ヨーロッパ企画が仕掛ける「ハイタウン2016」

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「ハイタウン2016」

「ハイタウン2016」

実験的なコメディと種々雑多なイベントがあふれる、大人の学園祭。

京都の劇団「ヨーロッパ企画」が、現在は文化施設となっている「元・立誠小学校」全域を使って開催するイベント「ハイタウン」。前回の2014年は約3,000人を動員した、2年に一度のお祭が、いよいよ開催される年となった。校舎内のあちこちに手作り感あふれるバザーや休憩所が設けられ、体育館や音楽室などで同時多発的にイベントが開催されるという雰囲気は、まさに(元小学校だけど)高校の学園祭をほうふつとさせる風景だ。この “街(タウン)”の見どころについて、同イベント記者会見での参加者たちのコメントを交えて紹介する。

「ハイタウン2016」参加メンバーたち。中央の「ハイタウン君」看板は、顔出し看板にする計画があるとか?

「ハイタウン2016」参加メンバーたち。中央の「ハイタウン君」看板は、顔出し看板にする計画があるとか?

劇団代表の上田誠いわく「普段僕たちは京都から全国に舞台を見せに行ってるけど、逆にほうぼうから京都に来てもらえるようなお祭がやりたかった」という理由により、2012年から始まった「ハイタウン」。上田を含めたヨロ企メンバーや、京都の演劇界で活躍する若手たちが実験的な短編コメディを上演する「コメディ実験室」を主軸に、映像上映会や音楽ライブ、トークイベントや寄席、展示やバザーなど、4日間で20近い企画が開催される予定だ。

しかし今年のコメディ実験室は「コメディホール」に「コメディ実験室」と、大きさの違う2ヶ所の会場に分かれての開催。「コメディホール」は元講堂の広々とした空間で、上田誠『メビウスコメディ』、松居大悟(ゴジゲン)『劇コメディ』、角田貴志『テレパシーコメディ』、黒木正浩『サイボーグコメディ』を上演。それぞれ「メビウス構造のようなパズルっぽい笑い」(上田)、「青春ドラマ」(松井)、「テレパシーを面白い仕掛けで見せる」(角田)、「サイボーグ特有の悲しみと笑い」(黒木)というコメディになるそうだ。(5/5~8)

一方元音楽室が会場で、よりアンダーグラウンド感が強い「コメディ実験室」は、きたまり(KIKIKIKIKIKI)『相撲コメディ』、村角太洋(THE ROB CARLTON)『プレゼンテーションコメディ』、村上慎太郎(夕暮れ社 弱男ユニット)『時計コメディ』、合田団地(努力クラブ)『道をたずねるコメディ』を上演。こちらは「親子の愛をダンスと音楽をクロスオーバーさせて見せる」(きた)「コメディとスタイリッシュの融合。一番セリフ量が多い」(村角)、「舞台を掛け時計で埋め尽くしたハートウォーミングな恋物語」(村上)、「男がずっと道をたずね続けて不安になる話」(合田)とのこと。実はコメディ実験室のMVPは、2012年は村上、2014年は合田が獲得しているので、むしろ最も要注意なエリアかも?(5/5~8)

「ハイタウン2014」より。上:田中遊作・上田誠演出『象の鼻はなぜ長い?』 下:きたまり作・演出『自嘲コメディ』

「ハイタウン2014」より。上:田中遊作・上田誠演出『象の鼻はなぜ長い?』 下:きたまり作・演出『自嘲コメディ』

またスペシャルイベントとして、かもめんたる&チョコレートプラネット&立川吉笑が参加するお笑いイベント『ハイタウン寄席』(5/5)、バッファロー吾郎A&せきしろ&上田誠&酒井善史が東京で行っているイベントの出張版『企画ナイト11』(5/6)、男肉 du Soleil団長・池浦さだ夢の誕生日を祝う『男肉聖帝聖誕祭』(5/7)、「転球劇場」の福田転球を招いて今回のイベントを振り返ると共に、即興芝居も披露する『閉会式スペシャル』(5/8)を開催。中でも『男肉聖帝聖誕祭』は、池浦いわく「北斗の拳やマッドマックスみたいな世界の中、全員が僕の下僕となって僕を喜ばせるイベント」とのこと。ちなみに実際の団長の誕生日は5月6日だが、そこは目をつぶっておいてほしいそうだ。

この他の注目イベントとしては、小説家の森見登美彦と上田誠のトークショー(5/5)、まだ無名の集団を選りすぐったショーケース「ハイタウン外伝neo」(5/5・6)、HARCO、滝本晃司、かせきさいだぁ+中森泰弘(ヒックスヴィル)のミニライブ(いずれも5/7)、KBS京都の深夜番組「ヨーロッパ企画の暗い旅」の公開収録(5/8)などがある。さらに、昨年から映画監督の魅力に目覚めた中川晴樹の新作(5/6・8)や、第31回公演『月とスイートスポット』ハイビジョン上映会(5/5・7)などの映像上映会も開催。ヨロ企のイベントではすっかり名物となった、西村直子プロデュースの『西村ブックセンター』(5/5~8)など、イベントの合間に立ち寄ったり、休憩に使えるスペースも用意されている。

「ハイタウン2014」より。上:トーテムロック(かせきさいだぁ×木暮晋也)LIVE 下:男肉 du Soleil プロデュース「男肉聖帝聖誕祭」

「ハイタウン2014」より。上:トーテムロック(かせきさいだぁ×木暮晋也)LIVE 下:男肉 du Soleil プロデュース「男肉聖帝聖誕祭」

上田いわく、ハイタウンの魅力は「混ざる」ことだという。「いろんなジャンルやキャリアの人が集まって、いろんな出会いが生まれて、それによってさらに面白いことが起こるということが、このイベントではよくあるんです。自分たちが知らない所で突発的なイベントが生まれたりとか、化学反応がたくさん起こればいいなと思います」。ということで、数日前か当日に急に決定するイベントもありそうなので、ハイタウンのTwitter(@hitown12)をこまめにチェックしておいた方がよさそうだ。

「コメディホール」と「コメディ実験室」は、やろうと思えば1日で全演目制覇は可能なので、特に演劇ファンであれば、一日フルに予定を詰めて全力で楽しみたいところ。イベントによっては完売マークが出ているものもあるので、すぐにでも計画を立てて、GWの京都を楽しみがてら、大の大人たちが全力で遊んでいる学園祭に足を運んでみよう。

公演情報
ヨーロッパ企画presents「ハイタウン2016」
 
■日時:5月5日(木・祝)~8日(日) 11:00~18:00
■場所:元・立誠小学校
■料金:入場無料
※各イベントの開演時間・料金はイベントによって異なる。詳細は下記公式サイトを参照のこと。
■公式サイト:http://www.europe-kikaku.com/projects/hi-town2016/
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