『VIVA LA ROCK 2016』オフィシャル・クイックレポート BIGMAMA
BIGMAMA 撮影=TEPPEI
『VIVA LA ROCK 2016』2016.5.29 さいたまスーパーアリーナ
STAR STAGE BIGMAMA
「3年前、僕らがこのフェスの最初の一音目を鳴らしたバンド、BIGMAMAです」
金井政人(Vo&G)はそんなふうに自己紹介をした。STAR STAGEの初日の一番手を飾った2014年から、VIVA LA ROCKとBIGMAMAは特別な関係を結び続けている。互いにとって、大切なフェス、大切なバンドであり続けている。
BIGMAMA 撮影=TEPPEI
5人はベートーベンの“第九”をSEに登場。もともとはメロディック・パンク・シーンから登場したBIGMAMAは、デビューから10年で、その音楽の描き出すものを、より色鮮やかに、より深く、洗練されたものにしてきた。インディ・ロックやエレクトロニカやダンス・ミュージック、さらにはクラシックの要素を旺盛に取り込み、スケール感を増していった。新曲“SPECIALS”からスタートしたこの日のセットリストは、そんな彼らの歩みを感じさせるようなもの。そして、「みなさんをぼくらの音楽でめちゃめちゃ深いところまで、高いところまで連れていこうと思います」と金井が語ったように、さまざまなやり方でオーディエンスを彼らの音楽の世界に引き込んでいくようなステージだった。
BIGMAMA 撮影=TEPPEI
サティの“ジムノペティ”を引用した“Royalize”では「一緒にひとつの景色を作りたいんです」とオーディエンスにタオルを掲げさせ、続くバラード“Lovers in a Suitcase”では、エモーショナルなメロディを客席にあずけてシンガロングさせる。“MUTOPIA”では四つ打ちのダンスビートで踊らせる。そしてラストは“荒狂曲"シンセカイ"”。疾走するビートと東出真緒 (Strings&Vo)のバイオリン、金井と柿沼広也 (G&Vo)の歌声でクライマックスへと上り詰める。
BIGMAMA 撮影=TEPPEI
BIGMAMA 撮影=TEPPEI
10年の歩みの中で、彼らは多面体のようなバンドになっていた。ラウドでファストにぶっ飛ばす熱量も、ロマンティックな陶酔感も、目の前のオーディエンスを楽しませるサービス精神も、いろんなものを持ち合わせるバンドになっていた。
そういうものを見せるステージだった。
撮影=TEPPEI レポート・文=柴 那典
BIGMAMA 撮影=TEPPEI
STAR STAGE BIGMAMA