「またここで会いましょう」サカナクション、802 Family Session、ユニゾン田淵智也の生誕40周年ライブなど豪華集結『RADIO CRAZY 2025』DAY2レポート
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『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』サカナクション 撮影=渡邉一生
『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』2025.12.27(SAT)インテックス大阪
大阪のラジオ局・FM802が主催する関西最大級のロックフェス『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』(以下、『レディクレ』)が、12月26日(金)〜29日(月)の4日間にわたり大阪・インテックス大阪にて開催された。4つのステージに加え、境内STAGEにストリートライブの新企画「レディ天」も加わり、総勢約100組のアーティストが出演。SPICEでは音楽を愛する人々がアーティストと想いを繋いだ、2日目のライブをピックアップしてレポート!
【フレデリック】Z-STAGE
フレデリック 撮影=渡邉一生
Z-STAGEのトッパーを担ったフレデリックは、最新の自分たちの創造を圧倒的なスケールで提示しつつ、芸術文化に触れる喜びと楽しさをも教えてくれるステージで想像力と好奇心を刺激した。
SE・照明・映像が三位一体となった芸術性の高いオープニング。三原康司(Ba)、赤頭隆児(Gt)、高橋武(Dr)がセッションでジョインし、三原健司(Vo.Gt)が「今日このステージが最高やって言わせに来ました!」と叫ぶと「オドループ」で音が弾ける。計算され尽くした魅せ方にぞわりと鳥肌が立つ。シームレスに「Happiness」「イマジネーション」「悪魔」「飄々とエモーション」を連投し、楽曲を増幅するハイレベルな演奏と表現で圧倒する。特に健司の生声のコール&レスポンスは、後方エリアがざわつくほどのパワーを宿していた。
撮影=渡邉一生
2024年11月リリースのミニアルバム『CITRUS CURIO CITY』に収録され、瞬く間にライブアンセムへと成長した「煌舟」は、リリース直後のライブでは爽やかなシンガロングが印象的だったが、この日はよりビートがきいたアレンジへと進化していた。最後の「スパークルダンサー」まで一対一で向き合う濃厚なライブを終えて、健司は観客に笑顔でこう言った。「色んなステージで最高のアーティストたちが1曲1曲に魂込めてライブをします。色んな歴史があって音楽が鳴って、文化が並んでいます。芸術に触れて最高の日にしてくださいね。しっかり楽しんでこいよ! いってらっしゃい!」。表現への探究を惜しまずにライブの最高到達点を更新し続ける彼ららしい、パーフェクトな幕開けだった。
取材・文=久保田瑛理
【ハク。】LIVE HOUSE Antenna -BEYOND ZERO Garage-
ハク。 撮影=キョートタナカ
2024年に公開したMONO NO AWARE「かむかもしかもにどもかも!」のカバー動画が世界的にバズったのを追い風に一気に躍進を遂げたハク。は、地元大阪の大舞台に初出演。1曲目の「無題」から物怖じすることのない堂々たるたたずまいで、何層にも折り重なるメランコリーなフレージングが機能した「南新町」を経由し、あい(Gt.Vo)がバンドを代表してまずは一言。
「こんなにたくさんの人に来てもらえて、本当にありがとうございます。FM802さんにはすごくお世話になっていて、2025年は1月のヘビーローテーションに始まって、12月に『レディクレ』で締められるのがうれしいし、心に風が通るようなライブができたらいいなと思ってます」
細やかなサウンドデザインが施された切なきミドルチューン「奥二重で見る」は、前述の2025年1月度のヘビーローテーション曲。その後も軽妙なコーラスワークがクセになる「あいっ!」、地を這うビートが快楽へと連れていく「夢中猫」と、進化し続けるハク。の現在進行形を鮮やかに見せつける。
クライマックスはギター、ベース、ドラムがスリリングにせめぎ合った「dedede」、トリッキーなリフからなだれ込んだ鉄板の「回転してから考える」と畳み掛け、自身をネクストフェーズへと引き上げたメジャーデビュー曲「それしか言えない」へ。1年前とは別モノと言えるほどアップデートされたハク。が、初の『レディクレ』で鮮烈な印象を残した。
取材・文=奥“ボウイ”昌史
【THE BAWDIES】R-STAGE
THE BAWDIES 撮影=田浦ボン
R-STAGEには、2025年3月に自主レーベル「HOT DOG RECORDS」を設立し、新たなキャリアを歩み出したTHE BAWDIESが登場。「2025年締め括りの大祭り、始める準備はよろしいですかー!」とROY(Vo.Ba)が叫び、MARCY(Dr)のビートから「IT’S TOO LATE」「YOU GOTTA DANCE」「JUST BE COOL」と初期曲を連続で投下。見渡す限りの人がジャンプする景色は実に壮観!
ROYは「右も左も分からないまま独立したんですけど、一番支えてくださったFM802ありがとうございます!」と感謝を述べる。また、独立後最初に10-FEETが連絡をくれ、『京都大作戦』に誘ってくれたというカッコ良いエピソードを明かして、独立一発目のシングル「SUNNY SIDE UP」を軽快にかっ飛ばす。JIM(Gt)とTAXMAN(Gt)が前に出て、歓びを音に乗せる。さらに「SUGAR PUFF」でスウィートに愛を歌った。
撮影=田浦ボン
『レディクレ』での「HOT DOG」といえばFM802 DJの樋口大喜が出演する小芝居が恒例だが、今年は樋口が生放送のため来れないということで、シンプルにお送りするしかない……と悔しそうなROY。そこにBGMが聴こえてくる。MARCYがバスケットボールを持って「渡邊くん、バスケットは好きですか?」「バスケットは好きです! でもHOT DOGはもっと好きです!(ROY)」のミニマムな小芝居から「HOT DOG」になだれ込み、「POPCORN」で弾け飛び、バンド名を冠した最新曲「HERE ARE THE BAWDIES」で一気に攻め落とした。そしていつもの「わっしょーい! よいお年をー!」で、2025年ラストライブを締め括った。
取材・文=久保田瑛理
【羊文学】Z-STAGE
羊文学 撮影=渡邉一生
2025年は初のアメリカツアーやヨーロッパツアー、日本武道館2DAYSと大阪城ホールを含む過去最大規模のアジアツアーを開催するなど、ワールドワイドに活動した羊文学が昨年に続き二度目の『レディクレ』へ。広大なZ-STAGEに響き渡る塩塚モエカ(Vo.Gt)の歌声とギターが幕開けを告げた冒頭の「1999」から、揺らめくオレンジの光に照らされたミニマムなスリーピースサウンドが最高にクール。
続く「いとおしい日々」でも、世界を巡ってより求心力を増した静かなる高揚感が胸を揺さぶって仕方ない。すでに後方までパンパンのZ-STAGEにも関わらず、淡々と放たれていく「Feel」や「声」に引き寄せられるように絶え間なくオーディエンスが増えていく。
撮影=渡邉一生
「今日は来てくれてありがとう」と塩塚が語り掛けた後も、再び河西ゆりか(Ba)の歪んだベースラインがライブを躍動させた「未来地図2025」、イントロが駆け出せば自ずとクラップが並走した「more than words」と、世界基準のオルタナティブロックを惜しみなく披露していく。
塩塚が「2025年、大阪最後の曲です」とマッドな轟音をかき鳴らした圧巻の「doll」まで、最新アルバム『D o n' t L a u g h I t O f f』の収録曲を中心にたっぷり聴かせた全7曲。2年連続の出演を果たした理由を徹底的に音で示した羊文学が、非の打ちどころがない40分間で見る者を貫いた。
取材・文=奥“ボウイ”昌史
【sumika】Z-STAGE
sumika 撮影=渡邉一生
「どのワンマンよりどの対バンよりどのフェスより、人生で一番ヤバいライブをやりにきました! あなたが見つけ出してくれた今日は運命の日にするからね!」と片岡健太(Vo.Gt)の言葉で「運命」から華やかな幕開けを飾ったのは、フルメンバーで『レディクレ』にカムバックしたsumika。5人のサポートメンバーと共に片岡、小川貴之(Key.Vo)、荒井智之(Dr)が音を鳴らす幸福が瞬く間に広がり、ワンマンさながらの一体感に包まれた。
MCで片岡は、2023年にメンバーの黒田隼之介を失って4人組から3人組になったこと、2023年に片岡が、2024年に小川が体調を崩して『レディクレ』に出られず、23年は小川と荒井がsumika[roof session]として、24年は片岡と荒井で出演したことを振り返る。「今だから言えるよ。1人いないの寂しいに決まってんじゃないか。ステージも何だかままならなかったよ。必死で、何とか誠意持ってやりきらなきゃって。他のこと考える余裕なんか一切ないよ。それぐらい人間1人の力ってすごいもんです。あなたがそこにいる理由は確実にあるからね」と述べて、「大阪で生まれて大阪で育った曲」ととびきりの愛を込めて「Lovers」を届けてくれた。
撮影=渡邉一生
片岡といえば、2025年に作詞作曲を手がけたFM802×ららぽーと ACCESS! キャンペーンソング「赤春花」だ。ここで「Studio April」のシンガーから石野理子(Aooo)、井上花月(Laura day romance)、ちとせみな(カネヨリマサル)、中島颯太(FANTASTICS)、橋本学(ハルカミライ)、Moto(Chilli Beans.)、りょたち(ねぐせ。)の7人が登場! 大野雄大(Da-iCE)とimaseの代わりに小川が入り、片岡と総勢9人で「赤春花」をライブ初披露した。何度もラジオで聴いたグッドメロディーと素晴らしい歌声が染み渡る。間違いなく、この日最高のハイライトだった。
取材・文=久保田瑛理
【『年忘れ‼レディクレSP 第2夜』】LIVE HOUSE Antenna -BEYOND ZERO Garage-
『年忘れ‼レディクレSP 第2夜』a flood of circle 撮影=キョートタナカ
LIVE HOUSE Antenna -BEYOND ZERO Garage-で4夜連続で行われる特別企画『年忘れ‼レディクレSP』の第2夜は、『FM802 RADIO CRAZY presents a flood of circle 5.6 武道館に架ける虹』と題し、2026年5月6日(水・祝)に結成20周年にして初の東京・日本武道館公演を行う、a flood of circleをフィーチャー。ふらりと現れた佐々木亮介(Vo.Gt)はおもむろにギターを鳴らし、SEもなくすぐさま「伝説の夜を君と」で発進。「理由なき反抗(The Rebel Age)」でも決めごとなしのロックンロールを浴びせかけた後は、早速、田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN/THE KEBABS)を召喚する。
撮影=キョートタナカ
フラッドの挑戦を自分のことのように喜んだ田淵は「全員で武道館に行くぞ!」と熱く訴え、「世界は君のもの」を佐々木と共に歌唱。普段はベーシストである彼の歌声には歓喜のどよめきが起こり、田淵がフラッドへ提供したアンサーソング「まだ世界は君のもの」でも、佐々木と田淵のレアなツインボーカルに場内は大盛り上がりだ。
撮影=キョートタナカ
そして、田淵と入れ替わり山中さわおが缶ビール片手に登場し、自ら選曲した「Rollers Anthem」で、ある種の師弟関係とも言える佐々木と<これをロックンロールと呼ぼう>と歌ったシーンはマジで胸熱。the pillows時代の初武道館ライブを振り返った山中は、「とにかく無ではいられなくて、うっかり集まったみんなに泣くほど感謝してしまった(笑)。ロックバンドのライブに正解なんかないけど、武道館でライブをやったら、それはいいライブなんだよ。きっと楽しいよみんな」というこれ以上ないエールとともに、the pillowsの「レディオテレグラフィー」を送る。たった2曲でここまで感情を動かす山中の、音楽の力はやっぱりすごい。
撮影=キョートタナカ
山中を送り出した後は鉄板の「シーガル」、武道館のために書き下ろした「夜空に架かる虹」でエンディング。歌詞の一節を変え、<5月6日 武道館 目を開けて夢を見に行こう>と生声で呼び掛けた佐々木。あの日あの場にいた同志が、このレポートを読んでくれたあなたが、一人でも多く武道館に集うことを願う。
取材・文=奥“ボウイ”昌史
【忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ー令和残侠伝ー】R-STAGE
1968年高校在学中にRCサクセションを結成し、2009年にこの世を去った、忌野清志郎のデビュー55周年&映画公開記念のトリビュートステージ『忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー』が開幕。
忌野清志郎 ナニワ・サリバン・ショー ー令和残侠伝ー 撮影=田浦ボン
ステージには、会場内の特設リングでのスペシャルマッチにも出場した、新日本プロレスの高橋ヒロムがMCで登場。「46年前の今日、1979年12月27日。日本武道館でのジョニー、ルイス&チャーの前座で、忌野清志郎は「こんな狭いライブハウスは初めてだぜ!」と言いました。今日もこんな狭いライブハウスでやります! 大阪に忌野清志郎が帰ってきた! 5年ぶりに大阪に帰ってきた!」と叫ぶ。すると「ナニワ・サリバン・ショーのテーマ」が流れ、過去のライブ映像が映し出された。最初に登場した和田唱は「JUMP」を披露。伊東ミキオ(P.Key)、藤井一彦(Gt)、多田尚人(Ba)、サンコンJr.(Dr)という鉄壁のバンドメンバーに、MONKY(T.Sax)、石渡みなみ(A.Sax)、MAKOTO(Tp)のホーン隊が加わり、華々しいスタートに。
撮影=田浦ボン
続いて、GLIM SPANKYは「ベイビー!逃げるんだ。」を鋭いギタープレイと共に熱唱。ROY(THE BAWDIES)は「STAND BY ME」をソウルフルにシャウトし、会場の熱気をグングンと上げる。打って変わって、三浦透子は「デイ・ドリーム・ビリーバー」を浮遊感たっぷりに届け、オカモトショウ&オカモトコウキ(OKAMOTO’S)は哀愁たっぷりに「よそ者」を歌い、鳴らす。TAKUMA(10-FEET)は「パパの歌」で「頑張ってるのはオトンだけちゃうで、オカンも頑張ってるでぇ!」とエールを送り、アイナ・ジ・エンドは全身全霊で「スローバラード」を歌い上げた。
なんとも豪華すぎる面々が、清志郎にリスペクトを込めてバトンを繋いでいくステージは圧巻。ぴったりな選曲には思わずうなってしまうし、それぞれのスタイルで歌い届ける、夢のように贅沢なロックンロール・ショーで胸いっぱいに。全員登場のフィナーレ「雨あがりの夜空に」まで片時も目が離せないステージは大団円を迎えると、オーディエンスから割れんばかりの拍手喝采が送られた。
撮影=田浦ボン
撮影=田浦ボン
撮影=田浦ボン
撮影=田浦ボン
撮影=田浦ボン
撮影=田浦ボン
取材・文=大西健斗
【802 Family Session】L-STAGE
802 Family Session 撮影=浜村晴奈
L-STAGEでは、FM802 ラジオDJとしてレギュラー番組・コーナーを担当したメンバーによるスペシャルライブ「802 Family Session」が行われた。登場したのは斎藤宏介(UNISON SQUARE GARDEN/TenTwenty)、中島颯太(FANTASTICS)、ビッケブランカ、甫木元 空(Bialystocks)、Maika(Chilli Beans.)、山村隆太(flumpool)の6人。演奏を支えるバンドメンバーはトオミヨウ(Key.Band Master)、石成正人(Gt)、松原“マツキチ”寛(Dr)、須長和広(Ba)、高木久(Mani)だ。
撮影=松本いづみ
まずは2019年10月から1年間『MUSIC FREAKS』のDJをつとめたビッケブランカが「Ca Va?」を朗々と歌唱。そして現在『MUSIC FREAKS』を担当する甫木元を呼び込み、星野源の「恋」をツインボーカルで交互に歌っていく。甫木元が最強の美声で1人Bialystocksの「Nevermore」を響かせた後は、『DESIGN YOUR FANTASTIC FUTURE』(金曜日20~21:00)を担当して3年の中島と、2023年10月から1年間『MUSIC FREAKS』を担当したMaikaがORANGE RANGEの「以心電信」を歌い、タオル回しで盛り上げた。
撮影=浜村晴奈
そして『松原市 Radio Fields』(金曜日23:00~)を担当する山村と『802 PSY TONE RADIO』(土曜日23~24:00)担当の斎藤が登場し、flumpoolの「星に願いを」とUNISON SQUARE GARDENの「君の瞳に恋してない」を2人で熱唱。最後は山村、斎藤、中島、Maikaの4人でMONGOL800の「小さな恋の歌」を歌い上げた。なかなか見られないコラボに観客は大喜び。山村は「皆生まれも育ちも違うけど、FM802が繋いでくれた縁がファミリーになっているのが素晴らしい」としみじみ。リスナーもあたたかくDJsを迎えた、FM802らしい多幸感が漂っていた。
撮影=浜村晴奈
撮影=浜村晴奈
撮影=浜村晴奈
撮影=松本いづみ
撮影=松本いづみ
撮影=浜村晴奈
取材・文=久保田瑛理
【OddRe:】LIVE HOUSE Antenna -BEYOND ZERO Garage-
OddRe: 撮影=キョートタナカ
2024年6月に音楽塾「ヴォイス」で出会ったメンバーで結成された、AirA(Vo)、ユウキ サダ(Ba.Vo)、SOI ANFIVER(Gt.Comp&Trackmaker)によるOddRe:は『レディクレ』初出演。大阪での初ライブは2025年8月、オフィシャルHPが開設されたのが11月というニューカマーだが、桁違いの実力で業界人や早耳リスナーを虜にし、12月にはFM802の邦楽ヘビーローテーションを勝ち取った。今、勢いに乗る新進気鋭の注目株バンドだ。
ライブは「CRASH OUT!!!」でグルーヴィにスタート。会場の壁を突き破りそうなAirAの歌声と声量に驚かされる。そしてAirAとサダのツインボーカル曲「FEVER TIME」で加速! 熱を宿したフロアは前のめりに拳を突き上げる。
AirAは「『RADIO CRAZY』めちゃくちゃ楽しみにしてました! 今日はよろしくお願いします」と笑顔で挨拶し、ボーカル力が際立つ「shiori」を軽快にドロップ。続けてFM802 2025年12月度邦楽ヘビーローテーションの「東京ゴッドストリートボーイズ」を爆音でプレイした。オーディエンスはもちろんプチョヘンザで揺れまくる。2度目のMCで口々に「最高!」と言い合うメンバー。SOIは「すげえなあ、めちゃくちゃ人いるなあ」と観客の多さに感激する。後半はより一体感とエネルギーを増して「ai my me」まで全6曲を堂々とパワフルに駆け抜けた。
取材・文=久保田瑛理
【田淵智也 40th Anniversary special】R-STAGE
田淵智也 40th Anniversary special 撮影=オイケカオリ、桃子
「僕に音楽があって良かったです」。UNISON SQUARE GARDENのコンポーザーでベーシストの田淵智也はライブの終盤こう言った。自身の生誕40周年を記念して12月にリリースしたソロカバーアルバムがキッカケで決まった本企画。スペシャルバンドには成田ハネダ(Key/パスピエ)、林 直大(Gt/多次元制御機構よだか)、露崎義邦(Ba/パスピエ)、鈴木浩之(Dr/THE KEBABS)と盟友たちが集結した。
撮影=オイケカオリ、桃子
田淵は「今日は直立不動で歌います。気持ち良くなると、喉がすぐに死んでしまいます。奏でられる音楽は最高なので心を込めて歌います。田淵智也、40歳です」と宣言し、a flood of circleの「Dancing Zombiez」を勢いよく放つ。ハリのある美声にフロアは大喝采! ここでゲストの佐々木亮介がお酒片手にふわり登場、フロアに降りて観客と交流して盛り上げ、ステージを後にした。
撮影=オイケカオリ、桃子
the pillowsの「バビロン天使の詩」、パスピエの「四月のカーテン」を丁寧に歌い届け、登場した尾崎世界観に「立ち姿がカッコ良い。ただの直立不動じゃないよ」と褒められて嬉しそうな田淵は、クリープハイプの「風にふかれて」を歌唱。次はバンドメンバー林のソロプロジェクト・多次元制御機構よだかの「或星」を披露。田淵はベースを弾きつつ、メインボーカルを林に任せる。1歳上の先輩・小出祐介(Base Ball Bear、material club)からは「本厄マジやばい」とアドバイスをもらい、「次の曲は音楽好きな皆さんとFM802、そして僕の友達、津野米咲に贈ります」と赤い公園の「KOIKI」を熱唱した。これまでで一番感情を込めて歌う姿に胸が熱くなる。
撮影=オイケカオリ、桃子
最後のゲストはこの人。「人生の半分以上僕と一緒に音楽をやってくれて、僕が作る音楽を一番カッコ良く歌える男です」と呼び込まれた斎藤宏介は「田淵智也をよく知る男です」と笑顔で登場。斎藤のリフから「シュガーソングとビターステップ」を奏で、1番の歌を作曲者の田淵が、コーラスを斎藤が担い、2番はその逆で歌う。直立不動だった田淵がハンドマイクで斎藤と向き合い歌う姿は特にエモーショナル。彼の音楽人生と、仲間の愛と友情が詰まった40分。演奏を終えて深々とお辞儀をする田淵に、ひと際大きな拍手と歓声が贈られた。
撮影=オイケカオリ、桃子
取材・文=久保田瑛理
【ASIAN KUNG-FU GENERATION】Z-STAGE
撮影=渡邉一生
じわじわ強くなっていくブルーの光と加速していくバンドサウンドに胸が高鳴る中、1曲目の「センスレス」から巨大なスケールでZ-STAGEを圧倒したのがASIAN KUNG-FU GENERATIONだ。イントロから会場の温度が上がったのが分かる必殺の「リライト」では、間奏の「この後、日本でみんなが歌いたいサビランキング27位ぐらいの「リライト」の2番がやってきます(笑)。どうか今日だけは周りを気にしないで、精いっぱい<消してリライトして>いただけるとうれしいです」なんて後藤正文(Vo.Gt)の粋なMCに導かれ、今日イチのシンガロングがZ-STAGEを包囲する。
ASIAN KUNG-FU GENERATION 撮影=渡邉一生
続いても、アーシーなビートが心地良い「ライフ イズ ビューティフル」、爪弾くギターの一音から沸いた「ソラニン」と新旧の楽曲群を織り交ぜつつ、築いた時代に甘んじず緻密にリアレンジされたモダンなサウンドとメロディの強靭さを味わわせ、何万もの拳が上がった「Re:Re:」、熱量高く駆け抜けた「遥か彼方」と、期待を裏切ることなく超えていくアジカンの真骨頂!
「2026年は俺たち30周年で、この後どうにか10年とか20年いけるかな? また大阪のみならず関西の街まで転がっていきますんで、どうか皆さん良いお年を」(後藤)
キャリアを重ねた今「MAKUAKE」を歌う、頼もしいったらありゃしないアジカンが見せた背中は、観客のみならず他の出演者にも大きな勇気をもたらしたに違いない。
取材・文=奥“ボウイ”昌史
【Hump Back】L-STAGE
Hump Back 撮影=浜村晴奈
この日、急遽出演キャンセルとなったLucky Kilimanjaro。メンバーの大瀧真央(Synth)と夫である熊木幸丸(Vo)が出産準備に入るためだった。彼らと同じステージに登場するやいなや、ふたりに特大のエールを送ったのが、Hump Back(以下、ハンプ)だ。メンバー全員の産休を経て、パワーアップしたハンプは3年ぶりの『レディクレ』出演。それも地元大阪の年末の大舞台で、いちステージの大トリを任される凱旋にオーディエンスのボルテージは高まりきっていた。1曲目「拝啓、少年よ」で勢いよくライブをスタートさせると、剥き出しの初期衝動を激しくぶちかましたり、別れの曲をセンチメンタルに届けたり、ぴか(Ba)と美咲(Dr)が激しくリズムを打ち鳴らす「僕らの時代」ではステージを駆け回ったりとロックンロールを大爆発させる。
撮影=浜村晴奈
林萌々子(Vo.Gt)が「母ちゃんになって帰ってきたぞ!」と高らかに宣言してからの「オーマイラブ」は、新しい家族が生まれた喜びが込められた楽曲。生きる輝きと愛に満ち溢れた歌は、家族に会いたくなるような曲で胸にじーんとくる。
そこからの「番狂せ」を経て、ラスト「明るい葬式」に至るまで、ハンプのキャリアを辿るようなセットリストで。ロックンロールに魅せられた少女たちが、母となっても<おもろい大人になりたいわ>と目ん玉ひん剥きながら楽器を鳴らし、<ロックンロールであの子を食わせてゆくのだ>と歌う様はあまりに痛快だった。2026年5月16日(土)には、大阪城ホールで単独公演の開催も決定している。どんなステージを繰り広げるのか、ぜひ目撃してほしい。
取材・文=大西健斗
【サカナクション】Z-STAGE
サカナクション 撮影=渡邉一生
『レディクレ』出演は何と2019年以来6年ぶり! 待ちに待った2日目のZ-STAGEの大トリはサカナクションだ。SEとシンクロするサーチライトで熱気がピークに達した瞬間、鳥肌というトリガーが解放。メンバーが横一線となって魅せた「ミュージック」からZ-STAGEが揺れた光景には、「この日を待ってた!」と全身の細胞が騒ぎ出すかのよう。
撮影=渡邉一生
「皆さん2025年はお疲れ様でした、踊り出せ~!」と山口一郎(Vo.Gt)がいざなえば、「陽炎」では見渡す限りが手を振る景色を軽々生み出し、「アイデンティティ」では割れんばかりの大合唱! 続く「ルーキー」しかり、容赦なく降り注ぐアンセムの数々で、どこまでも昇り詰めていくエクスタシーにもうヘロヘロ。
撮影=渡邉一生
撮影=渡邉一生
撮影=渡邉一生
それでもまるで手を緩めないサカナクションは、乱反射するレーザービームもろとも「Aoi」、「モス」とブチ上げナンバーを連発。チアダンサーを交えた「新宝島」もとにかく楽しく華やかで、満を持してのパフォーマンスとなった過去最大のヒット曲「怪獣」では、すさまじいスピードで身も心も満たされていく充足感に、「トリはサカナクション以外にあり得なかった」と心底思わせる。
撮影=渡邉一生
ラストに山口が、「前向きにポジティブに、2026年も突き進んでいきましょう。またここで会いましょう~!」と何ともうれしい約束を交わし届けたのは「忘れられないの」。サカナクションが完璧なエンドロールでDAY2を締めくくった。
撮影=渡邉一生
取材・文=奥“ボウイ”昌史
写真=FM802提供
こうして2日目の『FM802 ROCK FESTIVAL RADIO CRAZY 2025』が終幕。2月11日(水祝)、14日(土)、15日(日)には、『レディクレ』のライブ音源のみでお届けする SP番組がFM802でオンエアされるので要チェック!
初日のレポートはこちら
>>12年ぶりのBUMP OF CHICKEN、Creepy Nuts、Suchmosらが共鳴『RADIO CRAZY 2025』DAY1レポート
3日目のレポートはこちら
>>Vaundy、SUPER BEAVER、スキマスイッチ、[Alexandros]らとロック大忘年会『RADIO CRAZY 2025』DAY3レポート
最終日のレポートはこちら
>>FM802が鳴らした4日間の終着点、サンボ、ELLEGARDEN、SHISHAMOまで想いを繋いだ『RADIO CRAZY 2025』DAY4レポート
次のページでは、PHOTO REPORT掲載!
掲載しきれなかったアーティストのライブ写真やソロカットを一挙に公開!