kurayamisaka まるで燃え尽きようとしているようなパフォーマンスに見た、これから先のさらなる熱狂
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kurayamisaka tte, doko? #7 「くらやみざかより愛を込めてツアー2」
2026.6.25 恵比寿LIQUIDROOM
「今日はお足元が悪い中、お越しいただきありがとうございます。雨なのか、湿気なのか、汗なのかわからないくらい揉みくちゃになってください」
オンステージして、開口一番、まるで宣言するように言った清水 正太郎(Vo, Gt)によるこの挨拶。昨年9月にkurayamisakaがリリースした1stフルアルバム『kurayamisaka yori ai wo komete』をひっさげ、全国各地をワンマンで回った『kurayamisaka tte, doko? #7 「くらやみざかより愛を込めてツアー」』、および全国各地を対バンスタイルで回った『kurayamisaka tte, doko? #7 「くらやみざかより愛を込めてツアー2」』の中で、さらに確かなものになった自信の表れだったのかもしれない。
『~「くらやみざかより愛を込めてツアー2」』の東京公演となる6月25日(木)の恵比寿LIQUIDROOM公演。kurayamisakaを歓迎したのが平日にもかかわらず、スタンディングのフロアを埋めた満員の観客だったことが2021年の結成以来、ライブシーンでめきめきと頭角を現してきたこの5人組の勢いを物語っていた。
この日のゲストであるLaura day romanceがkurayamisakaと相性抜群のパフォーマンスでフロアを揺らしたあと、オンステージしたkurayamisakaの演奏は、前掲の清水の挨拶からたっぷり70分。爆音を轟かせながら、エネルギッシュかつエモーショナルなパフォーマンスを繰り広げ、バンドが一皮剥けたことを印象づけていった。
この日、アンコールを含め、彼らが披露したのは、『kurayamisaka yori ai wo komete』の収録曲を中心とした全13曲。
清水、内藤 さち(Vo, Gt)、フクダリュウジ(Gt)が奏でるギター3本のアンサンブルを軸にした轟音のオルタナロックサウンドに加え、内藤が歌い上げる胸を焦がすようなメロディーとともに際立つ、彼らの楽曲が持つポップスとしてのポテンシャルが見どころであることは言うまでもないが、彼らはこの日、イントロを聴いただけで観客が色めき立った1曲目の「metro」から観客に挑むようにアルバムからアップテンポのロックナンバーをたたみかけるように繋げていった。そして、それに応えるように拳を振りながらフロアを揺らした観客とともに熱狂を生み出せるアンセミックなロックバンドとしてスケールアップした姿をいきなり見せつけたのである。
タイトルコールに「metro」以上の歓声が沸き、観客の「1-2-1-2-3-4!」というカウントとともに演奏になだれこんだ「sunday driver」では、観客が早速、シンガロングの声を上げる。清水が鳴らしたリフにフクダが金切り声のようなフレーズを刺すように重ねた「sekisei inko」では、清水、フクダ、内藤の3人がユニゾンでリフをかき鳴らしたり、清水とフクダがフリーキーなインタープレイを繰り広げたりと、より巧妙になったことを思わせるギターアンサンブルも楽しませる。
序盤から盛り上がる観客に清水もすこぶる上機嫌だ。
「どうもありがとう!」
もちろん、アップテンポの曲だけがkurayamisakaの魅力ではない。内藤の弾き語りからバンドインした「weather lore」から「nameless」「evergreen」と繋げていった中盤では、たたみかけるような序盤から一転、テンポを落として、静と動のコントラストを大胆に際立たせたり、メランコリーを滲ませたりしながら、内藤の伸びやかな歌声とともに繊細な一面も印象づける。中でも一番の聴きどころはやはり、内藤がアコースティックギターを弾きながら歌ったバラードの「evergreen」だろう。前述した楽曲が持つポップスとしてのポテンシャルという意味では、バンドが作るアトモスフェリックな音像に滲むフォーキーかつアーバンな魅力が観客を酔わせたこの曲が一番のハイライトだったと言ってもいいかもしれない。
「10年後でも20年後でもいい。『kurayamisaka yori ai wo komete』を聴いた人がバンドを始めて、kurayamisakaと対バンすることになったとき、おまえのせいで俺の人生がメチャメチャになったと言われたい」
そんなふうに清水が夢を語ってからの後半戦は、ロックンロールともギターポップとも言える「modify Youth」から再びテンポアップしていく。
「ダチが書いた最高の曲」と清水が紹介したこの「modify Youth」は、人気のライブアンセムだ。バンドのギアを入れ替え、ライブの流れを変える起爆剤にはぴったりだ。清水と内藤のデュエットも聴きどころ。清水の歌とギターだけになるパートでは、演奏をいったんオトしたバンドの意図を汲み取った観客が自らシンガロングする。
阿左美 倫平(Ba)が刻むベースリフから観客の歓声とともになだれこんだ「seasons」でバンドの演奏はさらに加速。再び観客に拳を振らせ、フロアを揺らしたステージの5人がそこに繋げた曲が、彼らにしてはずいぶん明るい曲だなと思ったら、清水が昨年、“極北を目指すオルタナティヴアイドル”を掲げるRAYに楽曲提供した「sagittarius」のセルフカバーだった。今回のツアーのさなかに配信した最新シングルだからセットリストに入ってきてしかるべきだが、ポップスとしてのポテンシャルを轟音の演奏の中でダメ押しするように見せつけるという意味では、絶妙な選曲だったと思う。堀田 傭輔(Dr)がサビの直前に入れるドラムのフィルインがめちゃめちゃかっこいい。曲のエンディングでは、堀田によるドラムの連打とともにバンドの演奏が白熱していった。
そこから一気に高み昇りつめようとバンドがたたみかけるように演奏したのが、ともにアルバムからの「あなたが生まれた日に」と「kurayamisaka yori ai wo komete」だった。
怒涛の2ビートとブレイクダウンを織りまぜ、エモーショナルハードコアばりの激しい演奏を繰り広げながら、プログレ的な展開も見せた前者。ガガガガと轟音を鳴らした直後、ブレイクした瞬間に聴こえる「はっ」という内藤の息継ぎに緊張が走った後者。どちらも彼らがオルタナバンドとして持つ凄みを見せつけていたが、「1-2-3-4!」というカウントとともに激情ハードコア化していった「kurayamisaka yori ai wo komete」の終盤、ステージの5人が見せた、まるで燃え尽きようとしているようにも見えたパフォーマンスを目の当たりにして、快哉を叫びたい衝動に駆られたのは筆者だけではなかったはずだ。
「乾杯!」と呷った缶ビールがよほどうまかったのか、「うぉーっ」と阿左美が雄叫びを上げたアンコールは、「theme (kimi wo omotte iru)」と「cinema paradiso」――清水曰く「往年の名曲」を2曲、さらに披露。清水のMCは、いちいち自信満々なところが心憎い。
ビタースウィートで、メロウな「cinema paradiso」は、胸を焦がすようなメロディーをシャウトするように歌い上げる内藤の歌にフロアから声が上がった。そして、ラストはメンバー5人が一丸となって繰り広げる爆音のパフォーマンスが観客を圧倒する。このカタルシスを一度知ってしまったら、平日だろうと、kurayamisakaのライブに足を運ばずにいられないだろう。12月からは、香港、ソウル、台北、そして国内各地を回るアジアツアー『kurayamisaka tte, doko? #9 「夏の終わりを迎えに行くツアー」』を開催するという。kurayamisakaが観客と作り出す熱狂は、さらに大きくなっていきそうだ。
取材・文=山口智男 撮影=タカギタツヒト
ライブ情報
夏の終わりを迎えに行くツアー
2026/12/26 sat Hong Kong “PORTAL”
2027/1/9 sat Seoul “SangSang Madang”
2027/1/17 sun Taipei “THE WALL”
2027/1/24 sun Yokohama “KT Zepp Yokohama” op16:30/st17:30
2027/1/30 sat Kanazawa “AZ” op17:30/st18:00
2027/2/13 sat Hiroshima “CAVE-BE” op17:30/st18:00
2027/2/14 sun Takamatsu “DIME” op17:00/st17:30
2027/2/20 sat Fukuoka “BEAT STATION” op17:30/st18:00
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スタンディング ¥5,000(税込)
2F指定席 ¥6,000(税込) ※KT Zepp Yokohamaのみ
※整理番号付き ※⼊場時ドリンク代別途必要 ※未就学児⼊場不可、⼩学⽣以上有料 ※枚数制限 4枚
*オフィシャル先⾏販売(最速抽選)
2026年6⽉25⽇(⽊)21:00から2026年7⽉12⽇(⽇)23:59
イープラス販売URL https://eplus.jp/kurayamisaka9/
海外購⼊者向け販売 https://eplus.tickets/kurayamisaka9/
*海外公演に関しては後日詳細発表