推したい個性が花ひらく 梅棒 21st STAGE『ラヴ・オール!!』ゲネプロレポート

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レポート
舞台

梅棒 21st STAGE『ラヴ・オール!!』          撮影:飯野高拓 角田大樹

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高い身体能力と魅力的なダンス、親しみやすいJ-POPのメロディ、誰もが共感できる物語を掛け合わせ、独自のエンターテインメントを切り拓き続ける集団・梅棒。彼らが2026年に新作として届ける21st STAGE『ラヴ・オール!!』が、5月29日(金)に東京・大井競馬場のシアターHで開幕した。本作は大阪と愛知に巡回し、6月28日(日)まで上演される。初日に先立って行われた、公開ゲネプロのレポートをお届けしよう。

撮影:飯野高拓 角田大樹

アイドルに憧れる姉と、姉を全力で応援する妹。二人とその家族を取り巻くドラマは、意外にも脱力した音楽と、とあるユニークなキャラクターの登場によって幕を開ける。アドリブ混じりの客絡みで会場内は和やかな空気に包まれ、リラックスした状態で劇世界が始まっていく。

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

梅棒の作品を一度でも見たことがある人には馴染み深い演出だが、本作にはセリフがほとんどない。物語はすべて、登場人物たちのダンスと身体の芝居、楽曲によって進んでいくのだ。しかし、それでいてストーリーや人物たちの心情がはっきりと伝わる部分に演者たちの力量が光る。また、時には楽曲の歌詞が場面や感情とリンクする部分もあり、鑑賞の助けになってくれる。

こうして冒頭で表されるのは、村山彩希が演じる姉・紅莉と、石田亜佑美が演じる妹・瑠花の仲の良さだ。そこに父・桔平と母・椿が加わり、家族の全体像と、いかにして姉妹が離れ離れになってしまったかが語られる。父役は梅澤裕介、母役は多和田任益、ともに梅棒を支える実力派のメンバーが担う。さりげない表情や仕草、演出によって父母それぞれの性格や職業までわかるのが面白い。

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

離れてしまった二人だが、あるきっかけから大規模なガールズグループオーディション番組「Ready to Bloom」に姉妹揃って参加することになる。昨今、アイドルのオーディション番組はテレビや配信メディアで好評を博し、その人気は今やすっかり世間に浸透していることを踏まえると、身近さを感じられるテーマだ。

撮影:飯野高拓 角田大樹

番組のカリスマディレクターを務める「BREED」役は、滝澤諒が演じる。金ピカのゴージャスな衣裳とサングラスを身にまとった、いかにもな雰囲気がそれらしい。そして、BREEDと一緒にもう一人、合否をジャッジする人物として、とある有名アーティストのパロディ的なキャラクターが登場する。一度見たら忘れられないビジュアルを、ぜひ会場でお目にかけてほしい。

オーディションには個性豊かな女子たちが集まり、それぞれのバックグラウンドが順番に語られる。自分がより輝くための新たなフィールドを求める者、打ち込んでいたことに挫折した者。演者の特技を活かした表現にもぜひ注目したいところだ。また、演者を“推し”ている人からすれば、クスッと笑ってしまうようなリアルな小ネタも取り入れられており、遊び心を感じさせる。

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

書類選考をパスした参加者たちは、一次審査、ファンの投票による中間発表、合宿審査へと進んでいく。最初に全員が舞台上に勢揃いして行われるダンス審査は、オーディションを題材にしたミュージカル作品『A CHORUS LINE』を彷彿とさせた。誰が受かって、誰が落ちるのか。ハラハラしながら見守っているうちに、自身も番組の視聴者になったような感覚で夢中になっていることに気づく。セリフのない芝居とダンスだけでも、各キャラクターの気質や人間関係は十分に伝わってくる。

夢を追いかけるアイドルの卵たちを描く傍らで、彼女らを応援する人物たちの挙動も見逃せない。某店をオマージュしたオタク用品店では、これまたクセの強い店員たちが集まり、頭にハチマキを巻いてうちわとペンライトを振りまくる。推しがいる人にとってみれば、身に覚えがあるように感じて微笑ましくなるかもしれない。一方で、アイドルとファンの関係性、アイドルとの恋愛といった、推し文化とは切っても切れない危うさのある描写に考えさせられる部分もある。

そして、姉妹の父と母も仲違いをしつつ、それぞれのやり方で愛する娘たちを応援していく。

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

撮影:飯野高拓 角田大樹

ついに迎えた最終審査では、2人1組になって激しいダンスパフォーマンスを熱く繰り広げる。番組ディレクターの二人と、客観的な評価を下すAIロボットが審査員となり、順当に結末を迎えるはずが……? 物語の後半は想像もできなかった意外さで急展開し、舞台上では演者たちが縦横無尽に駆け回り、熱気があふれ出す。夢に挑む女子たちの努力や涙といった、普遍的なストーリーラインでは終わらせない、梅棒らしいエンターテインメントの真骨頂を味わえるはずだ。どんな驚きとワクワクが待ち受けているのか、ぜひ会場でご覧に入れてほしい。

本作には多くのキャラクターが登場するが、その一人ひとりに愛せる部分があり、言葉で語らずとも魅力をしっかりと伝えてくれている。もしかしたら、推しの演者を目当てに観劇した人も、作品の中で新たな“推しキャラ”に心動かされるかもしれない。ラヴ・オール!!』は6月14日(日)まで、シアターHにて上演中。6月19日(金)よりCOOL JAPAN PARK OSAKA TTホールにて、6月27日(土)より東海市芸術劇場にて上演予定。

コメント

■石田亜佑美/瑠花役
舞台から放たれる圧倒的熱量に魅せられ、なんだこの素晴らしいエンタメは! と感動した日から、 いつか同じ舞台にと夢見ていた梅棒さんの作品。
今作「ラヴ・オール!!」では、そんな自分とも感情が重なる"夢"が個性いっぱいに描かれています。誰を推そうか公演後に議論するところまでぜひ楽しんでいただきたい...♡
家族や仲間の存在、人と人の支え合いやぶつかり、胸が熱くならないわけがないあまりに楽しい展開に、稽古中何度も「えぇ! 客席で観たい!」と言いました。ファンすぎる。
この、自分が感動した楽しさや圧倒的熱量を無邪気で一生懸命生きる瑠花を通してお届けします! ぜひ浴びに劇場へお越しください!
 
■村山 彩希/紅莉役
ついに本番ということで緊張していますが、作り上げていく中で私自身お客さんとして何度でも見たくなるような、盛りだくさんな2時間5分だなと思います!
あっという間に終わってしまう感覚と共に、少しずつ変わっていく一人一人の人生や物語を目に焼き付けてほしいです!
一人あたり何役やってるかわからないくらい裏もバタバタですが、キャスト・スタッフさんと力を合わせて全力でこの作品を届けたいと思います! 

■滝澤 諒/BREED役
「家族」「推し」普遍的なワードと時代を象徴するワードが絡み合う今作。
言葉がないからこそ個々のキャラクターの心奥に触れている気がして、きっと観終わる頃には皆様の今の推しへの愛が深まる作品になっていると信じています。
圧倒的な攻撃力の笑いと、繊細で眩い描写の数々…まさに芸術。アート。何故二回言ったのか。理由は自分も探しています。
アイドルの皆様は勿論、それを支える様々な役どころにも是非注目してください。カリスマディレクター"BREED"はいつでもみなさんの応援を受け付けています。私に出逢ってくれて、カリスマThank you。
 
■梅澤 裕介[梅棒]/桔平役
いよいよ梅棒劇場が始まります。
今回も実力溢れるゲストと共に、新たな物語を作り上げました。アイドルを目指すとある姉妹のお話。
アイドルが好きな人も、ダンスが好きな人も、ただただ楽しいものが観たい人も、どんな人でも楽しめる作品だと思います。
1人でも多くの方に楽しんでもらえるように、毎ステージ丁寧に物語を紡いでいきたいと思います。
梅棒でしか味わえない特別な時間をどうぞお楽しみください。

■多和田任益[梅棒]/椿役
今回の作品は僕が梅棒メンバーとしてのデビュー戦となった『ラヴ・ミー・ドゥー!!』をリブートした新作公演です。
アイドルを目指す女の子達、それを応援するオタク達、姉妹と家族のストーリーが散りばめられています。誰かを心から大切に想う気持ち、応援したい気持ちなどいろいろな目線で共感いただけるであろう自信作になりました。
僕個人としては初の女性役で、母親役。姉妹が本当の娘のように愛しく感じていますし、作品自体も愛しいと感じるほど、毎日必死に作り込んできました。その思いが客席に届くよう、そして梅棒の面白さと表現の幅広さが届くよう、みんなで舞台に立ちます。劇場でお待ちしております。

■伊藤今人[梅棒]/作・総合演出・出演
2021年にこの作品の元となる『ラヴ・ミー・ドゥー!!』を上演した際には、コロナ禍による客席制限を余儀なくされ、新メンバー・多和田任益のお披露目公演でもあっただけに、もっと多くの方に届けたかったという想いが、今も強く残っています。
今作『ラヴ・オール!!』は、『男なら、やってやれ!!』と『ラヴ・ミー・ドゥー!!』の物語の系譜を受け継ぎながらも、ガールズグループオーディションをテーマに全く新たな人間ドラマとして構築しました。
夢を追う人、支える人、ぶつかり合う想い。そのすべてを最高のキャストとともに、梅棒らしく熱く、笑えて、胸に残る作品としてお届けします。ぜひ劇場で目撃してください。


取材・文=さつま瑠璃

公演情報

梅棒 21st STAGE『ラヴ・オール!!』
 
【作・総合演出】伊藤 今人[梅棒] 【振付・監修】梅棒
【出演】
伊藤 今人、梅澤 裕介、鶴野 輝一(Wキャスト)、塩野 拓矢
天野 一輝(Wキャスト)、野田 裕貴、多和田 任益、SuGuRu[以上、梅棒]
石田 亜佑美、村山 彩希、滝澤 諒、松浦 景子、KAN[パワーパフボーイズ]
HARUYOSHI[REAL AKIBA JUNIORZ/RAJ GLANZ]、菊地 浩輔[おしゃれ紳⼠]
津山 晄士朗、遠井 公輝、畠中 ひかり、バン ヒヨリ[Yes!Problem!]
 
【日程・会場】
<東京>2026年5月29日(金)~6月14日(日)シアターH/22ステージ+トークイベント
<大阪>2026年6月19日(金)~6月21日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール/5ステージ
<愛知>2026年6月27日(土)~6月28日(日)東海市芸術劇場/3ステージ
 
料金(全席指定/税込)】 ※未就学児入場不可
S 席:9,000 円 S 席(東京公演土日):10,000 円 A 席:7,000 円 トークイベント:5,000 円(非売品特典付)
U-25 サービスエリア:3,500 円(25 歳以下・身分証明書要提示・当日指定席)
※6/5(金)14:00 回は梅棒メンバーによるトークイベントを開催。出演メンバーや特典等の詳細は後日発表。
 

梅棒 21st STAGE『ラヴ・オール!!』公演特設サイト:http://umebou21st.dynamize.net/
梅棒オフィシャルサイト:https://www.umebou.com/
梅棒 OFFICIAL FANCLUB『ひのまる弁当』:https://www.umebou.net/ 
※現段階における予定のため、変更となる可能性がございます
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