ロックモード全開で新章を迎えた藍井エイル「すごく自分らしく、藍井エイルとして歌えている感覚があります」

2026.4.22
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藍井エイル

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藍井エイルが、TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』オープニングテーマ「MONSTER」と、TVアニメ『転生したらスライムだった件 第4期』オープニング主題歌「絵空事」をパッケージしたニューシングルを4月22日(水)にリリースする。
キャリア初のダブルタイアップとなる本作は、不穏さをはらんだ「MONSTER」と、壮大なスケール感を持つ「絵空事」という対照的なロックナンバーを軸に、カップリング2曲も含めた全4曲で異なる感情を描き分け、表現力の幅を示す一枚に。
デビューから15年を迎え、新たなフェーズを迎えた藍井エイルの今が、凝縮された作品となった。そして、その制作にまつわる話を聞いていて感じたのは、今彼女はとても前向きなモードにあるということ。現在の心境や、ファンへの想いについても教えてもらった。

■「『MONSTER』で不穏さとキャッチーさって融合できるんだと驚きました」

──まずは、今回TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 4th Season 2年生編1学期』(以後『よう実』)とTVアニメ『転生したらスライムだった件 第4期』(以後『転スラ』)のダブルタイアップが決まった時の率直なお気持ちからお聞かせください。

1週間に2回も自分の曲が流れるタイミングがあっていいのか、という驚きと、人生初のダブルタイアップということで、すごく嬉しかったですね。

──ファンの方にとっても、1週間に2回エイルさんの楽曲が聴けるというのは大きな喜びだと思います。実際に寄せられた声については、どのように受け止められましたか。

祝福してくれる方がすごく多かったですし、「『MONSTER』は今までと違う感じがする」という声もいただきました。これまでの楽曲はサビで一番高いところに突き抜けていくようなものが多かったと思うんですが、今回はそうではなくて、どろどろした雰囲気のまま終わっていくスタイルだったので、新しく感じてもらえたのかなと思いました。

──まさにそこが印象的で、“読めなさ”が作品の雰囲気とも重なっているように感じました。

リンクしていますよね。確かに曲を聴いた時からすごく不穏な印象がありました。ただの学園ものではないという空気感が、楽曲ともすごくマッチしているなと思いました。

──「MONSTER」を初めて受け取った時の第一印象はいかがでしたか?

単純に、めちゃくちゃかっこよくてびっくりしました。スタッフの皆さんとも満場一致で「これだ!」という感じでした。コンペ形式で、5曲くらいに絞っていただいた中で聴かせてもらったのですが、「MONSTER」が一番輝いていましたね。やっぱり“不穏さ”と重めなロック感に惹かれました。でも、キャッチーでもあるんですよね。不穏さとキャッチーさって融合できるんだと驚きました。

──「MONSTER」ではエイルさんご自身が作詞も担当されていますが、どのようなテーマで書かれたのでしょうか。

『よう実』の主人公・綾小路清隆に気をつけろ、という警鐘を鳴らすようなイメージをテーマに書きました。主人公本人の視点ではなくて、他のクラスメイトから見た視点や、私自身が綾小路清隆を見た時の驚きの視点など、外側からの目線を中心にしています。

──綾小路に対して、どのようなイメージがありましたか?

最初は冴えない男の子なのかなと思っていたんですが、見ていくうちに「なんて狡猾なんだ!」と驚かされて。裏切られるような感覚があるんですけど、それが気持ちよくもあって。でも「絶対に関わりたくない人間だな」とも思いました。危ない人、でも魅力的というのが素晴らしいなと。軽井沢(恵)ちゃんとかは結構可哀想だったんですけど、「綾小路、そういう優しいところもあるんだ!」と思ったら優しさじゃないんだっていう。「やっぱりそういうことじゃないんだ」って。《作られた人の形》という歌詞は、人の形をした化け物という意味で。そういう皮肉めいた言い方をしました。

──冒頭の《はみ出しのMONSTER》もまさに、ですよね。

そうですね。本人も「本気を出さなきゃいけない」と言っていたので、いよいよはみ出してくるところに来たというか。それまではずっと隠れ続けていたので《hidin' hidin’》という言葉を入れました。

──《hidin' hidin’》は、この曲のフックにもなっていますよね。

そうですね。リピートするところだったので、結構大事に考えました。

──一方で、Dメロの《呆れそうなほど退屈だ》というラインは綾小路自身のことを感じさせました。

Dメロだけは綾小路の視点を反映させたんです。それ以外は綾小路の紹介です。放送では流れない部分なので、フルで聴いた時に楽しんでいただけたらと思っています。

──レコーディングで印象的だったことはありますか?

今回は、勢いをかなり大事にして歌いました。これまでもロック歌いで喉を壊したり、発声障害になったりしたことがあったので、気をつけなきゃなとは思っていたのですが、今回もかなり攻撃的なサウンドだからこそ、普通に歌うとボーカルが埋もれてしまうんですよね。だから、自分ももっと攻撃的に歌わなきゃいけないと思っていたんですけど、どうしても私の身体にリミッターがかかってしまって。そこを解除するのがすごく難しかったです。

──エイルさん的には辛いところもあったとは思うのですが、その葛藤も含めて、結果的にすごく良い味になっているように感じました。

ありがとうございます。戦うように歌っていました。なんとかリミッターを外して歌ったんですけど、次の日はやっぱり声が枯れていましたね。かなり絞り出すような歌い方をしたので、それだけ力が入っていたんだと思います。気づいたら、ずっと片足のつま先立ちで歌っていました(苦笑)。

──《見えない罠の在処》のあたりで少し高くなる印象もありました。

そこは印象的に聴こえるかもしれないんですけど、自分の中ではそこまで高いキーではないんです。これまでがF、F#とか、かなり高いキーの楽曲が多かったので、それに比べると落ち着いてはいるんですけど、かといって、楽かと言われると全然そんなことはなくて。テンポが速いわけではないのに、ブレスの位置がすごく短いんですよ。歌詞の文字数も多いので、その分ブレスのポイントが少なくて、結構忙しい楽曲ではありますね。

──歌い終えたあとは、どんな感触がありましたか。

一言で言うと、疲れた、ですね(笑)。でも、やり切った感覚はありました。できる限りのことはしっかりやれたので、満足感はあります。実は結構前に録った楽曲なんですけど、この前リリースイベント用に少し練習で歌ったら、また歌い方が変わっていて。これから先、もっと進化していく曲なのかなとも思いました。ライブでは《hidin' hidin’》のところをみんなで歌って欲しいです。


──コールアンドレスポンスが想像できる部分ですよね。サウンド面でも、重さだけでなく、どこかきらめきのような質感が印象的で。

そうですね。SEも多めですし、デジタルな質感は結構あると思います。なのに不穏っていう(笑)。なんでなんだろう? Bメロも結構不穏なんですよね。で、突き抜けるわけでもなくて、ずっと緊張感が続いているような感覚があります。

■「レコーディングは“演技”だと思っている」

──一方で「絵空事」にはシンガロングできそうなポイントもある、開けた曲ですよね。

そうですね。第一印象から「みんなでコール&レスポンスできる曲だな」と思っていました。最初は2曲くらいまで絞っていただいて、どちらにするかすごく迷っていたんです。その中で、アニメサイドにも確認していただいて「絵空事」になりました。

──作品との親和性も決め手になったんですね。

そうですね。原作やこれまでのシリーズも見ていたので、どういう世界観になるのかは気になっていました。ただ、今回は歌詞を書いていないので『転スラ』第4期がどういう展開になるか、詳しくはまだ分からないんです。3期にも出てきた、マリアベルと戦うということは把握しているんですが。

──「『転スラ』のオープニング主題歌を歌わせていただけることが決まった時は、心から驚きました」とコメントされていましたが、そこは意外でしたか?

めちゃくちゃ意外でしたし、その世界線があるとは思っていなかったので本当に嬉しかったです。ファンの方からも「その世界線があったんだ!」という声をいただき「私も同じこと考えてた」って思っていました(笑)。世界中から本当に愛されている作品なので、緊張感もありますね。それは『よう実』にも言えることです。『よう実』と言えば、ZAQちゃんのイメージも強い中で、「すみませんお邪魔します」という気持ちで入らせていただきました。

──どちらも長い作品ですものね。今回の「絵空事」は、楽曲として受け取ったときの印象はいかがでしたか。

バンドサウンドが軸になった、激しいロックナンバーだなという印象でした。スケール感もあって、今の自分の新しいスタートにふさわしい楽曲だと。細かいところで言うと、Aメロは内に秘めるようなイメージで歌っていて、サビでは一気に開放感のあるロックとして広がるように意識しました。「MONSTER」のような攻撃的な歌い方というよりは、もう少し自分らしく歌えた楽曲かなと思っています。

──これまでのエイルさんの楽曲とも地続きにある印象ですね。

そうですね。そこまで大きく離れた方向ではないと思います。ただ、メロディーが少し難しくて、覚えるのは大変でした。ループするフレーズが少なくて、流れに沿ってどんどん展開していくんです。「MONSTER」は繰り返しのフレーズも多いんですけど、「絵空事」はそうではなくて、流れに沿って変化していくので、構成を掴むのが難しかったですね。

──確かに、一般的なフォーマットとは少し違う印象もありました。シンガロングできるポイントもあって、作品の空気感ともリンクしていますよね。

『転スラ』感がありますよね。みんなで歌えるようなイメージがありました。

──エイルさんの歌声にも、どこかリムルっぽさを感じるというか。

ありがとうございます。そう言っていただけると嬉しいです。個人的にはシズさんが好きなんですが、リムルのような上司がいたらいいなって思います(笑)。うまく導いてくれそうですよね。みんなめちゃくちゃ転がされているじゃないですか。テンペストはめちゃくちゃホワイト(企業)だと思っています。『転スラ』は生き方だったり、人との関わり方だったり、いろいろな意味で参考になるというか。「参考書」みたいなアニメだなって。

──同じロックナンバーでありながら、そのホワイトな『転スラ』とダークな『よう実』、どちらもやっているのが面白いところです。

だから「MONSTER」と「絵空事」のレコーディングの期間が離れていて良かったなと思いました。じゃないと、モードの切り替えが難しかったかもしれないなと。

──「絵空事」の《正義と亜正義》という言葉がとても印象的でした。“亜正義”とはどういうイメージで捉えていますか。

すごく印象的ですよね。作詞をしてくださったRUCCAさんも、《正義と亜正義》がテーマになっていますとおっしゃっていました。私は“亜正義”という言葉を正義はまた違う正義みたいな意味合いで捉えていて。ひとつの正義だけじゃなくて、それぞれの立場によって異なる正義があると思うんです。それを押し付けてしまうと争いが生まれる。そういったことを考えながら歌っていました。

──Dメロには突き抜けるような気持ちよさがあって。

全体的には気持ちよく歌える音域でした。やっぱり一部かなり高いところもあって。《認めればこそ》のあたりは、FかF#くらいまで上がっていて。優しく歌えばミックスで比較的出しやすい音域でもあると思うのですが、Dメロもロック感がしっかり残っている楽曲なので、ファルセットに逃げることもできないですし、かといってミックスで柔らかく処理するのも違うなと思って。少し硬めの発声で歌うことを意識しました。その分、発声的にはかなり大変でしたが、全体的には伸びやかに歌えましたね。自分らしさを感じる楽曲だなと思いました。

──その“自分らしさ”というのは、どのような部分にあると感じていますか。

すごくシンプルに言うと、サビでカツンと突き抜ける高音が入ってくる楽曲は、自分らしさのひとつかなと思っています。歌い方自体も昔とだいぶ変わってきていて、これまでにポリープができたり、発声障害になったりといろいろあった中で、一時期はすごく迷った時期もありました。今でも「これだ」と思える日と、うまくいかない日がはっきりあって、まだ安定感という意味ではゴールは先だと思っているんですけど、それでも「絵空事」はしっかりハマった感覚で歌えたかなと思います。

──その状態をつくるために、ボイストレーナーさんと調整もされていたのでしょうか。

そうですね。トレーナーの方ともめちゃくちゃいろいろな方法を試していきました。今はあえて一度ボイストレーニングから離れているんです。

──へえ!

理論的に考えすぎてしまう部分があって。「こういう仕組みだからこう歌う」と考えすぎると、歌詞に感情を乗せるのが難しくなってしまって。それで一度、頭を空っぽにしてみようと思ったんです。レコーディングは“演技”だと思っているので、その表現を大事にするために、あえて自主的に距離を置いています。

──理論じゃないところもありますもんね。

でも本当に難しいです。歌として成立させながら演技もしなければいけないので。声優さんがキャラクターの声でしっかり発声しながら歌っているのを見ると、本当にすごいなと思います。私は「ヒィヒィ」言っています(笑)。

──「絵空事」はブロックごとに表情が変わっていく印象もありました。

Aメロは内に閉じこもるような表現にしたり、パートごとに細かくニュアンスを変えています。そこはディレクターさんと相談しながら作っていきました。

──一度ボイストレーニングから離れたことで、歌いやすさの変化はありましたか。

自由度が増した感じはあります。ただ、その“自由”を手に入れられたのは、これまでボイトレで積み重ねてきた下地があったからだとも思っていて。やっぱり地盤をしっかり作ることは大事だなと改めて感じました。


──その土台があってこその現在なんですね。

そうですね。地盤が不安定なまま歌い続けて、実際に喉を壊してしまった経験もあるので、そこを立て直して、一から積み上げ直したことはすごく意味があったと思っています。

■「これからは、よりロックな自分を見せていけたらと思っています」

──ここからはカップリングについても伺えればと思います。「DRUM」、「Decay」それぞれどのように制作されていったのでしょうか。

まず「DRUM」は、これまであまりやってこなかったタイプのロックに挑戦してみようという話になって、コンペ形式で楽曲を集めました。その中で「これだ」としっくりきたものを選んだ形です。

──実際に歌ってみての印象はいかがでしたか。

キーが比較的低めで、これまでの自分の楽曲とは少し違う感覚がありました。低い音域だと抑揚をつけやすくて、表現の幅が広がるんですよね。高音中心の楽曲が“型が小さい”とするなら、低音寄りの楽曲は“型が広い”というか、その中で自由に動ける感覚があって。歌っていてすごく楽しかったです。ロックではあるんですけど、少し“大人っぽさ”も感じられる楽曲になっていると思います。

【よう実盤】 (C)衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ4製作委員会

──歌詞は柿沼雅美さんが書かれています。リアルな感情が描かれている印象ですね。

《“だって”も“でもね、だって“も/言えば言うほど/愛されない》《時が経って平気と思えるとか/馬鹿みたいね/私たちは歪みを抱えてく》とか、人間の核心を突いているなと感じました。大人の理屈を突きつけられるような感覚もあって、聴く人によってはすごく刺さる楽曲だと思います。

──もう一方のカップリング「Decay」ではエイルさんが作詞も担当されていますね。

「Decay」は朽ちる、衰いていくといった意味があります。この曲は、世の中に居場所がないと感じている人に届けばいいなと思って書きました。ピアノを軸にした静かな楽曲にしたいというイメージが最初にあって、そこから制作が始まっています。

──歌詞の着想はどのようなところから?

結構悲しいメロディーラインだったので「ハッピーではないよな、どちらかと言うとアンハッピーだよな」という印象がありました。身近に「居場所がない」と感じている友人がいて、その話を聞いているうちに、そういう想いを抱えている人はきっと世の中にたくさんいるんだろうなと感じたんです。自分自身もそういう時期があったので、その感覚も重ねながら書きました。

──全体的には切なさがありつつ、ラストには少し光も感じられます。

そうなんです。メロディー自体はすごく切ないので、最初は暗いまま終わらせることも考えたんですが、最後でコードがメジャーに変わるんですよね。暗いまま終えるか迷ったのですが、それならやっぱり、少しでも希望を感じられる終わり方にしたほうが綺麗かなと思って、ラストだけは光を残す形にしました。聴いた人が少しでも救われるような、そんな曲になっていたら嬉しいです。

──ピアノを軸にした楽曲にしたいと思ったきっかけは何かあったのでしょうか?

ロック、ロック、ロックと続けてきていたので、ちょっとしっとりした曲もやりたいなと思っていて。でも、実際に歌ったらめちゃくちゃ難しかったですね。勢いで押し切れるタイプの曲ではないので、とんでもない集中力が必要で。歌詞の世界観にしっかり入り込まないと成立しない楽曲でした。メロディーライン自体も難しくて、なかなか入り込めない感覚があったので、レコーディング中に部屋の照明を落としてもらったりして、空気を変えながら歌っていました。

──空間作りから入られたのですね。エイルさんはそういうレコーディングをされることは普段からあったのでしょうか。

めちゃくちゃ久しぶりでした。ディレクターさんが「部屋の電気暗くしてみる?」って言ってくれて。それでやってみたら「ああ、こういうことやっていたな」と思い出しました。でも、やっぱり多少は入り込みやすくなります。最初はミックスで歌っていたんですけど、ファルセットにしたほうがより切なさが出るんじゃないかという話になって、途中からファルセットを多く使う形に変えました。

【転スラ盤】 (C)川上泰樹・伏瀬・講談社/転スラ製作委員会

──ところで、さきほど「Decay」の意味について教えてくれましたが、そのタイトルをつけたのはどういう理由だったんでしょう。

デビューしてすぐくらいの時期に、「毎日朽ちていっているな、人として」と感じるようになって。そこから「毎日を後悔しないように生きよう」と思ったんです。朽ちていく日々の中でなにができるんだろう、というのが私のなかの人生のテーマになっていて。どうせ時間が過ぎていくなら、その中で何ができるのかを考えたいと思うようになって。後悔するよりも、すべてを自分の選択として受け止めていくほうが前向きに生きられるんじゃないかと考えています。アドラー心理学にもありますけど、自分で選択したことと考えれば気持ちも楽になるなって。だから基本的に、後悔していることってないんですよ。後悔してしまうとキリがないので、「すべて糧になる」と思って進んでいくほうが、自分にとっては自然なんです。

──「決して明るくハッピーな曲ではない」にしても、今回のシングルには<希望>という言葉が随所に入っていますよね。それは偶然なのでしょうか。

意識していたわけではないんですけど、自分自身がどちらかというと楽観的な性格なので、自然とそういう方向に向かっていったのかもしれないです。

──改めて今回のシングル全体を通してみると、とても濃密な内容になっていますね。

かなり“濃い”1枚になっていると思います。いわゆる明るくハッピーソングは入っていないんですけど、その分、それぞれの楽曲が違った形で“戦い”を描いていると思っています。「MONSTER」も、「絵空事」も、「DRUM」も、「Decay」もなにかに向き合っている曲になっているかなと。

──今回のアーティスト写真も印象的でした。2つの作品の色が詰まっていて。

赤が『よう実』、青が『転スラ』というイメージで手袋をつけさせてもらいました。ネイルは結構悩んでいて。実は紫にしていて、赤と青を混ぜた中間色として表現しています。

──細部までコンセプトが行き届いていますね。

MVでも、髪の毛の毛先を「絵空事」は青、「MONSTER」は赤という形で見せています。その色が映えるように、撮影のタイミングでは少し髪を伸ばしていました。で、撮影後にさっぱり切りました(笑)。色を変えるだけでも印象が変わるんだなと思いましたね。

──MVの撮影はいかがでしたか。

とにかく寒かったです(笑)。2月にそれぞれ、洞窟と廃墟で撮影していて、特に(「MONSTER」の)廃墟は元結婚式場だったんですけど、電気も水も通っていない場所で。ライティングも暗めで、不穏な空気感がしっかり出ていると思います。一方の「絵空事」は洞窟に加えて、外で開けた雰囲気で撮っているんですけど、それはそれで寒かったです。息が白くなってしまうので……鼻から息を吐いたら、すごく強そうじゃないですか(笑)。歌っているシーンでは口呼吸を意識したり、細かい部分でも気を使っていました。

──体調面は大丈夫でしたか。

そこは問題なかったです。北海道出身なんですけど、実は寒さにも暑さにもあまり強くなくて(笑)。「絵空事」を洞窟で撮影しているときに「ああ、リムルだったら寒さ耐性とかもあるから最強だよなあ。私もそのスキルがあったらな」なんて思っていました(笑)。

──そして、ツアーも控えています。現時点でお話しできることがあれば教えてください。

2月のアジアツアー“BLUE FLAiR”のファイナルで、「EIR MODE ROCK」という新たなテーマを打ち出したんです。これからは、よりロックな自分を見せていけたらと思っています。ロックな曲も今回増えましたし、みんなで歌えたら楽しいなと。

──お話を聞きながら、本当に前向きなモードなんだなと感じます。

超プラス思考です。少し前に持病の双極性障害1型であること、怪我のことを公表したんですけど、その症状が強く出ていた時期は、自分が自分じゃなくなってしまうような感覚があって、自分の感情も制御できなくて。いろいろな方にご迷惑をおかけしてしまったなと思っています。服薬もあってかなり落ち着いていて、あの頃は何だったんだろう? と思うくらい、今は元気です。

──公表すること自体も、大きな決断だったのではないでしょうか。

大きかったですね。でもファンの方も、急に活動を休んだりすると「何が起きているんだろう」と不安だったと思うんです。でも理由が分からないままというのも、きっとつらかったと思って、きちんと公表しました。

──エイルさんのファンの方たちはすごく温かいですよね。

“藍井エイル想い”の人が多くて。「元気でいてくれればそれでいい」と言ってくださるんですよね。ある意味、私が心配をかけてきたからこそ、そういうふうに見守ってくださっている部分もあると思うんですけど、本当にありがたいなと思っています。「風邪を引いた」と言ったら「本当に大丈夫?」と言ってくれるんですよね。本当に、愛情深い方が多いなと思います。

──今の活動を見ていても、以前より自然体に近づいている印象があります。

伝えたことで生きやすくなった気がします。なぜ休んでいたのかとか、背骨を折ってしまったこととか、そういうことも含めてきちんと話せるようになってきて。今までずっと“作り続けてきたものを演じなければいけない”感覚もあったんですけど、今は少しずつ、自分のありのままに近づいてきている感じがします。

【アーティスト盤】

──それでは最後に、ファンの皆さんへメッセージをお願いします。

いつも応援してくれてありがとうございます。2回も活動を休止してしまって、たくさん心配もおかけしましたが、今はすごく自分らしく、藍井エイルとして歌えている感覚があります。そういった変化は、きっと歌の細かいところにも表れていると思いますし、今回の4曲は本当に愛情を込めて歌いました。私は、もしかしたらずっと戦うように生きてきた人間なのかもしれないんですけど、そんな私が戦うように歌った4曲でもあるので、ぜひ楽しんで聴いていただけたら嬉しいです。よろしくお願いします。

取材・文:逆井マリ

リリース情報

藍井エイル「MONSTER / 絵空事」

2026年4月22日(水)発売

TVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ4th Season 2年生編1学期』
オープニングテーマ「MONSTER」

TVアニメ『転生したらスライムだった件 第4期』
オープニング主題歌「絵空事」

【アーティスト盤】2,750円(税込)
https://lnk.to/LACM-24832
【よう実盤】1,980円(税込)
https://lnk.to/LACM-24833
【転スラ盤】1,980円(税込)
https://lnk.to/LACM-24834

 
藍井エイルオフィシャルHP:https://aoieir.jp/
藍井エイル X:https://x.com/eir_ruru2
藍井エイル Instagram:https://www.instagram.com/aoieir
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