戯曲、美術、空間、音、光…全てをシンプルに美しく描き出す 注目の劇団・隣屋へインタビュー

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隣屋 提供:隣屋

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東京の若手劇団の登竜門と言われる「シアターグリーン学生芸術祭」にて、昨年優秀賞を受賞した劇団「隣屋」。主宰の三浦雨林および劇団員2名は、未だ日本大学芸術学部在学中の大学生だ。しかしながら、学生演劇の枠を超えた作品の芸術性の高さや、多様な上演形式が話題を呼び、早くも注目を集める劇団となっている。今回、そんな隣屋の主宰・三浦雨林にインタビューを実施。芥川龍之介の作品をモチーフにしたという次回公演『或夜の感想』についてや、初となる関西公演へかける思いを伺った。

 

--隣屋結成の経緯を教えてください。

2014年4月、三浦雨林<主宰>の作品を上演する目的で、三浦個人のプロデュースユニットとして旗揚げされました。現在、三浦は無隣館2期生としても活動中。その後、2016年に永瀬泰生<俳優>、御舩康太<ダンサー>を迎え、今の隣屋となりました。上記3名は日本大学芸術学部演劇学科に在学中で、共に学ぶ仲間でもあります。旗揚げから道頓堀学生演劇祭に至るまで、劇場にこだわらず、様々な場所で合計6作品を上演。活動拠点は東京都内。上演作品は、全て、主宰の三浦が作・演出をしております。


--隣屋の作風、作品の雰囲気・特徴などを教えてください。

隣屋の上演は、生活の中の感情や言葉から飛躍をしない作品の再現、声に出すことの出来ない感情を舞台上で生身の人間が再現する繊細さと芸術性の表現が目的です。演劇においての空間と音、声と身体のあり方について、公演毎にアプローチを変化させることを意識しています。

隣屋

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--次回公演『或夜の感想』のあらすじを教えてください。

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これは、夜の話。
汚いものも、美しいものも、見えない代わりに他の何かが見える時間。
作家である私の部屋は暗闇に包まれ、良心が揺らぎ始める。

「早く殺してくれないと困るんです。」
小さな部屋で静かに反響した言葉たちが、夜に沈んでいく。
夜と床に挟まれているのは、私と蜘蛛だけ。

これは、夜の話。
死なない誰かの殺し方を考えている、私の或夜の話。

芥川龍之介の「侏儒の言葉」「蜘蛛の糸」から着想を得た本作。
70分間の舞台。
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『或夜の感想』は芥川龍之介の「侏儒の言葉」と「蜘蛛の糸」から着想を得て創作している舞台作品です。
 小説や文章の言葉と、それを舞台上に起こす、また人間の声として空間に漂わせることの違いを意識して創作中です。主題として<眠りは死よりも愉快である。少くとも容易には違いあるまい。>という「侏儒の言葉(遺稿)」の一文を指標にしています。叶えたいけど、叶えてはいけない欲求をどうやって昇華するのか、作中の“私”は向き合いながらも逃げ続けます。現実が融解していくような、一晩の話です。

--次回公演『或夜の感想』の注目ポイントを教えてください。

モチーフとした「侏儒の言葉」は箴言集(しんげんしゅう)、「蜘蛛の糸」はたった5枚ほどの短編ですが、本作品はここから多くのイメージと感覚を抽出した作品となっております。また、舞台上の俳優の身体性についても、演劇では扱わないような使い方をしていますので、是非どなた様にも劇場でご覧いただきたいです。今作は本質と表面とを、できるだけ遠ざけて創作致しました。本質と表面、身体と言葉の意味を乖離(かいり)させた表現が、大きな主題となっています。


--今後の隣屋の野望・展望を教えてください。

2014年旗揚げの年は「演劇を身近な場所で始める」 / 2015年2年目は「演劇を上演することに挑戦する」ことを目標にして参りました。そして、関東外への進出となる2016年の目標は「演劇に取り組む空間を広げる」こととしています。2016年、隣屋3年目。道頓堀学生芸術祭vol.9への参加を幕開けとし、今までとは違う土地、場所、空間で作品を創作・上演することに取り組んでいく所存です。多様化していく演劇の上演方法。その中におかれた、隣屋の将来。隣屋がつくる”演劇”を様々な土地や風土を利用した上演の場へ、舞台芸術として進出させることを目指し、創作を続けていきます。将来の達成点の1つは<海外公演>。知らない場所に寄り添って創作、そして上演することが、隣屋がつくる演劇の形の1つです。

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--道頓堀学生演劇祭への参加作品ですが、通常の劇団本公演とは異なる、演劇祭での上演ということに対する思いや意気込みなどはありますか?

まず、シアターグリーン学生芸術祭(以下、SAF)に続き、道頓堀学生演劇祭へ参加できることを大変嬉しく思っております。SAFでは短編部門としての参加でしたが、道頓堀学生演劇祭では1時間弱の長編作品を上演致します。SAFで優秀賞をいただいたものとは違う作品の上演、全く違う作品へのアプローチの仕方、そして、初の関西での公演に少し不安もありますが、それより、新しい土地で上演することへの期待でいっぱいです。また、この機会がなければ、お会いすることのかなわなかった皆さまと出会えることに、胸躍る思いでございます。ぜひ多くの方に隣屋の空間を味わっていただきたいと強く思っております。


--隣屋に関心を持たれた方にメッセージをお願いいたします!

はじめまして、隣屋主宰の三浦雨林です。
わたしたち隣屋は舞台芸術としての言葉と空間に注目して創作をしています。俳優の身体と声はもちろんのこと、戯曲、美術、空間、音、光、舞台上全てをシンプルな美しさ、余白のある空間として生み出します。今作は、芥川作品が好きな方も、あまり知らない方も、楽しめる作品となっております。ぜひ、どなた様にもご覧いただきたく思います。あなた様のご来場、心よりお待ちしております。

 

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イベント情報
隣屋
道頓堀学生演劇祭vol.9 参加作品
『或夜の感想』


 日時:2016年3月11日(金)~13日(日)
 会場:道頓堀ZAZA (大阪市中央区道頓堀1-7-21中座くいだおれビル地下1階)
 出演者:永瀬泰生/御舩康太(以上、隣屋)/伊藤利紗(プレステージ)/鈴木涼太/望月香菜子(劇団襟マキトカゲ)

 

 

隣屋

2014年4月旗揚げ。三浦雨林(無隣館2期生)主宰。他に、永瀬泰生(俳優)、御舩康太(ダンサー)が所属。尚、上記3名は日本大学芸術学部演劇学科に在学中。生活の中の感情や言葉から飛躍をしない作品の再現を試みている。声に出すことの出来ない感情を、舞台の上で生身の人間が再現することの繊細さと芸術性を表現することを目標に上演。演劇においての空間と音、声と身体のあり方について、公演毎にアプローチを変化させている。

隣屋オフィシャルサイト
 
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