戦後70年の夏に戦争を振り返る舞台4つ!
2015.7.30
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新国立劇場研修所公演朗読劇『少年口伝隊一九四五』(昨年の公演より)
今年は戦後70年という節目の年である。きな臭さが再び日本を覆おうとしている今、多くの人々の命を奪ったあの戦争の悲惨を二度と繰り返さないためにも、改めて当時を語る言葉に耳を傾け、戦争の真実を知ることが大切になってくる。
演劇でも、この時期だからこそより心に深く刺さる作品群が、いくつも幕を開ける。そのなかから『外交官』(青年座)、『南の島に雪が降る』、朗読劇『この子たちの夏 1945 ヒロシマ・ナガサキ』、朗読劇『少年口伝隊一九四五』をご紹介する。
青年座『外交官』
〈公演情報〉 青年座『外交官』
青年座『外交官』
「なぜあの戦争は始まったのか」…。
1945年9月2日、日本側全権代表団は東京湾上のミズーリ号艦上で、連合国に対しての休戦協定(降伏文書)に調印し、第二次世界大戦は終結した。
同年秋、極東国際軍事裁判に向け、政治家や軍事指導者たちが逮捕されていくなかで、元外交官たちが集った。国益のために奔走していた男たちが、改めて語る外交の裏側とは…。
1931年「満州事変」から1941年「真珠湾攻撃」に至るまでの、日本外交の検証が始まる。A級戦犯に問われた外交官たちの証言から、開戦の真実に迫る舞台。
同年秋、極東国際軍事裁判に向け、政治家や軍事指導者たちが逮捕されていくなかで、元外交官たちが集った。国益のために奔走していた男たちが、改めて語る外交の裏側とは…。
1931年「満州事変」から1941年「真珠湾攻撃」に至るまでの、日本外交の検証が始まる。A級戦犯に問われた外交官たちの証言から、開戦の真実に迫る舞台。
〈公演情報〉
作◇野木萌葱
演出◇黒岩亮
出演◇平尾仁、山﨑秀樹、高松潤、横堀悦夫、矢崎文也、豊田茂、山賀教弘、久留飛雄己、石井淳、嶋田翔平
出演◇平尾仁、山﨑秀樹、高松潤、横堀悦夫、矢崎文也、豊田茂、山賀教弘、久留飛雄己、石井淳、嶋田翔平
●7/31~8/9◎青年座劇場
〈料金〉一般¥4,200 (全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉0120-291-481( 専用 平日11:00~18:00)
『南の島に雪が降る』
南方の小島に降るはずのない白い雪が!
太平洋戦争の末期、戦地ニューギニアの首都マノクワリを舞台に描かれる『南の島に雪が降る』は、笑いと涙あふれる「戦地での芝居作り」の物語。原作は前進座の俳優・加東大介が実際に経験した演芸慰問部隊の話で、1961年には渥美清、森繁久彌、三木のり平といった名優たちで映画化もされ好評を博した。
物資の補給も途絶え、過酷な状況のなか、栄養失調やマラリヤなどで兵士たちが死んでゆく。その兵士たちを勇気づけようと俳優である加東に、芝居を演じるように命が下る。部隊には脚本家や三味線弾き、衣装の職人らの舞台関係者もいて、みんなの協力で仮設の劇場「マノクワリ歌舞伎座」を建てる。戦地で懸命に生きる兵士たちの笑いと感動の物語だ。
太平洋戦争の末期、戦地ニューギニアの首都マノクワリを舞台に描かれる『南の島に雪が降る』は、笑いと涙あふれる「戦地での芝居作り」の物語。原作は前進座の俳優・加東大介が実際に経験した演芸慰問部隊の話で、1961年には渥美清、森繁久彌、三木のり平といった名優たちで映画化もされ好評を博した。
物資の補給も途絶え、過酷な状況のなか、栄養失調やマラリヤなどで兵士たちが死んでゆく。その兵士たちを勇気づけようと俳優である加東に、芝居を演じるように命が下る。部隊には脚本家や三味線弾き、衣装の職人らの舞台関係者もいて、みんなの協力で仮設の劇場「マノクワリ歌舞伎座」を建てる。戦地で懸命に生きる兵士たちの笑いと感動の物語だ。
〈公演情報〉
原作◇加東大介
脚本・演出◇中島淳彦
出演◇柳家花緑、大和悠河/川崎麻世、松村雄基、柄本時生、佐藤正宏、酒井敏也、冨家規政、佐々木勝彦 ほか
●8/6~9◎浅草公会堂
〈料金〉S席¥8,500 A席¥7,000 B席¥5,000(全席指定・税込)
●8/14~23◎中日劇場
〈料金〉A席¥8,800 B席¥5,000(全席指定・税込)
●8/25◎キャナルシティ劇場、
●8/27◎梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
〈お問い合わせ〉
東京公演:ジェイ.クリップ 03-3352-1616(平日10:00~19:00)
名古屋公演:中日劇場0570-55-0881
朗読劇『この子たちの夏 1945 ヒロシマ・ナガサキ』
唯一の原子爆弾での被爆国である日本。日本人としての経験を記録でなく記憶に留めたいと、構成・演出の木村光一が、被害者の遺稿や手記、詩歌など膨大な資料の中から、テーマを「母と子」に絞り朗読劇としてまとめたのが本作品。
母を亡くした子供、子を失った母たちの書いた手記が中心となっているもので、女優たちの朗読で読み継がれる。一昨年まで日本全国396地町村で786回の公演を行い、今回は2年ぶりの上演。今回は旺なつき、かとうかず子、島田歌穂、高橋紀恵、根岸季衣、原日出子という実力派女優が出演。
「生きよう、生き抜こう!」と最後まで明日を夢みて死んでいった子供たちの、明るく前向きな言葉… 暑い夏の一日、普通の生活を送っていた人々の言葉が、静かに聞くものの心に語りかける1時間40分の朗読劇。
〈公演情報〉
構成・演出◇木村光一
出演◇旺なつき、かとうかず子、島田歌穂、高橋紀恵、根岸季衣、原日出子(五十音順)
髙安智実・都内在学の中・高校生(短歌・俳句の朗読)
●8/8~8/9◎世田谷パブリックシアター
出演◇旺なつき、かとうかず子、島田歌穂、高橋紀恵、根岸季衣、原日出子(五十音順)
髙安智実・都内在学の中・高校生(短歌・俳句の朗読)
●8/8~8/9◎世田谷パブリックシアター
〈料金〉一般¥3000 24歳以下¥1500 ファミリー割引(保護者同伴の中学生以下)¥1000(全席指定・税込)
〈 のお申込み〉
世田谷パブリックシアター センター 03-5432-1515(10時~19時)
世田谷パブリックシアターオンライン http://setagaya-pt.jp【PC】
井上ひさしが2008年2月に、日本ペンクラブの国際フォーラム・オープニング作品として、演劇研修所の研修生のために書き下ろした朗読劇。以来、演劇研修所では研修生が3年次に取り組むべき作品として、上演を重ねている。
壊滅した広島の町で生き残った3人の少年は、印刷ができない中國新聞社に口伝隊として雇われ、人々にニュースを伝えて歩くうちに、国や大人たちの身勝手な論理と世界の矛盾に気づいていく…。
少年たちの家族の話や行く先で知り合った哲学の老先生の話なども織り込み、原爆投下後の被害の悲惨を描きながらも、どこか透徹した明るさと生命力に溢れた作品だ。毎年、夏期に定期的に上演される舞台だが、その年その年の研修生による取り組みで、毎回色褪せない衝撃を与えてくれる名作である。
〈公演情報〉
作◇井上ひさし
演出◇栗山民也
出演◇新国立劇場演劇研修所 第9期生
●8/14~16◎新国立劇場 THE PIT
〈料金〉A席¥2,160 B席¥1,620(全席指定・税込)
〈お問い合わせ〉新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999