「ただのガールズグループで終わらない」エフ・ヒーローの教えを胸に、テンクス(THX)が日本のステージで証明したエンターテイナーの誇り
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テンクス(THX)
「私たちはただのガールズグループじゃない、エンターテイナーなんだ」。そう語ったのはHIP-HOP調の楽曲を引っ提げ、Y2Kファッションでタイのアイドルシーンに新たな風を吹かせているガールズグループ・テンクス(THX)。5月に東京・代々木公園にて開催された『タイフェスティバル』のステージでは、新曲「SIP feat.นงผณี」のほか、ミーガン・ザ・スタリオンの「Mamushi (feat. Yuki Chiba)」や、タイのトップラッパーらがチャンビン(Stray Kids)を迎えた「Mirror Mirror」のカバーなどを披露し、日本のファンにも強烈な印象を残した。今回、日本初ステージを終えたばかりのメンバーにインタビューを実施。お茶目で等身大な4人の素顔や、それぞれの生い立ちにまつわるエピソード、そして「とにかく楽しむ!」という前向きなパワーの源泉を、彼女たちの飾らない言葉で届ける。
テンクス(THX)
●初の日本でのライブに「ナーラック」
ーーまずはタイフェスのステージ、お疲れ様でした。ダンスも歌もキレキレで、とてもカッコ良かったです。今の率直なお気持ちをお聞かせください。
ベンベン(Bambam):とてもナーラック(かわいい)。ファンの皆さんのことを"テンキー"と呼んでいるのですが、テンキーが温かく迎えれてくれて、一緒にエンジョイしてくれたんです。名前やメッセージをタイ語で書いたボードを掲げてくれた方もいました。「Put your hands up!」などのリクエストにも応えてくれて、本当にナーラック(素敵)でした。
一同:(満面の笑みでグッドマーク)
シア(Cheer):日本のファンの方と会えて、応援していただけて感動しましたし、やる気に火が付きました。ステージへの出演以外にも、いろんな場所に行ったり、おいしい日本食を食べたりと日本の文化に触れることができたのも良かったです。
シンディー(Cindy):パフォーマンスができて光栄でした。出演が決まった時はどうやったら自分たちらしいステージにできるのかと少し不安があったんですけど、実際に来てみたらファンのみなさんがとにかくあたたかくて。手を挙げて、歓声も送ってくれたのが本当にうれしかったです。
タター(Tata):私も公演が始まる前までは「私たちのパフォーマンスを気に入ってくれるかな」と不安でした。でもショーが始まるとみなさん盛り上がってくれて、楽しんでくれて、今までの疲れが吹き飛びました。
ベンベン:リハーサルは何度も繰り返し練習するのですごく疲れるんです。でも今回みなさんの前で披露して、すごく喜んで楽しんでくださったので、さらにモチベーションが上がりました。
シンディー(Cindy)
ーーオリジナル曲だけではなく、エフ・ヒーロー(F.HERO)×ミリ(MILLI) feat.チャンビン(Stray Kids)の「Mirror Mirror」や、ミーガン・ザ・スタリオンの「Mamushi (feat. Yuki Chiba)」などをカバーされていましたね。「Mamushi」の日本語は難しくなかったですか?
シンディー、シア、タター:キラキラ!
シア:私たちはTikTok世代なので、TikTokで知って聞きこむようになりました。
シンディー:「Mamushi」はよく聴いているので、この曲に関してはそこまで日本語は難しくなかったです。でも他の曲は難しいかもしれません。
ベンベン(Bambam)
ーーパフォーマンス中は、裏に控えていたハイプマンが盛り上げていました。HIP-HOP色が強くて印象的だったのですが、いつもあのようなスタイルなのでしょうか?
ベンベン:編成はイベントによりますね。今回はハイプマンがいましたが、いないときは自分たちで盛り上げます。
シンディー:パフォーマンスではとにかく楽しむことを大切にしています。そうすれば皆さんを楽しませることができるんじゃないかって。
シア:日本の方にも楽しんでいただきたいので、今回は煽るときに、タイ語より英語をたくさん使いました。
ーーたしかに、日本のファンと積極的に交流したり、ステージ上で楽しそうにされている姿が印象に残っています! 次は日本語での煽りも聞いてみたいですね。
一同:練習してきます!
●それぞれが抱く女性像から透けるストイックさ
ーーグループについてお聞かせください。テンクスという名前にはどんな意味があるのでしょうか?
ベンベン:THはタイ(Tailand)、Xは女性らしさを表しています。
シア(Cheer)
ーーなるほど。ではみなさんが思う、女性らしさとは?
ベンベン:私自身もそうなんですが、いわゆる清楚な女性というより、やんちゃなところを持っていることです。美容やおしゃれには気を使いますが、美しくいなければいけないとは思っていないんです。
シンディー:自分自身を尊重すること、自分を愛すること。自分を大切にし、自分に責任を持ち、自分のなすべきことを全力で果たすことが大切だと思っています。(手のひらを合わせるワイを自分に向けながら)「こんにちは、私自身」みたいな感じで。
シア:私にも当てはまる女性像なんですが、自分で考えて自分を信じて行動するということ。欲しいものは手に入れるし、何でも自分で突き進む。勤勉で冒険心のある女性でありたいです。
タター:私は他のメンバーよりフェミニン、女性らしいと思います。デビュー前は内気な性格で、人前に出るのが苦手でした。でもテンクスのメンバーとしてステージに立つようになり、自分を表現できるようになりました。ほかの3人がわんぱくでやんちゃなこともあり、少しずつ性格もオープンになってきたんです。
タター(Tata)
ーーみなさん自立した女性像でカッコ良いですね。今「デビュー前は内気」というお話もありましたが、芸能界を目指し始めたキッカケは?
ベンベン:子供のころから歌にタイ舞踊に、モデルやドラマ、MCなど、いろんなことに挑戦するのが好きでした。それに母が、私がキラキラした恰好でステージに立つ姿を見るのが好きなんです。一番好きな人が幸せな気持ちになるんだと感じて、歌手を目指すようになりました。
シンディー:私も同じで、生まれた時から両親がずっと応援してくれていました。小さいころから色んなことに挑戦してきたので、今アーティストになれたことが幸せです。母が歌を好きだったので、実は昔はタイ語で歌を意味する「プレーン」という名前だったんですよ。(※タイではチューレンと呼ばれる愛称を持つことが多く、いつでも改名できる)でもドイツ人の父には発音が難しかったようで、呼びやすいシンディーになりました。
シア:私は小さいころから歌とダンスが好きで、それを見たお母さんが芸能界に関係する習い事に連れて行ってくれました。そのうちアーティストになりたいと思い、オーディションを受けて、練習生になりました。もちろん大変なことも苦労したこともあったのですが、それを乗り越えて今はもっと好きになりました。歌とダンス、どっちが好きか。うーん難しい……けど今は歌ですね。
タター:歌も踊りも好きで、アーティストになることがずっと夢でした。おばあちゃんが昔歌手だったので、その影響も受けています。ステージに立ってパフォーマンスするときはいつも幸せです。私たちのことを好きでいてくれるファンのみんなが、手を振ってくれているのを見るのも好きなんです。両親も私が幸せそうなのを見るのが好きなので、やっと願いが叶って嬉しいです。
●レジェンドたちとコラボした、プレミアリーグ番組ソング
ベンベン(Bambam)
ーー楽曲のお話も伺いたく。ボディースラム(BODYSLAM)ボーカルのトゥーン(Toon/Artiwara)さんと、タイラッパーの重鎮であるエフ・ヒーローさんがコラボした「One Shot」では、THXの皆さんがフィーチャリングされています。私はこの楽曲で皆さんと出会いました。
一同:おおー!
シア:(グッドマークをしながら日本語で)すごい!
ベンベン:トゥーンさんはロックシンガーでエフ・ヒーローさんはラッパーですよね。だから力強くてワイルドでカッコいい雰囲気になる。男臭くなりすぎず、女性らしさや柔らかさを出したいと思われたようで、ご一緒することになりました。
シア:そう、エフ・ヒーローさんが仰っていたね。あと、あの曲はサッカーの仕事に関係していたんです。
シンディー:MONO29がサッカーのプレミアリーグの放映権を持っていたんですよね。私たちはその事務所のアーティストだったので、チャンスをいただけたというのも理由のひとつです。(※MONO29はタイのデジタルテレビ局。テンクスはグループ会社のE29 Music Identitiesに所属)
ベンベン:試合の開始前と終了後にこの曲が流れていました。
シア(Cheer)
ーーそれは盛り上がりますね。流れているところを見たかったです。
シア:<Oh Baby Give It to Me One Shot>(とサビを歌い出す)
ONE SHOT - ARTIWARA x F.HERO Ft. THX | New Season New Home 「Stage Performance」
ーーうれしいです! 個人的に皆さんのパートの最後のフレーズが好きなのですが、おひとりずつ好きな歌詞をお教えいただきたいです。
シア:私も一緒で、最後の<จะชนะใครก็ไม่เท่าชนะตัวเอง>ですね。意味がすごく素敵で、「誰に勝つよりも自分自身の心に勝つことが大切」だと。自分にも通じることがあるなと思うので、このフレーズが一番好きです。
ベンベン:私のフレーズなのですが、THXのパートが始まった最初の<ต่อให้ยากฉันก็จะไป>ですね。意味は言葉通り、どんなに難しくても前に進もうと努力する。最後が良い結果になるか分からなくても、とにかく突き進む姿勢が好きです。
シンディー:私も自分の<I will write my own story>というパートが好きです。だって、私の声がカッコ良いから。
タター:<เธอจะไม่ต้องเดินลำพัง>です。「君は一人で歩かなくていい」という、励ましのフレーズです。私のパートなんですが、私たちが一緒にいると、一人じゃないよと歌っています。<ひ~と~り~じゃな~い>(と日本語で歌う)。
●新曲の注目は振付とオーダーメイドの衣装!
タター(Tata)
ーー4月にはルークトゥン歌手のノンパニーさんをフィーチャリングした新曲「SIP feat.นงผณี」もリリースされました。エフ・ヒーローさんが今度はプロデューサーとして参加されていますね。この楽曲は失恋の曲なのでしょうか?
ベンベン:失恋というほどではないですが、中毒的な恋愛をしていたけれどそこから抜け出して、自分自身を愛すようになるという歌ですね。友達を誘ってみんなでパーティーに行こうよと、一緒に「SIP=少しずつ飲む」しようという楽曲です。
THX - ‘SIP’ DANCE PRACTICE (Studio Ver.)
ーー前向きで元気になりますね。つい真似したくなるような手の振り付けも印象的な楽曲です。みなさんがお好きな振り付けは?
ベンベン:サビのところです。(動画で0:48)みんな好きなんじゃないかと思います。
シア:私も同じく、サビの手の動きです。
シンディー:私は右手をストンと下ろすところからです。(1:14)良くない恋は、呑んでバイバイするというところ。
タター:私は最後に小指を唇に当てるところです。
THX Ft. จ๊ะ นงผณี - SIP [OFFICIAL MV]
ーーこれからパフォーマンスをご覧になる方に注目していただきたいですね。
ベンベン:それから衣装にも注目してほしいです。MVの衣装はタイの伝統的な織物の柄が入っています。私たちはTHX、タイのグループなのでこうした要素を取り入れました。私たちのためにオーダーメイドで作られたのでどこにも売っていないんです。世界に4着しかありません。
ーーなんと、全く気づいていませんでした。素敵ですね。「SIP」以降もリリースを控えているとか。
ベンベン:これからもどんどん新曲をリリースしていく予定で、実はもう4曲は完成しています。最後の5曲目を残すのみで、MVも撮影中です。
シンディー(Cindy)
ーー4曲も! 楽しみにしています。最後に日本のファン、"テンキー"にメッセージをお願いします。
ベンベン:私たち4人のことをみなさんぜひ応援してください。私たちは、伝説的ロックバンドのボーカルでもあるボディースラムのトゥーン(・アーティワラー)や、タイを代表するラッパーのエフ・ヒーローとフィーチャリングした、プレミアリーグのテーマソングをリリースしています。ぜひ事務所・E29のYouTubeチャンネルでご視聴・ご試聴ください。リリースする曲は毎回すべて、ファンの皆さんのために全力で取り組んでいます。なのでこれからもフォローしてサポートしてください。よろしくお願いします。
タター:日本にもテンキーがもっと増えてほしいです。
シア:もっとファンが増えれば、日本に来る機会も増えるかもしれません。
シンディー:日本にもまた来たいので、ぜひまた呼んでください!
ベンベン:私たちは「私たちはただのガールズグループじゃない、エンターテイナーなんだ」と教えられてきました。それを今日証明できたと思います。これがエフ・ヒーローさんの教えです。
テンクス(THX)
通訳=谷藤龍 取材・文・撮影=川井美波(SPICE編集部) 写真=オフィシャル提供