朝夏まなと×七海ひろき×夢咲ねねにインタビュー 宝塚歌劇団出身の三人が等身大で演じる、音楽劇『39歳』への意気込み

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インタビュー
舞台

(左から)夢咲ねね、朝夏まなと、七海ひろき

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2022年に配信されて話題を呼んだ韓国ドラマ『39歳』が世界で初めて音楽劇として舞台化される。高校生のときに出会った三人組も今は39歳となり、人生のさまざまな出来事と向き合って——。キム・ヒョウン作曲・編曲のオリジナル楽曲が流れ、脚本・坂口理子、作詞・長田育恵、演出・小山ゆうなと日本の女性クリエイターたちが顔をそろえたこの作品。三人組を演じる宝塚歌劇団出身の三人、朝夏まなと、七海ひろき、夢咲ねねが作品と友情について語り合った。

ーー韓国ドラマの世界初の舞台化となります。

朝夏:私は配信されたときからこのドラマを観ていて。すごくはまって、寝ないでほぼ一気に夜中まで観るというのをやってしまったくらい好きな話だったんです。それから何年かして今回の舞台のお話をいただいて、あの作品なんですか?! って。私は、ソン・イェジンさんが大好きなんですが、彼女の演じたチャ・ミジョ役を演じさせていただけるということで、とてもうれしかったですね。

朝夏まなと

七海:私も配信されたときに全部観て、人の心の奥深いところにどんどん入っていく作品だなと感じました。まさかこういう役をいただけるなんてまったく思っていなかったので、出演のお話にすごくびっくりして。今までやったことのない役柄で、自分にとってすごくチャレンジングな作品になるなと。まーちゃん(朝夏)、(夢咲)ねねちゃん、お二人が出演するという話を聞いて、それが一番うれしくて。どんな時間を過ごせるのか楽しみです。

夢咲:私もドラマを観ていて、この作品を舞台化して日本で初演するんだと知った時はすごく驚きました。まーちゃんとかいちゃん(七海)が出演することも聞いて、それはもう受けるしかないだろうと。演出の小山ゆうなさんとは前にもご一緒させていただきましたが、こちらの意見やわからないことなど、いろいろ話し合ってセッションしながら作っていってくださる方なので、頼もしいなと。すごく楽しみです。

ーー演じられる役の人物像と関係性をおうかがいできますか。

朝夏:私が演じるチャ・ミジョは三人の中ではリーダーっぽい気質がある感じですね。ドラマを観ているときから共通点が多くて親近感があって。例えば、ラフマニノフが好きなこととか。ドラマで使われているラフマニノフの楽曲は私が一番好きなクラシックの曲なんですが、相葉裕樹さん演じるキム・ソヌという恋のお相手とばったり出会う、その運命的なところで使われているんです。芍薬の花も出てくるんですけれども、私、芍薬も好きで。チャ・ミジョは何でも手に入れている完璧な人に見えるんですが、出生のこととか、お母さんのこととか、いろいろ心に傷を負っていて、でもそういうものをあまり出さずに生きている、すごく多面性のある魅力的な役だなと思います。彼女がどういう選択をして、人のために尽くしていくのか、そこは自分でもそうするだろうなと思うようなところがたくさんあるので、今まで経験してきたことを生かしてリアルに表現できるんじゃないかな。他の二人と10代のころから友達という関係については、私たち三人も10代のころからお互いを知っているので、こんなに自分の等身大でできる役、作品に出会えることはなかなかないなと思っています。

七海:私が演じるチョン・チャニョンは俳優の演技指導者ですが、私とは結構対照的かなと。すごくしっかりしていて、自分の意見や行動もすごくスパッと決めていくところがあるんです。私は割と優柔不断で、どうしようとか悩んだりするので。

朝夏:意外にね。

七海:そうなんです。こういうかっこいい生き方をしたいなと憧れるくらい素敵な役どころで。物語が進んでいって、三人の関係、両親との関係、いろいろなエピソードがある中で、どういう風に自分の時間を過ごすか真剣に考えていく。もし自分がこの立場だったらということを考えて生きていきたいですし、今この役を演じられることがとても幸せだなと思います。まーちゃんとねねちゃんとも話していたんですけれども、こういう関係性、こういう雰囲気も、初めまして同士で出そうと思ったらすごく難しいと思うんですけど、それが自然とできるというのが、キャスティングを考えてくださった方に拍手という感じで。呼んでいただいたことに感謝して、皆さんに楽しんでいただけるように頑張りたいなと思います。

夢咲:私が演じるチャン・ジュヒは化粧品売り場で働く女性ですが、今まで結構敷かれたレールに乗ってきたというか、穏やかな家庭で、お母さんから愛されて育ってきていて。そんな中で、高校生のときに、すごく刺激をくれる二人に出会ったことで、彼女の中でも新しい世界が見えたというか。ちょっと妹キャラっぽいところがあって、二人の大人びたところに憧れていて。二人が大人の会話を進めている間に、彼女は一人でご飯を食べているみたいなシーンがすごく多くて、ちょっと入れてもらえないみたいな感じでそこは寂しいのかなと。穏やかでちょっと楽天的で、奥手で、この二人にこうしなさい、ああした方がいいよみたいに言われて素直に受け入れついていく感じの女性なのかなと思っています。まーちゃんとは宝塚で学年が一つ違って、かいちゃんとは同期で、10代で出会って、濃い時間を共に過ごして、そんな二人とこの作品に出演できるのがすごくうれしいです。

(左から)夢咲ねね、朝夏まなと、七海ひろき

ーー女性の生き方や友情を描く音楽劇です。

朝夏:ドラマだと画面を通して感情が伝わってきて、感情移入していく。舞台のよさは、雰囲気や温度を実際に感じられるところだと思うんですが、お芝居で作り上げた感情のうねりや波をよりよく届ける手段が音楽なんだと思います。ちょっと重いところもある作品において、音楽の力はすごく助けになる。より深く、美しく浄化させたり、音楽があることでより深いところに届くんじゃないかなと思います。タイトルにある39歳という年齢を私自身過ぎたからこそよけいに感じる部分があるというか。30代後半になって、いろいろな別れや出会いが、それまでとは重みが変わってくるという経験をしたので、そこがよりリアルに出せるのかなと。それを経験してきた方々にノスタルジックに届く部分もあるだろうし、これから経験する女性にとっても、心の支えというか、こういうことがあるんだなって、考えるきっかけをリアルに打ち出している作品で、今の時代に非常に合っていると思います。

七海:気持ちが盛り上がってあふれてしかたないから、その気持ちを音、音楽で表現していくというのがすごく素敵だなと思うんです。そういう部分があることで、原作ドラマとはまた違う舞台版『39歳』を楽しんでもらえるんじゃないかなと思うし、自分自身も楽しみです。観客の方にとってもより感情移入しやすいんじゃないかな。人生で一番大切なものって人それぞれですし、いろいろな考え方があると思うんですけれども、作品の中で、三人、そして他の登場人物がどういう気持ちで過ごしていくか、どんな思いがあるのか、いろいろな見方ができるのがすごく素敵な作品だと思っていて。舞台を見た方が、頑張ろうとか、こういう生き方をしてみようとか、ちょっと気持ちが変わったりするように表現できたらなと思います。

夢咲:私たち自身、10代から好きなことを仕事にして働いてきていますが、作品の中の彼女たちも自立して自分で稼いで生きている女性たちで。私も、宝塚にいたころは、もう誰の助けもいらない、自分一人で頑張るんだ! みたいなときがあって(笑)、そんな時期を経て、39歳を通り越して。40歳手前の女性って、身体のことなどもあってやっぱりいろいろ考える時期だと思うんですね。ちょっとふと立ち止まったときに、心の支えだったり、何かを共有できてそれを糧に頑張れる仲間がいるというのはすごく大切なことだなと私自身すごく感じるんです。この作品も、これからの生き方、自分がやりたいこと、どう生きていきたいか見つめ直すきっかけになる作品だと感じていて。ドラマは一話一時間が12回ありますが、心に寄り添う際に音楽が助けになるんじゃないかなとすごく楽しみにしています。

ーードラマを観ていて感じた作品の魅力とは?

朝夏:重い題材を扱っているのに、観終わった後にネガティブにならなかったところですね。ちゃんと生きようと何か腑に落ちるというか。後悔しない生き方がすごく好きだなと思ったのと、ところどころに胸キュンがちゃんとあるのが韓国ドラマならではの素敵なところだなと。

七海:何かあるごとに三人でご飯食べよう! っていうのがいいなと。それって結構大切なことだと思っていて。何かに一生懸命になってしまうと、ご飯を食べること、誰かと過ごす時間、睡眠をおろそかにすることもあるかもしれない。でも、誰かと一緒においしいものを食べたりする時間って大切だよなと思い出させてくれるところが好きですね。

七海ひろき

夢咲:稽古中もいっぱい一緒にご飯に行きたいです!

朝夏:韓国料理ばっかりになりそうだよね(笑)。

夢咲:三人それぞれ、ぽっと心があったかくなるようなラブストーリーをもっていて、その中で人間として成長していく過程みたいなのが、韓国ドラマならではの描写ですごく素敵だなと思います。

ーー『39歳』というタイトルの作品ですが、大台に乗る前の年齢でこれまで何か意識されたことはありますか?

朝夏:確かに10の位が変わるって大きいですよね。30代後半って、やっぱり何かいろいろ変化があるなと思って。結構早いときから本名の自分より芸名でいる時間の方が長くて、そちらがメインになっていたのを、30代後半になると、本名の自分ももっと大事にしなきゃいけないなと思うような出来事が増えてくる。身近な人との別れもそうですし、そういうのを経験すると、人生ってそんなに悠長でいていいものじゃないかもと思えてきたり。やりたいことをやらなくちゃと思いましたし、立ち止まっている場合じゃない、後悔しないようにと考える時期でもありました。その頃から英語と韓国語を学び始めましたね。

夢咲:ミュージカル『モダン・ミリー』で共演したとき、まーちゃん、海外のスタッフの方と話していて、すごいなって。

朝夏:いえいえ、会話まではいかないんですけれども。いま出演中のミュージカル『メリー・ポピンズ』も、演出家と振付家は海外の方だったので、言っていることをなるべくダイレクトに、ニュアンスまでわかりたいなと。しゃべるのは難しいけれども、聞くだけでもと思って学び続けていて、今後も続けていきたいです。

七海:一年一年、日々を過ごしていく中で、どこの段階においても、振り返ってみていい一年だったなとか、これからまた新しい一年に向けてどう進んでいくかということは常に考えることだと思うんです。節目節目というのはやっぱりそういうことを強く考えたりするのかなと思いますね。

夢咲:私、退団したのがちょうど30歳になるときだったので、一つ終わって何か新しいことが始まるんだなということを思いましたね。20代の私は宝塚での青春に命を捧げて、いい20代だったな、すごくいい終わり方ができたなと思って。30歳の誕生日が、退団後初めて出たミュージカル『サンセット大通り』の初日だったんです。自分に宝塚以外の舞台が務まるのか悩んで、出演もすごく迷ったんですけれども、初日が誕生日ということで、これも何かの縁かもしれない、この作品を経験して、自分はどうしたいのか、舞台を続けたいのか決めようと思って取り組んで。宝塚という世界から飛び出して360度違う刺激的な新しい世界を見て、視野がすごく広がって、私はもっといろいろな芸能の世界を見たいと思った、それが30代の始まりの日だったんです。

(左から)夢咲ねね、朝夏まなと、七海ひろき

ーー役者としてのお互いの魅力を教えてください。

朝夏:ねねちゃんとはミュージカル『モダン・ミリー』で共演したとき初めてちゃんとお芝居をしたんですが、ねねちゃん自身のキュートさと役柄とがすごく合っているなと思って。かいちゃんとは宙組時代に男役同士でお芝居をしていましたが、すごくお芝居が好きな人。女性の役同士でお芝居するのは今回が初めてなので楽しみです。

七海:宙組時代、まーちゃんとお芝居をしたとき、なんてナチュラルなお芝居をされるんだろうって。芝居をするとき、目の奥に本当か嘘かがあると思うんですけど、まーちゃんは本当に嘘がない、見ているだけで泣いちゃいそうになって。人としても俳優として大好きで尊敬しています。ねねちゃんは音楽学校で始めて出会ったときから只者じゃないなと。無意識かもしれないけれども、人と何か違うこと、私には到底できないことができて、カリスマ性をもっていて。一緒にお芝居をするのは初めてだからすごく楽しみです。

夢咲:かいちゃんとは音楽学校のときから、授業が終わってから寝るまで一緒に過ごして、素の部分を見てきたけれども、どんどんキラキラしていって、どんどん洗練されていって、こんなにかっこいい人がこの世にいるの? みたいな男役像を作り上げていって。今回新しい扉が開かれると思うので、それを一緒に作り上げていけるのがすごく楽しみですね。まーちゃんは台本の読み解き方からして本当にすごいんです。みんなを引っ張っていく力があって、お芝居も素晴らしくて、この役の通り完璧ですね。ミュージカル『モダン・ミリー』のときも私はまーちゃんからたくさん引き出してもらったので、今回もおんぶに抱っこで(笑)楽しんでやりたいです。

夢咲ねね

ーーとっておきの友情エピソードはありますか。

夢咲:ミュージカル『モダン・ミリー』の稽古中が誕生日だったんですが、まーちゃんがリーダーとなってお祝いしてくださって。私が食べたいと言ったタイ料理屋さんを探してくださって、みんなで誕生日会をして、その後も「もう帰るの? 大丈夫? まだ一緒にいたかったら一緒にいるよ」って、ずっと一緒にいてくださったんです。もう、めちゃくちゃ優しい、かっこよすぎる、大好きって思いました。

朝夏:カラオケに行ったね。

夢咲:カラオケしかやってない時間で、「満喫した?」「はい!」みたいな(笑)。優しさの塊でしかない。

七海:まーちゃんは事あるごとに「どうした?」って感じで話、悩みを聞く時間を作ってくれて。宝塚在団中も、退団してからも、たまたま会ったときに私の気持ちが落ちていたりすると、手を差し伸べてくれて、アドバイスしてくれたり、一生懸命考えてくれて。

朝夏:やった方は覚えてないんですよね(笑)。ねねちゃんは、一緒に旅行に行ったとき、いろいろ調べて予約をいっぱいしてくれたし、かいちゃんも、ご飯行きましょう! 予約しましたって言ってくれて。

七海:そのくらいしかできないから。

夢咲:私もです!

イープラスでは東京・大阪にて貸切公演を実施! 朝夏さん、七海さん、夢咲さんにイープラスポーズをしていただきました!

■朝夏まなと
ヘアメイク:タナベ コウタ(atelier decopa)
スタイリスト:加藤万紀子
ワンピース ¥94,600(キオイ/紀尾井の杜倶楽部 TEL03-6274-6445)ピアス¥10,500(バナナ リパブリック TEL03-5369-5300)

■七海ひろき
スタイリスト:藤長祥平
ヘアメイク:木部明美(PEACE MONKEY)
ジャケット¥143,000
シャツ¥49,500
パンツ¥44,000(以上ガラアーベント/サーディヴィジョンピーアール TEL03-6427-9087)

その他はスタイリスト私物

■夢咲ねね
ヘアメイク:栗原里美

 

取材・文=藤本真由(舞台評論家)    撮影=iwa

公演情報

音楽劇『39歳』
 
日程・会場:
【東京】2026年9月5日(土)~9月13日(日)IMM THEATER 
【大阪】2026年9月18日(金)~9月24日(木)梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
 

日程:2026年9月6日(日)
会場:IMM THEATER (東京都)
開演:17:00~
【手数料0円】座席選択先行受付
受付期間:2026/5/1(金)12:00~2026/6/12(金)18:00


日程:2026年9月19日(土)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ (大阪府)
開演:17:00~
【手数料0円】座席選択先行受付
受付期間:2026/5/1(金)12:00~2026/6/12(金)18:00


※キャストスケジュールは公式サイトをご確認ください。
https://www.umegei.com/thirty-nine2026/


貸切公演のは【こちら】から


原作:SLL ユ・ヨンア 
脚本:坂口理子 
作曲・編曲:キム・ヒョウン 
作詞:長田育恵 
演出:小山ゆうな

 
出演:
朝夏まなと  七海ひろき  夢咲ねね 
相葉裕樹  前田一世  高橋健介 
篠山輝信  伊島 青/小島 聖  あめくみちこ  佐戸井けん太   ほか 
 
料金:13,500円(全席指定・税込) 
一般発売:2026年6月13日(土)10:00~ 

 
 
企画・制作・主催:梅田芸術劇場 
Based on the Korean series “ Thirty-Nine” created by SLL Joongang Co., Ltd and Yu Young-ah.
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