フリースタイルピアニスト・けいちゃん、アジアツアー『ROOM』がZepp Shinjukuで開幕! 鍵盤4台とレトロな部屋で魅せた“何が起こるかわからない”圧巻のライブレポート
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けいちゃん「Keichan Piano Asia Tour 2026『ROOM』」
フリースタイルピアニスト、けいちゃんが7月7日にツアー「Keichan Piano Asia Tour 2026『ROOM』」の初日となる東京公演をZepp Shinjukuで行った。今回のツアーは、東京、大阪に加えて、台北、ソウル、クアラルンプール、シンガポールを巡るアジアツアーで、「ROOM」というタイトル通り、“部屋”がコンセプトになっている。
■ 鍵盤4台が並ぶ、レトロで豪華な“部屋”が出現
Zepp Shinjukuのステージ上には、ピアノ、鍵盤楽器のほかに、木製のデスクやソファーといった調度品、そしてたくさんのキャンドルとランプ(灯り)がある、ちょっとレトロな雰囲気が漂う“部屋”が用意されていた。 開演時間となり、けいちゃんがステージに登場すると大きな拍手と歓声が響き、そんな中、ディズニーを象徴する曲「星に願いを」を奏で始めた。この日は“七夕”、まさにこの曲を演奏するにふさわしい日だと思っていたら、途中で童謡「たなばたさま」のメロディーも盛り込んで聴かせてくれた。
「こんにちは。ようこそ、お集まりくださいました。『ROOM』本日より開幕となります」と挨拶し、客席を見渡して「よく見えてますよ。お客さんとの距離も近くて、全員の顔が見える距離なので、油断しないように気をつけていただきたいんですけど」と話して場の空気を和ませた。そして「見てびっくりしたと思うんですけど、すごく豪華な、まるで自分の部屋かのようなセットを組んでいるんですけど」と凝ったステージセットを嬉しそうな表情で紹介。「鍵盤も4台ありまして、今日はこちらの鍵盤をフルに使って、皆さんと一緒に楽しんでいけたらいいなと思います」と使用する鍵盤楽器にも触れた。
けいちゃん「Keichan Piano Asia Tour 2026『ROOM』」
■ 悪の組織から脅迫電話!?『エリーゼのために』を激変アレンジ
「何が起こるか分からないライブになると思いますが、どうぞお楽しみにしててください」と言って、ステージ下手(しもて)のデスクの方に向かったところで、電話が鳴った。ケータイ、スマホではなく、レトロなダイヤル式の電話が。けいちゃんが受話器を取ると、「私は悪の組織、今すぐそのコンサートを中止しろ」という脅迫電話だった。飄々とした感じで「ちょっと難しいですね」と断ると、「試練をクリアしたらコンサートの続行を認める」という要求に変更となった。その試練とはベートーベンの『エリーゼのために』をアレンジして演奏しろ、というものだった。 脅迫に怯える素振りも見せないけいちゃんは、「カッコよさそうだから原曲からキーを3つあげよう。イントロに鐘の音とか、声の素材とか使って、ギターとかドラムを入れたらかっこいい感じになるかな」と、楽しんでアレンジし、いろんな音色を使って迫力ある『エリーゼのために』を演奏。続けて、上からのライティングが神々しい演出となったドビュッシーの「月の光」も披露。 ここで改めて4台の鍵盤楽器の紹介をして、「トランペットの音が出せるんです」「パイプオルガンの音が」「オーケストラの音もあるんです」と、子どもが遊び道具を紹介するように嬉しそうな顔つきで次々と音を繰り出していく。ショルキー(ショルダーキーボード)を持って、ステージ上を動きながら演奏する場面も。
■ 映画音楽からゲーム音楽まで、ジャンル無用の一夜
会場がライブハウスということで、通常のクラシックコンサートでは出来ない“声出し”の練習なども行ったが、またしても電話が…。受話器を取ると「いやぁ、素晴らしい、感動した。ほかにどんなことができるの? ちなみに僕は映画音楽が好きでね…」と“悪の組織”が一方的に喋りかけてくるが、けいちゃんはつれなく切ってしまう。完全無視なのかと思われたが、次に演奏したのは「ゴジラ&ダースベイダーのテーマ」。悪の組織が好きと言っていた“映画音楽”を演奏してあげるところに優しさを感じた。「ゴジラ」のテーマ曲も「スター・ウォーズ」の人気キャラ“ダース・ベイダー”のテーマ曲も、映画ファンのみならず、多くの人が知っている曲ということで、迫力のある演奏を聴き入っていた。Zepp Shinjukuの近くにある映画館の上にゴジラがいるので、これは新宿でのライブにふさわしい選曲と言える。 その後、サティの「ジムノペティ」でゆったりとリラックスしたかと思うと、「スーパーマリオブラザーズ」のテーマ曲など「ゲーム音楽」をメドレーで演奏し、モーツァルトの軽快な「トルコ行進曲」へ。ジャンルの枠を超えた楽曲を演奏し、“音楽”の楽しみ方を示してくれた。“声出し”の成果もあり、大きな歓声が響くと、「最後の曲かってくらい歓声が」とご満悦。
■ 観客からの無茶振りリクエストに即興ミックスで神対応
けいちゃんのコンサートでは恒例となっている「リクエストコーナー」。客席から3人を指名して、演奏してほしい曲を募ると、サカナクションの「怪獣」、「ライオンキング」の「ハクナマタタ」、ベートーベンのピアノソナタ「月光」第3楽章という、ジャンルの異なる3曲に決定。3曲をミックスして演奏したけいちゃんは「あぁ、疲れた!頭が限界。『ハクナマタタ』が大変だった」と体力を消耗した様子だったが、難易度が高かっただけに、達成感も大きかったはず。
ちょっとぐったりしたところで、またまた電話が鳴った。「すごいな、君は。自分でも曲を作っているんだろう? 聞きたいな」と、もう“悪”のかけらも感じられない悪の組織が、けいちゃんのオリジナル曲をリクエスト。終盤は「人間失格」や「√Future」といったオリジナル曲を演奏し、「また会おうね!バイバイ!ありがとう!」と伝えて、本編が終了。
けいちゃん「Keichan Piano Asia Tour 2026『ROOM』」
■ 「エイエイオー!」の掛け声でアジアへ向け出航!
アンコールの声に応えて、ステージに再登場したけいちゃんは「いやぁ、まさかアンコールをいただけるとは夢にも思いませんでした。アンコールをいただける時間が僕の音楽人生にとって1番の『やっててよかった』と思える瞬間ですので、心よりお礼申し上げます」と感謝。
グッズの紹介などをした後、「皆さん、せっかくなので最後の曲ぐらいは立ってお聴きになってみてはいかがでしょうか?」と呼びかけると、全員が立ち上がった。「今日培ってきたこの情熱、熱いファイヤーを、皆さんも全部置いて帰る気持ちで盛り上がって終われればと思いますので、『エイエイオー!』しましょうか」と言って、みんなで一斉に「エイエイオー!」と掛け声を発し、「World & Me」でツアー初日の幕が下ろされた。
最初のMCで「何が起こるかわからないライブになるとは思いますが、皆様どうぞ楽しみにしててください」と言っていた通り、演奏曲の幅広さだけでなく、演出も含め、“何が起こるかわからない”ステージを堪能させてくれた。
M1. 星に願いを/ディズニー
M2. エリーゼのために/ベートーベン
M3. 月の光/ドビュッシー
(ショルキー solo)
M4. パスピエ
M5. ゴジラ&ダースベイダーのテーマ
M6. ジムノペティ/エリック・サティ
M7. ゲーム音楽メドレー
M8. トルコ行進曲/モーツァルト
M9. リクエストコーナー
M10. 人間失格
M11. Savage-404-
M12. √Future
M13. √Advert
(アンコール)
EN1. World & Me
取材・文=田中隆信 写真=オフィシャル提供