森田剛、濱田岳、吉田監督による映画『ヒメアノ~ル』舞台挨拶【詳細】レポート
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吉田恵輔、濱田岳
映画「ヒメアノ~ル」の大ヒットを記念して行われた舞台挨拶が、11日(土)TOHOシネマズ六本木にて行われた。
この日、実は主演の森田剛と濱田岳、そして吉田恵輔監督が観客と一緒に映画を鑑賞するというサプライズ企画が進行。鑑賞後、司会がその企画を説明するとざわつく場内。そして「プレミアシートにご注目ください!」という言葉とともに、スポットライトで照らされた中にはまぎれもなく3人の姿が!悲鳴のような歓声が沸き起こる中、まぶしいライトの光を時々手で隠しながら森田を先頭に3人は客席通路を通ってステージ上へ移動した。
この日の舞台挨拶の模様はすでに速報でお届けしているが、こちらではできるだけ詳細にお伝えする。 (※以下、ネタバレのため一部加工しています)
まずは森田。「こういう形でみなさんとお会いできて本当にうれしいです。皆さんと一緒に映画を観るという、貴重な体験をさせてもらいました」と挨拶。続いて濱田が「森田さんの狂気、ムロ(ツヨシ)くんの変態っぷり、そして僕のもち肌、いかがでしたでしょうか?」と笑いをとる。最後に吉田が「映画を観た後にしゃべるの、初めてなんだけど、テンション上げづらいってことがわかったね」というと、その言葉に共感したように苦笑する森田と濱田。「あと、本編中にガッくん(濱田)の耳の形が気になっちゃって気になっちゃって、全然集中できなかったです!」と唐突に吉田が言い出すと、「なんか…すみません」と返す濱田。
今回のサプライズ登場は、先日イタリアで催された第18回ウーディネ・ファーイースト映画祭で観客とともに映画を鑑賞した経験をもとに、日本の映画館でも同じような形でやりたい、という森田の発案だったという。「向こう(イタリア)で観たときより、日本のお客さんは静かで集中して観れました。向こうの人はゲラゲラ笑っていたんで、特に前半部分。日本ならではの映画ということもあるので、皆さんすごく集中して観られているなあと一緒に観ていて感じました」と感想を述べた森田。
濱田も「よかった。みんなで笑ってくれたり、ザワザワっとする感覚とかね」と相槌を打つ。
吉田は封切初日を振り返って「大体初日の夕方くらいになると、どの程度の客の入りかが見えてくるんだけど、今回はプロデューサーがものすごくご機嫌な顔をしていたから、あ、いつも見慣れないプロデューサーの顔を見たぞ!よかった、とその日は楽しくお酒を飲めました」とリアルな感想を口にした。「でも、まだまだ(上映を)伸ばしていきたいと思うので…みなさん広めてくださ~い」と吉田独特のふわっとした話し方に笑いと拍手が沸き起こっていた。
吉田恵輔 映画『ヒメアノ~ル』舞台挨拶
公開後、多くの有名人が本作を鑑賞し、さまざまな感想がSNSを通じて拡散されてきた。その流れを受け、この日は本作を鑑賞したお客様からの質問に3人が答えていく企画が催された。
質問BOXからカードを取り出し、読み上げる形で進行することになったが、最初は森田が自分宛の質問を引き当てる。「たくさんの森田の声が聴こえるシーンで、叫んだり冷静だったりといろいろな声を出していますが、それぞれどんなことを思いながら声を出していたか?」とつとつと読み上げる森田。観客に伝わっていたのか心配し、あえて質問を復唱した司会に「ちゃんと(観客にも)聞こえていたよ」と吉田がツッこむ。その言葉にニヤっと反応しつつ、森田は「何も考えてないんですよ。アフレコなので。撮影が終わってちょっと経ってからスタジオで『これ、言って』と監督からいただいたセリフを映像を観ながらいただいて収録したんです」吉田も「いろいろなセリフをいただいておいて、あとで編集する際にいい感じのをハメていこう、ってことで。…あんまりおもしろくない答えになっちゃったかなあ」と苦笑い。
濱田が引いたのは吉田への質問。「最後はもともとあのような感じにしたかったのか? それとも森田剛くんが演じるからああなったのか?」
吉田は「最初は、ユカと岡田のシーンで終わることも考えていた。二人が一緒に暮らし始めて、家電を買いに行ったときに『ねえ、冷蔵庫いいのがあったよ』とやり取りしている背景のTVに森田の映像がぶわっとあって、嫌~な感じで終わるというのも考えていた。でもそれをやると「本当に俺、嫌われそうだ」と思って。少し優しい俺が出てしまいました」と回答する吉田。「これはまあまあいい質問だね」と二人に同意を求めると、司会から「質問を採点しないでください。質問した人が今日観ているかもしれないから」とツッコまれていた。
吉田が引き当てたのは濱田への質問。「森田ばかりが悪いと見られてますが、いちばん人間らしく恐ろしいのは岡田ではないか?そんな岡田をどう思うか?」
濱田は「ええー!ここで俺、責められてるのかなあ」
吉田「どう思ってんだよ」
濱田「確かに現実的ですしね。安藤さんをだまそうともしているし、でもしっかりそういわれると岡田も悪いやつだと思いました。(観客をみて)これでいいか!?」
質問は2週目に。
吉田への質問「また森田さんや濱田さんと映画を撮りたいと思いますか? 撮る場合、どんな作品を撮りたいですか?」
吉田「森田くんだったら、一番森田くんが嫌がりそうな“壁ドン”のバーン!みたいな感じのをね」
森田「監督、それずっと言ってますよね(笑)」
吉田「それで、壁ドンが入ったら俺はこういうアングルで撮って(吉田が森田の顔の左側からギリギリでカメラを回す実演つき。森田はいやそうな苦笑いを浮かべる)それで、森田くんがものすごくゾッとするようなセリフをそこでいっぱい書きたいね」
その言葉に森田は「いじめだね、これは」とぼやきながら笑う。
一方、濱田については「ガッくんはなんか…あんまり思いつかない!」
これには苦笑しながら濱田が「嘘でもいいからさあ…」と何かしらの答えを期待する。
すると吉田は「普通の人! 普通の人やろう!また普通の人でいきます」と回答。
濱田はしぶしぶ「わかりました!」と返していた。
濱田岳 映画『ヒメアノ~ル』舞台挨拶
「逆に、お二人が監督と映画作品を作るとなったらどんな役がやりたいか?」と司会から振られると、森田は「ご一緒できるなら何でも」とコメント。すると、吉田が嬉しそうに「壁ドンね♪」と口を挟む。これには「壁ドンは…できないなあ、俺」という森田に、やってほしいとばかりに観客から拍手が沸き起こる。「いや、できないなあ。膝が笑っちゃう」と、両膝をガクガク揺らす森田。「でも監督と一緒に作品は作りたいです」と言うと、吉田は「10分に1回壁ドン♪手当たり次第ドンする話で」とさらに話を大きくしていくので、森田はたまらず「多いな!」濱田からも「暴力だよね、それ」とツッコまれていた。
吉田への質問。「監督のやさしさが出たというあのシーンですが、私はそこでこの映画が余計に怖く感じた。普通の子に潜む闇を感じました。なぜあんな内容にしたのですか?」
吉田「一歩先を見る質問をしてきたね。マジメに話すと45分くらいかかるけど、優しさもあるけど、もちろん俺の中では両方の気持ちがあるというか、そこに向けての残酷さも描いているという気持ちがある。(質問者に)その見方は間違いじゃないですよ!」
濱田への質問。「原作を超えよう、が合言葉だったそうですが、超えられたと思いますか?」
濱田「あれだけ強烈な漫画があるので、どうせならね…とユルく思いつつ撮影を進めていたんですが、撮影の矢先にユカちゃんの友達役の人が出てきたんです…。原作をお読みになっている方がわかると思うのですが、アイツ、原作を超えてますよね?いとも簡単に原作を超えてきたので、『これはヤラれたぞ、ムロくん!俺たちはもう敵わねえ!』そこから自分たちのオリジナリティで頑張ろうと踏ん切りをつけました」
吉田「…ってことは原作を超えた?」
濱田「うーん、普通(笑)。映画オリジナルという意味では自信をもってオススメできますね」
その回答に、言葉を選びますねえと突っ込まれると「大人になりました!」と返す濱田。
吉田への質問。「森田と岡田が居酒屋で語る場面。緑茶ハイが増えていませんか?二度三度観て気が付いたんですが」
吉田はやや動揺を見せるも「増えてる??…じゃ増えてるんじゃないの?映画って増えたり減ったりするんだけど、知らなかったの?緑茶ハイってすごい増えるんだよ!」としれっと回答。
「何度も観る方に特に注目してほしいところは?」という問いには「細かい演技を。森田がパチンコをしていて、席を離れようとしたときに、ついコーヒーを忘れてて、立ったけどすぐまた席に戻ったり。また、岡田がユカの過去の経験を聞こうとしているときに、ずーっと肩をポリポリ掻いていたりとか、そういう細かい技を発見していこう!」とコメントしていた。
この質問には森田も「皆さんの何とも言えない表情っすかね。面白いなと思ったしうまいなと思った」そして濱田は「緑茶ハイが増えたとかそういう奇跡が起きたとかいう話もありますが、安藤さん(ムロ)が撃たれるときに、いくら拳銃でも撃った→当たりました、までは多少時間があると思うんです。でも安藤さんはものすごいスピードで弾が当たっていた」
「(安藤は)予知能力者だったんじゃないの?」と返す吉田に、濱田は「そういうことか!予知してたのかなあ…でもそれ、役者としてはダメなほうではないかと(笑)」
濱田岳、吉田恵輔 映画『ヒメアノ~ル』舞台挨拶
森田への質問。「いちばんつらかった撮影シーンは?」
森田「どこだろうなあ…居酒屋も結構タバコとかいっぱい吸ってきつかったし、警察官との取っ組み合いは体力的にきつかったし。終わったあとも腕がぶらんぶらんで力が入らないくらいになってた」とブラブラになった腕を再現。
さらに森田に「一番印象に残った監督の言葉は?」との質問が。
森田「撮影途中から『俺は乗ってる!乗ってきた!』といわれた。これは監督についていくしかないかなと。本当にずっと言い続けてきたので」
吉田「俺、乗ってたからね。乗ってるときに俺、そういうじゃん?」ニヤニヤしながらその当時のことを思い出す二人。
濱田にも同じ質問が振られたが「俺とムロくんのパートには監督は一切来ないんですよ」吉田「俺、ずっと音ゲーしてからね。ああ、いいよ!って時々声かけるくらいで」
濱田「だから俺とムロくんはあまり演出してもらった記憶がない」
吉田「佐津川愛美さんがやるときは近づいていたよね」
濱田「ええ、ものすごく」
濱田・ムロパートに監督がいなかったのは、二人に信頼を置いているから?とフォローが入ると、
吉田「ううん、休憩場所!」
「それ、言い過ぎでしょ」と濱田がたしなめると「オンオフが大事だから」と返す吉田。「オフっちゃダメでしょ!」とさらに濱田から注意されていた。
吉田の「乗ってる!」という言葉をぜひ今後使ってほしい、と勧められた森田と濱田は、その後、司会から「乗ってますか?」と言われ「乗ってる!」「乗ってる乗ってる!」と無理やり合わせ、そして三人で顔を見合わせながら何度も笑いあっていた。
ここまで行われた各地での試写会、初日舞台挨拶と、何度か観客の前に姿を現してきた三人。作品の反響が予想以上に大きいことで自信を持ったのか、今まで見せていた緊張感はほとんどなく、非常にリラックスした状態でトークを楽しんでいるようだった。
■出演:森田剛 濱田岳 佐津川愛美 ムロツヨシ
■原作:古谷 実「ヒメアノ~ル」(ヤングマガジンKC所載)
■監督・脚本:吉田恵輔
■音楽:野村卓史
■公式サイト:http://www.himeanole-movie.com/