Junna、再デビューのその先へ 過去最大規模のツアーで新たなページを開く
Junna
『Junna Rock You Tour 2026~ハローグッバイ~』2026.08.22(sat)SHIBUYA CLUB QUATTRO
今ここで逢えて本当によかった。「再デビュー」という大きな転機を迎えたJunnaが挑む、過去最大規模のライブハウスツアー『Junna Rock You Tour 2026~ハローグッバイ~』。新しいノートの1ページ目を開く時は今だ。全12公演のセミファイナル、8月22日の東京公演の熱狂を振り返ろう。
Junna
屈強なバンドが奏でるハードロックに乗って、Junnaがステージに飛び込んだ瞬間、怒号のような歓声が湧き上がる。1曲目は「Steppin’Out」だ。トップスとパンツは黒、キラリと光る編み込みのヘアジュエリー。お立ち台に足をかけて力強くマイクを握り、拳を突き上げるフロアに向け「最高の思い出、一緒に作りましょう!」と叫ぶ。「We are」ではタオルを振り回し、「Be Your Idol」では星形タンバリンを叩きながら笑顔を見せる。声量、音程、目の輝き、激しいアクション、フロアの一体感、全てが圧倒的な熱量と気迫みなぎる幕開けだ。
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「みなさんこんばんは! 今日は雨が降っちゃいましたが、みんなが熱くしてくれれば雨もどっかへ行ってくれるんで。汗だくになって、雨か汗かわからないくらい盛り上がっていきましょう!」
いつもライブに来ている人、久しぶりの人、初めての人。一人一人に呼び掛けながら、「全ての出会いが私の人生の糧になってくれる」と語るJunna。そこから人との大切な出会いをテーマにした「ランデブー」へ、一転してダーク&シリアスな「曖昧な2人」、さらにハード&メランコリックな「僕のむこう」へ、ドラマチックなスポットライトを浴びて言葉の一つ一つに強い感情を込める。バラードでも喉は全開、端正な顔が崩れたって気にしない。いつだって愚直なほどまっすぐに歌うのがJunnaの流儀だ。
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その次の2曲連続、『マクロスΔ』セクションは凄かった。「Glow in the dark」はしっとりスローなピアノのイントロから、じわじわテンションを高め、中間部の超絶パワフルロングトーンで度肝を抜き、後半のハードロックセクションになだれ込む。シャウトしまくって床に倒れ込むJunnaを、猛烈ギターソロで容赦なく煽り立てるギタリスト。さらに「渋谷、まだまだいけるだろー!」と叫んで「いけないボーダーライン」に突入、全員ジャンプでフロアがぐらぐら揺れる。マイクを握って高々と手を上げる、その姿はまるで「民衆を導く自由の女神」。凄いパワーだ。
ヤバイくらい暑いね!のひとことから、すかさず「Vai!Ya!Vai!」へ突入するのはお約束のネタ。自らの口癖「ヤバイ」をきっかけに、9年前に作られたデビュー曲を懐かしく振り返りながら、「みんなが一緒に歌ってくれる曲になるとは思ってなかった」とJunna。時は移り、歌は残る。「この歌をもっと育てていきたい」という言葉が頼もしい。
Junna
次のセクションに向けた最初の言葉は「みんな最近怒ってますか?」。「怒りの感情はダメなものだと思っていたけれど、怒りは自分が前に進むためのパワーになる」と宣言して、怒涛の怒りソング「喝采」でライブはさらにヒートアップ。ネガティブな怒りをポジティブなパワーへ、Junnaの歌には毒を薬に変える力があるのかもしれない。再デビュー後の最新EP『ハローグッバイ』は、この「喝采」といい「ランデブー」といい、生きづらい人の世で生きることをテーマにした曲が多い気がする。1曲1曲にメッセージがある。生きるための手がかりがある。
ここまで来たらもう止まらない。「渋谷行けるか!」と叫びながら、「バンド行けるか!スタッフ行けるか!関係者行けるか!」と、全方向に煽り散らかして「無限大DRIVE」へ突入。ヘッドバンギングの嵐をフロアに巻き起こしたあと、頼れるメンバーを紹介する。ドラムス濵﨑大地、ベース森田晃平、キーボード&マニュピレート岡田基、バンドマスターのギター山本陽介。「そしてボーカルは?」「Junna!」というファンとのやりとりが熱い。Junnaはバンドだ。四つ打ちダンスロック「我は小説よりも奇なり」では、音を止めて強烈なハイトーンシャウトを決め、「風の音さえ聞こえない」では率先してヘドバンを煽る。熱狂は最高潮。残り1曲? 時間が速すぎる。
Junna
「再デビューして初めてのツアーで、初めての場所にもたくさん行かせていただきました。あなたたち一人一人のおかげで、今日も私は歌を歌うことができています」
「私は言葉で伝えることが苦手ですが、今日は歌いながら、しゃべるよりも歌であなたにいろんな気持ちを返せたんじゃないかと思います。あなたからもちゃんと伝わっています」
「新たなスタートラインに立ちましたが、過去を捨てようとは思っていません。今まで歩んできた道が今に繋がっていて、全部大事に抱えながら私はこれからも進んでいきたいなと思っています」
あらかじめ用意されたセリフではないからこそ、その場で一つ一つ紡ぎ出す言葉が素直に届く。ラストソング「GUM」を歌う声が少し震えているように聴こえる。テレビ朝日系金曜ナイトドラマ『余命3ヶ月のサレ夫』主題歌として作られた曲だが、最低な昨日なんて越えていけ、消えるまで味わおうこの命を、というリリックはJunnaの再デビューにふさわしい。パワフルなミドルロックバラードの曲調、感情のメーターを振り切る歌い方、この先のライブに欠かせない曲になる予感がする。
「まだ歌ってもいいですか?」
Junna
鳴りやまないJunnaコールに呼び戻されて、会場限定ビジュアルTシャツに着替えたJunnaが再登場。アンコール1曲目に「Here」を歌い、恒例のグッズ紹介を済ませてひとこと、「あなたは好きという気持を大事にしていますか?」。怒りも原動力になるけど、好きという気持も原動力になるんです。そう言って歌ったのはこの日初披露の新曲「恋は続く」だ。明るいメロディのミドルテンポ、笑顔と手拍子と手振りでフロアが一体化する、これまのJunnaにはあまりなかったポップな曲。リリースは今秋、楽しみに待とう。
さらにもう一つ、嬉しいお知らせ。11月2日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールで『Junna Birthday Live 2026〜恋は続く〜』の開催を発表すると、フロアは大歓声に包まれた。恋は続く、ライブは続く、歌は続く。ミラーボールの光を浴びながら最後の1曲「ハローグッバイ」を歌う、未来への喜びと覚悟と満足と決意が入り混じったような表情がいい。最後の最後、記念撮影をしながら客席に女の子ファンの一群をみつけて「キャワイイ~」とはしゃぐ姿がいい。Junnaのライブには女性ファンも多く、独特のあたたかいムードがある。未体験の方はライブで確かめよう。ハローとグッバイを積み重ねてJunnaは進む。再デビューのその先へ、Junnaの新しいノートの1ページ目は今開かれた。
取材・文=宮本英夫 撮影=大峡 典人
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