「あなたの居場所はここにあります!」夕方と猫、仲間と作り上げた『夕猫文化祭』から初の全国ツアー、過去最大ワンマンへ
『夕猫文化祭』夕方と猫 撮影=美海
『夕猫文化祭』2026.9.23(WED)大阪・関大前 TH-R HALL
2021年3月に結成され、大阪を拠点に活動している“日常アウトサイダーポップバンド”、夕方と猫。日常に潜む苦悩や葛藤を独自の視点で描いた歌詞と、秋宗亮太朗(Vo.G)、おぎそまひろ(Ba)、やぎ(Dr)の個性を融合させたエモーショナルかつエッジの効いたサウンドで注目を集めている彼らが9月23日(水・祝)に関大前 TH-R HALLで自主企画「夕猫文化祭」を開催した。
“文化祭”をテーマにしたこのイベント。「文化祭にはいい思い出がなかったんですけど、バンド活動を通して、自分の好きな人たちや同じ思いを持つ人たちとだったらたくさんの人が集まれる場所を作れるということを証明したい、いい思い出にしたいと思って文化祭という要素を取り入れました」(秋宗/以下同)と教えてくれたように、出演バンドのライブだけでなく、会場内にはサイン入りTシャツやメンバー描きおろしのステッカーなどが当たる射的やメダル落としといった出し物をはじめ、この日は特別にカレーやフランクフルトも販売。また、「約1か月前からメンバーと作り始めて準備してきました」と、ライブハウスの入口に飾られた「夕猫文化祭」の看板やステージ上のバックドロップなどもメンバー自ら手作りしたという。
そんな普段のライブとはまた違ったワクワク感に満ちたイベントには、都内を拠点に活動する4ピースノンジャンル系ロックバンドのパキルカ、2024年に本格始動した3ピースロックバンドのライティライト、大阪を拠点に活動する3ピース現代病焦燥バンドのmuk、大阪発3ピースロックバンド・スパノヴァ特急、京都発のオルタナティブ・ポップロックバンドのViewtradeという個性豊かなバンドが夕猫文化祭の名のもとに集結。MC時に「俺らの仲間、ばりカッコよくない?」と笑顔で誇るなど、各バンドがそれぞれの魅力を発揮したライブを行った。
その盛り上がりを引き継ぎ、トリを飾ったのはこの日2回目のステージとなった夕方と猫。サポートメンバーに初代ギタリストを迎え、初期曲やカバー曲を披露した1ステージ目の“原点回帰ステージ”とは対照的に、2ステージ目の“本編”は10月7日リリースのEP「有頂天ダイブ」を中心に選曲。現在のサポートギターがステージに上がるなど、今の夕猫が詰まったライブで魅せる。
「始めようかー!」と勢いよく告げ、1曲目からキラーチューン「パンピー速報」を熱量高く放つと、リミッターを外すことを促すような「バカになっちゃいな」、1度聴いたら耳から離れないダンサブルな「気になっちゃう」でフロアの熱気を高めていく。さらに、「楽しいと思えることに突き進むこと、それがいかに素晴らしいことなのかを今日伝えられたらなと思ってこの夕猫文化祭をやっています。あなたの日々が退屈な日々なのであれば、どうか1歩踏み出して、大好きなものを手に掴んで欲しいという思いを込めて最新曲をやりたいと思います」と曲に込めた思いを伝え披露した「月火水木金」、キャッチーな「ティーチミー」、疾走感ある「革命ランデブー」と中毒性の高いナンバーを畳みかけ、観客をグイグイと引き込む。秋宗の衝動溢れる情感豊かな歌声、キャッチーなリズムに合わせ、高く手を掲げたり、手拍子が起こる中、おぎそまひろはしっかりと低音を響かせながらステージ上でアグレッシブに動き回り、やぎも笑顔を見せながらパワフルなドラムを叩くなど、メンバーも楽しそうだ。
そんなライブはあっという間に終盤に突入。「あなたと見たい景色があります!」と最新EP「有頂天ダイブ」のリード曲「摩天楼」を力強く届け、「辛くなったらいつだって俺たちが代弁してやるし、叫びたくなったらいつだって俺たちの音楽で叫びに来てください! あなたの居場所はここにあります!」と思いの丈を叫び、代表曲「日常侵略」で本編を締めくくった。だが、楽しい時間はまだ終わらない。アンコールの代わりに“やぎ”コールが響く中、再度登場。「『夕猫文化祭』、来年もやることが決まっています。9月5日です! 2つステージを用意してやるのでよろしくお願いします」という嬉しい告知を経て、様々な苦悩や葛藤を吹き飛ばすようなこの日一番ポップで明るい「ランナウェイ!!」でフィニッシュ! ライブ後は全バンドがステージに上がっての記念撮影で「夕猫文化祭」は幕を閉じた。
無事に自主企画を終えた彼ら。今度は「10月からまた新たな試みが始まります。夕方と猫史上初の全国ツアーを開催します!」とMCで告知していた通り、初の全国ツアー『摩天楼ツアー』に挑戦する。どんなツアーになるのか終演後、秋宗に話を聞くと、「今日演奏した「摩天楼」が今回のツアーのタイトルにもなっているんですけど、大人になった今だからこそ、現実を知って諦めた小さい頃の夢を思い出して改めて追いかけるというか、本来の自分を取り戻すというような思いを伝えられるツアーにしたいと思っています」とのこと。
そのツアーの一環として、11月18日(水)に梅田Shangri-Laで行われる史上最大規模のワンマンライブについては、「人生を賭けてというか、一秒一秒を大切にして全力を注ぐしかないと思っています。僕らにとっては過去最大でめちゃめちゃ大きな挑戦ですけど、ひねくれたポップロックバンドシーンの仲間たちに、僕らがやっているような音楽で戦っていけるんだ、居場所があるんだって思ってもらえるように大成功したいし、僕らのキャリアとしても前に進みたい、駆け上がっていきたいという思いでやっています。楽しくて、人生最高の日になるように全力を注いで準備しているので、ぜひ来てください!」と熱く意気込みを語ってくれた。
文学性と情緒を併せ持つ夕方と猫ならではの独自の世界観にどっぷり浸るもよし、自由にそのサウンドを楽しむもよし。この機会にぜひワンマンライブにも足を運んでみて欲しい。
取材・文=金子裕希 撮影=美海
リリース情報
EP「有頂天ダイブ」
2026年10月7日(水)リリース
価格:¥1,650(税込)
配信リンク:orcd.co/yuugatatoneko
【収録曲】
1.パンピー速報
2.気になっちゃう
3.月火水木金
4.摩天楼
5.ジコチューロック
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ツアー情報
10月14日(水)高松 TOONICE
11月4日(水)福岡 Queblick
11月10日(火)名古屋 HeartLand
ツアーファイナルシリーズ『摩天楼へようこそ』
11月18日(水)大阪 梅田シャングリラ
12月4日(金)東京 下北沢シャングリラ