「ここに来れて幸せです!」w.o.d.とBLUE ENCOUNTがゴリラホールで念願の対バン『802 Jungle Attack Vol.9.』レポート

2026.2.13
レポート
音楽

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FM802とGORILLA HALL OSAKA、イープラスがタッグを組んで届けるFM802の番組『MUSIC Play-STANDARD』(月~金曜23:48~24:00)と連動する形で、2023年8月からスタートしたオムニバスイベント『802 Jungle Attack』。これまで数々のアーティストがスペシャルな空間を作り上げてきた。

第9弾となる今回は、初の2DAYS開催。2月3日(火)にはCLAN QUEEN、Chevon、Fear, and Loathing in Las Vegasが出演し、熱狂のライブを繰り広げた。翌日2月4日(水)に出演したのは、w.o.d.とBLUE ENCOUNT。MCは双方とも関係が深いFM802 DJの樋口大喜がつとめた。本人たちからもファンからも長らく望まれていた対バンとあって、祝祭ムードもありながら、お互いのカッコ良さをしっかりと提示した記念すべき夜となった。今回はその模様をレポートしよう。

『802 Jungle Attack Vol.9.』2026.2.4(WED)@GORILLA HALL OSAKA

定刻になり、FM802 DJでMCの樋口大喜が「ようこそゴリラホールへ!」とステージに登場した。注意事項を述べて、「2組はサウンド感は違うけど、実は共通項がある」と切り出す樋口。2024年に『RADIO CRAZY』のYouTubeチャンネルで、w.o.d. のサイトウタクヤ(Vo.Gt)とBLUE ENCOUNTの田邊駿一(Vo.Gt)が樋口の司会のもとで対談を行った。映画、音楽、お酒大好きな2人はプライベートで仲が良いが、対バンはこの日が初めて。動画内でも「大阪で対バンしてください」というリクエストが届いており、本人たちも「やりたい」と言い合っていた。

そんなツーマンがいよいよこの日実現! 樋口は「ジャンアター!」「ウホー!」のコール&レスポンスから、「歴史的瞬間を皆さんで見届けましょう! 今日は平日の「普通な日」でもありますが立春です。暦の上では春が始まって、運命が変わる日でもあります。ロックンロールで運命を切り開いていきましょう!」とw.o.d.の新曲のタイトルを絡める粋な挨拶で、『802 Jungle Attack Vol.9.』が幕を開けた。

w.o.d.

ヴァニラ・ファッジの「Ticket to Ride」をSEに登場したw.o.d.。一瞬の静寂の後、サイトウのギターが火を吹き、「STARS」でライブがスタートした。フロアは歓声と共に前のめりに拳を突き上げる。中島元良(Dr)の跳ねるビート、Ken Mackay(Ba)のうねるベースラインが全身を揺らす「馬鹿と虎馬」では、曲中のブレイクで「大阪調子どうですか。遊ぼうぜ」とサイトウがクールにキメてオーディエンスの心を掴み、最高のバイブスを醸成する。さらに「イカロス」で超ド級にヘヴィなロックサウンドを転がしていった。

メジャー1stフルアルバム『あい』のリリースツアー以降、彼らのライブは少しオープンな空気になった。元良のスティックカウントから突き刺すような音が響いた「1994」。Kenはオーディエンスと目を合わせて微笑み、「届いてるよ」とばかりに自分の胸を叩く。これまで彼はフロアとコミュニケーションをとるよりも、演奏に集中するようにベースを弾くことが多く、長髪も相まって顔が隠れがちだったが、この日は髪をかき上げて笑顔を見せる場面もあった。w.o.d.は今年で結成17年目。歳を重ねキャリアを積むにつれ、ライブの在り方も変化していったのだろう。続く「lala」ではサイトウがシンガロングを促すようなアクションで、ステージとフロアの距離を近づけた。

MCではサイトウが「ウホ? 元気ですか?」と呼びかけると、フロアからは「ウホー!」という元気な声が返ってくる。サイトウは嬉しそうに「自由にやりましょう」と破顔した。

左上方向から差し込む照明がドラマチックなロックバラード「2024」を経て、1月28日にリリースされたばかりの最新EP「YOU ONLY LIVE ONCE. EP」に収録された「CAMPANELLA」を披露。ライブを意識して書かれたこの曲は、メロディアスながらw.o.d.らしいナチュラルなロックサウンドが美しい。<オーオーオー>というコーラスパートは、今後フェスなどでオーディエンスの大合唱が響き渡るはずだ。さらにこちらもEPに収録の新曲「普通な日」を大切そうに響かせた。何が起こるかわからない世の中で、こうしてただ音楽に浸れる時間、なんでもない日が特別で幸せだということを、改めて噛み締めた。

2度目のMCでは、サイトウが田邊との関係を口にする。「田邊さんとは1年半くらい前から知り合いなんですけど、対バンしたことなくて。いつかやりたいねと言ってたら1年半以上経ちましたね。やっと実現できました」と述べる。すると元良が「なんか話に入りたそうにしてる(笑)」とステージ袖にいるらしき田邊を見て言う。田邊は会場入りしてからひたすら喋り続けているそうで、サイトウは「気遣いの人やと思うんですよ。最初は無理して喋ってるのかなと思ってたんですけど、じゃないみたいです(笑)。ほんまにずっと喋ってます。しかもオチとかも探しながら喋ってる感じがする。(話が)面白いんですよ。敵わないなと思いました。やっと音楽で出会えて嬉しいです」と愛すべき先輩とのエピソードを話してくれた。

そして「ブルエン前にもう一発ブチ上げときたいと思うんですけど、いけますか」とラストパートへ。Arctic Monkeysを彷彿とさせるベースラインがグルーヴィーな「TOKYO CALLING」、フロアが揺れに揺れた「踊る阿呆に見る阿呆」を爆音で叩き込み、最後に「まだ踊れますか」とパワーを増して、中野雅之(THE SPELLBOUND、BOOM BOOM SATELLITES)をプロデューサーに迎えた「My Generation」で締め括った。歪んだギターとでっかいビートで空気を震わせ、「バイバイ」と挨拶してステージを後にしたw.o.d.。

BLUE ENCOUNT

田邊は今年1月よりFM802の番組『EVENING TAP』にて、新コーナー『となりのたなべ -ブルエンOBANZAI Radio-』を担当している。BLUE ENCOUNTにバトンを繋ぐべく登場した樋口からの紹介に加えオーディエンスのノリも良く、樋口とBLUE ENCOUNTとの仲の良さも垣間見えた。

MISSPRAYの「Break Down The Clock」をSEにメンバーがステージインすると、沸き立つフロアはクラップの嵐に包まれる。田邊は「僭越ながら大トリやらせてもらいます! BLUE ENCOUNTです! 始めるよー!」と明るく放ち、「ポラリス」を伸びやかに演奏。音が鳴らされるとすぐにわかる、抜群の安定感。江口雄也(Gt)の滑らかな運指から繰り出される細やかなギターリフにも圧倒される。田邊が<今 生かされながらw.o.d.とツーマンやってるよー!>と歌詞を変えて歌うと、会場の熱はまたひとつアップした。

高村佳秀(Dr)のビートから叩き込まれた強靭なロックチューン「SLUGGER」に続き、ライブアンセム「NO BODY」でフロアはお祭り騒ぎ状態に。ステージとフロアが阿吽の呼吸で完全に意思疎通できている様はさすがの一言。辻村勇太(Ba)のベースがブンブン響いた「D.N.K」では、見渡す限りのオーディエンスがジャンプでひとつに。ハイレベルなソロ回しと連続のキメにはただただ脱帽だ。

「もっと踊ったり飛び跳ねたりできる人ー!」と煽り「バッドパラドックス」を投下。サビの切なくも美しいメロディー、田邊のハイトーンで大人っぽいボーカル、ロックでスリリングなアンサンブルにゾクゾクする。ここでも田邊は<w.o.d.と出会えたんだよ!>と喜びを歌に込める。

加速し続けた熱をクールダウンするようにスウィートなラブソング「girl」に続き、冒頭でピンスポに照らされた田邊のフェイクが印象的な「プロメテウス」を情感たっぷりに歌い上げ、表現力の幅を提示した。

MCで田邊は初詣で引いたおみくじで「言葉多しは災いのもと」と書かれていたと告白して爆笑をさらい、「w.o.d.良いね。カッコ良いね」(田邊)、「あんなにオスなんやね。かっけえなー」(辻村)と初めて観たw.o.d.のライブの感想を言い合う。田邊とサイトウの出会いは、田邊が担当していたお酒を飲みながら語らうTV番組のゲストにサイトウが出演したこと。収録後に3〜4時間飲み、別の収録終わりにも朝まで飲んだこと、802の対談でのエピソードも明かす。そして「今日、胸張って言えます。w.o.d.はロックで最高なバンドです。ほんとにありがとうございます」と述べるも、先ほどサイトウがMCで田邊のことを「知り合い」と言ったことに壁を感じたと憤り、「もうちょっと話聞いて」とお喋りっぷりを披露。

朝、ホテルの外でサイトウとすれ違い、目が合ったにも関わらず無視されたとして「和気藹々といこうと思ったんですけど、彼との距離を感じたので、距離詰めるためにボコボコにしたいと思います!」とギアを上げて、「お前のベースがカッコ良いの見せてやれ!」と辻村のスラップが炸裂した「ALIVE」から、「VS」「コンパス」「ハウリングダイバー」とアッパーチューンを連投。全力で歌を届ける田邊、超絶パワフルなアンサンブルを放つ江口、辻村、高村。その巻き込み力はすさまじく、フロアはぐちゃぐちゃになりながら、音を受け止め食らいつく。

最後は「22年バンドをやってても、未だに予定調和じゃないライブが目の前で繰り広げられて、出会ってなかったことを後悔するバンドと出会えて、そのバンドを好きなあなたに出会えて。俺、今日ここに来れて幸せです。一歩踏み出しさえすれば、いろんな刺激に出会える。これからもたくさんライブハウスに遊びに来てください! 今日来てくれた人に最大の敬意を込めて」(田邊)と、特大アンセム「もっと光を」をプレイ。即座に起こったシンガロングと突き上がる手は壮観。田邊は「死ぬ気でやってるロックバンドをよろしくお願いします!」と泥臭く叫び、一層熱を宿してアグレッシブに躍動した。

ライブ終了後には、w.o.d.とBLUE ENCOUNTの直筆サイン入りイベントオリジナルTシャツをかけた「じゃんけん大会」が実施された。樋口とフロアで「最初はウホ! じゃんけんぽん!」でじゃんけんをしていたが、途中からは袖でビールを飲みつつ見ていた田邊とサイトウも参加して、よりエキサイティング! 田邊の計らいで、勝者には田邊とサイトウからその場で手渡しでTシャツが贈呈され、贅沢なひと時を作り出した。

これ以上ないほどの大団円で終了した『802 Jungle Attack vol.9』。w.o.d.とBLUE ENCOUNTの念願の対バンを叶えた日であり、2組の絆がより深まる日であった。この記念すべき日を目撃したオーディエンスは満足そうに、1階ロビーに設置された「ゴリラボード」に感想を書き込んでいた。

なお、この日の模様はFM802『MUSIC Play-STANDARD』でオンエアされた。w.o.d.の振り返りインタビューはradikoのタイムフリー機能で聴くことができる。BLUE ENCOUNTとの振り返りは、本日2月13日(金)23:48~オンエアされるので要チェックだ。そして次回の『802 Jungle Attack』も楽しみにしていよう。

取材・文=久保田瑛理 写真=FM802提供(撮影:渡邉一生)

セットリスト

番組『MUSIC Play-STANDARD』
◎放送日時=毎週月曜日~金曜日 23:48~24:00
◎DJ=週替わり
◎番組 HP=https://funky802.com/site/blog/1123
◎番組 X:@fm802_MPS
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