関西を代表する劇作家の短編を3本立てでおくるdracom Gala最終回
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「たんじょうかい#2」より
「演劇における男と女」から知れる時代の流れと向こう側
俳優がサイコロを振ってせりふの担当を決める『空腹者の弁』、上演時間が20時間に及ぶ『Green』、「ハムレット」をネット検索して集めた内容でコラージュした『特集・ハムレット』、キャンプ用テントで上演した『方々ノ態(in OSAKA, Kitakagaya)』、美術作品解説の音声ガイドの声に導かれてストーリーが展開していく『gallery』など、人からすれば実験的だが、彼らにとっては舞台芸術が持っているさまざまな要素をバランスよく融合させて濃密な空間を表出することを目指すPerformance Art Group “dracom” 。「関西の、特に在阪劇作家の“既製”短編戯曲を使って、劇場に足を運んで上演に立ち会うことの意味を強く見出せることのできる新演出で上演する」をモットーに、2013年にスタートした、dracom Gala『たんじょうかい』は、豪華作家陣の意外性ある組み合わせと、同じ舞台に立つことのなかった才能豊かな俳優たちの共演が話題を呼んだ。最終回の今回は、くじら企画・大竹野正典の『愛の棲家』 、Plant M・ 樋口ミユの『アイデアル』、劇団うんこなまず・繁澤邦明の『tango@はじめて』 を揃えた。
3作品に共通するテーマは、「演劇における男と女」。『愛の棲家』は、普遍性を持つ男女の情熱的な愛と、それゆえに生じる暴力が鮮明に描かれた物語。『アイデアル』には、同性愛者に対して周りのそうでない人がどのように接すれば良いのかという最近の社会的な問いが描かれる。『tango@はじめて』は男性俳優が極めて現代的な少女を演じることを前提とした作品だ。
dracomのリーダーで演出をつとめる筒井潤は「この3作品を並べると、描かれている男女の考え方と、それをどう描くかという作劇法の両面で時代の変遷を感じることができます。しかし、それらを単に並べるだけでなく、演出によってどのようにして交わらせるかが、今回の見所となるでしょう」と語る。
dracom Gala「たんじょうかい #3」短編戯曲上演会
日時:2015年8月7日(金)〜9日(日)会場:ウイングフィールド (大阪市中央区東心斎橋2-1-27 周防町ウイングス6階)
出演:鎌田菜都実 キタノ万里 村山裕希(以上、dracom) 東 洋(東洋企画) 稲葉俊(劇団走馬灯) 岡村ゆきを はたもとようこ(桃園会)