Fear, and Loathing in Las Vegas、CLAN QUEEN、Chevonが節分の夜に、High&Lowな歌声と唯一無二の楽曲で魅せた『802 Jungle Attack Vol.8』レポート

2026.2.11
レポート
音楽

画像を全て表示(30件)

Fear, and Loathing in Las Vegas、CLAN QUEEN、Chevonが出演したライブイベント『802 Jungle Attack Vol.8』が2月3日(火)、大阪・GORILLA HALL OSAKAで開催された。

本イベントは、大阪のラジオ局FM802と大阪・住之江区にあるライブハウス・GORILLA HALL OSAKA、プレイガイドのイープラスが、新たなライブハウスカルチャーを推進すべく2024年春に放送開始したラジオ番組『MUSIC Play-STANDARD』(月~金曜23:48~24:00)と連動して不定期開催しているオムニバスライブだ。GORILLA HALL OSAKAは通称「ゴリホ」の名前で親しまれているライブハウスで、街にとってカルチャー発信地であり、音楽やライブが好きな人にとって「一番の遊び場」であるようにとの願いがこめられるだけでなく、ミュージックマンへの心地よい居場所を目指して誕生した。その「ゴリホ」を舞台にFM802が立ち上げた『802 Jungle Attack』にはこれまで、ビッケブランカ、フレデリック、SCANDAL、ブランデー戦記やフラワーカンパニーズなどが出演。キャリアやメジャー/インディーズを問わず、FM802スタッフが自信をもって勧めるアーティストばかりが名を連ねてきた。

『802 Jungle Attack Vol.8』2026.2.3(TUE)@GORILLA HALL OSAKA

2026年一発目の『802 Jungle Attack』は、Fear, and Loathing in Las Vegas、CLAN QUEEN、Chevonという、世代の異なる3組のアーティストが出演。平日の開催ながらは早々に完売し、会場は1、2階ともに満員の人だかりに。8回目の開催となる本イベントだが、初めて来場したという観客も多く、開演直前にはMCを務めるFM802・DJハタノユウスケが「歴代の出演者は豪華な出演陣ばかりだけど、まだまだ伸びしろがあるイベント! ライブハウスの面白さを楽しんで! 良い一日にしよう」と、観客を大いに盛り上げた。

Chevon

トップバッターは、4月8日(水)にメジャーデビューが決定しているChevon。1曲目「冥冥」から、谷絹茉優(Vo)のシャウトが強烈なインパクトを投下! ドラマチックなKtjm(Gt)のメロ、オオノタツヤ(Ba)のダンサブルなベースライン、そこに息ぴったりなオーディエンスのコール&レスポンスと、たった1曲で完璧な世界観を作り上げてしまう。谷絹は不敵な笑みを浮かべながらオーディエンスを煽ったかと思いきや、ハイトーンボイス、激昂型のシャウト、ブレのないクリーンなど、変幻自在の歌声で圧倒。「豆に頼ってるんじゃない! 自ら鬼を滅して福を呼び込むんです!」と、節分の日ならでは(!?)の呼びかけで、フロアの熱狂をさらに煽っていく。

「No.4」「ノックブーツ」と、谷絹は時折髪を梳かす仕草を見せつつ、余裕綽々&毒気まで見せつけるパフォーマンスに観客は心酔の表情で釘付けに。「サクラループ」の濃厚で色彩豊かな詞世界、中毒性たっぷりなKtjmのギターリフに魅せられ、会場が大きく揺れる。曲終わり、谷絹の超ロングトーンに大きな歓声が沸き、メンバー3人の個性をさんざ見せつけられた観客は興奮を抑えきれず、拍手喝采を送る。

「このあとヤバイ盛り上がりを見せるバンドが2組登場する。ここで限界を迎えて、さらに限界突破しないと! 手加減しないのは知ってるはず。Chevonから大行進する準備はよろしいでしょうか?」と、「大行侵」からさらに強度を高めたパフォーマンスで突き進む3人。谷絹が足を大きく振り上げるのを合図に、より硬度を上げ、重厚感を増したバンドサウンドが撃ち放たれていく。重い扉をブチ破るように谷絹のタフな歌声が冴えわたり、まるで一本の映画を観るようにドラマチックに展開していくバンドサウンドに目が離せない。

「お前らを休ませる気なんでないんだよ!」、ステージ後半は「ダンス・デカダンス」から加速度がさらに増し、ラスト「FLASH BACK!!!!!!!!」まで、Chevonの渦に巻き込まれた観客は最後の瞬間まで歓喜の声でコール&レスポンスを繰り返していた。

CLAN QUEEN

CLAN QUEENは「ゲルニカ」から鋭利でダイナミックなバンドサウンドを鳴らし、フロアの空気を一変させる。yowa(Vo)の高低を瞬時に行き来する縦横無尽な歌声、AOi(Gt.Vo)のスリリングなラップが交錯し、あっという間に大きな高揚感が生まれ、特大のコール&レスポンスが発生。続く「プルートー」では、yowaの緩急をつけた歌唱と、マイ(Ba)の感度抜群のベースラインがオーディエンスの興奮をさらに高めていく。

yowaはキャップを目深に被り表情は見えないものの、フロアの盛り上がりが物足りないのか、「サーチライト」ではさらに狂気を帯びた歌声で世界観を深めていく。かと思えば、「インベイダー」ではメロウでシティ感あふれる華やかな音空間を演出。バンドが掲げる“アートロック”の世界が音と声で描かれていく。「紙風船」ではダウナーな音世界に透明感ある歌声が溶け込み、観客は恍惚とした表情を浮かべていた。

「大阪、踊れる準備できてるか!」。yowaの呼びかけで「踊楽園」へ。マイのダンサブルなベースライン、AOiのラップに依存性の高いメロ、ジャジーなピアノのフレーズ。次々と展開する個性あふれる音に、誰もが夢中になってのめり込んでいく。ライブ後半の「求世主」では、yowaとAOiのHigh&Lowな歌声が錯綜し、挑発的なラップと重厚感たっぷりのベースが、より一層アーティスティックな世界観を生み出していく。腰を屈めながら心をひりつかせるような高音域を放つyowaの姿、そこから漂う不穏な空気を孕んだ詞世界。閃光を放つ照明も相まって、脳裏に焼き付く感覚がたまらなく気持ちいい。

ラストは、これまでの激情的なライブ展開から一転、「Bad End」で静と動の美しさを提示。何度も繰り返される“Bad End”の言葉、儚く紡がれるメロディ。CLAN QUEENという世界を奥底まで浸透させるような、唯一無二のステージで強烈な印象を残した。

Fear, and Loathing in Las Vegas

トリを務めるのはFear, and Loathing in Las Vegas(以下、ベガス)。初っ端からキラーチューン「Return to Zero」をぶつけ、フロア前方には一気にオーディエンスが詰めかける。「踊ろうか! バテてんちゃうぞ!」。So(Clean&Scream Vo.Prog)の煽りに、当たり前だと言わんばかりの盛大なハンズクラップが沸き起こる。Tetsuya(Ba.Cho)の剛毅なベースライン、重厚でありつつタイトなTomonori(Dr)のビート、ポップでキャッチーなTaiki(Gt.Vo)のメロ。そして、オーディエンスと息ぴったりのパラパラ。Minami(Scream Vo.Key)は早々にフロアへ飛び込み、スクリームをかましながらカオスな空間を生み出していく。序盤からフロアの熱量を一気に跳ね上げるスタートダッシュはさすがだ。

次曲「Song of Steelers」では、ゲーム感のあるポップなメロディと重厚なバンドサウンドに、フロアはオモチャ箱をひっくり返したようなしっちゃかめっちゃかな状態に。「これぞライブハウス!」と言わんばかりに、バンドの音に即座に呼応するオーディエンス。その繰り返しで「ゴリホ」全体の熱気がぐっと高まっていくのを肌で感じる。

この日がベガスのライブ初体験という人も多く、Soは「笑顔で帰れるように、自由に楽しんで」と言葉を懸ける。また、前出したChevon、CLANQUEENのパフォーマンスについて、芸術的でオシャレさもあるのが素晴らしいと絶賛。そして自らについては「どん臭く汗臭く、必死にやっていきたい! 曲を知らなくても大丈夫。感じたままに揺れて、笑顔でいれるパーティをやっていきたい」と意気込みを語り、「Rave-up Tonight」へ。Soのクリーン・ボーカルが冴えわたり、Minamiの豪快なシャウト&カオティックなパフォーマンスがフロアにさらなる興奮を煽っていく。「Until You Die Out」ではドスの効いた地響きみたいなメタルサウンドにMinamiのデスボイスが冴え渡る。“オシャレ”がないならパワーで! 快感で! 魅せる。ライブバンドの底力を見せつける圧巻のステージングに、観客もモッシュやダイブで応戦。

MCでは改めて、Chevon、CLANQUEENについて語るSo。新しく、かっこいいバンドと対バンイベントに出演できたことを喜びつつ、「“初”っていいよな! (ライブの)衝撃に目を見開いて、口を開いて、パチパチする感覚。みんなの中にも、その感覚があればうれしい。音楽が好きになった時の10代の気持ちをずっと忘れたくない。いつも新しい気持ちで音楽を楽しんでいけたら」と、「Just Awake」へ繋ぐ。“パチパチ”する色彩鮮やかに弾む音、炸裂するSo&MinamiのHigh&Lowな歌声。豪快なだけでなく、聴くものの気持ちを鼓舞するサウンドにフロアが大いに揺れる。

「トリを任されたからには、ブチ超えるようなライブを! 全員笑顔にして帰したい!」と、「Party Boys」からさらにギアを上げていく。オーディエンスの咆哮のような歓声が沸き起こるなか、ラスト「Luck Will Be There」では多幸感というよりも達成感のような空気がフロアを包み込み、ステージが終わる頃にはバンドとオーディエンスで作り上げる一体感に誰もが破顔の表情を見せていた。

3組のライブが終わり、MCのDJハタノユウスケと、翌日の同イベントでMCを担当するDJ樋口大喜が再び登場。イベント当日が「節分の日」ということで、「鬼は外、福はウホ」のかけ声で豆まき大会を実施。これでもかと大量の豆を撒きつつ、イベントは終了。

この日のイベントの模様や楽屋インタビューなどは、FM802のラジオ番組『MUSIC Play-STANDARD』でオンエアされた。会場エントランスに設置されていたメッセージパネル「ゴリラパネル」に書き込まれたメッセージなどもピックアップされるかも⁉とのことなので、radikoのタイムフリーでぜひチェックしてみよう。

取材・文=黒田奈保子 写真=FM802提供(撮影:渡邉一生)

イベント情報

番組『MUSIC Play-STANDARD』
◎放送日時=毎週月曜日~金曜日 23:48~24:00
◎DJ=週替わり
◎番組 HP=https://funky802.com/site/blog/1123
◎番組 X:@fm802_MPS
◎番組 Instagram:@fm802_mps