brkfstblendとS.A.R.が意気投合、サーキット『梅田界隈』開催直前に対談ーー出会いや互いのルーツ、イベントへの意気込みを語る
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brkfstblend x S.A.R. 撮影=大橋祐希
大阪・梅田のライブハウス3店舗を使って、3月20日(金祝)に開催されるサーキットイベント『たとえばボクが踊ったらpresents 「梅田界隈 THE CIRCUIT '26」』の出演者を代表して、brkfstblendとS.A.R.のメンバーによる座談会をお届けする。同イベントは「関西で魅力的なキモチいいフェスをしたい」をコンセプトに開催されている野外音楽フェス『たとえばボクが踊ったら、』のスピンオフイベントだった『梅田界隈』『長堀界隈』『心斎橋界隈』が、昨年サーキットイベントに発展。ライブハウスシーンの最前線で活躍するジャンルレスのバンド/アーティストが集結したラインナップが評判になった。
2回目となる今回のラインナップも昨年同様、今後の飛躍が期待される顔ぶれとなっているが、今回、『梅田界隈 THE CIRCUIT』の魅力を語ってくれたbrkfstblendも、S.A.R.もともにこの1、2年、頭角を現してきた要注目の存在だ。シンガー・ソングライターのMichael Kaneko(Vo.Gt)、元LUCKY TAPESのKeity(Ba)、元Yogee New Wavesの粕谷哲司(Dr)が23年に結成したbrkfstblendは、70~80年代のAORを軸に自分達なりのエッセンスを加え、ディープなサウンドを追求している。一方、オルタナティブクルーを名乗るS.A.R.は、ソウル、R&B、ヒップホップ、ジャズをベースにした幅広い音楽性を武器に昨年4月、メジャーデビューを飾った。2組はすでに対バン経験もあり、ともにブラックミュージックをバックグラウンドに持ちながら、アプローチの違いがそれぞれの個性になっている2組がどんなところで意気投合したのかも気になるところ。まずは両者の出会いから、brkfstblendの3人とS.A.R.のsanta(Vo)、Imu Sam(Gt.MC)、Taro(Key)に振り返ってもらおう。
brkfstblendとS.A.R.の出会い、対バン時の印象は?
S.A.R. Imu Sam(Gt.MC)
――『梅田界隈 THE CIRCUIT '26』に出演するバンド、アーティストの中から、幾つか組み合わせの候補があって、いろいろ考えた結果、この2組で対談が実現したわけですが、『梅田界隈』を代表する2組に選ばれたことについては、どんなふうに感じていますか?
Imu Sam:え、代表なんですか? 知らなかった(笑)。恐縮しちゃいます。brkfstblendとS.A.R.、一緒にやったことも何回かあって、なんか仲良さそうだから呼んじゃおうかぐらいのノリだと思ってました。
――まぁ、そういうことだと思うんですけど、実際、仲は良いんですか?
Imu Sam:あ、でも、プライベートで会ったりっていうのはなくて、ライブの現場でしか会ったことはないんですけど。
粕谷:Imu Samとは下北沢の飲み屋で偶然会ったことがあったよね。
Imu Sam:ありましたね。brkfstblendが逗子で開催していたイベントに呼ばれたことがあったんですけど。
brkfstblend 粕谷哲司(Dr)
――25年8月の『club social vol.5』ですね。
Imu Sam:そうです。その直前だったから「今度楽しみですね」みたいな話をして。
粕谷:そうそう。1か月か2か月ぐらい前だったっけ。まさか会えるとは思ってなかったけど、「今度よろしくね」って。
――そもそもbrkfstblendとS.A.R.の最初の出会いって、いつ、どんなキッカケでだったんですか?
Taro:たぶん名古屋の。
――24年6月の『cultra』というイベントですね。
粕谷:知ってるじゃないですか(笑)。
――いや、それが初対面かどうかはわからなかったんで。
Michael:同じビルの中に幾つか会場があるイベントで。
粕谷:その時、S.A.R.のライブを観にいって、その後、楽屋で挨拶した気がします。それが最初だったと思います。
Taro:そのイベントの前に友達のLil Summerが「brkfstblendってヤバいバンドがいるから絶対見たほうがいい」と言っていて。だから、僕らもbrkfstblendのことは気になってたんですよ。
粕谷:そうだったんだ。うちら、初ライブが福岡だったんですけど、その時、彼女がコーラスで入ってくれたんですよね。
brkfstblend Michael Kaneko(Vo.Gt)
――brkfstblendのみなさんがその時、S.A.R.のライブを観たのは、もちろん気になる存在だったからですよね?
粕谷:もちろん、その『cultra』というイベントの主催者が僕らのマネージャーなんですけど、彼が教えてくれたんですよ。
Imu Sam:でも、俺、元々、MichaelさんがAmPmと一緒にやった曲とか、brkfstblendがカバーしたアル・グリーンの「Ladyland」とか聴いてたからMichaelさんやbrkfstblendのことは知ってたんですよ。
Michael:ありがとう。
――初対面でけっこう意気投合したんですか?
Michael:でも、その時は挨拶しただけだったよね。
Imu Sam:それからしばらくしてから、大阪のCONPASSというライブハウスで一緒にやりましたよね。
S.A.R. santa(Vo)
――brkfstblendとS.A.R.に加え、Doonaが出演した24年12月の『長堀界隈』ですね。
santa:そうでした、そうでした。
Imu Sam:あれがちゃんとした初対バンでした。
Michael:その時、「何か一緒にやろうよ」という話をしたのを憶えてる。
Imu Sam:俺はMichaelさんに「ギター、かっこいいですね」って言った気がする。
Taro:終わった後、ずっと言ってたもんね。
Imu Sam:言ってた、言ってた。それで、「なんでそんなにかっこいいんですか?」って聞いたら、「ジョン・メイヤーが好きだから」って。
Michael:全然憶えてない(笑)。
Imu Sam:いや、でも、やっぱりジョン・メイヤーだけってことはないよな。他にもいっぱい聴いてるんだろうなって。
Michael:そりゃそうだよ(笑)。
S.A.R. Taro(Key)
――brkfstblendの3人は、S.A.R.のメンバーに対して、どんな印象を持ちましたか?
粕谷:すげえかっこいい音楽やってるけど、何歳ぐらいなんだろうって。
Michael:そうそう。若いし、英語で歌ってるし。
粕谷:日本の音楽にちょっと思えなくて、ライブを最初に見たとき、海外のアーティストみたいだ。ヤバいって思いましたよ。
Michael:若いバンドで唯一かっこいいって思いました。芯食ってるバンドがいるぞって。
――その後、さっき話に出た『club social vol.5』というイベントにS.A.R.を招き、再び共演が実現しました。
粕谷:そのイベント、逗子のビーチハウスで開催したんですけど、会場から崖みたいなところをちょっと降りていったら、海に入れるんですよ。真夏だったから、俺らはもう嬉々として、海に入っていくんですけど、S.A.R.のみんなも入るかなどうかなと思ってたら、みんな、速攻で脱ぎ出して(笑)。
Imu Sam:みんな海に入りたいタイプだったっていう(笑)。
粕谷:あれはうれしかった。
Imu Sam:あのイベント、めちゃめちゃ楽しかったです。
Keity:みんな楽しんでくれてよかった。
Imu Sam:最後、セッションしましたね。
Michael:そうだね。ビートルズの「ヘイ・ジュード」。
Imu Sam:あれは最高でした。
brkfstblend Keity(Ba)
――前もってセッションしようと話をして?
Michael:そうです。そのイベント自体がパーティーなんです。みんな飲んでるし、さっきも言ったようにロケーションが最高なんで。だから、最後はその日出演した3バンドのメンバーが全員、ステージに勢揃いして。
粕谷:なぜか、毎回、「ヘイ・ジュード」やってるよね(笑)。
Keity:なんか「蛍の光」っぽいから、定番になってますね。
Michael:残念なことに、あのハコなくなっちゃったんですよ。
Taro:また、あそこでやりたかったですね。
「こういう話、したことなかったね」
お互いの印象、ルーツ、最近聴いている音楽について
brkfstblend
――ところで、音楽的にはお互いにどんなふうに思っているんですか? 普段、そういう話をする機会もなかなかないと思うので、今日はお互いに褒め合ってみたらどうでしょう?(笑)
Michael:自分達のアインデンティティがあって、スタイルもあって、周りに一切合わせていないところがかっこいい。そのマインドは、うちらときっと似ていると思います。
Imu Sam:いや、まさに同じことを言おうと思ってました。洋楽っぽいという共通点はあるけど、ジャンルは全然違うじゃないですか。でも、バンドとしての意識はすごく近いんじゃないかって。
santa:音楽に対する愛を凄く感じます!
――ジャンルは違うという話が出ましたけど、ルーツとかバックグラウンドとかはけっこう重なっているところもあるんじゃないかと思うんですけど。
Michael:あぁ、確かに。さっき言ってたアル・グリーンが好きなのもS.A.R.の曲を聴いているとわかりますよね。
粕谷:カーティス・メイフィールドのカバーをやったとき、「あ、これやってくれるんだ。最高」ってなったよ。
Taro:粕谷さん、インスタのストーリーズで、「エル・ミシェルズ・アフェアの新譜、今年一番ヤバい」って言ってたじゃないですか。あれ、僕も同じことを思ってました。
Imu Sam:普段から聴いているものがもうすでにかっこいいから、かっこいい人達だなと思ってるところはあります。
Michael:でも、こういう話ってそんなにしたことなかったね。
Imu Sam:だって、教えてくれないじゃないですか(笑)。
粕谷:アンディ・シャウフのフォックスウォーレンってソロプロジェクト知ってる? ちょっとフォークっぽいところもあるインディロックやってるんだけど、去年、2枚目のアルバムが出てたのに俺、最近まで気づいてなくて、いまめちゃくちゃハマっててさ。
Taro:粕谷さんがインタビューで「ドラッグディーラーが好き」って言ってたの読んだんですけど、僕も好きで。
粕谷:そのドラッグディーラーの曲で、ゲストで歌っているケイト・ボリンジャーってシンガー・ソングライターがいるんだけど、その人もめっちゃいいから、ぜひ聴いてほしい。
Taro:聴いてみます。宿題がいっぱいだ(笑)。
粕谷:なんか課しちゃったみたいになっちゃったな。
Michael:逆に最近ハマってるアーティストっている?
Imu Sam:プーマ・ブルーの新しいやつはいいですよね。けっこうテクノって言うか、電子音楽の感じがめっちゃ強いんですけど。
Taro:だいぶ方向性が変わったよね。
粕谷:そうなんだ。
Imu Sam:でも、すごいんですよ。
粕谷:へぇ、聴いてみよう。楽しみ。
santa:僕はレ・アンプリメが良かったです。ビッグ・クラウン・レコードの。
――2組とも常にアンテナを張って、新しい音楽を探していらっしゃるんですね。
santa:そうですね。
粕谷:ここ最近、おもしろくないですか。坂本慎太郎さんのインタビューをこの間読んだら、以前は昔の音楽がずっと好きだったけど、最近は海外のインディーがめっちゃおもしろいみたいなことを言っていて、同じように感じてるんだってなんかうれしかったですね。
――最近の海外のインディーはどんなところがおもしろいですか?
粕谷:音作りですね。それとジャンルの融合感って言うか、いろいろなジャンルがけっこうシームレスに影響しあってて。たとえば、フォークだけ影響を受けているのではなくて、そこにちょっとブラジルの要素だったりとか、ソウルの要素だったりとかが混じっていて、しかも音作りは現代風にアップデイトされていてみたいなところがあって、新しいものができあがってる感覚がすごくあります。
S.A.R.
――お互いのバンドに改めて聞いてみたいことがあったら、この機会にぜひ。
Michael:S.A.R.のメンバーはプライベートでも仲良いの?
Imu Sam:制作で顔を合わせると、ラーメン食いに行ったり、遊びに行ったり、いろいろなことしてます。
――逆にbrkfstblendはプライベートで一緒に過ごすことはありますか?
粕谷:昨夜、一緒に飲んでたよね。
Michael:下北沢で飲んでました。リハが終わってから。
Keity:酒が主かな。
Michael:そうだね。酒がないと、きっとみんな静かですね(笑)。
――S.A.R.のメンバーは飲みに行ったりというのは?
Imu Sam:飲めないメンバーもいるから、飲みって選択にはならないですね。代わりに映画を見に行ったりしますね。
Taro:この間、映画館に『ズートピア』を観にいきました。
Michael:おもろいな。
Imu Sam:あと、俺が異常にクレーンゲーム好きで、それをみんなが見てます。
Taro:1つの才能だよね。
Imu Sam:けっこう取れるんですよ。
Taro:どかどか取ったもんね、この間。
東京とはまた違った、独自の “ いい雰囲気 ”
『梅田界隈THE CIRCUIT '26』がいよいよ開催
――さて、ここからは2組が出演する3月20日(金)の『梅田界隈THE CIRCUIT '26』について聞かせてほしいのですが、どんな雰囲気のイベントなんですか?
Imu Sam:来る人はもちろんだけど、出る人も、今、あの会場であのバンドがやってるから見にいこうぜみたいに楽しんじゃってるイベントなんじゃないかな。
Taro:同じサーキットイベントでも、東京とはまた雰囲気が違うもんね。
――主催している夢番地の大野氏の存在が大きい?
Imu Sam:大きいですね。
粕谷:少年チックなノリと言うか、男ノリみたいなのをすげえわかってくれるアニキって感じで、一緒にふざけてくれるんですよ。
Imu Sam:大阪の服部緑地野外音楽堂でライブしたことがあるんですけど、それも大野さんが呼んでくれた『たとえばボクが踊ったら、』というイベントで。その時、僕、演奏中にノドがめっちゃ渇いちゃって、ステージの袖にいた大野さんに口パクで「お水ください」って言ったら、大野さんが「ビール?」って言うから、「いや、お水です」ってもう一回言ったんですけど、「わかった」って結局、ビールを持ってきて。普段はライブの時、酒は飲まないんですけど、その時はせっかくだからと思って、飲んでライブやったっていう。大野さんはそういう人です(笑)。
粕谷:ライブの本番直前、緊張してると、「ビール大丈夫?」って言ってくれるんです。僕らは今回初めて出るんですけど、たぶん、そういうノリのイベントなんだと思います。こんな言い方をしたら失礼かもしれないけど、大野さんってちょっと友達みたいな感覚があって。もちろん、アニキではあるんですけど、顔を合わせると、「アニキ、久しぶりじゃないっすか」ってかまいに行きたくなるんですよね。そういう距離感の人ってそんなにいないじゃないですか。すごく不思議なんですけど、大野さんがそういう感じだから、俺らもやりやすいんだろうなって。
――もしかしたら、イベント全体にそういう空気があるのかもしれないですね。
Imu Sam:いい雰囲気を作ってくれますね。
Michael:あと、サーキットイベントで
――U-25(25歳以下)については3500円なんですね。S.A.R.は今回が2回目の出演となりますが、どんなライブをしようと考えていますか?
Imu Sam:そうですねぇ。アレンジが変わっちゃうかもしれないし、新曲もあるかもしれないしという意味ではこれまでにはないライブになるかもしれないです。
―― 一方のbrkfstblendは今回初出演ですが、どんなライブをしようと?
Michael:ライブによって、鍵盤を入れたり、ホーンを入れたり、編成をいろいろ変えているんですけど、この日はトリオ編成になると思います。だから、めちゃくちゃ緊張感ある、どちらかと言うと、ロック寄りのセットにはなると思います。
――なぜトリオ編成なんですか?
Michael:新幹線で大阪に行きたいからです(笑)。
粕谷:そうだね。サポートを入れるとなると、機材も増えるから、じゃあ車でってなっちゃうからね(笑)。
Keity:だったら、3人の演奏に自信があるんだからっていう。
Michael:そう、それです。最近、3人の演奏に自信があるんですよ。だから修行のつもりで楽しもうと思ってます。
――本日はありがとうございました。最後に『梅田界隈THE CIRCUIT '26』が終わった後の、それぞれのバンドの活動予定を聞かせていただけますか?
Michael:昨年の12月にタイと台湾に行って、タイでレコーディングしてきたので、EPになるのか、何になるのか、まだちょっとわからないですけど、春ぐらいには何かしら出したいですね。
粕谷:あと、4月に台湾の台北でワンマンライブやって、ちょっと南のほうの恒春ってところでもライブやります。それと、4月16日(木)に渋谷のTOKIO TOKYOで『allumage vol.3」ってイベントでまたS.A.R.と一緒にやります。
Imu Sam:よろしくお願いします。
――偶然一緒になったんですか?
Michael:そうです。主催の方が好きなアーティストを呼んだら、たまたま僕らともう1組だったっていう。
―― 一方のS.A.R.は?
Taro:『梅田界隈THE CIRCUIT '26』の次の週がヤバいんですよ。
Imu Sam:めっちゃライブがあるんです。『梅田界隈THE CIRCUIT '26』の翌日の21日(土)に豊洲PITでNEWSの加藤シゲアキさんがファシリテーターを務める『S-POP LIVE』ってイベントに出て、その次の日22日(日)は幕張メッセで『ツタロックフェス』に出ます。
Taro:で、1日空けて、24日(火)は渋谷WWWで『SPIN.DISCOVERY』ってイベントに出ます。ライブはそこでいったん落ち着くのかな。
Imu Sam:その後、4月1日(水)に『Rakuten Books×PCI MUSIC Diggin' Sound vol.4 powered by bazoo』が新代田FEVERであって、あ、そうだ。5月に新しいアルバムを出すのと、全国5都市を廻るワンマンツアー『S.A.R. Japan Tour 2026』も決まっているので楽しみにしててください!
取材・文=山口智男 撮影=大橋祐希
イベント情報
『梅田界隈 THE CIRCUIT '26』
日時:2026年3月20日(金祝)OPEN/START13:00
会場:梅田BananaHall、梅田Zeela、梅田BANGBOO
入場料:ADV¥5000 /U-25 ¥3500
※ドリンク代別途 ※未就学児入場不可 ※25歳以下はU-25対象
【INFO】X:@odd_talla / instagram:@tbo_0fficial
主催:YUMEBANCHI
企画・制作:たとえばボクが踊ったら
ツアー情報
2026年5月30日(土)札幌SPiCE
2026年6月6日(土)福岡INSA
2026年6月13日(土)梅田クラブクアトロ
2026年6月14日(日)名古屋UPSET
2026年6月28日(日)東京Zepp Shinjuku