ちゃんみな、イ・ヨンジ、LANA、礼賛が出演した国境を超えたスクランブル音楽フェスのスピンオフイベント『GO-AheadZ here'z』4組のアーティストが魅せた力強い生き様

2025年11月30日（日）、神奈川・Kアリーナ横浜にて『GO-AheadZ here'z』が開催された。当日の模様の公式レポートが到着したのでお届けする。

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同イベントは、イープラスが主催するジャンルと国境を超えたスクランブル音楽フェス『GO-AheadZ』のスピンオフイベント第2弾として展開されたもの。STUTSやKohjiyaらが鎬を削ったスピンオフ第1弾『GO-AheadZ FutureZ』から7ヶ月の時を経て執り行われた今回は、礼賛とLANA、イ・ヨンジ（LEE YOUNGJI）、ちゃんみなの4組が出演。四者四様の歌姫たちがエネルギーを放ち続けた1日の様子をレポートする。 

CLR（サーヤ／Vo）の「今日来たってことは、ギャルマインドを持ってるんだよな！」の一声で、トップバッター・礼賛のステージが始まった。この祝祭の開幕を飾るオープニングナンバーは「SLUMP」。おどろおどろしく蠢くベースと劈くようなギターが生成するヘビーな舞台上から、プライドと自信、最上へと至るための覚悟をミックスした詩がバンバン飛んでくる。続く「超BUSY」然り、赤いレーザーが舞う中ドロップされた「GOLDEN BUDDY」然り、この日はメラメラと目を光らせる攻撃的なセットリスト。
「もっと大きい会場に行きたいし、初めて会う人ともどんどん繋がりたい」。サーヤが語ったこんな言葉が近い未来で現実になることを確信させる、礼賛にとって最大スケールのライブだった。

「What‘s my name？」。こぶしとがなりを駆使したエネルギッシュな問いかけがざわめく会場を駆け巡った。LANAの登場である。先日終えたばかりのアリーナツアーを振り返り、「今では立ってる ここアリーナ」とおもむろに「Makuhari」を歌い落とす。さらにライブアンセム「MY LIFE」では「思いっきり飛びます！」「今度は思いっきり頭を振ります！」と凶暴化するビートに乗せて、もはやサディスティックに観客を煽り倒していく。
スマホライトの光に包まれたセンターステージ「it's okay」「Xmas with U」と巡る季節を書き綴った後は、ダンサーたちと共にバイブスを振りまきながら届けた「Street Princess」から最終ブロックへ。「L7 Blues」でピリオドを打ち、舞台を降りると同時にどデカく映し出された“Street Princess”の生き様を雄弁に語っていた。

国境を越えたイベントである『GO-AheadZ』の意思を体現するように韓国からやってきたイ・ヨンジは、その邂逅の歓びをありとあらゆる場所から噴出させた。火柱が燃え盛る中、スカートをはためかせて花道を歩くその存在感でいきなり客席を圧倒した「GO high」に始まり、ファンとハイタッチを交わしながら、一際エアリーな歌声を響かせた「TELL ME !」、頭をぶん回しながら野性を解き放った「Smoke」に至るまで、喜怒哀楽それぞれを寸分違わず射抜く身体表現とコールアンドレスポンスによって、彼女は交歓を謳歌したのである。
ライブ中盤、イ・ヨンジは「今日のライブで10人でも私のコンサートに来たいと思ってくれたら成功」と話していたが、問答無用の花丸満点を叩き出した45分だった。  

「全ての音楽に愛を。みんなに愛を」。これは最終走者・ちゃんみなが最後に放った言葉、つまり『GO-AheadZ here'z』を締めくくった一言である。2024年の『GO-AheadZ』に続いて2度目のヘッドライナーを務めた彼女のライブは、まさしくこの台詞を具現化するようだった。
恋の成就を祈るように天を仰ぎ、切なるファルセットを響かせた「I hate this love song」、「今日みんなと出会っちゃったから、私はみんなの味方です」と投下した「SAD SONG」、「みんなも限界を超えてしまった時、大丈夫じゃないよって言う勇気を持ってください」と終止符を打った「I‘m Not OK」。圧巻のステージに高揚したオーディエンスの歓声が、地鳴りかのように響き渡る。

 

ヘイトとキュートとクールの全てを抱え込んだ歌声と、慟哭にも似た叫びを刻んだ「I'm a Pop」に代表される、ジャンルなんてお構いなしに迫り来るアンサンブルで辿られた全14曲は、この場に集った全ての人へのラブとリスペクトを宿していたのだ。
そしてそれは、「クラブでもライブハウスでもない未知の音楽との出会いやワクワクを体感できる場所をクリエイトしたい」という思いの下で生まれた、このイベントの歩みとも間違いなくリンクしていた。

SPICEでは後日、詳細な独自のレポートの公開を予定しているので要チェックだ。

文＝横堀つばさ
撮影＝森好弘、Uran Sakaguchi、SHUNICHI ODA