日本開催は今年で5年目。X Games Japanの歴史をプレイバック

2026.6.19
コラム
スポーツ

中村輪夢 ©Brett Wilhelm/X Games

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2022年の春、ZOZOマリンスタジアムにモトクロスバイクのエンジン音が轟いた。世界最大のアクションスポーツの祭典「X Games」が、ついに日本の地へと降り立った瞬間だ。

1995年にアメリカで産声を上げ、世界12カ国で600万人以上を熱狂させてきた夢の舞台。その日本上陸のニュースを聞いたとき、どれだけ多くのライダーが胸を震わせただろうか。スケートボードでもBMXでもFMXでも、「X Gamesの映像に憧れて競技を始めた」というライダーは珍しくない。あの舞台への出場を目標に練習を積み重ねてきた選手が、日本には確かに存在し続けてきた。そのリアルな夢が、千葉の海沿いのスタジアムで現実になった。

©Jason Halayko / X Games

それから4年。大会はZOZOマリンスタジアムす、幕張メッセ、そして京セラドーム大阪へと舞台を移しながら、毎年のように新たな歴史を上書きしてきた。史上最年少優勝、悲願の初金メダル、世界初メイクのトリック、涙の表彰台。単に「X Gamesが日本に来た」というだけではなく、X Games Japanは日本のアクションスポーツシーンと完全に溶け合い、ここでしか生まれないドラマを繰り返し生み出す場所になった。

2026年、新たにチーム制のプロリーグ「X Games League(XGL)」が導入され、これまで以上に注目度が高まる今、改めてその軌跡を一気にプレイバックする。

2022年 ── 夢の舞台が、ついに日本へ

堀米雄斗 ©Yoshio Yoshida / ESPN Images

X Gamesが日本で開催されるのは奇跡。小さい頃からの夢のコンテストで、ずっと見ていた。そのコンテストが日本に来て、そこで優勝できてすごくうれしい」

これは、2022年4月24日、ZOZOマリンスタジアムで男子スケートボードストリートを制した堀米雄斗の言葉だ。世界中のライダーを熱狂させてきた祭典が日本に上陸した日、その舞台に立ち続けることを夢見てきた国内トップライダーたちの興奮は計り知れないものがあった。

初開催となった「X Games Chiba 2022 Presented by Yogibo」は、スケートボード・BMX・Moto Xの3競技10種目が一挙に実現。3日間でのべ4万人を集める大盛況の中、日本人選手が怒涛の活躍を見せた。男子スケートボードストリートと女子スケートボードパークでは日本人選手が表彰台を独占。東京オリンピック金メダリストの堀米雄斗と四十住さくらが、憧れの舞台でも貫録の頂点に立ってみせた。

早川起生 ©︎Hikaru Funyu / ESPN Images

そして特筆すべきは、19年ぶりにX Gamesの競技ラインナップへ復活を遂げたBMXフラットランドだ。リザーブとして急遽出場が決まった早川起生は、欠場したライダーへの「彼の分まで全力を尽くす」という約束を果たし、見事に金メダルを獲得。その背景にあったドラマは、単なる競技結果を超えて、BMXが持つカルチャーの深さと仲間の絆を体現していた。

2023年 ── 悪天候を吹き飛ばす、歴史更新の3日間

翌年も引き続きZOZOマリンスタジアムが舞台となった「X Games Chiba 2023」。2日目こそ悪天候により中止を余儀なくされる展開となったが、それでもこの大会で生まれた快挙の数々は、今も色褪せない伝説となっている。

小野寺吟雲 ©Yoshio Yoshida/X Games

最も鮮烈だったのは、当時13歳の小野寺吟雲が刻んだ、男子スケートボードストリートにおける「X Games史上最年少優勝」という大記録だ。複雑なセクションをまるでゲームのように軽々と攻略していくスタイルは、世界中のスケートファンに衝撃を与えた。

女子スケートボードパークでは開心那が自身初のX Games金メダルを獲得し、日本のパークシーンが世界のトップを走り続けていることを改めて証明。また、BMXパークのベストトリックではライアン・ウィリアムズが「900・フレア」を公式大会で世界初メイクし、スタジアムを熱狂の渦に巻き込んだ。

エリオット・スローン ©︎ Brett Wilhelm/X Games

スケートボードバートのベストトリックでは、芝田モトが「キックフリップ・マックツイスト」で暫定首位に立ったものの、終盤にエリオット・スローンが「キャブ・ヒールフリップ・インディ・720」を決めて逆転優勝。土壇場でのドラマチックな幕切れは、ベストトリックならではの見応えとなった。

そしてBMXフラットランドでは片桐悠が金メダルを獲得。前回大会ではリザーブとして出場を逃した片桐が、最高のリベンジマッチを果たした。師弟関係にある内野洋平と並んで戦った決勝後、チームで歓喜を分かち合う光景は、この競技が持つ温かいカルチャーそのものであった。

2024年 ── 舞台は幕張メッセへ。歴史的な「世界初」の応酬

白井空良 ©Brett Wilhelm/X Games

 

3回目となった「X Games Chiba 2024」は、スタジアムから幕張メッセへと会場を移した。屋内開催への移行によって天候リスクから解放され、観客はより間近で世界最高峰のバイブスを体感できる環境が整った。

この年も「世界初」という言葉が飛び交う熱い大会となった。男子スケートボードストリートでは白井空良が念願の自身初となる金メダルを獲得。ベストトリックでは池慧野巨が「ノーリーバックサイドビッグスピンヒールフリップバックサイドテールスライド」という超絶技巧をメイクし、頂点に立った。

芝田モト ©Brett Wilhelm/X Games

バートのベストトリックでは、X Gamesの歴史に永劫残る名勝負が勃発。芝田モトが「フロントフットインポッシブルリーンエアー540」という世界初メイクのトリックを決め暫定首位に立ったその直後、ギー・クーリーが「キックフリップボディバリアル900」という、これまた世界初の新技をメイクして逆転。同一大会内で二人が世界初トリックをぶつけ合う、前代未聞の死闘となった。メイクの瞬間、誰よりも先にクーリーへと駆け寄って歓喜を共有したのは、惜しくも逆転された芝田本人。リスペクトで繋がるストリートカルチャーの美しさが、そこにはあった。

BMXシーンでは、中村輪夢がパーク種目で5年ぶりの銀メダルを獲得し、悲願の金メダルへ向けてカウントダウンをスタート。BMXストリートではギャレット・レイノルズがX Games通算16個目の金メダルを獲得し、自身が持つ歴代最多記録をさらに更新してみせた。

2025年 ── 関西初上陸!京セラドーム大阪に響いた歓喜と涙

そして迎えた「X Games Osaka 2025」。世界中から視線が集まる中、舞台を京セラドーム大阪へと移し、X Gamesは初の関西上陸を果たした。完全屋内ドームという巨大空間は、Moto Xのエンジン音を強烈に反響させ、観客のボルテージを過去最高に引き上げた。

この大会は、日本のBMX界にとって歴史的な意味を持つコンテストとなった。

中村輪夢 ©Jason Halayko/X Games

BMXパークでは、日本のエース中村輪夢が悲願のX Games初金メダルを獲得。2019年の銀メダル以降、表彰台から遠ざかる苦しい時期を乗り越え、地元・関西の地でついに世界の頂点へ。仲間たちが涙を浮かべながら中村のもとへ駆け寄った光景は、一人のライダーの努力が実った瞬間の重みを物語っていた。なお、これはフラットランドを除くBMX競技において、日本人初の金メダル獲得という歴史的快挙でもある。

内野洋平 ©Jason Halayko/X Games

BMXフラットランドでは内野洋平、佐々木元、片桐悠という日本人ライダーが表彰台を独占。中でも、通算11回の世界タイトルを誇りながらもX Gamesのゴールドに手が届いていなかった42歳のレジェンド・内野洋平が掴んだ金メダルは、X Games史上2番目の最年長ゴールドメダル記録となった。

スケートボードでもドラマは続いた。男子ストリートでは根附海龍が昨年の雪辱を果たし、念願の初金メダルを獲得。アリサ・トルーはバートとパークの2種目を制し、女子スケーターの最多金メダル記録を更新。男子バートのギー・クーリーは2年連続でバート&バート・ベストトリックの2冠を達成した。

X Games Japanがこれまでの歩みで育てたもの

 4回の開催を経て、X Games Japanが日本のアクションスポーツシーンに与えた影響は計り知れない。競技結果だけでなく、体験会に訪れた子どもたちの目に宿った輝き、会場を埋め尽くした観客の熱気、そして毎年更新され続けるトリックのレベルが、このシーンの裾野を確実に広げてきた。

日本人選手が世界の最高峰で当たり前に勝つようになってきた今だからこそ、その背景にある日々の鍛錬や、カルチャーへの敬意を忘れたくない。堀米の言葉を借りれば、「スケートボードが少しずつ認められている」と感じさせてくれたのが、このX Games Japanが歩んできた道のりだ。

2026年、革新的なリーグの幕開けと共に、私たちはまた新しい歴史の目撃者になる。それだけは間違いない。

 

公演情報

X Games Chiba 2026
 
日程:
2026年7月3日(金)
2026年7月4日(土)開場9:00 / 開始9:30〜終了20:45(予定)
2026年7月5日(日)開場9:00 / 開始9:15〜終了19:45(予定)
※金曜は公式練習日のため(一部を除き)関係者・招待客・取材媒体のみ入場予定。
※一般入場は土曜と日曜の2日間を予定。
※開場、開始、競技時間などは変更になる場合がございます。
 
会場:幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)
主催:X Games Japan 組織委員会
主管:千葉市
後援:一般社団法人 ワールドスケートジャパン、一般社団法人 日本スケートボーディング連盟、一般社団法人 全日本フリースタイルBMX連盟、一般財団法人 日本モーターサイクルスポーツ協会、一般社団法人 TEAM JAPAN MX PROJECT、J-WAVE (81.3FM)
協賛:Monster Energy、ムラサキスポーツ、モスフードサービス
協力:X Games Japan 千葉後援会、FLAKE CUP
 
実施競技(3競技・15種目):
 
2026年7月4日(土)
男子スケートボード ストリート ベストトリック
女子 スケートボード ストリート
男子 スケートボード バート
女子 スケートボード バート
男子 BMX ストリート
男子 BMX パーク
女子 BMX パーク
Moto X ベストトリック
DJタイム&サイドアクト
音楽ライブ IMP.、CLASS SEVEN
 
2026年7月5日(日)
男子 スケートボード ストリート
女子 スケートボード ストリート ベストトリック
男子 スケートボード パーク
女子 スケートボード パーク
男子 スケートボード バート ベストトリック
女子 スケートボード バート ベストトリック
男子 BMX パーク ベストトリック
Moto X デモンストレーション
DJタイム&サイドアクト
音楽ライブ(出演者は後日発表)
 
※実施競技は変更になる可能性があります。
 
料金:
スタンド最前列XG(土曜券)¥40,000
スタンド最前列XG(日曜券)¥40,000
スタンド最前列XG(2日通し券)¥75,000
XGステージエリア付(土曜券)¥27,500
XGステージエリア付(日曜券)¥27,500
XG(土曜券)¥16,000
XG(日曜券)¥16,000
XG(2日通し券)¥30,000
一般ステージエリア付(土曜券)¥18,000
一般ステージエリア付(日曜券)¥18,000
一般(土曜券)¥6,500
一般(日曜券)¥6,500
一般(2日通し券)¥11,000
ファミリー 4枚組(土曜券)¥22,000
ファミリー 4枚組(日曜券)¥22,000
 
オフィシャルプレイガイド(イープラス):https://eplus.jp/xgames/
For Overseas(海外向け):https://eplus.tickets/xgames/
 
X Games Japan 公式サイト:https://xgamesjapan.com
X Games Japan 公式X:https://x.com/XGamesJPN
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