世界的テノール歌手 アンドレア・ボチェッリ、圧巻のステージ

2016.5.4
レポート
クラシック

アンドレア・ボチェッリとサラ・オレイン


去る4月28日、アンドレア・ボチェッリが「CINEMA WORLD TOUR 日本公演」を東京国際フォーラム・ホールAで開催した。世界的な人気テノール歌手の6年ぶり来日公演にファン5,000人が会場を埋めた。 

本番を前にして「日本には何度も来ていますが、 そのたびに素晴らしい思い出ばかりです。 今夜は全力を尽くして歌います。みなさんに喜んでいただければ嬉しいです」とボチェッリは語った。

そして本番。カルロ・ベルニーニが指揮するオーケストラによる「カルメン」(ビゼー作曲)で幕を開け、 アンドレア・ボチェッリが盛大な拍手に包まれてステージに登場。 客席に向かって一礼すると、 「おお、 パラダイス」(マイアベーア作曲)で「世界で最も愛されるテノール」と呼ばれる歌声を披露した。 「ボレロ」(ヴェルディ作曲)、 プッチーニ作曲の歌劇『ラ・ボエーム』からの2曲などを歌唱。 『椿姫』より「乾杯の歌」ではソプラノのマリア・カツァラヴァとのダンスを見せた。

アンドレア・ボチェッリ

第2部では最新アルバム『シネマ~永遠の愛の物語』からの楽曲を次々に披露。 『ウェスト・サイド・ストーリー』から「マリア 」、 「ゴッドファーザー~愛のテーマ」、 『オペラ座の怪人』から「ミュージック・オブ・ザ・ナイト 」などの有名曲の連続。 「魅惑の瞳」を歌い終えると「アリガトウ」と日本語で小さく感謝を述べた。 

「ビー・マイ・ラヴ」を歌い上げた直後には、 指揮のベルニーニと肩を組んで客席に深々と一礼。 大きな拍手を浴びた。 

スペシャル・ゲストとして登場したのはオーストラリアの歌姫サラ・オレイン。 『シネマ~永遠の愛の物語』にはボーナストラックで参加したサラが、 ソロで「ニュー・シネマ・パラダイス」を歌い、 さらに「チーク・トゥ・チーク」「大いなる世界」でボチェリとデュエットし、 大きな拍手を浴びた。

アンコールでは『グラディエーター』より「ついに自由に」、 ご存じ「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」、 そして歌劇『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」で、 2時間強のショウはフィナーレに。 盛大な歓声を浴びながら、 ステージを降りた。 

アンドレア・ボチェッリ


 
公演情報(セットリスト)
アンドレア・ボチェッリ「CINEMA WORLD TOUR」2016年4月28日 セットリスト
指揮 カルロ・ベルニーニ
スペシャルゲスト サラ・オレイン
ソプラノ マリア・カツァラヴァ
フルート アンドレア・グリミネッリ

 
第1部
『カルメン』より第一幕への前奏曲(ビゼー作曲)
歌劇『アフリカの女』より「おお、 パラダイス」(マイアベーア作曲)
歌劇『リゴレット』より「女心の歌」(ヴェルディ作曲)
歌劇『シチリア島の夕べの祈り』より「ボレロ」(ヴェルディ作曲)
歌劇『アンドレア・シェニエ』より「五月の晴れた日のように」(ジョルダーノ作曲)
歌劇『アンドレア・シェニエ』より「貴女のそばでは、 僕の悩める魂も」(ジョルダーノ作曲)
歌劇『ナブッコ』より「行け、 わが思いよ、 金色の翼に乗って」(ヴェルディ作曲)
歌劇『ラ・ボエーム』より「冷たい手を」(プッチーニ作曲)
歌劇『ラ・ボエーム』より「愛らしい乙女よ」(プッチーニ作曲)
歌劇『椿姫』より「乾杯の歌」(ヴェルディ作曲)

 
第2部
「アマルコルド」(ロータ作曲)
映画『ウェスト・サイド・ストーリー』より「マリア」(バーンスタイン作曲)
映画『ゴッドファーザー』より「愛のテーマ」(ロータ作曲)
映画『ミッション』より「ガブリエルのオーボエ」(モリコーネ作曲)
「魅惑の瞳」(デンツァ作曲)
映画『オペラ座の怪人』より「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」(ロイド・ウェバー作曲)
映画『ニューオリンズの美女』より「ビー・マイ・ラヴ」(ブロドスキー作曲)
「ニュー・シネマ・パラダイス」(モリコーネ作曲)
映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』より「ポル・ウナ・カベサ」(カルデル作曲)
映画『トップ・ハット』より「チーク・トゥ・チーク」(バーリン作曲)
「大いなる世界」(サルトーリ作曲)

 
アンコール
映画『グラディエーター』より「ついに自由に」(ジマー作曲)
「タイム・トゥ・セイ・グッバイ」(サルトーリ作曲)
歌劇『トゥーランドット』より「誰も寝てはならぬ」(プッチーニ)

 

音源情報
アンドレア・ボチェッリ『シネマ ~永遠の愛の物語 [デラックス・ツアー・エディション]』
【SHM-CD】【+DVD】 商品番号      UCCS-9044
発売日:2016年04月22日 価格:5,000円(税込)

 

収録内容
01. マリア ~『ウェスト・サイド・ストーリー』(1961米)
02. ララのテーマ ~『ドクトル・ジバゴ』(1965米)
03. ムーン・リバー ~『ティファニーで朝食を』(1961米)
04. デボラのテーマ ~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』『マレーナ』(1984米) duet with アリアナ・グランデ
05. ビー・マイ・ラヴ ~『ニューオーリンズの美女』(1950米)
06. ミュージック・オブ・ザ・ナイト ~『オペラ座の怪人』(1925米)
07. 愛のテーマ ~『ゴッドファーザー』(1972米)
08. ポル・ウナ・カベサ ~『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』(1992米)
09. ドント・クライ・フォー・ミー・アルゼンチーナ ~『エビータ』(1992米) duet with ニコール・シャージンガー
10. 愛とは素晴らしいもの~『慕情』(1955米)
11. ミ・マンケライ ~『イル・ポスティーノ』(1994伊)
12. チーク・トゥ・チーク ~『トップ・ハット』(1935米)duet with ヴェロニカ・ベルティ
13. ライフ・イズ・ビューティフル ~『ライフ・イズ・ビューティフル』(1997伊)
14. ある愛の詩 ~『ある愛の詩』(1970米)
15. オール・マン・リバー ~『ショーボート』(1951米)
16. ついに自由に ~『グラディエーター』(2000米)
[日本盤ボーナス・トラック]
17. ドント・クライ・フォー・ミー・アルゼンチーナ ~『エビータ』(1996米) duet with サラ・オレイン ボーナストラック
[デラックス・ツアー・エディション・ボーナス・トラック(未発表音源)]
18. もしも ~『ニュー・シネマ・パラダイス』 ボーナストラック
19. さよならの前に ~『ある愛の詩』 ボーナストラック

 
特典DVD
01. 『PBS Cinema TV Special 』(約80分)