「UNREALに来店したかのような気分を味わって」~舞台『UNREAL-不条理雑貨店-』染谷俊之・小西詠斗・美弥るりか・細貝圭・世古口凌・新正俊による座談会インタビュー

2025.12.27
インタビュー
舞台

左から 細貝圭、美弥るりか、小西詠斗、染谷俊之、世古口凌、新正俊

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染谷俊之と小西詠斗がW主演を務める『UNREAL-不条理雑貨店-』。ドラマ舞台連動企画として、2025年10月・11月にドラマ版が全6話で放送。怪しげな雑貨店UNREALで繰り広げられる美しくも切ない、不思議な世界観で視聴者を魅了した。そして2026年1月、ドラマの続きを描いた舞台『UNREAL-不条理雑貨店-』が上演される。

12月某日、いよいよ稽古が始動した稽古場にて、この日、本読みを終えたばかりのキャスト陣にインタビュー! W主演を務めるヤギオ役の染谷俊之、ムネチカこと濱家宗哉役の小西詠斗をはじめ、黒澤羊時役の細貝 圭、鮭とば役の世古口 凌、水門朝也役の新 正俊らドラマ版から出演するキャストに加え、舞台版から登場する的羽廻を演じる美弥るりかの6名に作品への手応えや役への思いを聞いた。

染谷「“生のあがき”がこの作品の魅力」

小西詠斗、美弥るりか、染谷俊之

――美弥さんは本作に舞台版から参加となります。出演が決まっての心境を教えてください。

美弥るりか(以下、美弥):ドラマを観ていた身としては、今日皆さんにお会いして「本物だ!」という気持ちです(笑)。視聴者として観ていた作品の世界に飛び込めるなんてすごく幸せなことだなと思いました。ドラマ舞台連動企画作品ということで、ドラマを楽しんだ後、ドラマで観ていた役者さんがリアルに動く姿を劇場で楽しめるというのは、二度美味しい素敵な企画だなと思います。

――本読みを終えたばかりだそうですね。本読みを終えて、どんな作品になりそうだと感じていますか?

細貝 圭(以下、細貝):美弥さんが大変だな~と。

一同:(一斉に同意)

美弥:本当にその通りで……。まさかこんなことになるとは思っていなかったので、台本を見て震えています(笑)。

染谷俊之(以下、染谷):ドラマの最終回で僕はカギをもらったんですよ。でもドラマの現場では、誰もそのカギが誰のものか、何のためのものか分かっていなくて。それがこうやって舞台につながるのか、と。まさか美弥さんが、あの役とは(ニヤリ)。

美弥:台本をいただいて、的羽廻のセリフ量はどれくらいなんだろうとパラパラめくったら、ラストの方に登場シーンが集中していたから、「前半はお休みなのね」と思ったんです。でもちゃんと読み進めてみたら「あれ?」と。序盤から少し違った形で登場していることに気がついて、これはとにかく早くセリフを入れないと、皆さんにご迷惑をおかけしちゃうなという心境です。

染谷俊之

世古口 凌(以下、世古口):実際に皆さんと本読みをしてみたら、一人で読んでいたときと全然違う印象のものが生まれていくのを改めて感じました。実際に立っての稽古が始まったら、またどんどん変わっていくんじゃないのかなと、さらに楽しみになっています。

新 正俊(以下、新):僕も凌くんと同じ感覚ですね。今日、稽古場で舞台装置の模型を見せてもらったのですが、これがどう演出されていくのか、これからの稽古が楽しみです。

小西詠斗(以下、小西):今日、実はちょっと緊張していたんですけど……。

染谷:なんでよ(笑)。

小西:ふふ。でも、本読みを通していろんな想像ができて、いよいよ舞台版が動き始めたんだなと実感しました。ドラマで一度演じた役ですが、舞台では表現方法も少し変わってくるので、そこをどう役に落とし込んでいこうか。そこが大事になってくるなと感じたので、これから始まる稽古で自分なりにすり合わせながらやっていきたいなと思っています。

染谷:ドラマから引き続きのキャストの皆さんの演じ方はなんとなく想像ができていたのですが、舞台版から出演される皆さんは美弥さんをはじめどう演じられるのか。僕もワクワクしながら本読みに参加していましたが、想像以上に皆さんのお芝居が素敵で。ここから稽古の中でどう変わっていくのか、作品の完成がますます楽しみになりました。

小西詠斗

――現時点で、こんな工夫をしようかなと考えていることや、注目してほしいポイントがあれば教えてください。

染谷:品川プリンスホテル クラブeXは円形劇場なので、いろんな見せ方ができそうだなと。ある席からは背中が見えるシーンだけど、反対の座席からは正面が見えるじゃないですか。そういった部分をふんだんに使っていくのが良い気がしています。

小西:たしかに。席によって、かなり見え方が変わってきますよね。

染谷:しかも今回は盆もあるし、通路も使った演出も多くなりそうだと聞いています。かなりお客様との距離が近くなると思うので、本当にUNREALに来店したかのような気分を味わってもらえたらと思います。

細貝:この盆っていうのは、もしかして時計の針に見立てて動く……?

染谷:え、全然そんな話は聞いてないけど、もしかしてそういうこと!?

細貝:そんな気がしない? きっとそうだよ! ……とか話してるのに、久保田さん(演出の久保田唱)が全然違うこと言ったらどうしよう。

一同:(笑)。

細貝圭

――“デイドリーム・ファンタジー”と表現される本作の魅力をどう捉えていますか?

染谷:儚さというか、切なさというか。生のあがきみたいなものが魅力だなと思います。

小西:世界観はすごくファンタジーですが、切なくなったり熱くなったり、人間ドラマとしても丁寧に描かれているところが素敵ですよね。

細貝:ヒビが入っているガラスのように、ちょっと押したら壊れてしまうような気持ちを登場人物全員が持っている。儚くて繊細で、でも根っこの部分には強い気持ちがある、そんな世界観が僕は好きです。

世古口:何かを得るためには、代償として何かを手放さなくてはいけない、というのがリアルですよね。寂しくもあり、でも同時に、現実ってそうだよなと思わせてくれるところが魅力だなと思います。

美弥:愛がテーマなのかなと感じています。ファンタジーでありながら、私たちにとっても身近な愛がテーマになっているからこそ、現実にはあり得ない登場人物たちの出来事を、自分の人生に重ねてしまうんだろうなと感じました。

新:皆さんが言ったことが全てなので、違う視点でお話すると、伏線がすごい! まるで推理小説のように謎が散りばめられていて、舞台でここまでの伏線や謎が全部回収されていくので、これもこの作品の魅力だなと思います。

新正俊

小西「ドラマからのバトンをしっかり舞台に繋ぎたい」

左から 世古口凌、細貝圭、新正俊

――役作りについてもお聞かせください。台本を踏まえ、舞台版ではどんなことを意識していきたいと考えていますか?

染谷:ヤギオは舞台でも引き続き、ムネチカへの思いが一度も揺らがないんですよ。ちょっと諦めようかな、という瞬間すらない。そんなムネチカへの強い思いが肝になるのかなと考えています。

小西:ムネチカとしては、彼のまっすぐさや正義感が、さらに表れている台本だなと思いました。変わらず芯が強い子なので、真っ直ぐな目線や喋り方というところを意識していきたいです。UNREALの店主になった彼はその後どうなるのか、ヤギオとは再び出会えるのか。そういった部分を楽しみにしていていただきたいです。

細貝:ドラマのときみたいに、また(頭を抱えて)「うわあっ」てなるんじゃない?

小西:多分なります(笑)。

染谷:“頭痛俳優”だ(笑)。

一同:(笑)。

細貝:僕は個人的に、黒澤羊時って1995年の人なんだというのがびっくりで。もっと昔の人だと勝手に思っていたんですが、意外と最近の人だし、しかも日本の人ということで、舞台版ならではの設定に驚きました。それを踏まえて演じる彼を楽しみにしていてください! あと、黒澤の過去が描かれるのですが、台本のト書きに「ドラマ版より若い感じで」と書いてあったので、非常に困っています(苦笑)。

一同:(笑)。

細貝:ドラマでも僕なりにかなり若いイメージで演じていたんですが、それ以上に若くということで、どうしようか絶賛悩み中です。

世古口:鮭とばは何を言ってもネタバレになってしまうので、本当に何も言えないんですが(苦笑)。鮭とばは悪魔で人ではないので、やっぱり感覚が人間離れしている。一見すると人間のことを理解していそうで、でも理解していないという部分を大事にしていきたいなと思っています。鮭とばとは何なのかっていうところを、本作で皆さんに知ってもらえるんじゃないかなと思います。

世古口凌

新:水門は引き続き明るく頑張ろうと思います! 明るい登場人物が僕しかいないので(笑)。ドラマ撮影に入る前にも、「水門は唯一の明るいキャラクターです」と言われていました。実際に明るいシーンしかなかったんですよね。だから、あまり作品の持つダークな空気感って実感することがなかったんです。でも、今回のストーリーでは、「僕の役割はこれだ、ここしかない!」と思えるところがあって。

染谷:そうだね。

新:水門としてはそこに注目して観てもらえたらなと思います!

――初参加となる美弥さんはご自身の役について、どう向き合っていこうと考えていますか?

美弥:的羽廻としては、双子の弟への思いを一番大切にしたいです。その思いが彼女の人生を動かして、UNREALにも大きな影響を与えていくので、その思いをしっかり表現できたらなと。ドラマから引き続き出演される皆さんはすでに役の肉付けができているので、そこに素直に乗っかって、甘えさせていただけたらなと思います。

美弥るりか

――最後に、公演を楽しみにしているファンの皆さんへメッセージをお願いします。

新:ドラマだからこそ描ける世界を経て、今度は舞台で立体的な「UNREAL」の世界を楽しんでいただけるよう、全員で作品を作っていきますので、ぜひ劇場に遊びに来てください!

世古口:ドラマより人数も増えるので、ドラマを超えるくらいの気持ちでやっていきたいですね。劇場に来ない人は、骨董品にしちゃおうと思います。

一同:(笑)

世古口:というのは冗談ですが(笑)、皆さん楽しみにしていてください。

細貝:一言でいきましょう。(声を張って)頑張ります!!!

染谷:おお、シンプルでいいね(笑)。

美弥:ドラマや原作を応援している方も観に来てくださると思います。そんな方々の期待以上のものをお届けできるよう、精一杯頑張りたいと思います。

小西:ドラマ版はドラマ版として完結しているものの、まだ残ったままの謎や伏線があって、それらが舞台で明かされる形となります。ドラマ版から舞台版へとしっかりバトンを繋いで、物語を紡いでいけたらと思っていますので、楽しみにしていてください。

染谷:舞台ではどうなるのかなと想像しながらドラマ撮影をしていたところもあったので、こういう結末になるのかと。すごく素敵な結末なので、皆さんにも納得できるラストをお届けできると思います。配信などもありますので、ちょっとでも気になるよ、という方はぜひUNREALにご来店いただけたらと思います。

取材・文=双海しお 撮影=iwa

公演情報

舞台『UNREAL-不条理雑貨店-』
 
【日程】2026年1月16日(金)~1月26日(月)
【会場】品川プリンスホテル クラブeX
※アフタートーク開催/平日入場特典あり
※1月25日(日)18:00・1月26日(月)13:00は生配信あり
 
【出演者】
ヤギオ(柳庭音矢):染谷俊之 濱家宗哉:小西詠斗 
黒澤羊時:細貝圭 鮭とば:世古口凌 水門朝也:新正俊 
雨田詩づ歌:安里唯 横井姫奈:森崎りりな 西ノ瀬涼太:佐藤淳
黒澤時子:留依まきせ 速水羊子:本西彩希帆
的羽紡:阿瀬川健太 鶴岡圭吾:田中翔大
的羽廻:美弥るりか
 
【スタッフ】
コミック:片山愁 原作:ヨダカケイ
脚本:烏丸棗 演出:久保田唱
美術:松本わかこ 現場制作:Ask
票券:サンライズプロモーション
宣伝:サンライズプロモーション MinyMixCreati部
制作:テレビ大阪/MinyMixCreati部
主催・企画:「UNREAL-不条理雑貨店-」製作委員会

販売】
一般発売:11月15日(土)10:00 ~
販売URL:イープラス https://eplus.jp/unreal/
ほか
 
【受付席種】
プレミアム席(1列目〜3列目)パンフレット付き:13,000円(税込)
S席一般席(4列目・5列目)パンフレット付き:9,900円(税込)
S席ソファ席パンフレット付き:9,900円(税込)
A席(6列目・7列目):7,700円(税込)
A席2階席:7,700円(税込)
注釈付きS席一般席 パンフレット付き:9,900円
注釈付きA席:7,700円
注釈付きA席2階席:7,700円

※プレミアム席:お一人様2枚まで、S席・A席:お一人様4枚まで、 A席2階席:お一人様3枚まで
*すべて税込の金額です
*A席7列目は一般発売からの販売となります

【お問い合わせ】サンライズプロモーション 0570-00-3337(平日12:00~15:00)
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