「ライブハウス育ちの基本に回帰」スピッツ恒例『ロックロックこんにちは!Ver.28』2日目レポート――indigo la End、ズーカラデル、さとう。ら後進と与え合うエナジー満載の宴

レポート
音楽
18:00
『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』スピッツ 撮影=オフィシャル提供(撮影:河上良/小川星奈)

『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』スピッツ 撮影=オフィシャル提供(撮影:河上良/小川星奈)

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『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』2026.9.18(FRI)大阪・Zepp Namba(OSAKA)

スピッツによる恒例のライブイベント『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』が9月18日、大阪・Zepp Namba(OSAKA)で開催された。

1997年に産声をあげ、今年で28回目となる『ロックロックこんにちは!』は、9月17日・18日の2日間にわたって行われ、2日目である18日は、スピッツをはじめ、indigo la End、ズーカラデルのほか、さとう。が初登場を飾った。

スピッツのレギュラーイベントの中でも特にユニークな試みが詰まった『ロックロックこんにちは!』。前日に続いて、スクリーンへはFM802 DJ加藤真樹子と中島ヒロト、スピッツの4人というそうそうたる「探偵たち」が集結。そこへ「FM802探偵事務所スタジオ」からの中継がつながり、GOING UNDER GROUNDの松本素生(Vo.Gt)と助手の猫「にゃトソン」、前回から加わった『ロックロック』の新たな仲間、縁と縁を繋いで円にする「回遊魚人ツナイダー」が依頼を投げ掛けていく。Zepp Namba(OSAKA)探偵事務所の面々でゆる〜く解決するというお楽しみを挟み、『ロックロックこんにちは!Ver.28 ~にゃーロック!ホームズ~』の幕が開けた。

ズーカラデル

「めでてぇ夜。トップバッターとして一生懸命やりたいと思います!」と、吉田崇展(Gt.Vo)の朗らかな宣誓をもって、「アニー」で一番手を担ったのは、北海道出身のズーカラデル。『ロックロック』には3回目の登場と、どこかこの大舞台も板についてきた感のある彼ら。「ローリンローリン」では、すっかりZepp Namba(OSAKA)全体を一つにまとめ上げ、一段と推進力が増していることを見せつけていく。と、ここで鷲見こうた(Ba)が「個人的な話をしますよ」と、口火を切った。

バンドを始めた当初、黒いリッケンバッカーのベースを購入したという鷲見。黒色にした理由は「スピッツの大好きな曲のMVで田村(明浩/Ba)さんが使っていたのを見て、僕もまねしようと思ったんです」という。その思いの丈を、初めてスピッツと共演した2018年のイベントの打ち上げで話したところ、「本当ありがとう〜! あれね、レコーディングでは使ってないんだよね」と、田村からのリアクションが。

鷲見は、「今になって分かるんだけど、初めてのコミュニケーションなのに、気を使わせてしまった……スピッツに!」と赤面。「いい話だった、良かった(笑)」と吉田を筆頭に、山岸りょう(Dr)、そして会場もニッコリさせたところで、スピッツの「さわって・変わって」のカバーへとなだれ込む。骨太なギターの調べや朴訥とした吉田の歌唱が、楽曲にズーカラデルらしい手触りをプラスすると同時に、どこかスピッツとの共通点もうかがわせる。

バンドの優しい音像で空間の隅々まで満たされるハートウォームな「ノエル」に続いて、「大阪、素敵な街。俺らの地元のことも歌にしてみんなに聴いてもらいたいと思います」(吉田)と、「シーラカンス」へと突入! ステージ最前まで迫って楽しそうにグルーヴを乗りこなす鷲見、エナジーに満ち満ちた山岸のドラミングに、朗々とした吉田の歌声が溶け合う豊潤なサウンドメイクは、どこまでも上昇気流に乗って客席にキラキラした笑顔をもたらしていく。シメの「ムーンライトにお願い!」では、平成感のあるマジカルなメロディが弾け、新たな魅力も開花。持ち味をしっかりと刻みながら、その先にある進化も鮮やかに示したズーカラデルで、『ロックロック』開幕です!

転換トーク#1

「緊張して疲れて……楽しかったです!」(吉田)と、ホッとした様子のズーカラデルが駆けつけたトークパート。「バンドマンの知り合いを増やすには?」というindigo la Endからの依頼の体裁をとったお悩み相談に、草野マサムネ(Vo.Gt)が「ライブハウスの近くに家を借りて、終演後に共演者を誘ってみては?」と提案。実際にかつて終電を逃した草野が、バンド仲間の家へ遊びに行ったことで、﨑山龍男(Dr)と仲良くなったというエピソードを披露。対してindigo la Endの家なら、「高層(マンション)そう!」など、ワチャワチャと話が弾んだ。

indigo la End

川谷絵音(Vo.Gt)が片手を上げたことを合図に、「冬夜のマジック」を奏で始めるや、indigo la Endの時間がやってきた。<スピッツ スピッツ>なんてフレーズが軽やかに走ることに始まり、そもそもバンド名が7thアルバム『インディゴ地平線』に由来することなど、スピッツが自身の音楽性に多大な影響を与えたことを公言してはばからない川谷。お茶の間レベルまでその才能が浸透した今もなお、『ロックロック』への出演は感慨深いものがあるよう。

長田カーティス(Gt)のエモーショナルなギターも、音を重ねるごとにじわじわとギアを上げていく。後鳥亮介(Ba)がクラップをいざなう「名前は片想い」の持つ切ないポップネスと、真っすぐ飛び込んでくる川谷のボーカルに、まるで全てを暴かれる心地に。センチメンタルが加速する「夜汽車は走る」では、魅入られているかごとく舞台上へくぎ付けとなるオーディエンスが実に印象的だ。


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「(スピッツのメンバーは)すごく親しく話してくれるんですけど、僕がファンムーブしちゃうというか……自分から閉じちゃってるんですよ。もったいないことをしている(笑)。出演者だからリハーサルも観られるところを、あえて本番でだけ観るようにしたり。スピッツだけなんですよね、そうなるのは」(川谷、以下同)と、静かに、でも特大のスピッツ愛を語る。かと思えば、イベントの先陣を切ったズーカラデルへは、「調べたら、同い年でびっくりしました(笑)。さっき、すごく先輩みたいな感じで対応しちゃってすみませんでした」と会場を和ませつつ、「通り恋」へ。

佐藤栄太郎(Dr)のタイトなドラミングが冴えわたる中、光に埋め尽くされていくステージ。そこに浮かび上がる4人のシルエットは神々しさすら漂わせており、「実験前」では一層ソリッドな面を際立たせていく。セッション感たっぷりに音が絡み合う果てには、佐藤がベースを弾いたり、サポートのえつこ(Key.Cho)がドラムを叩くなど、カオス極まるパーティに! ラスト「夏夜のマジック」前には、「毎回、出られて一番うれしいイベントなので、また出演できるようがんばります。次はさとう。ですね。さとう。は年下でした(笑)」とバトンをつなぐ川谷。甘くメロウなサウンドスケープで終始フロアを翻弄したindigo la Endだった。

転換トーク#2

幕間には、「お客さんがすごく温かいですよね。ちょっとしたことでも笑ってくれるから(笑)」(川谷)と、『ロックロック』の笑い上戸っぷりに安心したというindigo la Endが参加。次に控えるさとう。からは「地域猫など、どうしたら動物と仲良くなれますか?」との依頼が届き、「ウチのムツゴロウさん!」と、三輪テツヤ(Gt)から指名を受けた﨑山がアドバイスを。地域猫を見つけたら、離れたところからしゃがみ、寄ってくるのを待つという実のある解決法を教えてくれた(来ない猫は「違う世界にいる」としてあきらめるそう)。

さとう。

2000年生まれの26歳、気鋭のシンガーソングライター・さとう。が3番手に登場! たった一人で現れた彼女は、アコギをかきむしり「マイク前」から絶唱。自らが歌う理由を自らに問うた強烈な自己紹介で、瞬く間にこの場の空気を手中に収めてしまう。間髪入れず、「僭越ながら一曲。私と同じ年に生まれたこの曲を」と続けては、自然とクラップが湧くスピッツの「8823」をカバー。凛として伸びやかなボーカルがZepp Namba(OSAKA)に羽ばたき、グッと握った拳を突き上げずにはいられない。

ところで『ロックロック』は、一日を振り返るエンドロールで締められるのがお約束。そのエンディング曲を2024年は「あの夜」、2025年は「朗朗」と、過去2年にわたって彩ったのが、さとう。だ。

「自分もいつかはエンディングを飛び出して、皆さまに直接この声を届けたいと思っていたんですが、こんなに早く自分の夢がかなうとは!」

彼女の熱に観客が万雷の拍手で応えるさまは、まさに『ロックロック』がつないできた縁と言えるだろう。ここからは出口博之(Ba/モノブライト)と渡辺拓郎(Dr)を迎えたバンド編成で、「夕陽になった人」へ。豪速球で心へ飛び込んでくる温かな言葉とアンサンブルが響かないわけがなく、しっとりした入りから天高く歌い上げる「逃避行ハイウェイ」では、彼女の繊細な表情が浮き彫りになる。

MCでは、今宵への感謝を改めて口にするとともに、2000年生まれには通じない(!?)某ワイドショーを元ネタにした『ロックロックこんにちは!』というイベントタイトルにも言及。

「とある人から、ロックは生きざまだと、そんな言葉をいただきました。ロックバンドだけじゃなく、そしてステージに立っている者だけでなく、きっとあなたの心にもロックはあって。その眠っているロックを呼び覚ますために歌を届けているんだ、それがこのイベントのタイトルである、と勝手に解釈しました」

素敵過ぎる考察に、由来を変えてもいいのでは……と感じながら、「どうか皆さんが一歩踏み出す時に、そのそばに音楽が、ロックがあればいいなと。祈りを込めて」と言葉を重ね、「楽屋」を鮮烈にかき鳴らす! 感情の高ぶりを隠さない、がなるような声に共鳴せずにはいられない。最後は志半ばで旅立って行ったミュージシャンへの切々たる思いを綴った「ステージ」をぶっ放し、見事トリ前という大役を完遂したさとう。の姿に、感嘆の声が上がったのは言うまでもない。

転換トーク#3

「いつかは!と思っていた舞台に上がれ、感謝の思いが止まらない状態でした……」と、興奮冷めやらぬさとう。を前に「お客さんにも伝わりましたよ!」と中島も称賛! また、これまで中継状態だった松本と「回遊魚人ツナイダー」が合流。田村明浩(Ba)からの「作曲者からのデモテープに必ずギターソロが入っています。どう思いますか?」という依頼に、松本は「ミュージシャンの僕の見解としては、作曲者=マサムネさんは気持ち良くなってるんじゃないかな?」と予想。加藤・さとう。ともに「素敵だと思います!」と半ば強引にまとめ上げ(笑)、トークの盛り上がりも最高潮となった。

スピッツ

2日間にわたり開催された『ロックロック』もいよいよ大詰め! 場内の期待感がピークに達した瞬間、スピッツが音を鳴らし始める。草野が、ド頭<大阪の日の出 すごいキレイだなあ>と歌い変え、歓声が上がった「けもの道」から、客席との一体感はすさまじいほど。イントロから心が騒ぐ「涙がキラリ☆」では、1995年のリリースから30年以上経っても変わらぬみずみずしさに驚かされるばかり。熱量を宿した﨑山のドラミングに心地良く揺らされたかと思えば、いきなりのASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」のカバーを放出! 先立って行われた『有明サンセット 2026』でも話題となったシーンが、ここ大阪でも再演されるとは。それにしても、このメンバーで鳴らしたなら、どんな曲でもスピッツのカラーになるのだから無敵だ。


MCではまずお約束、草野からの「ロックロック?」とのコールに、「こんにちは!」とレスポンスを交わすZepp Namba(OSAKA)。草野は、昨日に続いて強力なメンツとなったこれまでの3組に思いを寄せる。同じ事務所のズーカラデルについて「スピッツに似てる曲もあるんだ?と思ったら「さわって・変わって」のカバーだった(笑)。結構ズーカラデルの曲っぽいので、託してもいいかな」と、後継に指名!?する一幕も。スピッツへの愛を隠さないindigo la Endには「不思議とね、あまり音楽的には近くなく感じて、俺には絶対作れない曲を聴かせてくれる分、身を委ねられる。素晴らしい歌声と演奏をありがとう」と、絶賛。ニューカマー・さとう。のギター弾き語りにも圧倒され、「すごかったね! 先生として教えてほしい。今後ね、また営業で全国を回ることもあるかもしれないし(笑)。本当に素晴らしかったです」と、3組それぞれにリスペクトを送っていた。

再開ののろしを上げたのは最新曲「見知らぬ糸」。三輪の重厚かつニュアンス豊かなギターの調べに酔いながら、多くの人々がシンガロングする様子がうかがえ、新曲ごとに新たなアンセムが誕生し続けていることを実感。「ありがとさん」では田村のうねるベースと、クジヒロコ(Key)の凛とした音色が感傷を際立たせていき、そこから「プール」へと続く流れが何とも美しい。

「(「プール」では)歌詞が飛んでしまいました。ただね、これだけ長くやっているスピッツのボーカルも歌詞が飛ぶんだなって、後輩にも勇気を与えられたかなと(笑)。『ロックロック』は28回目、30周年。最初は内輪ノリで始めたところ、こんなに長く続けられるとは。でも毎年楽しみにしているイベントなので、まだまだ続けられたらな」(草野)

うれしい宣言に温かな拍手が湧く中、11月25日(水)リリースのニューアルバム『kettle』から「灯を護る」をプレイ。多幸感が充満したフロアへ、躍動感たっぷりに「メモリーズ・カスタム」を叩きつける! 高密度のクラップが並走し、「ワタリ」で本編は終了。すぐさま起こる歓声を受けて、アンコールを担ったのは1996年に発表した「虹を越えて」だ。この夏のライブから約23年ぶりにセットリストに加わったというレア曲にふつふつとした高揚感が広がっていく。さらに「空も飛べるはず」「ロビンソン」という名曲を「試食程度に」(草野)とオマケし、「どんどどん」でフィナーレへ! 扉を開け放つような爽快感いっぱいに、スピッツが『ロックロックこんにちは!Ver.28』の終幕を飾った。

クロージングパートでは、パフォーマンス直後のスピッツがお目見え。この2日間への言葉を求められた草野は、「Zeppでやるのも最近は少なくなってきていたなと。ライブハウス育ちなので、自分たちの基本を思い出させてもらいましたね」と、改めて親密な距離での空気を大切にしていることを教えてくれた。全員で大きくタイトルコールし、大団円となった『ロックロックこんにちは!Ver.28』。また来年、この場所で会えることを楽しみに、しばし今日の余韻に浸っていたい。

取材・文=後藤愛 撮影=オフィシャル提供(撮影:河上良/小川星奈)

イベント情報

『ロックロックこんにちは!Ver.28 〜にゃーロック!ホームズ〜』
日時:2026年9月17日(木)・18日(金)開場 17:00 / 開演 17:45
会場:大阪・
Zepp Namba
出演(五十音順): 
【9/17】 Gateballers / ストレイテナー / スピッツ / Bray me
【9/18】 indigo la End / さとう。 / ズーカラデル / スピッツ
ナビゲーター(両日):FM802 DJ 加藤真樹子 / FM802 DJ 中島ヒロト / 回遊魚人ツナイダー

オフィシャルサイト:https://rrkonnichiwa.com/

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「謎」に答えてくれた回答者の中から、当日の幕間演出で使用した探偵帽を
スピッツと出演アーティストいずれか1組のサイン入りでプレゼント(抽選)!

今回依頼があったのは・・・回遊魚人ツナイダーにまつわる「謎」です!
ツナイダーは「良縁を繋ぐべくご◯とご◯を繋いで、まぁるい円にして幸せを導く」らしいのですが、
この解説にある「◯」に入る文字はなんでしょう?
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<当選人数>3名様(DAY1で3名、DAY2で3名)
 
<応募方法>下記の応募フォームページから、必要事項を記入してお送り下さい。
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<応募期間>2026年10月26日(月)23時59分まで
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