常識にとらわれないフェスの景色を描くーー開催目前!神戸『MASHUP FESTIVAL kobe’26』主催者インタビュー・爆発メルヘンシティ編

インタビュー
音楽
2026.10.18
昨年の『MASHUP FESTIVAL』の様子

昨年の『MASHUP FESTIVAL』の様子

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いよいよ今週末、2026年10月24日(土)に開催が迫った『MASHUP FESTIVAL kobe’26』。TOTTEI PARKを中心とした神戸ベイエリアの複数会場を舞台に、兵庫県内で独自のカルチャーを育んできた7つのフェスが集結する。「神戸ベイエリアをめぐる、7つのフェスの大文化祭」をテーマに、音楽ライブをはじめ、グルメやショッピング、アート、スポーツなど、多彩なコンテンツが街を彩る。

そんな『MASHUP』を手がけるオーガナイザーたちは、どんな思いでイベントをつくり、何を届けようとしているのか。『MASHUP』公式サイトで公開中の主催者インタビューを、SPICEでは未公開トークも交えたディレクターズカット版としてお届けする。今回は、ネオンやレーザー、時には重機まで駆使して驚きに満ちた空間を生み出す「爆発メルヘンシティ」の川村真純氏が登場。同じく『MASHUP』の主催者のひとりである大原智氏(一般社団法人GREENJAM代表)が聞き手となり、アクセサリー作家から全国を飛び回る演出家へと活動の幅を広げてきた彼女の歩みや、人を喜ばせることに全力を注ぐ原動力、そして今年の『MASHUP』で描こうとしている景色に迫った。

面白そうなことを追いかけていたら、いつの間にか演出する側に

ーーまずは自己紹介からお願いします。

爆発メルヘンCityエリアを担当します、川村真純です。イベントの企画制作のお手伝いや、映像、ピカピカ照明系の活動を行っています。

ーー出会った頃はアクセサリー屋さんでしたよね。いつの間にか全国各地でイベントを演出する人になっていましたが、どういう経緯だったんでしょう?

なんか、行き着いた先なんですよね(笑)。アクセサリーは今もお誘いいただいたら作っているんですけど、当時は自分で作ったものを販売して、『ITAMI GREENJAM』さんにも出店させてもらっていて。もともとライブも好きだったので、自分たちでもイベントをやろうぜってなって。目の前にある面白そうなことに携わっていたら、気づけば今に至るという感じです。

ーー最初にイベントをつくる側に回ったのは?

不特定多数の人が来るイベントだと『宝塚音楽回廊』ですね。でも、もっと前から地元の淡路島で『大人の自然学校』というイベントをやっていたんです。20代半ばぐらいに小学校からの同級生と始めたもので、友達が友達を連れてきて、最終的には40人ぐらい集まっていました。

ーー『大人の自然学校』って、具体的に何をするんですか?

淡路島の小学生が自然学校で利用する施設に、みんなで1泊2日で泊まるんです。ちゃんとチーム分けして、50メートル走や反復横跳びをして、赤白帽をかぶって朝の集いにも参加して(笑)。年に1回、同窓会みたいな感覚で9年間続けていました。

ーー昔から人を集めたり、何かを企画したりするのが好きだったんですね。

そうですね。人生でめっちゃ幹事をやってきたと思います(笑)。

ーーイベントをつくる人って、旅行でもパックツアーを選ばず、自分で全部計画したがる人が多い気がするんですけど。

やばい、私も選ばないです(笑)。海外に行く時も全部バラバラに手配して、トランジットでうまく1泊できるように、わざと時間を空けたりします。せっかくなら、その国もちょっと楽しみたいじゃないですか。

ーー頭の中に旅のしおりができているタイプですね(笑)。そこからイベントの運営を経験して、現在は主催というよりも、空間を演出する仕事が中心になっています。

本当に自然の流れですね。主催に興味がないわけではないんですけど、気づいたら演出の方に進んでいました。

ーー今は全国各地を飛び回っていますよね。最近だと、どんな現場がありました?

7月には、『森、道、市場』でご一緒したNatsudaidaiさんのライブで、レーザーやネオンの演出をさせてもらいました。ちょうど翌日に奇妙礼太郎さんの武道館ライブがあって、東京に行く予定だったので「前乗りすれば行ける!」って。6月には鳥取の『青谷音楽祭』や天々高々さんのライブ、『ARIFUJI WEEKENDERS』、梅田のDDハウスでの企画など、いろいろやらせてもらっています。

ーーフェスやアーティストのライブだけじゃなく、商業施設の企画やミュージックビデオの演出まで。本当に幅広いですね。

ブッキングだけのお手伝いもありますし、拠点にしている街でのイベントもやっています。この3カ月ぐらいは、何かしら毎週やっている感じかもしれません。割合でいうと、7割ぐらいは演出なのかな。

ーーなかなか特殊な働き方ですよね。

不思議ですよね。なんか、仕事と呼んでいいのかわからないですけど、クラブ活動なので(笑)。

「私の生き方はおすすめしません」
それでも続けられるのは、楽しいから

ーー音楽やイベント業界で働きたいという若い人からすると、川村さんのような働き方は想像もつかないかもしれませんね。

たまに「どうやったらそんなふうになれるんですか?」って聞かれることもあるんです。大学で女性の多様な働き方についてお話しさせてもらったこともあるんですけど、だいたい最初に「私の生き方はおすすめしません」って言うところから始めます(笑)。

ーーそれはなぜ?

本来、ビジネスとして成り立たせるためには、もっとお金のこととか、いろいろ考えないといけないと思うんです。でも、私は「楽しそうだし、やりたいことはやりたい」っていう感じで向き合っているので。もちろん、生きていかなあかんのはリアルにあるわけで。夫のロビンさんもそうですけど、今の活動と生活するためのお金が、必ずしもイコールになっているわけじゃないんですよね。

ーー好きなことを仕事にする華やかさの裏側には、現実的な苦労もあると。

そうなんです。「楽しそうやね」って言ってもらえるのはめっちゃ嬉しいんですけど、95%は大変なことの方が多いからねって(笑)。表に見えている楽しい部分は、本当に氷山の一角。でも、もし飛び込んでくれる人がいるなら、多分楽しいとは思います。

ーーそれだけ大変な思いをしながらも、今年も『MASHUP』に参加してくれるのはなぜなんでしょう?

去年の『MASHUP』が終わった時に、「これは続けなければならないよね」っていう感覚があったんです。アーティストさんもお客さんも、友人知人も、本当にたくさんの方から嬉しい言葉をいただいて。

ーー具体的にはどんな反響がありました?

「あの空間があったから、会場を歩き回るのも頑張れた」とか、「すごくハッピーな場所があって良かった」とか。中には「去年の『MASHUP』が忘れられなくて、ホームページからロゴを印刷してステッカーを作って、車に貼りました」っていう人までいて(笑)。あの場所での体験が忘れられないという声を本当にたくさんいただいたので、これは続けるべきだなって思ったんですよね。

ーー昨年の爆発メルヘンCityは、各エリアをつなぐ公園の中にありましたね。

あそこは本当に場所も良かったんです。海と街が見渡せて、山も見えて。みんなが歩く動線上にあって、ちょっと休憩もしやすい。素敵な雑貨屋さんが並んで、その奥でトラクターのステージが動いていて。淡路島のチームが作ってくれた木のステージもあって、いろんな掛け算がすごくいい方向に働いたと思います。

ーーただのライブ会場ではなく、そこにいるだけでも楽しい空間でした。

私はもともと、自分の自己表現の場としてイベンター活動をしているつもりはないんです。もちろん、自分のやりたいことを詰め込んでいるという意味では自己表現でもあるんですけど。周りの人があんなふうに喜んでくれる場所を作れているなら、それはほかの人にはできないことなのかもしれないなって。

ーー自分が何をしたいかだけじゃなく、そこに来た人がどう感じるかを大切にしている。

そうですね。やっぱり「すっごいハッピーだったね」「楽しかったね」っていう声が、私の中では一番強いかもしれません。あとは、やっぱり変なことしたいじゃないですか(笑)。

どうせやるなら驚かせたい! 止まらない“演出家”魂

ーーその「変なことをしたい」という気持ちは、川村さんの原動力ですよね。

だって、普通のことをやっても面白くないじゃないですか。今はイベントもたくさんある中で、どうせやるなら「はっ!」と言わせたいんです。

ーー毎週のように全国で人を驚かせているのに、まだ足りないんですね(笑)。

足りないですね(笑)。『MASHUP』のキックオフの時も、やりたいことを共有するExcelに結構いろいろ書き出したんですけど、あれでも足りないぐらい考えていました。なんか常に何かしら考えているのかもしれません。

ーーそう考えると、川村さんは普段から人を喜ばせることにものすごくエネルギーを使っていますよね。打ち合わせでも、出張先のお土産をしれっと渡してくれたり。

ああ、確かに。手ぶらで行ってしまった時に「あっ、手ぶらで来てもうた」って思うことはあります(笑)。

ーーそのサービス精神が、イベントの演出にもつながっているんでしょうね。

そうかもしれないですね。例えば、奇妙礼太郎さんの武道館ライブの時も、私たちからお花を贈りたいってなったんです。でも、お花だけじゃ気持ちが伝わりきらない気がして。

ーーお花だけでも十分だと思いますけど(笑)。

そうなんですけど(笑)。どうせならって、奇妙礼太郎さんのロゴをネオンで作って、お花に付けたんです。電源が取れるかわからなかったので、ポータブル電源も自分たちで持っていって、設置して、帰りには回収して。本来そこまでしなくてもいいのかもしれないですけど、どうせやるならやりたいよね、っていうのはあります。

ーーそれこそ演出家魂ですね。

あんまり意識したことなかったですけど、これからちょっと「演出家」っていう言葉を意識してみます(笑)。

『ブジウギ音楽祭』との掛け算でひとつの国が生まれる……!?

ーー今年の『MASHUP』では、昨年とはまた違う場所で爆発メルヘンCityを展開する予定ですね。

そうですね。今年は「ブジウギ音楽祭」チームと一緒にエリアを作れるのが、すごく楽しみなんです。

ーー昨年は隣同士でしたが、今年はひとつのエリアを共同で作っていく。

去年、私たちは雑貨のマーケットや焼き菓子のお店などを中心に展開していて、現場で調理するフードはなかったんです。一方、隣のブジウギチームにはおいしいフードがあって、すごくハッピーな空間になっていて。お互いに淡路島のチームとつながりがあって、同じ重機を使ったりもしていたので、もともと共通点が多かったんですよね。

ーー今年はそれぞれの得意分野を持ち寄れるわけですね。

そうなんです。エリアの広さとしては去年よりコンパクトになるかもしれないですけど、その分、中身がめちゃくちゃ詰まった場所になると思います。私たちにはないおいしいフードがあって、ブジウギチームにも雑貨マーケットがあって、お互いのコンテンツも少し似ている。なんか、結構両思いみたいな感じで進められているんですよ(笑)。

ーーどちらも独自の演出力を持つチームですから、掛け算が楽しみです。

かなり面白いと思っています。まだ実現できるかわからないことも含めて、いろんなアイデアを考えていて。そこにひとつの国が生まれるぐらいの面白さを詰め込みたいなと思っています。

ーーしかも今年は、会場全体の中心を担うような場所になりそうですね。

そうですね。TOTTEI PARKのSEA SIDE FIELDのステージがあって、私たちの「爆発ブギウギ天国」のエリアがあって、そこからMUSIC ZOO WORLDや六感音祭のエリアにつながっていく。なので、自分たちの場所だけを面白くするんじゃなくて、ほかのエリアにつなげる要素もいろいろ考えています。

ーーエリア同士をつなぐ役割もある。

そうなんです。「はい、ここが爆発メルヘンCityです!」って区切るより、みんながするすると歩いて、気づいたら次のステージにたどり着いているような。そこで「今まで知らなかったけど、この人のライブってこんなに素敵だったんだ!」っていう出会いが生まれたらいいなと思うんです。気づいたら動きが促されていた、みたいな空間にしたいですね。

ーー今年の『MASHUP』は「大文化祭」を掲げていますが、7つのフェスがそれぞれの個性を発揮する、ほかにはないイベントの作り方も魅力ですよね。

本当にそう思います。例えば、TRFのSAMさん、CHIHARUさんと神戸で一緒に踊れるなんて、なかなかないじゃないですか。ステージの上にいるお二人を見るだけじゃなくて、すごく近い距離で一緒に踊れるというのも『MASHUP』ならではだと思います。

ーー今年は昨年以上に、予想外の体験が生まれそうですね。

そうですね。せっかくなので、何度も見たくなるような、二度見、三度見しちゃうようなエリアにしたいです。普通にまとめることはいくらでもできるんですけど、あえて、引っかかる人にはすごく引っかかるものを作りたい。そういうことを提案できる場所が『MASHUP』だと思っているので、これからも続けていきたいですね。

取材=大原智(一般社団法人GREENJAM代表)
文=SPICE編集部(大西健斗) 写真提供=爆発メルヘンCity

イベント情報

『MASHUP FESTIVAL kobe’26』
日程:2026年10月24日(土)
会場:兵庫・TOTTEI PARK他 神戸ベイエリア複数会場(各会場間 徒歩1分~5分程度)
〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2-1 
出演:大黒摩季 / 氣志團 / 石野卓球 / EGO-WRAPPIN'(Acoustic Set) / アバンギャルディ / w.o.d. / デラックス×デラックス / 黒猫CHELSEA / OKAMOTO'S / 四星球 / tofubeats(feat. オノマトペ大臣,Neibiss) / 小原綾斗(Tempalay/FCO.) / ETSU & CHIHARU from TRF / 奇妙礼太郎 / アフロ /VIDEOTAPEMUSIC / スーパーオギャー / オカモトレイジ(DJ) / HUGEN / Zα SAVAGE / waco /doni doni / BIG MOUTH BRASS BAND / Pretits / おばけ座 / ヤング / ボニーボニー / 母性人
【DJ's】in the blue shirt / KING3LDK(脱線3) / キングジョー / グルーヴあんちゃん / 佐藤マタ / 諸行亭夢常 / TANK(TANK酒場) / DJ薬師丸 / ひろしげ / mikio / 宮本雅夫 / 喪服のマリー / 安田謙一 /Yudai Sada(mugi band) / よだもち / ロビンカワムラ

<一般発売中!>
◯一般入場券:7,800円 
◯MASHUP 応援:8,800円 

 メインステージのLEDモニターに名前やメッセージを掲示!入場券付きの応援プランです。 
◯ペア:14,600円 
 2名様入場可能な、お得なセット券です。 
◯神戸市民割入場券:6,800円(SOLD OUT)
◯入場券+神戸ストークス観戦付き:9,300円 

 隣接するGLION ARENA KOBEで開催されるプロバスケットボール、神戸ストークスの観戦がついた数量限定のプランです。
◯入場券+海のテラスBBQ・飲み放題付:26,600円(2名様)~ 
 オフィシャルフリーラウンジ「TOOTH TOOTH MART FOOD HALL」のテラスで、神戸の絶景を眺めながらBBQ&飲み放題を楽しめるプランです。 
◯入場券+EN³ TOTTEI BBQ・飲み放題付:15,300円 
 メインステージとなるTOTTEI PARKのレストラン「EN³ TOTTEI」にて、MASHUP FESTIVALと絶景のベイロケーションを楽しみながらBBQ&飲み放題をお楽しみ頂けるプランです。 
その他『MASHUP FESTIVAL kobe’26』をすでにご購入済みの方を対象としたアップグレードもご用意しております。
 
参加フェス一覧:
ARIFUJI WEEKENDERS / ONE MUSIC CAMP / MUSIC ZOO WORLD / ブジウギ音楽祭 / 六感音祭 / ITAMI GREENJAM / 爆発メルヘンシティ 
主催:MASHUP FESTIVAL kobe実行委員会 / 株式会社DONUTS ENTERTAINMENT / 一般社団 法人GREENJAM 
企画制作:MASHUP FESTIVAL kobe実行委員会 

公式サイト https://mashup-fes.com/

イベント情報

『MASHUP FESTIVAL kobe’26 前夜祭 -「海」と「花火」が交差する-』
日程:2026年10月23日(金)OPEN:18:00 / END:20:00
会場:TOTTEI PARK他 神戸ベイエリア複数会場(各会場間 徒歩1~5分程度)
〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町2-1
 
< 数量限定発売中!>
◯前夜祭:1,800円
◯MASHUP FESTIVAL kobe’26付き前夜祭:9,000円【¥600お得!】
※MASHUP FESTIVAL kobe’26入場時別途1ドリンク代¥600
受付期間:10月16日(金)18:00~10月23日(金)18:30

▽主催:MASHUP FESTIVAL kobe’26実行委員会 / 株式会社DONUTS ENTERTAINMENT / 一般社団法人
GREENJAM
▽企画制作:MASHUP FESTIVAL kobe’26 実行委員会
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