大澤愛衣子(ヴァイオリン) 地元名古屋でのリサイタルへの想い
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ヴァイオリンを通すと素直になれる気がするんです
東京芸術大学に在学中の大澤愛衣子は学内で福島賞、安宅賞を受賞。ソリストとしてモーニングコンサートで藝大フィルハーモニアと共演。また室内楽でも学内で選抜され、室内楽定期演奏会に出演するなど多方面で活躍中だ。
そんな大澤は昨年10月24日に地元名古屋でソロリサイタルを成功させたばかりだが、1月23日に再び地元でリサイタルを行う。
今回は、ON music projectの主催するリレーコンサートでのリサイタル。このリレーコンサートでは必ず現代アートの紹介をするのがひとつの特徴になっている。ON music projectの代表 北川明孝さんの「音楽を聴くだけでなく、目で見て楽しむコンサートを作りたい」との想いから始まった企画だ。今回は日本画家の長澤芙美さんとのコラボレーション。そのため、日本画とどのように共通点を持ったプログラムを作るかということにはとても頭を悩ませたという。
「今回は日本画とのコラボレーションだったので印象派の作品は演奏したいと早い段階から決めていました。なので、ドビュッシーの美しい夕暮れという短いけれども美しい音楽を最初に演奏します。そしてプログラムの最後にグリーグのヴァイオリンソナタ第3番。グリーグは北欧の作曲家で、日本と民族性で共通点が多いので選びました。この2曲の間にはイザイの無伴奏ソナタを入れます。この曲は、先日行われた大学の卒業試験で演奏したもので、もっと良いパフォーマンスができるのではないかと思い、リベンジも兼ねて演奏させていただくことにしました。でも結果的に3人の年代が揃いましたし、ドビュッシーとイザイは親交もありましたから、きれいにまとまったかなと思っています。」
インパクトのある6文字のひらがなで『かくしとびら』という演奏会のタイトルについて、「私はもともと感情を表に出さないタイプですが、ヴァイオリンを通すと素直になれる気がするんです。だから、心の“かくしとびら”をヴァオリンを通して開きたい」と思い名付けたという。「音楽を通して、自分がどう向き合っているか感じてもらいたいし、みんな、誰しもが表に出し切れない自分の中にしまいこんでいるものがあると思うので、この演奏会が自分の“かくしとびら”を開くきっかけになってもらえたら嬉しいです。」
自分と向き合いながらひとつひとつ、丁寧に言葉を選びながら演奏会に対する想いを語る姿が印象的だった。
■日時:2016年1月23日(土)
■会場:5/R Hall & Gallery 音楽ホール
■出演者:大澤愛衣子(ヴァイオリン)
富田弥重子(ピアノ)
■料金:1500円(自由席)
■曲目:ドビュッシー/ 美しい夕暮れ
イザイ/無伴奏ヴァイオリンソナタ第1番
グリーグ/ヴァイオリンソナタ第3番
■公式サイト:http://www.on-music-project.com/