新国立劇場、ドラマコネクト第一弾 28年4月公演『最愛の人』にて全キャストオーディションを開催

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2026.10.23


上村聡史芸術監督が就任とともに掲げた指針の一つである「新しい才能との出会い」に基づき始動したプロジェクト「ドラマコネクト」。第一弾となる2028年4月公演の劇作家として、七坂 稲が選出された。その後、応募時のプロットを基に、演出の五戸真理枝、芸術監督の上村聡史とともに、作品自体に加えて、今後の共同創作の観点からもブラッシュアップを重ね、この度、タイトル並びに作品概要が決定した。

タイトルは『最愛の人』。父の三回忌前日に届いた一通の手紙をきっかけに、亡き父の過去の精子提供が発覚し、突然現れた“もう一人の子供”の存在によって、家族が揺れ動いていく物語。

今回、本公演の全キャストオーディション(全6役)を開催することが発表された。26年10月22日より募集を開始し、11月から12月にかけてオーディションを実施。合格者の方には、27年春と秋のプロダクションワークショップへの参加及び28年4月の本公演に出演してもらう。

オーディション募集開始にあたって、芸術監督の上村聡史、劇作を担当する七坂 稲、演出の五戸真理枝よりコメントが到着したので紹介する。 

【あらすじ】
※現時点のプロットに基づいています。今後の創作過程において、変更が生じる可能性があります。

田端家の父・裕一郎の三回忌前日。一通の手紙が裕一郎宛に届く。差出人は立川優香という聞き覚えのない女性からだった。だがその手紙を見た母・淳子の態度に違和感を覚えた次女の成美が、手紙を開封する。すると手紙には、優香が結婚したとの報告、そして「お腹の中には新しい命が──お父さんの孫です」と綴られていた。長女の孝子と長男の英人は、厳格だった父親にもう一人子どもがいたことに戸惑いを隠せない。浮気を疑い愕然とする子どもたちに対し淳子が語ったのは、裕一郎が昔、同性カップルに精子提供をしたことがあるという思いがけない事実だった。そして三回忌を終えた日の夕方、突然田端家に立川優香が現れて――。
生命をつなぐ営みの慣性とその揺らぎから、人間を深く見つめる物語。


応募される皆さまに向けて

■演劇芸術監督 上村聡史よりメッセージ

上村聡史

上村聡史

今回立ち上げる七坂 稲さんの『最愛の人』は、私たちが生きる「今」の社会の可能性に希望を託した作品です。人生の選択や家族の多様な形態、そして血縁を超えた人間同士の繋がりを真正面から捉えた劇作でもあります。

本作は決して画一的な答えを差し出すものではありません。今は亡き者の願いに思いを馳せ、これから育まれる生命の営みをどう未来へと繋いでいくのか。複雑に揺れる現代において、この深遠な問いを、俳優の肉体と対話を通して客席へと投げかけていきます。

本企画のキャストオーディションは、既成の評価やキャリアにとらわれず、作品の本質に共鳴する純粋なエネルギーと感性が出会うための開かれた場です。登場人物一人ひとりの繊細な揺らぎや心のひだに、自らの精神と肉体をもって飛び込み、演出家とともに粘り強く思考し、作品に新たな命を吹き込んでくださる俳優の皆様との出会いを切に願っております。

■劇作家 七坂 稲よりメッセージ

七坂 稲

七坂 稲

以前から私は「家族」と「喪失」について考えてきました。考えれば考えるほど多様な人間の姿が浮かび上がり、書き留めることによって、家族とは何か、喪失をどう受け止めるのか、その答え探しをしているのかもしれません。今作品『最愛の人』でも、改めてそれらと向き合っていきたいと考えております。この作品に登場する家族は一見ごく普通の家族ですが、亡くなった父親が過去に行った精子提供を巡り揺らぎ始めます。この物語の主人公である母親の思いを中心に、家族の愛の形を模索したいと思っております。とはいえ、物語はまだ手垢のついていない白地図のようなものです。俳優の皆様には、家族観や生命観について皆様のご経験やお考えをお寄せいただき、どんな道を辿りどこへ向かうのかは未定ですが、『最愛の人』という作品を一緒に作り上げていただきたいと考えております。ご応募をお待ちしております。

■演出家 五戸真理枝よりメッセージ

五戸真理枝

五戸真理枝

本作『最愛の人』では、親の視点からも、子どもの視点からも、命や、生きていくことと向き合う時間が描かれます。人類はそ
の歴史の始まりから、喜びも悲しみも、さまざまな葛藤も抱えながら命をつないできました。現代の日本では、家族の形は多様化し、結婚を望まない人も増えています。少子化が進む一方で、不妊治療など生殖医療の技術は発達しています。しかし、子どもを持ちたいという願いが、誰にでもかなえられるわけではありません。
とても身近でもあり、とても繊細でもある物語を前に、人間のどんな瞬間をどのように描くのか。作品に集う皆さまの感性や発想を活かしながら、視点や方法を探り、作品を練り上げ、立ち上げていきます。それぞれの人物にどう命を吹き込み、キャラクターを際立たせていくか。そしてどのように演じるか。俳優の皆さまには、肉体と精神による想像力を積極的に持ち寄っていただきたいと考えています。物語をゆっくりと育てる過程は、アイディアを持ち込むだけでなく、受け止める時間でもあると思います。皆が同じ創作の地平に立って作り上げる作品です。人間の姿を一緒に探してくださる皆さまをお待ちしております。

オーディション概要

オーディション概要
 
1.募集する役(役名・年齢設定)
 
・田端淳子(タバタ ジュンコ) 63歳  
二年前に他界した夫、裕一郎とは銀行で出会い結婚。出産を機に退職。育児、家事に追われた。今はスーパーでパートをしている。姉がいて、時々電話をしている。穏やかな性格。60歳を超えてから、全国通訳案内士の資格取得のための勉強を始め、ツアーガイドになるという夢を持っている。
 
・田端孝子(タバタ タカコ) 40歳  
長女。銀行員。総合職。活動的な性格で、白黒はっきりさせたいタイプ。人に厳しい態度を取りがちである。仕事に生きがいを感じている。声優の推し活をしている。離婚した経験あり。子どもは出来なかった。
 
・田端英人(タバタ ヒデト) 37歳
長男。元銀行員。父の影響を受け、銀行に入行した。融資にかかわっていたが、同僚が客をバカにする態度に嫌気がさしていたこともあり、裕一郎の死後、銀行を辞めた。おとなしいタイプで、あまり自分の意見をはっきりと言えなかった。競馬にはまり、時々裕一郎の遺品を売り資金を得ている。
 
・田端成美(タバタ ナルミ) 32歳  
次女。文化人類学者。大学の時にメキシコに留学し、先住民族に興味を抱く。それ以来、幾度となく北中米へフィールドワークに出かけて取材をしている。今はその体験を本にまとめようと執筆中。人当たりがよく、臨機応変なタイプ。
 
・坂本圭太(サカモト ケイタ) 29歳
成美の彼氏。パチンコ屋でアルバイトをしている。一年半ほど前、定食屋でたまたま隣り合わせになった成美と意気投合し、付き合うことになった。千葉県出身。シンガーソングライターを目指し上京。
 
・立川優香(タチカワ ユウカ) 24歳  
裕一郎からの精子提供により生まれた、女性同士の同性カップルの娘。裕一郎の存在を子どものころから聞かされてはいたが、実際に会ったのは二十歳のころ。自身の妊娠がわかって、裕一郎の存在をありがたいことと感じるようになり手紙を送った(裕一郎が亡くなっていたのを知らなかった)。落ち着き堂々とした性格。
 
役としての年齢設定に関わらず、「4. 応募資格」を満たす方はどなたでも応募可能です。
 
2. 募集期間
2026年10月22日(木)~11月10日(火) 
 
3. オーディション期間
2026年11月21日(土)~12月13日(日) 会場:新国立劇場内 リハーサル室など
一次選考:2026年11月21日(土)~22日(日)、11月26日(木)~30日(月)
二次選考:2026年12月4日(金)~8日(火)
三次選考:2026年12月11日(金)~13日(日)
 
4. 応募資格
・18歳以上の方
・経験不問
・上記の一次選考期間の内、最低でも3日間は参加可能な方
・上記の二次選考期間の内、最低でも2日間は参加可能な方
・上記の三次選考期間の全日程に参加可能な方
・プロダクションワークショップ①:2027年3月22日~26日(予定)に参加可能な方
・プロダクションワークショップ②:2027年8月9日~15日、もしくは同月8月22日~28日(共に予定)に参加可能な方
・2028年2月下旬~予定の稽古から、5月末までの本番すべてに参加可能な方
 
上記すべてを満たすことが応募資格となります。
 
 
オーディション詳細は以下ウェブサイトをご参照ください。

公演情報

新国立劇場2027/2028シーズン ドラマコネクト第一弾 『最愛の人』

作:七坂 稲 演出:五戸真理枝
 
■公演日程:2028年4月公演(予定) ※5月中、全国公演の可能性あり
■公演会場:新国立劇場 小劇場 ほか
 
▷プロダクションワークショップ①:2027年3月22日~26日(予定)
▷プロダクションワークショップ②:2027年8月9日~15日、または8月22日~28日(共に予定)

 
▶稽古日程:2028年2月下旬稽古開始予定 於:新国立劇場内リハーサル室
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