佐藤B作、福田沙紀、須賀健太ら出演 ONEOR8『ママごと』が開幕

2026.1.23
ニュース
舞台

ONEOR8『ママごと』

画像を全て表示(8件)


ONEOR8『ママごと』が2026年1月21日(木)に紀伊國屋ホールにて開幕した。

初演は2022年4⽉。⽥村孝裕が劇団テアトルエコーに書き下ろし、本来であればコロナの緊急事態宣⾔前に上演予定だったが、公演延期を余儀なくされ、やっとの思いで上演に⾄り、高評価を得た。浮気、不倫、略奪愛――さまざまな“秘め事”を抱える4 ⼈の⺟親と、その狭間で揺れる⼈々を描く⼈間ドラマ。舞台は都内の⾼級料理店。若い⼆⼈の結納の席に集まったのは、夫を亡くし息⼦を⼥⼿ひとつで育てた⺟、⽻振りのいい経営者⼀家、そして突如現れた⽣みの⺟。本⾳と建前が交錯し、⺟たちの思惑がぶつかり合う中、家族のかたちと愛の⾏⽅が鮮やかに浮かび上がる、笑いと緊張、愛と⽭盾――⼈間模様の奥底に潜む“真実”を描いたONEOR8 渾⾝の舞台となっている。

開幕を前に行われたゲネプロレポートならびに、作演出の田村孝裕、出演の佐藤B作、福田沙紀、須賀健太のコメントが到着した。

【ゲネプロレポート】ONEOR8『ママごと』開幕! 笑いと涙であっという間の2時間

ONEOR8『ママごと』

ONEOR8『ママごと』開幕! 笑いと涙であっという間の2時間
劇作家・演出家の田村孝裕率いる劇団ONEOR8『ママごと』が、1月21日、東京・紀伊國屋ホールで初日の幕を開けた。もともとは劇団テアトル・エコーのために書き下ろされ、2022年に上演された際に高い評価を得た作品。今回はONEOR8の劇団公演として福田沙紀、須賀健太という若手実力派のほか、テアトル・エコーから重田千穂子、そして重田と同期だった安達忍と岡のりこも出演。さらに佐藤B作(劇団東京ヴォードヴィルショー)も参加と、貴重な顔合わせが実現した。温かくてどこか笑える人間の機微が、演技巧者たちの絶妙なセリフの応酬によって生き生きと描かれる本作。公演は東京の後、松本、大阪、女満別、士別、湧別、深川、北広島、能登、倉敷、鹿児島公演と続くが、まさに世代を問わずに気軽に楽しめる舞台となっている。

ONEOR8『ママごと』

ONEOR8『ママごと』

物語の舞台は、とある高級料理店。結納の食事会を開くために訪れた拓実(須賀健太)と叔母の由紀子(重田千穂子)が部屋の眺望を確かめる中、婚約者のはな(福田沙紀)と、母で後妻の幸(岡のりこ)、父の嘉郎(佐藤B作)も到着する。拓実の母・美佐枝(冨田直美)も揃い、ようやく食事会をというところへ、はなの実母・あゆみ(安達忍)が突然現れる。シングルマザーの美佐枝と共に拓実を育てたと自負する独身の由紀子も含め“4人のママ”に囲まれて、拓実もはなも困惑。さらには浮気、不倫、略奪愛と不穏な背景が次々と浮かび上がり、最後にはなと拓実が取った行動は……。

ONEOR8『ママごと』

ONEOR8『ママごと』

育ててくれた継母の幸と、十数年ぶりに再会した実母のあゆみとの間で揺れるはな。最後までどうなるか分からない物語の行方を担うはな役・福田は、丁寧にその心情をたどることで観客を引き込んでゆく。拓実役の須賀も同様だ。物語の前半はどこにでもいる若者として由紀子ら“ママ”たちの言動に押されて右往左往。そこから終盤のある行動で拓実という青年をもう一段深く掘り下げられたのは、やはり須賀ならではだろう。
幕開きからベテラン俳優陣の丁々発止を楽しんでいると、後半から終盤ではいつのまにか若いふたりの姿がくっきりと立ち現れてくる。最後の最後まで飽きさせない構成で、2時間の上演時間があっという間に感じられた。

ONEOR8『ママごと』

ONEOR8『ママごと』

由紀子役の重田は登場シーンから佇まいひとつ、咳払いひとつで客席を沸かせる。だからこそ由紀子自身の“事情”がうかがえる場面では、その心情が胸に迫る。嘉郎役の佐藤も冒頭ではサングラス姿で“怪しい社長”感満載だが、妻の幸と前妻のあゆみとの間でアタフタする姿に人間くささがにじみ、思わす応援したくなるから不思議だ。
幸役・岡の上品だがどこか本心を隠している表情、あゆみ役・安達の、はすっぱさはあるがはなへの真心が伝わる姿など、それぞれの人物像も魅力的。気苦労の多そうな美佐枝役の冨田や、真面目だが空回りしがちな料理店の店長・平川役の山口も含めて、思わず「あるある」とうなずきたくなるような登場人物ばかり。いつのまにか一緒に笑ったり、少しホロリとしたりと、観客が肩の力を抜いて気持ちよく舞台に身を委ねられる一本になっている。

文=藤野さくら 写真=塚田史香

>コメントは次のページへ