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井上芳雄、中川晃教、森崎ウィンとミュージカル界のライジングスターが勢揃い! 『芳雄のミュー Dream Fes.』レポート

2026.9.27
レポート
舞台

『芳雄のミュー Dream Fes.』

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WOWOW×井上芳雄によるミュージカル番組「生放送!井上芳雄ミュージカルアワー『芳雄のミュー』」がスタジオを飛び出して歌とトークを届けるスペシャルイベントの第3弾、『芳雄のミュー Dream Fes.』が2026年9月25日(金)、東京国際フォーラム ホールAで開催された。MCの井上が毎回、「フェスとは何か?」を楽しく模索しながら続けているというこのイベント。2025年度に上演されたミュージカルの中から、番組視聴者の投票によって選ばれた「My Favorite Best Mew Song 2025」ベスト10をカウントダウン形式で発表していくという趣向がとられた今回、果たして答えは見つかったのか⁉

ベスト10+ゲストがいま歌いたいミュージカルソングも!

開演前から自然と手拍子が沸き起こる中、シャンデリアが輝く舞台上にまず登場したのはもちろんこの人、井上芳雄。ジャズ風にアレンジされた番組テーマソングを大人の魅力たっぷりに歌い上げると、早速にも「願わくば今日、フェスってものが見つかればいいと思いますが、あまり期待してないのが正直なところ」などと軽妙なトークで盛り上げてからゲストを呼び込んでいく。「僕がいま注目するミュージカル界のライジングスター」として紹介され、トーク中に「ミュージカルベイビー」へと名称が変わったのは、中桐聖弥、丸山礼、山﨑玲奈、山田健登の4人。続いて呼び込まれた森崎ウィンは、「皆さんがベイビーなら僕はミュージカルミドルヒューマン」と独特の造語を披露して会場の笑いを誘う。

ミュージカルコンサートというと、歌い手が次々と登場して歌ってはハケていくイメージがあるが、6人は舞台中央にそのまま着席。投票結果が10位から順にスクリーンに映し出されると、1~2人がその場で立ち上がってほかのキャストの目の前で歌い出し、歌が終わるとその楽曲や作品について全員でトークするという、彼らのプロとしてのパフォーマンスはもちろん、一ミュージカルファンとしての姿も堪能できる演出だ。ちなみに、第10位の「Everybody Say Yeah」(『キンキーブーツ』)の楽曲披露が始まったのは開演30分後。いかにトークの充実したコンサートだったかがおわかりいただけるだろう。

中桐と丸山が観客も巻き込みながら同曲を歌い終えると、続く第9位は山﨑と山田による「シャイニングスター」(『リトルプリンス』)。いきなりノリノリのTHEブロードウェイソングから始まり、しっとりとした日本オリジナルミュージカルの名曲へと続くセットリストは、井上や森崎も言っていた通りランキング形式ならではだ。第8位と7位は『エリザベート』より、井上と丸山による「私が踊る時」と、森崎による「最後のダンス」。“本物”のトートである井上の直後にトートのソロに挑むことになった森崎は緊張を隠さなかったが、ブレスを駆使した独自の歌い方で、名曲の持つ無限の可能性を示して見せた。

第6位の「暗闇の中へ」(『ある男』)を井上と山田がドラマティックにデュエットしたあとは、しばしランキングを離れ、ゲストが“いま歌いたいミュージカルソング”を披露。丸山の「悪魔と踊らないで」(『レイディ・ベス』)と森崎の「コーナー・オブ・ザ・スカイ」(『ピピン』)はやはり、さすが持ち歌の完成度! 一方、『ニュージーズ』出演経験のある中桐が作品と楽曲への思いを込めて絶唱した「サンタフェ」、「シャイニングスター」での透き通った歌声からは打って変わった大人の魅力を発揮した山﨑の「ダンスはやめられない」(『モーツァルト!』)、山田が裏声と地声を繊細に使い分けながら夜神月になりきった山田の「デスノート」(『デスノート THE MUSICAL』)も聴き応え十分だ。

歌をきっかけにミュージカルが観たくなるステージ

“あの人”がいないまま休憩を迎え、明けると舞台には、先ほどまで6脚だった椅子が7脚並んでいた。6人が再び登場して“あの人”の噂話をしていると、『オペラ座の怪人』のファントムさながら、どこからともなく聞こえてくる“あの人”の声――。第二部は、客席から華やかに姿を現した“あの人”、中川晃教による「君の瞳に恋してる」(『ジャージー・ボーイズ』)からのスタートだ。旧知の仲で知られる井上と中川が息の合った掛け合いを始めると、森崎が「急に漫才始めるのやめてもらっていいですか」とツッコみ、お笑いを本業とする丸山すら「そのテンポには乗れないです!」と音を上げる(?)ひと幕も。

歌い終えた森崎の第一声が「楽しかった!」だった第5位の「The Power of Love」(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)、女性歌手にとってもキーが高い超難曲を中川がなんと原曲と同じキーで見事に歌い切って大喝采を浴びた第4位の「Defying Gravity」(『ウィキッド』)、井上と山﨑がスケールの大きなデュエットで会場を包んだ第2位の「不思議な絆」(『ゴースト&レディ』)と、劇団四季作品が多く並んだ第二部。今回を機に初めて作品を知ったキャストも多かったようで、山﨑は「知れて良かった!」と興奮気味に話し、丸山は「曲をきっかけにミュージカルが観たくなる意欲がかきたてられる、芳雄のミューは最高ですね」と絶賛。二人の言葉に共感した観客も多かったのではないだろうか。

そして第3位と第1位にはやはり、井上の持ち歌がランクイン! 「この星空」(『二都物語』)をセリフも再現しながら晴れやかに歌い上げたあと、歌唱前のトークで「役に入らないと歌えない。逆に、スイッチを入れればいつでもトートになれる」と語っていた「闇が広がる」では有言実行、愛と毒を併せ持つ司会者からミステリアスな死神へと一瞬で変身し、やはりそれまでの明るく元気な素のキャラクターを一瞬で封印した中桐ルドルフと共に、東京国際フォーラムに『エリザベート』の世界を出現させて見せた。

井上と中桐が見つめ合って歌い終え、熱いハグを交わしたあとは、なぜか森崎のボイパに合わせて中川が即興ラップを始めて全員がそれに乗っかる、という謎展開なども経ながらいよいよフィナーレへ。3時間に及んだ『芳雄のミュー Dream Fes.』は、「明日への階段」(『ルドルフ~ザ・ラスト・キス~』)の大合唱をもって希望に満ちた大団円を迎えた。さて、冒頭の問いへの井上の答えはというと――?「フェスは見つかったでしょうか。まだわかりません。まだわかりませんので、またやりたいと思います!」

取材・文=町田麻子


『芳雄のミュー Dream Fes.』の模様は、WOWOWにて11月14日(土)に放送・配信が予定されている。詳細は公式サイトにて。

放送情報

『芳雄のミュー Dream Fes.』
 
放送・配信日:2026/11/14(土)午後6:00 放送・配信
出演者:井上芳雄
ゲスト:森崎ウィン
    中桐聖弥・丸山礼・山﨑玲奈・山田健登
    中川晃教
音楽監督・演奏:大嵜慶子・大貫祐一郎 ※50音順
サイト:https://www.yoshio-mu-event.com/