黒柳徹子のライフワーク公演『ハロルドとモード』開幕 7代目ハロルド・岩崎大昇を「歌がうまいし、ハンサムだし、言うことない」

ニュース
舞台
16:41
ハロルドとモード『HAROLD AND MAUDE』

ハロルドとモード『HAROLD AND MAUDE』

画像を全て表示(2件)


舞台『ハロルドとモード』が、2026年9月29日(火)EX THEATER ROPPONGIにて開幕した。初日に先駆け行われたゲネプロならびに囲み取材のオフィシャルレポートが到着した。


2020年の初演以来、黒柳徹子のワイフワークとして上演を重ねてきた『ハロルドとモード』が今年も帰ってきた。7年目を迎える今回は、ハロルド役にKEY TO LITの岩崎大昇を迎え、9月29日(火)より東京・EX THEATER ROPPONGIにて開幕。初日に先駆け、ゲネプロと囲み取材が報道陣に公開された。

1971年にアメリカで公開された同名映画を原作とする本作は、“死”に執着する19歳の青年・ハロルドと、何ものにも縛られず“生”を謳歌する79歳の女性・モードという、対照的なふたりの出会いから始まる。赤の他人の葬式に参列するという風変わりな趣味を通じて距離を縮めていくなかで、ハロルドはモードの自由な生き方に触れ、少しずつ人生の喜びにも目覚めていく。世代も価値観も大きく異なるふたりの交流を通して、“生きること”の愛おしさをユーモアたっぷりに描き出す物語だ。

美しいピアノの生演奏とともにどん長が上がると、ステージ上には一列に並んだ机が。中央には黒柳と岩崎が座り、その両脇を武田玲奈、笠原秀幸、田中要次、井川遥が固める。4人が衣装を変えながら次々と役柄を演じ分け、会話と音楽を中心に物語が軽やかに展開されていく。

黒柳は役を心から楽しんでいる様子で、いたずらっぽい笑顔やチャーミングな仕草を次々と繰り出し、自由奔放で好奇心旺盛なモードを生き生きと表現。年齢にとらわれることなく、未知のものに心を躍らせ、人生を楽しみ尽くす…そんなモードの姿を通して、いくつになっても新しい一歩を踏み出すことが、人生を豊かにしてくれるのだと優しく伝えてくれる。

7代目ハロルドを務める岩崎は、フレッシュさを豊富な舞台経験で培った確かな表現力を存分に発揮。モードの奔放な言動を最初は軽く受け流していたハロルドが、いつか彼女に心を開き、惹かれていく心情の変化を、繊細な表情で紡いでいく。ギターの弾き語りでは、伸びやかな歌声を会場に響かせる。その歌唱はモードへの思いがあふれ出すようで、ふたりの物語をよりエモーショナルに彩った。

ハロルドとモード『HAROLD AND MAUDE』

ハロルドとモード『HAROLD AND MAUDE』

ゲネプロ後の囲み取材には、黒柳と岩崎が出席。まずはふたりとも「とても楽しいです」と口を揃え、作品への愛情と充実感をにじませる。岩崎について、黒柳は「歌がうまいし、ハンサムだし、言うことないですね」と絶賛。喜びながらも「言うことはあったほうが嬉しいかもしれないです」と遠慮がちに打ち明ける岩崎に、黒柳が「例えばどんなこと?」と尋ねると、「単純なんで、褒められたら嬉しいです」と回答した。「だって今、褒めたじゃない」と黒柳が笑えば、岩崎も「確かに! 欲張りすぎちゃったかもしれないです(笑)」と照れ笑い。絶妙な掛け合いに、会場からも笑いが起こった。

一方、岩崎は黒柳の“引っ張る力”について言及。「稽古の時から、徹子さんが引っ張ってくださって。“引導力”がすごいんですよ! そこに僕は身を委ねさせていただきました。そうしていく中で、自然とハロルドとしていろいろな感情が生まれていったと感じています」と振り返る。そんな岩崎を隣で見つめていた黒柳は、報道陣に向かって「(コメントが)上手でしょ」とにっこり。岩崎が慌てて「本当です、本当に思ってます!」とアピールし、再び笑いを誘った。

2020年の初演以来、歴代の俳優たちがつないできたハロルド役。その7代目を務めることについて、岩崎は「すごく光栄なことですし、確かにプレッシャーはあったかもしれません。でも、稽古に入って台本を読み合わせていくうちに、プレッシャーよりも楽しみのほうがどんどん強くなっていきました」と頼もしく語る。

さらに、“先輩ハロルド”から心強いアドバイスもあったという。2024年にハロルドを演じた事務所の先輩・松島聡と会った際、「『とても温かいカンパニーだから、みんなに身を委ねたら大丈夫だよ』と優しく言ってくださいました」と岩崎。先輩から受け取った言葉も胸に、今回のハロルド役に臨んでいるようだ。

黒柳の相手役を務め、さらにKEY TO LITとしてCDデビューを予定している岩崎。「24歳の年は、思い出に残る年になりました」と感慨深げに語ると、話題はKEY TO LITへ。黒柳は岩崎について、「“キテレツ”って言う割には、そんなに変にキテレツではなかった。ちゃんとしてた」と評し、岩崎も「良かったです(笑)」と安堵の表情を浮かべた。

また、KEY TO LITのメンバー・井上瑞稀が初演を観劇していたことに触れ、岩崎は「自分では言いたくないんですけど、瑞稀から『ひねくれているところがハロルドと似ている』と言われました(笑)」と明かすひと幕も。

黒柳との共演に対するメンバーの反応を尋ねられると、岩崎は「羨ましさを超えて、畏れおののいてましたね」と回顧。「みんな、『すごいけど、大丈夫?』みたいな。普段の僕を見ているメンバーからすると、うっかり失礼をしないかと不安だったのか…期待も驚きもしてくれたのと同時に、少しの心配も垣間見えるような、そんな反応でした」と報道陣を笑わせる。軽妙なトークで要所要所に笑いを生む岩崎を、黒柳は感心したように見つめながら、再び「上手」と褒めていた。

正反対の価値観を持つハロルドとモードの交流を通して、“生きること”を見つめ直す本作。岩崎は「すごく素敵な、繊細で、そしてピュアで、なおかつ強い作品です。どこか心が洗われるような、家に帰ったら優しい気持ちになれる、そんな作品だと思っています」と魅力を語り、「気を張らずにふらっと来るような感覚で、劇場にお越しいただけたら嬉しいです!」と呼びかけた。

すると黒柳は「全部おっしゃってくださいました。その通りでございます」と微笑み、「本当に気持ちがいい芝居ですので、ぜひいらしてください。お待ちしています」とメッセージ。最後まで息の合ったふたりらしいやり取りで、囲み取材を締め括った。

文=豊泉彩乃 撮影=濱谷幸江

公演情報

ハロルドとモード『HAROLD AND MAUDE』
 
作:コリン・ヒギンズ
上演台本・演出:G2
音楽・演奏:荻野清子
演出補:平田純哉
出演:黒柳徹子 岩崎大昇(KEY TO LIT) 武田玲奈 笠原秀幸 田中要次 井川遥
企画・製作:テレビ朝日/サンライズプロモーション
 
<東京公演>
公演期間:2026年9月29日(火)~10月8日(木)
会場:EX THEATER ROPPONGI
主催:テレビ朝日/サンライズプロモーション
料金:S席¥10,800 A席¥9,000(全席指定・税込)
 
<大阪公演>
公演期間:2026年10月15日(木)~18日(日)
会場:森ノ宮ピロティホール
主催:サンライズプロモーション大阪
料金:¥10,800(全席指定・税込)
 
公式サイト:https://haroldandmaude.jp/
公式X:https://x.com/HAROLD_MAUDE_jp
 
<ストーリー>
自らの死を演出することでしか存在を証明できなかった19歳の青年・ハロルド(岩崎大昇)。
ある日、“赤の他人の葬式への参列”という趣味を通じて、破天荒でキュートな79歳の女性・モード(黒柳徹子)と出会う。初めて“心から一緒にいたい”と思える人と出会ったハロルドは、少しずつ“生”の意味を見つけ
ていく。そんな中、彼はモードの80歳の誕生日パーティーを計画するが―
シェア / 保存先を選択