Ave Mujicaの現在地――さらなる色が付加された、LIVE TOUR 2026「Exitus」東京公演レポート
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撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
■2025.05.04『Ave Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」』@Zepp Haneda (TOKYO)
2025年5月4日、『Ave Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」』東京公演がZepp Haneda (TOKYO)にて開催された。2023年に『BanG Dream!』発の新たなバンドとして活動を開始し、単独ライブに加え、数々のフェスへの出演や、大きな接点を持つMyGO!!!!!とのツーマン/合同ライブなど、輝かしい功績を残してきたAve Mujica。そんな彼女たちが初めて“LIVE TOUR"と銘打って開催する今回の公演は、すでに福岡、大阪、愛知で来場者たちを魅了。ついにそのパフォーマンスが東京でも御目見するとのことで、これに熱視線を送る人は多い。果たしてこの日Zepp Haneda (TOKYO)に繰り広げられたのはいかなる光景だったのか。その様子をレポートしていこうと思う。※本記事にはネタバレを含みます。
(C)BanG Dream! Project
■Ave Mujicaの登場に湧き上がる歓喜の声
ライブ当日、会場周辺は5月とは思えないほどに温暖な気温となっていたが、一方で強風も吹き荒れており、これから巻き起こる嵐を暗示するかの様相が広がっていた。オーディエンスたちの前に立ちはだかるステージには、十字架を思わせる形状のトラスがまるで磔にされたかのようにいくつも天井から吊るされる。これに赤と青の光が怪しげに落ちると、ふたつの色はステージ上で混ざり合い、妖艶な空気を醸し出していた。そこから視点をオーディエンス側に移すと、そこには立錐の余地もないほどの群衆。彼らの視線は間も無く始まる宴への期待に満ち、強い熱を帯びていた。会場に蓄音機を連想させるザラついたサウンドがこだますると、ついにステージにはAve Mujicaが降臨。この瞬間を待ち望んでいたオーディエンスたちからは、はちきれんばかりの歓喜の声があがる。その響きは、救いをもたらす教祖の登場への群衆の叫びのようだった。
「なら もう汚れたっていい 重い微睡に身を委ねて」
ステージ下手にスポットライトが落ちると、照らし出されたのは佐々木李子演じるドロリス(Gt.&Vo.)と高尾奏音演じるオブリビオニス(Key.)。オブリビオニスの奏でるキーボードの音色に乗せ、ドロリスが美しくも息の詰まる歌声を響かせると、その音色がオーディエンスたちを酔わせる。するとここから加速度的に情熱的なパフォーマンスが展開、流れ出したのはもちろん「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」だ。会場の空気が急騰し、オーディエンスが装着するリストバンドライトが赤や紫に発光。Zepp Haneda (TOKYO)には幻想的な光景が現出した。
撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
オーディエンスから大歓声が巻き起こると、ドロリスはこれに応えるよう、間髪入れずにギターを掻き鳴らし始める。堂々たる佇まいで披露した次なるナンバーは「Sophie」。紅の光に照らされながら、力強いサウンドに乗せ、ドロリスが「ほんとヤダ…」との言葉を何度も吐き捨ててみせる。続いてオブリビオニスの奏でるキーボードからパイプオルガンの音色が響くと、低音を主軸とした曲展開が魅力の「Crucifix X」がスタート。その調べにあわせてオーディエンスたちは身体を激しく縦に揺らす。するとスポットライトに照らされたドロリスが「...ようこそ。Ave Mujicaの世界へ」と一言。続いて披露した「Ave Mujica」では「Hi!Hi!」とのコールが巻き起こると、ドロリスはお立ち台に登り、煽り立てるようにその手を前に掲げた。
撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
ここで一瞬の静寂が訪れると、強烈な疎密波が会場を激震させる。続いたのは「素晴らしき世界でもどこにもない場所」。ローテンポなナンバーにドロリスが言葉をはめていくと、オーディエンスの身体はじわりじわりと上気していく。会場がこれでもかと熱されたところで、ドラムと竿隊の織りなすサウンドが一度鳴りを潜め、オブリビオニスの奏でるピアノの音色だけが会場にこだまする。その音色は次々に表情を変化させ、ときに美しく、ときに軽快に、そしてときに力強くオーディエンスを魅了する。
ここで赤と黄色の光がステージに降り注ぐと、続いてのナンバー「Symbol II : Air」が走り出す。ドロリスがステージを練り歩き、岡田夢以演じるティモリス(Ba.)の影に隠れたりと、ときに茶目っ気あるしぐさを見せ、会場に快の空気が浸透させると、締めくくりには各々が鳴り物をこれでもかと掻き鳴らし、そのあまりに熱いパフォーマンスにオーディエンスからはどよめきが巻き起こった。
撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
■新たなる色を手に入れたAve Mujicaのパフォーマンス
そんなどよめきをかき消したのはドロリスによるアコースティックギターの旋律だった。その温かくも切ない音色が会場を優しく包み込むと、彼女の歌声は徐々に切実さを滲み、その表情は今にも泣き出しそうなほどに歪んでいく。あまりにも剥き出しなそのパフォーマンスがオーディエンスの心を撃ち、会場にはすでにこの日何度目かわからなくなった大歓声が湧き起こると、ステージは茜色に照らされる。ここでドロリスの表情が一転、堂々たる佇まいで、人々を鼓舞するかのように「八芒星ダンス」を歌い上げると、曲中では華麗な側転も披露。視覚面からも会場を大いに盛り立てて見せた。
続けて米澤茜演じるアモーリス(Dr.)の鳴らすドラムの鳴りが歓声を欲しいままにすると、そのまま彼女によるソロパフォーマンスがスタート。そのリズミカルなプレイが会場を煽り立てると、その姿を色とりどりの照明が照らし出す。ここでオブリビオニスがダークな旋律を奏でると、続いたのは「黒のバースデイ」。蠱惑的なドロリスの言葉運びがオーディエンスを真正面から激らせ、いつになく力強い「black-black, black, my black birthday」とのシャウトから、そのパフォーマンスは続く「Symbol IV : Earth」へ。
撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
ステージにはこれまでとは趣の異なる爽やかな緑の照明が落ち、会場を包む音色もやや優しいものへと変化。その調べにオーディエンスが耳をすますと、続いては「Choir ‘S’ Choir」がドロップされ、会場には定番のシンガロングが巻き起こる。オーディエンスたちは手を天に掲げてAve Mujicaの世界を心いくまで堪能。終盤にはドロリスの「いくぜ」との煽りからより強固なシンガロングが巻き起こり会場を席巻。そして本公演は「神さま、バカ」へとなだれ込む。
項垂れながら、曲中に存在する空白を活かしつつ、会場に歌声を届けていくドロリス。絶望的なそのメッセージにどこか“明”の空気を滲ませると、続いて渡瀬結月演じるモーティス(Gt.)が爪弾かせるサウンドに先導されるように「DIVINE」が会場を駆け抜ける。ドロリスの力強い歌声が響き、オーディエンスたちはこれに呼応して手を天に掲げると、これでもかというほどの熱気に満ちた会場に追い討ちをかけるように「‘S/’ The Way」が続く。オーディエンスたちがAve Mujicaの世界のさらなる深部へと誘われると、煌々と輝くライトに照らされながら、ドロリスとモーティスがひとつのお立ち台に足をかけ、お互いの顔を覗き込みながらパフォーマンス。その姿も非常に印象的だった。
撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
ここでステージ後方のひな壇を陣取っていたティモリスがリズミカルに低音を爪弾かせつつ、ステージ前方へと歩みを進めると、その響きに全オーディエンスが身体を揺らす。披露したのは「顔」。曲中ではティモリスとアモーリスによる低音域のグルーヴィなセッションも繰り広げられ、会場中で「hey!」とのコールが巻き起こると、ラストにはZepp Haneda (TOKYO)中にドロリスの高笑いがこだました。するとここにAve Mujicaによるさらなる快進撃が続く。披露したのはTVアニメ「BanG Dream! Ave Mujica」のオープニングテーマでもある「KiLLKiSS」。これまで幾度となく披露してきた本楽曲に、陽の空気を存分に込めて届ける彼女たち。そのパフォーマンスは聴くものの血を強制的に滾らせ、会場をこれでもかというほどの熱気で包み込んだ。
そして本公演もラストの一曲へ。披露したのは「Symbol I : △」。竿隊の3人であるドロリス、モーティス、ティモリスがお立ち台に足をかけ、身体を限界まで低く構えると、オーディエンスと限りなく近いところまで目線を落としてパフォーマンス。盛大なシンガロングが巻き起こると、これをドロリスが「もっと、もっと」と煽り立てる。ラストはAve Mujicaの面々がこれでもかというほどに手にした鳴り物を掻き鳴らして曲締めへ。そのあまりに熱いパフォーマンスにどよめきが巻き起こると、暗転したステージで、スポットライトに照らしだされたオブリビオニスがオーディエンスに一礼。そのまま会場を後にし、この日のパフォーマンスは惜しまれながらも締め括られた。
撮影:ハタサトシ (C)BanG Dream! Project
これまで多くのステージを踏んできたAve Mujica。そのパフォーマンスは回を追うごとに進化し、多彩な魅力を帯びるに至った。そんな彼女たちのパフォーマンスに新たな、これまでとは趣の異なる色が付加されたのが『Ave Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」』。この日のパフォーマンスはそれを大いに物語っていたように思う。そんな彼女たちの現在地は、6月19日、20日にSGC HALL ARIAKEで開催される-FINAL-、そして8月8日、9日に開催される台北追加公演でも確認できるはずだ。ぜひとも両公演で、その勇姿を確認してほしい。
取材・文:一野大悟 撮影:ハタサトシ
ツアー情報
Ave Mujica LIVE TOUR 2026「Exitus」
04/17(金)福岡・Zepp Fukuoka(終了)
04/26(日)大阪・Zepp Namba(終了)
05/01(金)愛知・Zepp Nagoya(終了)
05/04日(月・祝)東京・Zepp Haneda (TOKYO)(終了)
06/19日(金)東京・SGC HALL ARIAKE DAY1
06/20日(土)東京・SGC HALL ARIAKE DAY2
08/08(土)台北・國立體育大學綜合體育館(林口體育館) DAY1
08/09(日)台北・國立體育大學綜合體育館(林口體育館) DAY2
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(C)BanG Dream! Project
リリース情報
Ave Mujica Best Album『Ave Música』
6月17日(水)リリース
リリース情報
Ave Mujica『Completeness』【完全生産限定盤/アナログ盤】
5月20日(水)リリース