青木陽菜「Zeppを燃やしに来ました」――歌い、踊り、声を重ねた『Blazing Pit』ライブレポート
Photo:Jun Tsuneda (C)BUSHIM
青木陽菜が2026年9月26日(土)、東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で青木陽菜 LIVE 2026「Blazing Pit」を開催した。7月に全国ツアー『衝動ROCK』を終え、ミニアルバム『BLAZE』をリリースした青木が、その楽曲を携えて臨んだ単独公演だ。ライブ初披露の3曲を含む全18曲を演奏。ギターを手に客席をあおり、バンドの音に歌声を重ね、観客の声に応えて踊る。青木自身の「楽しい」が客席へ広がり、その反応がまたステージを熱くする一夜となった。
■2026.09.26 青木陽菜 LIVE 2026「Blazing Pit」@Zepp DiverCity (TOKYO)
バンドの奏でる音に迎えられ、青木が静かに姿を現す。赤と青を重ねた衣装に編み上げのロングブーツ。その姿が、ステージの照明の中に鮮やかに浮かび上がった。控えめなビートにギターが重なり、「Ephemeral」のイントロへ。登場こそ穏やかだったが、待ち構えていた客席の熱は早くも十分だ。1曲目の興奮を引き継いで「ワールズエンドトリガー」へとなだれ込み、開幕から会場の温度を上げていく。
「Howling」は青木自身が作詞作曲を手がけたナンバーで、自身もギターを手に取り、歌と共にバンドの音にメロディ重ねて発信。3曲を終えると、青木は客席を見渡し、「いっぱい人がいる。嬉しい。後ろもいる。ありがとう」と喜びを言葉にする。初めて訪れた人も、いつも足を運ぶ人も楽しめるセットリストを用意したと話し、観客を迎え入れた。
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公演名は青木自身が命名。ミニアルバム『BLAZE』に、ライブハウスの“箱”をイメージした“Pit”を組み合わせたと説明する。その狙いは明快だった。
「今回、Zeppを燃やしに来ました。知ってる?炎ってね、赤い炎より青い炎の方が温度が高いんだよ」
自分自身のイメージカラーとも重なる青い炎となって、観客を焼いてしまうつもりだと意気込む青木。この日は、YOUSAY(Gt.)、藤本ひかり(Ba.)、矢尾拓也(Dr.)に、今回初参加のやまもとゆきこ(Key.)を迎えたHINAPIYOBANDが演奏を支える。青木はメンバーを紹介しながら、自分たちを“ゆるふわ系バンド”と称してみせるが、演奏となれば話は別だ。
「そんなゆるふわなんて甘ったるいこと言ってないで、バチバチにやりたいと思いますので、皆さんぜひついてきてください」
アルバムのリリースやツアーを経て、「成長した、パワーアップした姿を見せられれば」と話す青木。「恥ずかしながら」と口にしただけで、客席から期待の声が上がる。勿論そこから展開されるのは「恥ずかしながら踊らせていただきます」。曲名を言い終わる前から伝わる、待ってましたと言わんばかりの反応。ステージと客席の距離がぐっと縮まる。
続く「メグリメグル」では、青木の手に星形のタンバリン。「一緒に歌えますか。せーの」の呼びかけに客席から歌声が重なると、青木も「最高」と声を上げた。青木が投げかけた声を観客が歌で返し、その声に青木がまた応える。会場に生まれた一体感が、次の曲への期待を高めていく。
「ここからは新曲のお時間です」
青木は、自分も観客も「楽しい音楽、最高の音楽」を求めていると語る。そんな“わがまま”な双方に贈られたのが、ポップしなないでによる提供曲「wagamamania」。この日がライブ初披露で、音源も未配信の新曲だ。後のMCでは、ポップしなないでの楽曲が好きで、制作を依頼したと明かす。「すごい早口だったよね」と振り返るほど言葉の詰まったナンバーだが、客席は初披露の新曲にも身を任せていた。
そんなにぎやかな前半から空気を切り替えたのは、「最大幸福度」だった。鍵盤の音色を入り口に、ライブはじっくり歌を聴かせる時間へと進む。
「旅路」では、キーボードのやまもとが奏でる旋律に青木の透明感ある歌声がよく映える。先ほどまでにぎやかに応えていた客席も、ここでは静かに耳を傾けていた。青木の声が、会場の奥まで染み渡っていくようだった。
そして、自身で作詞作曲した「mirror」を初披露。演奏後のMCでは、「Howling」とは違う雰囲気で書いた曲だと説明。「最大幸福度」「旅路」「mirror」の流れも、手応えを感じた様子で振り返った。冒頭の勢いとはまた別の魅力が、この3曲には凝縮されていた。
今度は、やまもととの親しげなエピソードが飛び出す。青木によれば、2人はともに2000年生まれで、“チームミレニアムベイビー”。歌とピアノを合わせる箇所は、ベースの藤本から“ミレベパート”と呼ばれているそうだ。その愛称からも、バンドの仲のよさが伝わってくる。しかし、穏やかな時間はここまで。
「まだ燃え尽きてねえよな。まだまだ盛り上がっていけるよな。その気持ちを思いっきりぶつけてください」
客席の声が再び大きくなる。「ロック御中」を合図に、ライブは後半へと加速。
「ロック御中」で上げた勢いを「ODD」へつなぎ、ドラムのビートに導かれて「OVERLAP!!」が走り出す。疾走する演奏の最中、青木とギターのYOUSAYが視線を交わした。言葉を挟まず、音を鳴らしながら通じ合う一瞬。バンドとともにステージに立つ青木の姿が、鮮やかに残る。
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そこへ「wantの感情」が続くと、冒頭から客席の大きな「JOY!」が響き渡った。演奏に声がぶつかり、曲の勢いをさらに押し上げる。青木の歌を受け止めるだけでは満足できないような、力のこもったレスポンスだった。
「本当にみんなマジでいい顔してるよ。ありがとね」
青木も、その反応をしっかり受け取っていた。本編は残り2曲。曲を飛ばしてしまったのではと思うほど、あっという間だったと話す。次に披露する新曲のミュージックビデオは前日に公開されたばかりだが、予習の有無は気にしなくていい。
「身を任せてノリノリになっちゃえばいいです。飛びたきゃ飛べばいいし、叫びたきゃ叫べばいいし」
静かに聴いていても、天井や床を見ながらでもいい。そんな例まで挙げながら、青木は「音楽の楽しみ方は自由なんですよ」と伝える。そして、自分はどうするのか。
「私は好きに踊って暴れますよ」
「一緒に楽しもうね」と始まった「ROCK MUST GO ON UNTI HERO!」。青木が踊り、客席がコールを浴びせる。ステージ上の動きとフロアの声が重なり、初披露の曲が早くもライブの見せ場へと育っていく。観客に自由を差し出した本人が、誰よりもその時間を楽しんでいるように見えた。踊る姿を見ているだけで、こちらまで体を動かしたくなる。
「暴れろ!」
本編を締めくくる「マズルフラッシュ!」で、青木が叫ぶ。客席ではジャンプが起こり、積み重ねてきた熱が一気にはじけた。中盤には静かに歌を聴いていた会場が、今は跳ねる人々で揺れている。青木の声とバンドの演奏が、その勢いを最後まで引っ張り続けた。
本編が終わっても、「ひなぴよ」を呼ぶ声はやまない。アンコールに応え、ライブTシャツに着替えた青木が再登場。「天色」を届けた後も、まだ終わる気配はない。
「ちょっとまだまだ踊り足りないからさ」
観客を誘い、「カラフルエモーション」へ。あれだけ跳んで、声を出した後にも、まだ一緒に楽しみたい。その気持ちを隠さない青木とともに、もうひと踊りだ。
「アンコールありがとうございます。楽しすぎるわ。もうすごかったよ、みんな」
振り返るのは、初披露曲にも返ってきたコールの大きさ。「みんなめっちゃコール覚えてきてくれたんだ。ありがとう」と喜び、「今日が初披露でこれってことはもっとなんか化けそうですね」と期待を寄せた。この日の反応だけで満足するつもりはない。次に演奏するときには、もっと面白くなる。そんな手応えが言葉ににじんでいた。
ここからは、次の楽しみへつながる告知が続く。11月7日には、KT Zepp YokohamaでBLUE ENCOUNTとの『BLUE RIOT』を開催予定。「めっちゃめっちゃ好きなバンドだからさ。嬉しいんですよ」と、共演への思いをあふれさせる。
新たに発表したのは、12月23日発売の3rdシングル「STILL HUNGRY!!」と、リリースイベント『BLUE TRIP』。シングルには、この日初披露した「wagamamania」も収録される。
「みんなもまだお腹いっぱいじゃないですよね」
もっと楽しい音楽を届けたい。そんなハングリー精神を掲げた新作に加え、2027年1月10日にはKanadevia Hallで『青木陽菜 LIVE 2027 LAUNCH CHORD』を開催する。音楽で観客とつながり、ともに高みを目指したい思いを公演名に込めたと説明した。
一方で、「来てくれるか不安なのよ」と素直な気持ちものぞかせる。「とりあえずここにいる人たちはみんな来てください。本当に来てね」。さっきまで客席をあおっていた青木の、飾らない誘いだ。その後に続いた言葉には、ライブを作る側としての意志があった。
「私も楽しむし、みんなも楽しませようと思ってライブをしている」。そのために、「絶対後悔はさせないライブを作ろう」と、毎回メンバーと試行錯誤を重ねていると話した。
目を合わせ、拳を突き合わせる。青木は、音楽を通じて観客とつながる瞬間が楽しく、幸せなのだと話す。そして「これからもその当たり前をね、何回も何回も続けていきたいなと思っています」と願った。
「この先もついてきてくれますか?」
大きな声援が返る。最後の曲「あとがき」では、青木と観客がともに拳を上げ、歌声を重ねた。曲を聴き、声を返し、また同じ場所で会いたくなる。その繰り返しを、これからも。青木が語った“当たり前”を、会場の歌声が受け止めているようだった。
Photo:Jun Tsuneda (C)BUSHIM
全18曲を終え、最後は観客と記念撮影。メンバーと並んだ青木は「あのね、5人になったらね、センターが作れるようになったの。バランスいい」と話し、「恥ずかしながら真ん中に座らせていただきます」と中央へ。撮影では、1階フロアから2階席まで多くの観客が手を掲げ、ステージの5人とともにカメラに収まった。客席をあおり続けたライブの締めくくりに、バンドの和やかな一面ものぞかせた。
「Zeppを燃やしに来ました」と始まったライブは、次に会う約束を残して幕を閉じた。初披露の曲たちが、次のライブでどんなふうに化けるのか。この日の熱には、まだ続きがある。
取材・文:奥山貴嗣 撮影:Jun Tsuneda
セットリスト
■2026.09.26 青木陽菜 LIVE 2026「Blazing Pit」@Zepp DiverCity (TOKYO)
ライブ情報
青木陽菜× BLUE ENCOUNT SPECIAL LIVE「BLUE RIOT」
日程:2026年11月7日(土)
会場:KT Zepp Yokohama
ライブ情報
青木陽菜 LIVE 2027「LAUNCH CHORD」
日程:2027年1月10日(日)
会場:Kanadevia Hall
受付期間: 2026年9月26日(土)21:00~10月26日(月)23:59
受付URL:https://eplus.jp/aokihina-lc/
リリース情報
青木陽菜 3rd Single「STILL HUNGRY!!」
CD詳細:https://bm-echoes.com/works/aokihina_stillhungry/
青木陽菜公式X:https://x.com/aoki__hina
青木陽菜公式Instagram:https://www.instagram.com/aoki_hina_official/
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青木陽菜 Artist Official YouTube:https://www.youtube.com/@Aokihina-ArtistOfficial