解禁された庵野版『シン・ゴジラ』予告編を徹底分析!
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本日ついに解禁された『シン・ゴジラ』(7月29日公開)の予告編。新たなゴジラの暴れっぷりはもちろん、総監督・庵野秀明ならではのこだわりがつまったこの約90秒の映像を分析してみよう。
まず、現れる「TOHO SCOPE」という懐かしい感じのオープニングクレジットは、50年代後半に東宝が開発したワイドスクリーン・システムの作品の冒頭で使われていたもの。60年代後半には使われなくなってしまったが、北村龍平監督による『ゴジラ FINAL WARS』(04)で使用され、今回、実に12年ぶりの復活となった。
そんなオープニングクレジットに続き、早速、新たなゴジラが登場。砂埃を立てて街や建物を破壊する凶暴な姿、そして逃げ惑う人々…。今回、初めてCGで描かれるゴジラだが、建物や人々の頭上を尻尾が横切るさまは、まるで本当にゴジラがそこにいるかのような感覚にさせる。
328名にもおよぶキャストの先陣を切って映像に登場するのは、内閣官房副長官・矢口役の長谷川博己に、内閣総理大臣補佐官・赤坂役の竹野内豊。次いで登場する米国大統領特使のカヨコ・アン・パタースン役の石原さとみの不穏な微笑も気になる。
そんな出演者たちの顔見せ的なシーンに続き、気になるのが34秒あたりの映像。シリーズ第1作で人々が巨大怪獣をゴジラと名付ける事になった大戸島の伝説の海神、“呉爾羅(=ゴジラ)”の文字が見え、第1作へのオマージュも。
次々と登場する瓦礫と化した街や、それに対応する政府機関関係者の映像は、まるで東日本大震災時の際にテレビから流れてきたそれを彷彿させる。口から放射熱線を放つゴジラはまさしく歩く原子力発電所のようでもあり、夜の道路で人々が逃げ惑うさまはパニックサスペンスとしての緊迫感あふれる映像となっている。
CGで作られたゴジラと対峙するのは、自衛隊協力による実物の戦車やヘリコプター。AH-64Dアパッチ・ロングボウやAH-1Sコブラといったヘリコプターや、10式戦車がゴジラと対決するシーンはまるで「新世紀エヴァンゲリオン」の第1話で国連軍の76式戦車(改)が第3使徒サキエルと戦うシーンのよう。
「エヴァンゲリオン」シリーズの音楽を手がけてきた鷺巣詩郎による重厚なテーマ曲とともにつづられる情報量の多い予告編は、「新世紀エヴァンゲリオン」のテレビシリーズのオープニングタイトルのようでもあり、じっくり見る事で庵野秀明の意図が感じとれるはずだ。【トライワークス】