを歌われていても、まるで自分の曲のように歌える。そういう歌の存在感や、歌詞の中の登場人物がどんな人でも代弁できる強さがあるというのは、本当にすごいなと思いました。

ーー甫木元さんの歌声も圧倒されるほどの存在感がありますが、やはり曲を良くするところを第一に考えて歌っておられるんですか?

そうですね。ライブだと流れもありますし、音源だと、アレンジの中でどういう歌を歌えばいいか、差し引きを1番意識しています。曲として「この辺にボーカルがあると1番いいよな」というところ。僕はそこまで解像度高く見れてはいないですけど、「ここが良い落としどころなのかな」と探しながらリハをして、本番に臨む感じです。

ーーライブでの流れも、楽曲の中での流れも意識されるんですね。

そうですね。

ーー甫木元さんは映画監督としても活躍されています。それこそ映画にも起承転結の流れがありますが、ルーツとして映画音楽からも影響を受けられていますか?

実家では、映画音楽がどうだとか分けて考えられないぐらい、色んなジャンルの音楽がぐしゃぐしゃに流れていたので、そういう意味では影響を受けてる部分はあるかもしれませんね。たとえば映画のサントラって、曲だけ聴いてる時と、映像と合体する時でイメージが変わったりしますよね。それこそすごい引き算で考えられている。曲だけ聴くとあっさりしていても、劇中で流れたら登場人物の感情や展開と相まって壮大に聴こえたり、色んな側面があると思うんです。そういう考え方の部分で影響されていると思います。

甫木元へiriから質問「今まで観た中で衝撃的なライブを教えてください」

ーーここで、iriさんから甫木元さんへのご質問をお預かりしていますので、ぜひご回答ください。「今まで観た中で衝撃的なライブを教えてください」という質問です。

ニューヨークに行った時に観た、Yo La Tengoですかね。公園で無料でやっていたフェスにYo La Tengoが出ていて、突然お母さんをゲストで呼んで、お母さんが歌い始めたんですよ。

ーーメンバーの実のお母さんが?

はい。で、だんだん家族がステージに上がってきて、それがめちゃくちゃ良かったんですよね。人柄が伝わってくる歌声というか「みんなのお母さん」みたいな感じだったんです。ニューヨーカーたちも「フー!」と盛り上がるよりかは、静かにそのファミリーを見守りながら聴いてる感じで、それも良くて。「歌って、なんなんだろう」と思いました(笑)。

ーーそれは何歳ぐらいの時に観られたんですか?

24歳くらいですかね。

ーーどんなことを感じられましたか?

人前で何かを表現する時の在り方というか。僕は英語があまり得意じゃないので、なぜお母さんが出てきたかわからなかったんですけど、多分お母さんも歌のプロとかじゃないと思うんです。もちろん、それまで培ってきたお母さんの人生を僕たちは誰も知らない。だけどそれが一瞬で聴いてる人たちに伝染して、曲を聴いて状況を思い浮かべるように、お母さんの歌声を聴いた瞬間に「こういう人なのかな」と想像する。それぞれ自分のお母さんを思い浮かべた人もいるでしょうし。ライブって、一方的に高密度で音楽を届けるという表現方法のひとつだと思うんですけど、ある種、力じゃないものによって、その場にいる全員が心地良い空気になる時があるんですよね。

ーー確かに。

バイト先の友人の結婚式に行った時も思ったんですけど、余興で友人の知り合いがたどたどしくMr.Childrenの「終わりなき旅」を歌っていて、それを聴いてるみんなが泣いていて。そういう音楽の伝わり方は狙ってやれるものじゃないと思うんですけど、すごく刺激的で、衝撃的な体験でした。

ーー甫木元さんはどんなボーカリストになりたいというような、理想の姿はありますか?

余裕が出てくるといいですよね。もう少し客観的にのめり込んで、ライブを楽しみながら軽々と歌えたらなと思っています。

ーーまだ、楽しむところまではいけていない?

そうですね、楽しいとは違うかもしれない。肩の力を抜いてできるといいですよね。

ーーありがとうございます。では今度は、甫木元さんからiriさんへの質問もいただけると幸いです。

同じ質問で、iriさんの回答が気になります。あとは、何時に寝ますか? 睡眠時間はどのぐらいか聞いてみたいです。

ーーちなみに甫木元さんは何時に寝られるんですか。

ぐっちゃぐちゃですね。基本的には絶対8時間以上寝ていたいんです。理想を言えば、23時か24時には寝たいなーと思ってはおります(笑)。

ーー最後に、当日『SOUND CONNECTION NO LIMIT』に来られる方や、来るのを迷っている方にメッセージをお願いします!

ジャンルを問わず、音楽が好きな人なら楽しめるライブになると思うので、ぜひ気軽に遊びに来てください。

取材・文=久保田瑛理 撮影=渡邉一生

イベント情報

『SOUND CONNECTION -NO LIMIT-』
日程:2026年3月19日(木)OPEN 18:00 / START 19:00
会場:神戸国際会館こくさいホール
出演者:Bialystocks / iri
 

前売料金(税込・全席指定):¥7,500、¥9,800(枚数限定・オリジナルグッズ付き)
※未就学児童入場不可。
※おひとり様4枚まで購入可能
 
主催:SOUND CONNECTION 実行委員会
協力:イープラス
企画制作:MBSテレビ / KYODO GROUP Inc.
問い合わせ:キョードーインフォメーション 0570-200-888<平日 12:00~17:00>
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