夏代孝明×Eve 初のツーマンライブをレポート「4年やってきたことをライブの中身に反映できた」
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『なついぶ! ~rainy~』 2016.6.18 新宿ReNY
歌い手の夏代孝明とEveによる初のツーマンライブ『なついぶ! ~rainy~』が6月18日、新宿ReNYにて開催された。
「ライブ全体を通しての演出が今までの僕たちとは全然違うものになってると思う」(Eve)
「ツーマンを計画してから、いろいろと話していくうちにこだわりたいものが増えていって、今回そのほとんどが叶ったんです」(夏代)
事前のインタビューで彼らが話していたように、これまでの4年間と新たな2人がギュッと詰まったライブだった。
ステージの前に用意された一枚の紗幕。ライブタイトルにも“rainy”とあるように、流される雨音と連携して映像が映し出され、ザーっと強く鳴る雨音がライブ前特融の高揚する気持ちをさらに高める。二階席からステージを見ていると、紗幕の後ろにスタンバイする様子が見え、どこか緊張した表情の2人が居た。が、幕が落ちる直前に客席の大歓声が聴こえた瞬間、目を輝かせながら一瞬フっと笑ってみせた――きっと心で感じたことがそのまま表情に現れたのだろうと今となっては思う。幕が落ち2人が現れると悲鳴に似た歓声が上がる中、ライブ定番ボカロ曲「夜咄ディセイブ」「イドラのサーカス」が放たれ、煽りまくる2人に会場のテンションはライブ冒頭にも関わらず一気にピークへと達した。
そのままEveが残り歌われた「右に曲ガール」では、フロアも一体となって<ダラステイラ・ダラステイ>のフレーズを叫ぶ。ライブ初披露となった「ライブラ」では自身もギターを弾き、客席の<ワン・ツー>の掛け声とハンドクラップのタイミングがバッチリで満足げな表情を見せた「ないものねだり」で、Eveのソロパートは終了。
Eve
夏代が登場し「……俺の水がない」と訴えると、Eveが「1発目の曲でこぼしちゃった。“飛べー!(あっ)”って(笑)」など、ライブならではのハプニングを彼ららしい口ぶりで話す。そんなMCもこの2人ならではだ。「せっかく2人揃ったので、2人で歌ってもいいですか!!」と、再びコラボ曲「いーあるふぁんくらぶ」へ。合いの手、掛け声、ジャンプで最高の盛り上がりを見せ、夏代へバトンが渡る。
「東京飛ぶぞ!」との煽りで披露された「バレリーコ」で会場がさらに熱を増したかと思えば、一筋のライトが夏代を照らす中、HYの「366日」を情感たっぷりに歌い上げる。そして、バックにMVを流しながら届けられた1stシングル「クロノグラフ」では、エモーショナルな歌声でオーディエンスを魅了した。
「俺たち最大の課題と言われた、究極に難しい曲を」。スタジオに入ってずっと2人で練習したにも関わらず、夏代はリハで噛んでしまったという苦いエピソードを明かした後に「脳漿炸裂ガール」へ。結果としては、夏代が中盤で噛んでしまったのだが、それに対して声援を送ったり、成功した時には客席も喜びの声を上げたりと、ある意味ファン参加型のステージとなり、ラストは会場が一体となって歌われた「神のまにまに」で本編を締めくくる。
夏代孝明
客席からのアツいアンコールに応え再び2人が登場。出会いからの4年を振り返ったり、ライブにまつわるエピソードなどを和やかな雰囲気の中、長めにトーク。楽しげに仲良く話している姿を見ていると、時間の縛りがなければずっと話しているんだろうなぁと思うほど(笑)。Eveが「じゃあ、最後の曲いきますか……」と名残惜しそうに伝え、「シュガーソングとビターステップ」で初のツーマンライブは大団円を迎えた。
Eveが最後に「4年やってきたことをライブの中身に反映できたなと思います」と話していたことが胸にスッと入ってきて、常々2人が言っている「オリジナル曲もやりたい」という言葉とリンクした。この4年間、2人は様々なライブへ出演、ワンマンライブ、多くの“歌ってみた”動画を投稿。そこで披露してきた彼らと縁のあるボカロ曲やJ-POPカバーをこの日ファンへ直接届けた。今回のライブは4年の活動の区切り、そして、新たなスタートとなったのではないだろうか。現状に満足することなくチャレンジし続ける彼らを応援したい。心からそう思った夜だった。
撮影=菊池貴裕 レポート・文=柴山恵美
発売記念ワンマンライブツアー 2016
8/6 (土) 名古屋ボトムライン(愛知)
8/7 (日) Music Club JANUS(大阪)
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スタンディング 3,500円(税込)
Yahoo!
2016年6月23日(木)15:00~2016年6月28日(火)23:59
http://r.y-tickets.jp/natsushiro1601