毛利文香(ヴァイオリン) 世界へ飛翔を期す俊才の難曲4本勝負!
2016.3.12
ニュース
クラシック
-
ポスト -
シェア - 送る
毛利文香(ヴァイオリン)
毛利文香は、逸材の輩出が続くヴァイオリン界にあって、ひときわ強い光を放っている。幾多の学生コンクールで実績を挙げ、2012年にソウル国際音楽コンクールで日本人初&史上最年少優勝を果たした彼女は、15年3月にパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールで第2位、5月にはエリザベート王妃国際音楽コンクールで第6位を受賞するなど、昨年大きく飛躍。その勢いの中、3月に紀尾井ホールで本格的なリサイタルを行う。
1994年神奈川県に生まれた毛利は、桐朋学園のソリストディプロマコース、洗足学園のアンサンブルアカデミーを修了し、現在は慶應義塾大学の文学部3年に在学中。昨年9月からはドイツ・クロンベルクアカデミーに留学し、研鑽を重ねている。すでに東京フィル、東響、東京シティ・フィル、神奈川フィル、群響、ベルギー国立管等、内外のオーケストラと多数共演。宮崎、武生国際音楽祭等にも出演してきた。
超難関のパガニーニ・ コンクールで2位に入るほどだから、テクニックは申し分なし。艶やかな音色で凛とした気品漂う音楽を聴かせる点が、大器を予感させる。今回の演目は、タルティーニの「悪魔のトリル」、プロコフィエフの第2番、イザイの(無伴奏)第4番、R.シュトラウスの各ソナタ。イタリア、ロシア、ベルギー、ドイツの難曲ソナタを並べた重厚な内容には、自信と意欲が漲っている。著名演奏家の信頼厚い佐藤卓史のピアノも強い味方。冴えた技巧、シャープな感性、ロマン的な表現等、多彩な音楽力が発揮される勝負プロで真価を味わい、世界に羽ばたく俊才の第一歩を耳目に焼き付けよう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2016年3月号から)