「また絶対にやろうな!」ザ・クロマニヨンズ 対 ZAZEN BOYS、福岡で実現した初ツーマンは「Mad Fight!」な一夜に
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『NEOLAND case.6「MAD FIGHT」ザ・クロマニヨンズ 対 ZAZEN BOYS』:2026.9.30(WED)福岡・Zepp Fukuoka
本物の音楽体験を通じて、音楽という文化や音楽に関わるすべての人を未来へとフックアップすることを目指す福岡の音楽イベント『NEOLAND』。2026年9月30日(水)にZepp Fukuokaで行われた『NEOLAND CASE.6』ではザ・クロマニヨンズとZAZEN BOYSの初の2マンが実現! 「Mad Fight!」と銘打たれた一夜限りの異種ロックンロールショーが開催された。
ZAZEN BOYS
先攻を務めたのは、ZAZEN BOYSだ。大歓声のなか、吉兼聡(Gt)、松下敦(Dr)、MIYA(Ba)、そして缶ビールを片手にウキウキしたような表情を浮かべながら向井秀徳(Vo.Gt.Key)が登場。一口、二口とビールを飲み、「繰り返される諸行は無常。それでもやっぱりよみがえる性的衝動。マツリスタジオからやってきました、ZAZEN BOYS」(向井/以下同)とお馴染みの口上から始まったのは「SI・GE・KI」。向井の念仏を唱えるような独特な歌い方と、タイトかつダイナミックにフレーズを刻む楽器隊の浮遊感もあるサウンドで早くも会場をユラユラと揺らしトランス状態にすると、「HIMITSU GIRL'S TOP SECRET」では息を飲むブレイクの応酬で観客を圧倒していく。
ブレイク時に向井がギターの音を少し鳴らしてしまい、思わずビールを一口飲んで仕切り直す場面もあったがそれもご愛嬌。緊迫感を漂わせながらビタビタに音を合わせる様を見ていれば、むしろ良いものを見られたと思えるほどだ。MCでは「私、This is 向井秀徳は思いがけず大変興奮しております。ザ・クロマニヨンズの皆さんと福岡で対バンができるというこの事実におののいております」と言っていたが、“Mad Fight”よろしく真っ向勝負を挑むようにZAZEN BOYSの音楽をこれでもかと突きつける。
向井がシンセに持ち替え、チャルメラのメロディを弾くなど遊び心も満載だった中盤の「COLD BEAT」からは序盤のバンドサウンドとはまた違ったサウンドを披露。そのなかで、「Kimonosというバンドの「Yureru」という曲があるんですけど」と向井がシンガーソングライターのLEO今井と結成したユニット曲を「ボーカルにエロティックリバーブをかけておいてください」と甘く歌い、ファンをおおいに沸かせる。
また、「I Don’t Wanna Be With You」からシームレスに入った「The City Dreaming」ではアカペラで「Oh My City!」のコール&レスポンスを行うなど、自由自在の展開で観客を引き込んでいた。バンドの振り幅をしっかり見せるように、終盤は再び向井がギターを持ち、「乱土」から「胸焼けうどんの作り方」へ。“ブラックモンブラン”、“リョユーパンのマンハッタン”、“牧のうどん”と福岡県民にお馴染みのご当地グルメで熱々の胸やけうどんを提供し、ZAZENワールド全開のライブは終了! 大きな拍手と歓声を受けながら、「次はザ・クロマニヨンズの登場だ!」とバトンを渡し、先攻のステージを終えた。
ザ・クロマニヨンズ
ZAZEN BOYSの余韻も残るなかで迎えた後攻のザ・クロマニヨンズ。大歓声に迎えられ、桐田勝治(Dr)、小林勝(Ba)、真島昌利(Gt)に続き小走りで甲本ヒロト(Vo)がステージへ。「オーライ ロックンロール!」(ヒロト/以下同)の雄叫びから、観客のエンジンに火を点ける骨太な「キャブレターにひとしずく」で熱狂のライブが幕を開けた。
オイコールが起きるなど、双方アクセル全開で1曲目とは思えないほどの盛り上がりを見せていたが、立て続けに「グルグル」、大合唱が起きた定番の「タリホー」が放たれたことでフロアは大きくうねり、マーシーも吠えるほどのエネルギーのぶつかり合いに発展していく。「よく来てくれた!ありがとう!ZAZEN BOYSめちゃくちゃありがとう!楽しかった!今日は特別です!思う存分、楽しんで行ってください」とZAZEN BOYSや平日の夜に集まった観客への感謝を言葉だけでなく楽曲でも表現するように、続く「イノチノマーチ」、「生きる」ではさらに生命エネルギーを爆発させ、会場の熱気をより一層高めていく。
その興奮ぶりにあてられ、「今年も残すところあとわずか。仕事なんかどうでもいいから楽しくやろう!この水色のギターが出たらこの曲をやります!」と始まったコーラスワークも印象的な「グリセリン・クイーン」を経て、ついにヒロトがTシャツを脱ぎ捨て上半身裸に! これには待っていました!と言わんばかりの大歓声が起きる。
これを合図に――ではないが、ここからギアがさらに上がり、ヒロトのブルースハープとマーシーのギターのユニゾンが最高な「底なしブルー」、曲名とは裏腹に背中を押してくれる「どん底」と彼らが届けるロックンロールを全力で楽しむ観客たち。そんな客席に向けてヒロトも満足そうに親指を立てていた。この熱狂ぶりを受けてMCでも「福岡、いつ来ても元気だ。ずっと元気でいてくれよな!」と笑顔で話していたが、彼らにその言葉をそっくりそのまま返したいと思ったほど。
ロックンロールの衝動に満ちたエネルギッシュかつパワフルなライブパフォーマンスはこの日も変わらず、「よくコンサートとかで“ここからは後半の盛り上げ”みたいなところがあるよね。それやります!ぶっとばして行きます!」と後半に入っても加速していくばかり。「エイトビート」「あいのロックンロール」とキラーチューンを怒涛の勢いで鳴らし、人間&オイコールも起こったラストの「クロマニヨン・ストンプ」まで熱量を落とすことなく最高潮を更新し続け、「ギリギリガガンガン」の歌詞のとおり会場全体を最高の気分にさせてくれたのだった。
大歓声のなか、「ありがとう! また絶対にやろうな! ロックンロール!」(ヒロト)、「ZAZEN BOYSありがとう。またね」(マーシー)と幕を下ろした「Mad Fight」。それぞれの魅力が存分に発揮された極上の異種ロックンロールショーを体感できた観客は、幸せを噛みしめながら帰路についたに違いない。
取材・文=金子裕希 写真=NEOLAND 提供(撮影:柴田恵理)