豊平青(指揮)が率いるクレド交響楽団、マーラー交響曲第9番に挑戦する『クレド交響楽団 第15回定期演奏会』を開催
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『クレド交響楽団 第15回定期演奏会』
2026年8月22日(土)ミューザ川崎シンフォニーホール にて、『クレド交響楽団 第15回定期演奏会』が開催される。この度、クレド交響楽団の魅力について語った紹介文が到着した。
アマチュアのオーケストラとプロのオーケストラとの間には常々大きな差があると感じてきた私が、昨夏の偶然の出会いから、あるアマチュアのオーケストラとそれを率いる若手指揮者の演奏会をSPICEでもご紹介したのが、豊平青が率いるクレド交響楽団である。
クレド交響楽団は、2018年に発足したアマチュア・オーケストラ。指揮の豊平青を中心に、音楽の本質に迫るような演奏を目指して、高校生から社会人に至るまで、さまざまなバックグラウンドの団員から構成されている。「クレド」とは、信条、志、主義主張といった意味を持つラテン語。“音楽第一、本質的な演奏”を自分たちの「クレド」として掲げ、慶應高校のオーケストラ部の出身者たちが核となって立ち上げられたオーケストラなのだという。豊平も慶應の法学部出身ながら、今は指揮活動に専念している。
昨夏に筆者が体験した公演は、合唱付でラヴェルのバレエ音楽「ダフニスとクロエ」全曲版からのハイライトを軸とした意欲的なプログラムであったが、その次に足を運んだ公演は、年明けの1月17日に新宿で開催された、ブラームスのヴァイオリン協奏曲とチャイコフスキーの交響曲第5番という聴きごたえある名曲コンサート。ヴァイオリン・ソロには名手シェリングを継承し、夏の公演でも見事な「ツィガーヌ」を聴かせてくれたジェラール・プーレがあたった。「フランスの至宝」と呼ばれる巨匠ソリストとの丁々発止も、彼らの演奏水準の高さを物語っている。暗譜で指揮台に立ち、流麗な指揮でオーケストラを完全に掌握する豊平の指揮も実に見事であった。
さて、この夏8月22日のクレド定期公演には、その名手プーレに加えてウィーン・フィルのアカデミーが輩出した俊英アネット・ヤコブチッチ(チェロ)を招き、ブラームスの二重協奏曲と、なんと交響曲の中でも難曲中の難曲=マーラー交響曲第9番に挑戦するという。
近代交響曲作家の最高峰であるグスタフ・マーラーがこの世を去る1年前、1910年に完成させた最後の交響曲である。娘の死や自身の健康不安などを通して「生と死」というテーマに深刻に直面した作曲家が最後にたどり着いた神秘的な傑作だ。一昔前ならプロのオーケストラでさえ演奏に四苦八苦した超大作に挑戦し、音楽を届けようとする豊平とクレド交響楽団の心意気を感じる。先日、ベルリン・フィルハーモニーの社会還元プログラムから生まれたBe Philのコアメンバーで構成されたレゾナンツ・フィルハーモニカーの10月公演もご紹介したが、アマチュア・オーケストラがもはやその域に留まらず、プロ・オーケストラなみのマインドで公演にトライする時代が到来したことを感じる。
最後にコンサートへの豊平自身のコメントを掲載したい。
豊平青
「ブラームスの二重協奏曲とマーラーの9番、これらはいずれも芸術史に燦然と輝く不滅の傑作ですが、それゆえ上級者向けの難解な作品と捉えられがちです。しかし、音楽の知識の有無を超えて聴衆に訴えかける力を持った素晴らしい作品であり、普段クラシックを聴かない方々にも是非足をお運びいただきたいと考えております」
文=神山薫
公演情報
会場:ミューザ川崎シンフォニーホール
指揮:豊平青
ヴァイオリン:ジェラール・プーレ
チェロ:ハギワラ・ヤコブチッチ・アネット
クレド交響楽団
ブラームス:ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調
マーラー:交響曲第9番 ニ長調
全席指定:¥1,200