Studio Life『トーマの心臓』上演20周年記念公演が上演中
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Studio Life『トーマの心臓』上演20周年を記念した、萩尾望都作品連鎖公演が、2月24日に開幕。『訪問者』、リーディング作品『湖畔にて−エーリク十四と半分の年の夏』に先んじて『トーマの心臓』が上演された。
ドイツのギムナジウム(高等中学)で、透明な時を生きる少年たちを描いた萩尾望都の傑作漫画を舞台化した本作。少年たちの心情をみずみずしくたどりながら、人生の根源にある孤独と人と人とのつながりを詩情豊かに描き出す。
劇団創立30周年記念公演の一つでもある今回の特徴は、乗峯雅寛による舞台美術とアニバーサリー・キャスト。「第23回読売演劇大賞」で最優秀スタッフ賞を受賞した乘峯の舞台美術は、グレーを基調とした2階建てのセットで、ドイツのギムナジウムの空気感を醸し出す。さらに、教室や寄宿舎、図書館などへのスピーディーな舞台転換を可能としている。
そして、アニバーサリーとして集まった“レジェンド・キャスティング”。96年の初演でオスカーを演じた笠原浩夫が、13年ぶりに同役を演じ、97年の再演以来ユーリ役を演じ続ける山本芳樹が再び当たり役に挑む。そして、14年公演ではユーリを演じた松本慎也が、5年ぶりに3度目のエーリクを演じている。キャリアを積み重ねた彼らが、いかにして少年として生きるのか注目だ。
なお、今回の連鎖公演ではオスカーの幼少期を描く『訪問者』と、『トーマの心臓』後日談となるリーディング公演『湖畔にて−エーリク十四と半分の年の夏』も上演される。『訪問者』では、父親と逃亡の旅を続ける少年オスカーを若手の久保優二が演じる。独立した物語世界を描きながらも、各公演を連鎖させることで、より奥深くそれぞれの作品世界に入り込めるつくりとなっている。
公演は13日(日)まで。
http://www.studio-life.com/