『格闘探偵団7・1新宿FACE大会』阿部史典が抱える特別な事情を語る! 「実は直前に……」
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7月1日に開催の『格闘探偵団Ⅴ~ONE LAST DANCE:SHINJUKU~』直前インタビューで吠える阿部史典
『格闘探偵団Ⅴ~ONE LAST DANCE:SHINJUKU~』が7月1日(水)、新宿FACE(東京都)で開催される。
今大会は、昨年10月以来となる通算5度目の『格闘探偵団』興行。今回は新宿FACEが9月いっぱいで閉館となることを受け、前身団体であった格闘探偵団バトラーツ解散の会場でもあり、格闘探偵団としても一発目の大会以来、毎年実施してきた思い入れの深い場所で急きょ開催が決まった。
しかし、実は阿部史典には特別な状況があり、そんななか佐藤光留も欠場となった波乱含みの今大会について話を聞いた。(聞き手・奈良知之/週刊プロレス)
直前に渡米してて、まずは新宿FACEへ“到着”なるか!?
――まずは新宿FACEという会場についてお聞きしますが、やはり思い入れが深いですか?
阿部 バトラーツはそんなにFACEでやっていなかったですけど、解散したのはFACEの興行で、格闘探偵団を始めたのもFACEでした。インディーがやるFACEって、ビッグマッチになるんですよね。いろいろあったので思い入れのある会場ですし、最後に(格闘探偵団としても)やりたいなと思いました。(バチバチをやるには)FACEが一番適した規模だったとも思っています。
――昔バトラーツもZeppなどライブハウスで興行を行っていましたね。
阿部 そうなんですよ。お客さんとの距離が近いのが好きで、お客さんには些細な音とか息遣いが聞こえたり、逆にお客さんの声も聞こえたり。密集して声援を浴びられる場所なので、FACEとかは特別ですよね。天井が低いというのがいいですよね。
――バトラーツの解散した場所がなくなるということでもあります。
阿部 バトラーツ解散興行の映像をメッチャ見たし、やっぱり特別な場所ですよ。最後にそこでバチバチ興行をしたいなという。それで7月1日しかFACEが空いていなかったので、その日にしたんです。
ただ、ここからが問題なんです。僕は6月29日(現地時間)にニューヨークで試合なんですよ。ジョナサン・グレシャムがプロデュースする興行で、私とやりたいと言ってくれたんです。そんな光栄なことはないし、すごく緊張してオファーを受けました。それが最初に決まっていて、FACEがなくなると聞いて今回の興行が決まったんですね。で、ChatGPTに聞いてみたんです。ニューヨークに行って、1日夜の試合までに戻ってこられるかを。ChatGPTは「大丈夫だと思うよ」と答えてくれた。「じゃあ、行けるな」って。
令和に蘇ったバトラーツ対決
――……。
阿部 なんとか交渉して直行便で帰国できるようになったんですけど、どう計算したって7月1日の朝に着くんですよね。まあ朝というか、正直当日の昼ですね。
――ただ台風があったり、飛行機が遅れたりすると……。
阿部 はい。スケジュール的には大丈夫なんですけど、もし僕がいない場合を考えて、しっかりと日高(郁人)さんのショーンキャプチャーに入ってもらいました。
阿部史典
大会ポスターの前でポーズを決める阿部史典
光留欠場の代替は第1試合“選抜選手”
――運営的には大丈夫だと。また、メインに出場予定だった佐藤光留選手が欠場になり、そこには“第1試合選抜選手”が入ることが発表されました。第1試合の“勝者”ではないんですね?
阿部 勝った人がメインに行くというやり方は、メインがお高くて第1試合が安いような感じがして嫌なんです。第1試合は第1試合で楽しみにしている人がいますから。
――それで選抜選手なんですね。
阿部 その試合の“誰か”が入るとなったら第1試合を見るお客さんも楽しくなるだろうし、自分も誰かがケガをして抜けたところに試合で入って、チャンスをつかんだりしてきた人間ではあるので。何が起きるかわからないし、もしかしたら失敗するかもしれないけど、若い選手に懸けてみる。そもそも光留さんが自分にそういうことをやってきてくれた人ですから。自分も、そうしたいですね。そうなると、第1試合に出る選手たちも“かかる”と思うんですよ。
阿部史典vs佐藤光留
――もちろん勝者が選抜されるかもしれないし、そうではない何かを見せた選手がメイン出場になるかもしれない。いずれにせよ、モチベーションは上がりますよね。
阿部 そもそも自分自身も“×”(バツ)になってしまうかもしれないし(苦笑)。
――そうなると、メインがもう1枠空きますからね…。
阿部 今回は正直、なるようにしかならないと思っています。僕がニューヨークからたどり着くのかも含め、楽しみにしていてほしいです。それぐらいドキドキする、超インディペンデントな興行だとは思いますね。
――石川修司選手と村上選手の対戦など、ものすごいメンバーのメインです。
阿部 あのメンバーを自分の自主興行のメインに選ぶって、感覚が普通じゃないなと思いますよ。野村(卓矢)とか、よくやり合っている相手がいるわけでもないし、自分のカッコいいところがなさそうですもんね(苦笑)。
でも、それが見せたいことなので。バトラーツって殴られても楽しそうだったり、痛いことをやっていても楽しそうで、笑って見れちゃうギャップがあるじゃないですか。それが、惹かれるところだと思うんです。デスマッチも「理解できないよ」というところに惹かれたりしますけど、そういうのを見せたい。そうなると極限までに自分を追い込まないといけないですから。
――石川雄規選手も池田選手とも村上選手とも歴史がありますね。
阿部 はい。バトラーツって6人タッグがたまにあって、本当にしっちゃかめっちゃかだったんですよ。タッグマッチでもメチャクチャなのに、6人になるとどこを見ていいかわからなくなる。各々が自由にやるので、それがクスッと笑っちゃうんです。ただ延長代金だけは払いたくないですね。
――暴れすぎて収拾がつかなくなると……そこは切実です。
阿部 それは嫌ですよね(苦笑)。でも、あまり周りを気にしなくていいのはデカいです。お客さんも「この試合はヤバイ」というのをわかってきてくれる人たちなので、あとは殴り合うだけ。わかりやすく言うと変態みたいな人たちが集まって、そこで試合ができるのは本当に幸せな空間ですね。
――第1試合の選手の誰かが入った時、さらに何が起きるのか。
阿部 自分がその選手だったら、爆発しますよ。「来た!」って思う。そうなったら、その人の運命ですからね。返金を求める人には返金もしますし全力で謝りますけど、「どんなものが見えるんだろうな?」と思う。光留さんは僕によく「絶対に面白い、というものだけが正解じゃない」みたいに言ってくれていますし、(メインに出場する)この人たちしか持っていない殺気とか恐ろしさってプロレスに絶対ある。それを経験してほしいです。
※以下、第1試合ほか各試合の見どころを阿部が語った。
大会ポスター
■『格闘探偵団Ⅴ~ONE LAST DANCE:SHINJUKU~』カードおよび試合順
▼️最終試合 新太平洋運輸株式会社presents
バトラーツルール 6人タッグマッチ 30分1本勝負
阿部史典&石川雄規&石川修司 vs 第1試合選抜選手&池田大輔&村上和成
阿部史典&石川雄規&石川修司 vs 第1試合選抜選手&池田大輔&村上和成 ※佐藤光留に代わり第1試合選抜選手が出場
▼セミファイナル バトラーツルール シングルマッチ30分1本勝負
藤田ミノル vs 矢野啓太
藤田ミノル vs 矢野啓太
竹田誠志&MAO vs 宮本裕向&タノムサク鳥羽
竹田誠志&MAO vs 宮本裕向&タノムサク鳥羽
日高郁人&青木いつ希&尾﨑妹加 vs マスクド・ホカクドウ&関口翔&網倉理奈
日高郁人&青木いつ希&尾﨑妹加 vs マスクド・ホカクドウ&関口翔&網倉理奈
▼️第2試合 バトラーツルールシングルマッチ 30分1本勝負
ヤス・ウラノ vs 原学
ヤス・ウラノ vs 原学
▼️第1試合 株式会社カンシアpresents バトラーツルールタッグマッチ30分1本勝負
佐藤孝亮&関茂隆真 vs 名島アリ&葛西陽向
佐藤孝亮&関茂隆真 vs 名島アリ&葛西陽向
▼第1試合 佐藤孝亮&関茂隆真 vs 名島アリ&葛西陽向
阿部 こういうプロレスがあるってことを(若い選手たちが)知ってくれたのは嬉しいですよね。彼らは僕とか野村(卓矢)を通して知ってくれた人たちだと思うけど、それでも脈々と続いているものではある。そうすると、この“文化”というか“ジャンル”が途絶えない気がします。大それた使命感はないけど、上にしてもらったことを下に教えていく業界ではあるので。
自分が20歳の時にガンガン深夜1時ぐらいまで道場で教えてくれていた人も、練習を抜くわけではなく、だんだんお互いに労りつつやることができるようになっていくわけですけど、そこにいま20歳の人が入ってくるとガツガツ来てくれるから、こっちも「いいね!」となって若返っていくんですよ。それを見て、みんながいい意味でお尻を叩かれて、みんなが成長していくんだと思ったから、若い存在はどの業界でも宝ですよね。
関茂もアリもそうだし、陽向選手なんてまだ未知ですから。もしかしたら全然合わないかもしれないし、気づいたら感情をバーッと出せてフィットするかもしれないし、そういうのも含めて楽しみ。“頑張って食らいつく”が3人いるので、じつは佐藤が一番大変だと思います。一番ケツを叩かれなきゃいけないのは佐藤だと思っています。チャンピオンになって試合内容も安定してくるのは当たり前ですけど、30歳になって相応の選手になっていく…それをいい意味でも悪い意味でも、若いヤツらが食っちゃってほしい。それに対して「食わせないぞ」という佐藤を見たい。佐藤は、早く次のステップに行くべきなんですよ。そういう足掛かりになってくれたらいいですよね。
佐藤孝亮vs名島アリ
▼セミファイナル 藤田ミノル vs 矢野啓太
阿部 2人とも思想が強そうですよね。“藤田ミノルvs矢野啓太”という字面のインパクトも強いし、インディー好きに刺さると思います。やっぱり矢野さんってキーマンなんですよ。矢野さんを主軸に考えると、どのカードも“不思議”になる。たとえば矢野vsヤス・ウラノも不思議だし、矢野さんと自分でもどうなるんだろうって。読めないですよね。熱くやってくれるのかもしれないし、お互い何もしないのかもしれないし。メッチャ楽しみです。
でも、2人ともどんな形でも生き様をさらけ出すじゃないですか。そういうのはシビれますよね。“いい試合”って覚えてないですよね? 流れていきますよね。それより“アレってなんだったの?”みたいなほうが長く心に残る。語りがいのある試合が多いのが、格闘探偵団の興行かもしれないです。
原学vs矢野啓太
阿部 このなかに1人MAOという異分子が入ると、どの絡みも新鮮になりますよね。いまをときめく選手はすごいです。MAO選手は打撃でもなんでもできるし尖っていますけど、逆にラ・ケブラーダでダウンとかを取ってほしいですよね。宮本さんも飛びますけど、このメンバーでそれができるのはMAO選手しかいない。“自分のプロレス”で勝負してくれるレスラーはテンションが上がりますよね。自分の型を貫き通す人はテンションが上がるので、鳥羽さんには殴りまくってほしいですね。
宮本裕向vsタノムサク鳥羽
▼第3試合 日高郁人&青木いつ希&尾﨑妹加 vs マスクド・ホカクドウ&関口翔&網倉理奈
阿部 この試合はフォール(3カウント決着)があるんですよ。フォールがあるって面白いって思ってほしいですよね。丸め込みとかで「1、2、返した!」となると、試合にリズムができるじゃないですか。それって面白いよねって。ロープワークとかピンフォール、やっぱりプロレスってそれがあるから気持ちいいよねと、フォールがない興行で思ってほしいです。こういう興行に入れられる女子選手も嫌かもしれないけど、いつも通りのプロレスで魅せてほしいです。あと、日高さんのピンフォールテクニックにも注目してください。
▼第2試合 ヤス・ウラノ vs 原学
阿部 “ウラノえん”というのがあって出たんですけど、無茶なルールなんですよ。1日4試合ぐらいで総当たりリーグをやって、ランナーズハイみたいになりました。やっていて楽しかったんですけど、僕はそれに喜んで出たので、ウラノさんも格闘探偵団に出てくださいと。ウラノさんは考えて理論立てる人だと思うので、どんなふうに闘うのかなって普通に楽しみですよね。ルールのなかで、どう勝ちに行くのか。
楽しみなカードばかりの『格闘探偵団Ⅴ~ONE LAST DANCE:SHINJUKU~』。阿部がニューヨークでの試合後、無事に帰国し、新宿FACEのリングに立つことを楽しみに待ちたい。